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就職偏差値とは
就職偏差値とは、新卒就活における内定難易度を表したものです。
もともと、X(旧Twitter)でトレンドに入ったのがきっかけでバズった就活ワードであり、高校や大学入試の際に参考にされる学力偏差値になぞらえて作成されました。
Xで一部のユーザーが作成していたものが、そのうち正式に調査する組織までできあがり、毎年新卒の就活生が注目するひとつの指標になったのです。
就職偏差値はランキング形式で発表されている
情報交換の掲示板である2ch就職版の情報をもとにして就職偏差値ランキング委員会というコミュニティが作成して、発表を行っています。
企業の既存社員や内定者の学歴とその大学の偏差値をはじめ、人気度や応募倍率などをもとに偏差値を出してランキング形式で発表されています。
就活市場からも就職偏差値ランキングを紹介する記事を出していますので、まだ見ていない方はぜひご覧ください。
就活偏差値の数字の信ぴょう性
就職偏差値の数値は2ch就職版の情報を元に就職偏差値ランキング委員会という集団が、独自に出している数値です。
就活にあたって就活生が自分の学歴や能力などに応じてエントリーする企業を選びやすくすることや将来性を考えて企業選びができるようにと、参考的な目安を示している数値となります。
企業の人気度や規模や知名度、応募倍率や定員や実際の入社数などの情報や口コミ情報などを元に作成されており、必ずしも企業が正式に公表している数値やデータに基づくものではありません。
70の頂点に君臨する企業をSSランク、67~69まではSランクであり、入社できれば自慢し放題レベル、 66~60まではAランクで人生勝ち逃げレベル、58~59はBランクですが、それでも勝ち組の壁をクリアできるレベルと評価されます。
就職偏差値は大学の偏差値とは異なる
そもそも偏差値というのは、あるテストを受けた集団の中で自分がどれくらいの位置にいるかを表す数値です。
平均点を偏差値50になるように変換し、その人の点数が50の基準からどれくらい高い点数、または点数だったかの位置づけを表すものです。
木下恵利
偏差値は、特定のテストを受けた集団の中で自分の位置を示す数値です。平均点を偏差値50とし、その基準からどれくらい高いか低いかを示します。
また、大学受験の大学選びで指標となっていた大学の偏差値は、予備校などが独自に算出しており、特定の大学のある学部を受験する人の予備校などの模試で偏差値と入試が終わった後の追跡調査で判明した合否などを総合し、偏差値どのくらいの人がそこに何%くらい合格するかといった指標を示しています。
就活偏差値はテストの結果や得点分布に基づくものではないので、大学受験で参考にしていた偏差値とは異なります。
就職偏差値を大学の偏差値と比べるのはNG
就職偏差値はあくまでも、応募するにあたってのハードルの高さを示すことや内定の貰いやすさなどの参考指標に過ぎません。
就職偏差値ランキング委員会でも、正確性/最新性/有用性などそのほか一切の事項についていかなる保証をするものでもないと免責事項で公言しています。
大学の偏差値とも一致しないので、たとえば、偏差値56レベルの大学の出身者や高校時代の偏差値が55くらいだったという方が、就職偏差値70の企業に絶対に受からないということを示すものではありません。
一方で、学生時代は偏差値75だったから、就職偏差値70のSSランクに楽々受かるわけでもないのです。
大学受験が主にテストの点数で評価されるのに対し、就活はあくまで人そのものを見て判断されるからです。
就職偏差値はあくまで参考までにする
就活の選考は大学受験のように点数が良い人を順に合格させるものではありません。
企業として必要な人材であるかを、能力や人柄、社風に合うか、採用する新卒のバランスや組織全体のバランスなども踏まえて選考されます。
企業が強化したい事業の方向性が異なる場合や経営戦略などが変更されれば、その年によりほしい人材も異なってきます。
木下恵利
就活の選考は大学受験のように点数で合否が決まるものではありません。企業は能力や人柄、社風への適合性、新卒入社数のバランスなど、全体を考慮して選考します。また、企業の事業強化の方向性や経営戦略の変更によって、求める人材は年ごとに変わることもあります。
大学の学力偏差値が75であっても、文系の方やまったく専攻分野が異なる理系の方がSSランクを志望しても、選考に通らない可能性も高いです。
一方、学力偏差値は60であっても、企業が新たな開発のために求めている知識や技術を大学で徹底して学んできた学生なら、喉から手が出るほどほしい人材であるケースもあり得ます。
あくまでも、ライバルがどのくらい多く、内定を貰うにはどのくらい力を注ぐ必要があるかを示す参考指標として活用しましょう。
就職偏差値はあくまで目安として利用し、企業が求める能力や適性を重視してください。自分の強みを活かせる企業を選び、準備をしっかり行いましょう。
無料でできる強み診断ツールを使って自分の強みを知ることで、向いている仕事や活躍できる場所を把握することが可能です。
就職偏差値に関係してくる要素とは?
就職偏差値を見ていただきましたが、そもそもどんな要素が就職偏差値に関係しているのでしょうか?
一覧を見ながら、この企業はなぜ就職偏差値が高いのかを考えてみましょう。
- 優良企業かどうか
- 人気のある業界かどうか
- 就職難易度が高いかどうか
1.優良企業かどうか
1点目は優良企業かどうかです。
いわゆるホワイト企業であったり、残業が少ない、福利厚生が良い、などといった企業は、業績が良く、予算に余裕のある企業が多いため、就職偏差値が高い傾向にあります。
また、優良企業かつ有名企業であれば、大学変多くの就活生が応募するため、相対的に選考に通る就活生の割合も減っています。
優良企業かどうかは重要なポイントです。ホワイト企業や福利厚生が良い企業は業績が良く、予算に余裕があるため、就職偏差値が高くなる傾向にあります。また、有名で優良な企業は応募者が多いため、選考通過率が低くなります。
2.人気のある業界かどうか
2点目は、人気のある業界かどうかです。
例えば、マーケティング業界や金融業界、大手商社などです。
これらの業界はとても人気が高く、優秀な学生が多く集まるため、就職偏差値が高くなる傾向があります。
近年、企業の人気度は年収によっても変化しています。例えば、SSランクからSランクの企業であれば、30代までに年収1/000万円も夢ではありません。そんな夢のある年収を狙える企業は、自ずと人気度が高くなっていき、就職偏差値も高くなります。
3.就職難易度が高いかどうか
最後に、その企業の就職難易度が高いかどうかです。
就職難易度には、応募者の数、採用枠の数、選考通過率などが関係しています。
例えば、そもそもESで90%近くが落とされる、スカウトでしか採用をしていない、エージェント利用をしていないと応募ができない、などといった難関企業が挙げられます。
こういった就職難易度は、就職偏差値の高さに直結しています。
4.業績の高い企業なのかどうか
業績が高い企業は、就職偏差値が高くなりやすいです。
利益が上がれば上がるほど、従業員の福利厚生に回せるお金も増えていきます。
そのため、大企業はホワイト企業と呼ばれる企業が多く、人気も高くなり、就職が難しくなります。
また、純粋に、利益が上がっている企業はビッグディールと呼ばれる大規模な案件を抱えていることが少なくありません。
そうなると、学生に求められるレベルは必然的に高くなり、内定の獲得には十分な対策と過去経験、能力が求められることになります。
就職偏差値の基準になる業績は、以下の指標などを参考にしてみてください。
- 決算: 企業の業績を明らかにする手続き
- 決算短信: 決算結果をまとめた書類
- 有価証券報告書: 事業年度ごとに作成される資料
- 本決算: 企業の1年間の決算
- 証券コード: 上場企業を識別するための4桁のコード
時価総額が高い企業は就職偏差値も高い
時価総額とは、現在の株価に発行済株式数をかけて求められる数値で、企業の価値や規模を評価する重要な指標のひとつです。
時価総額ランキングは、日本経済を牽引する企業の写絵ともいえます。
就職偏差値とともにみてみましょう。
時価総額ランキング(2024年6月28日の株価を参照)
順位 | 企業名 | 時価総額 | 偏差値 |
---|---|---|---|
1位 | トヨタ自動車 | 52兆9655億円 | 65 |
2位 | 三菱UFJFG | 21兆3319億円 | 66(文系) |
3位 | キーエンス | 17兆1583億円 | 65(理系) |
4位 | ソニーグループ | 17兆0311億円 | 62 |
5位 | 日立製作所 | 16兆6962億円 | 63(理系) |
6位 | 東京エレクトロン | 16兆4599億円 | 61(理系) |
7位 | ソフトバンクグループ | 15兆2732億円 | 56 |
8位 | リクルートHD | 14兆2001億円 | (発表なし) |
9位 | 三井住友FG | 14兆1290億円 | 64 |
10位 | 日本通信電話 | 13兆7455億円 | (発表なし) |
就職偏差値が発表されている全ての企業がAランク以上に位置することがわかります。
世間的に注目されている企業ほど、やはり就活生からの注目も大きいのでしょう。
就職偏差値が高い企業に入社できたら勝ち組?
就活ではよく「勝ち組」「負け組」という表現を聞きます。
「勝ち組」とは「良い企業に入れたから安泰だ」「将来が約束された」というような意味で使われる、就活成功を表すネットスラングです。
では、就職偏差値との関わりはどうなのでしょうか?
結論、必ずしも就職偏差値の高い企業に入社できたことが「勝ち組」を意味するとは言えません。
もちろん、大手企業や外資系企業に入社できれば、高い収入や安定したキャリア、福利厚生を受けることができ、社会的に成功した、と捉えられるでしょう。
しかし、個人ごとにその企業の社風や働き方があっているかどうか、仕事内容に充実感があるかどうかは異なります。
自分にとっての「勝ち組」「負け組」が何かをしっかり考えることが大切です。
就職偏差値、就職難易度にとらわれすぎないことが大切
大学で考えてみましょう。例えば、誰でも入れるような、偏差値の低い大学があったとします。
そこへ入学することは、世間一般からみれば、大学受験を諦めたと思われるかもしれません。
しかし、その大学に入学したからといって人生が終わるわけではありませんし、そこで出会った仲間と切磋琢磨するうちに起業に至る可能性だってあるわけです。
就職偏差値に囚われすぎると、その企業の内情や仕事内容、働き方、社風など他の重要な要素を見逃してしまいがちになります。
最も大切なのは、あなた自身のキャリアビジョンや価値観にあった企業を探して入社することです。
自分の就職偏差値を知る方法
ここまで企業の就職偏差値を紹介してきました。
受験では自分の学力偏差値と志望校の学力偏差値を比べることでその差を埋めるために勉強していたことが多いと思います。
就活でも同じように自分の就職偏差値や現状を知ってからいきたい企業との差を埋めていくことで内定を獲得することができるようになります。
ここでは、自分の偏差値を知るためにできることを紹介していきますが、ここでいう就職偏差値とはただの目安に過ぎないため、あまり気にし過ぎないようにしてください。
- 就職偏差値診断を受けてみる
- 大学の就職偏差値から計算してみる
1.就職偏差値診断を受けてみる
1つ目は、就職偏差値診断を受けてみることです。
就職偏差値診断とは、就活市場が提供しているLINEツールで、無料で自分の就職偏差値を測定することができるツールです。
木下恵利
就職偏差値診断をすることで自分の現状がわかるほか、どのレベルの企業を受ければ受かりやすいかを認識することもできるので、高いレベルの企業を目指している人にこそおすすめです。
2.大学の就職偏差値から計算してみる
2つ目は、大学の就職偏差値から計算してみるを集めることです。
自分の偏差値を知るためには、自分が通っている大学の就職偏差値に、自分だけのステータスとなるものを足していきましょう。
例えば、長期インターンをしている、部活動で全国大学会に出場したことがある、といったステータスがある場合は+5をしてみてもよいでしょう。
ただし、あくまで主観と推測で測定することになるため、あくまで参考値であることは忘れないでください。
就職偏差値上位の企業に受かるためには?
SSランクの企業に受かるにはどうしたらいいのでしょうか。
SSランクには文系も理系も知名度が高く、専門性や能力が求められる企業が目立ちます。
さらに学歴や学校の偏差値が高いだけでは不十分で、行動力やコミュニケーション力などビジネスをしていくうえで高い能力が要求される企業が並びます。
応募者も多く、学歴などから見れば同じレベルの人ばかりなので競争も厳しいです。
そのうえ、書類選考に始まり、グループ面接や個別面接など何度もの面接が重ねられるなど、内定を得るまでに複数の選考をクリアしなくてはなりません。
どうすればSSランクに受かるのか、ポイントを押さえておきましょう。
- なぜその企業に就職したいのかを明確にする
- 将来なりたい姿をイメージする
- 就活のプロに相談する
- 自分の強みをとにかく見出す
- その会社であなたはどんな貢献ができるかアピールする
- 会社で何を成し遂げたいかをアピールする
1.なぜその企業に就職したいのかを明確にする
どの企業においてもいえることですが、なぜ、その企業を選んだのか、なぜ、その企業で仕事をしたいのかを明確にしましょう。
レベル的には同じ就活生がエントリーしますから、学歴やTOEICの点数、留学経験などだけで選んでもらえるものではありません。
ハイレベルな闘いの中でも、特にこの人はと思わせる、その企業でなければならない理由と、その企業にどう貢献できるのか、自分の能力と想いをアピールしましょう。
木下恵利
企業を選ぶ理由と、自分がどのように貢献できるかをしっかり伝えましょう。自分の能力と熱意を具体的に示すことで、他の就活生との差別化が図れます。
2.将来なりたい姿をイメージする
将来の希望として管理職になって後進の育成をしたいとか、企業の成長に役立つ新しいプロジェクトに関わりたいなどと言うのは簡単です。
こうした内容はその企業でなくても良く、どの企業でも通用する将来の姿です。
SSランクに受かりたいなら、その企業でどう成長していきたいかをしっかりと考えて伝えることが大切です。
自分の将来イメージが、その企業でないとできないこと、その企業でないと成し得ないことを具体的に描いてアピールしましょう。
木下恵利
自分がその企業でどのように成長し、何を成し遂げたいかを明確にしましょう。その企業でしか実現できない将来像を具体的に描いてアピールすることが重要です。
3.就活のプロに相談する
SSランクには同じようなレベルの人が集まり、学歴や能力レベル的には比較や優劣がつきにくい人ばかりがエントリーしてきます。
そのため、志望動機や自己PRなど、その人の個性やその人の想いを伝えられる点で差をつけなくてはなりません。
志望動機や自己PRの書き方ノウハウなどもネットなどで情報を得られるため、SSランクを志望するレベルの人になると、エントリーシートの内容や面接の回答もかなり整った状態です。
そこから先に抜け出すには、就活のプロの手を借りるのがオススメです。
エントリーシートの書き方や面接の受け答えのノウハウをネットで見て参考にするだけでなく、より具体的にマンツーマンで指導を受けるようにすれば、一般的な成功ノウハウではなく、その人が受かるためのノウハウやアドバイスが伝授されます。
[コラム]適性検査と就職偏差値
適性検査の得点は標準得点と呼ばれます。
20から80の偏差値で評価されており、能力が平均からどれくらい離れているか、という指標で算出されます。
そのため、偏差値が高いほど、また低いほど出現率は低くなります。
就職偏差値も同じ考え方で、一般的な企業の就職難易度を平均とした時に、比較的に入社が難しいと思われる企業が就職偏差値上位にランクインしています。
この理論を応用すれば、適性検査の得点から、自分の就職偏差値を導き出すことができるかもしれませんね。
就職偏差値ランキングを参考にして就活を進めよう
就職偏差値ランキングを参考して就活を進めていくことで、自分が挑もうとしている企業がどの程度の難易度なのか、それに対して自分はどの程度の位置にいるのか、というところを把握した状態で進めていくことができます。
自分が目指す場所に対する進捗がわかっていることがとても大切なので、ぜひ参考にして就活を進めましょう。
ただし、盲信するのもNGです。
あくまで参考値ですので、実際に説明会に参加したり、過去に選考を受けた先輩の話を聞くなどして、自分の目で確かめるようにしていきましょう。
就活市場では、業界ごとの就職偏差値ランキングも解説していますので、受ける業界や企業が決まっている方はぜひそちらも併せて参考にしてください。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート
木下恵利
就職偏差値の数値は、2ch就職版の情報を基に就職偏差値ランキング委員会が独自に算出したものです。就活生が自分の学歴や能力に応じて企業を選びやすくするための参考指標となっています。