はじめに
興味のある企業に勤める社会人の話を直に聞くことができるOB訪問。しかし、社会人と会って仕事の話をするという体験は、就活をスタートさせたばかりのほとんどの学生にとって初めての体験なのではないでしょうか。
初めての体験には不安がつきもの。「OB訪問にどのような服装で行けばよいか」という点も、多くの学生が迷うポイントだと思います。
結論からいうと、OB訪問は社会人と会って話をするというビジネスの場であるため、特に指定がなければスーツを選ぶことをおすすめします。
印象の良いスーツの選び方や、コートを着ているときのマナーもご紹介しますので、OB訪問に臨む前にぜひチェックしてくださいね!
OB訪問はスーツが無難
OB訪問の際に仕事の話を聞く相手は、同じ大学の先輩である場合がほとんどです。全く共通点のない社会人が相手ではないので、少しくだけた服装でもよいかと考える人もいるかもしれませんが、基本的にはスーツを着用したほうがよいでしょう。
業種や職種、平日か休日かにもよりますが、社会人のビジネスの場における服装はスーツが一般的です。
OB訪問の相手も、仕事に関する話をするために時間を作っているので、スーツを着ている場合が多いでしょう。
相手の服装を想定し、それに合わせた服装ができるということも、社会人に求められる能力の1つです。服装に指定がない場合は、社会人としての素養があるということを簡単にアピールするためにも、スーツを着用することをおすすめします。
特に、OB訪問の相手が年配の方である場合は、スーツを着るべきでしょう。年配の方ほど、仕事にかかわる場ではスーツが基本と考えている人が多いので、スーツを着ていかなかった場合に悪い印象を与えてしまいかねません。
一方で、「私服でも良い」といわれることもあります。この場合は私服で行ってもOKですが、華美なものやダメージジーンズなどといった服は避けましょう。
「私服OK」とはいっても、社会人の私服として適しているものを選ぶ必要があるのです。「社会人に適した私服って…?」と迷うようであれば、スーツを着ましょう。
OB訪問にはどんなスーツが良い?
OB訪問にはスーツが無難ということはわかりましたが、スーツにもいろいろありますね。スーツの色や柄、ワイシャツやブラウスの色、男性の場合はネクタイ、女性の場合はスカートかパンツかといった点も、悩むポイントになってくるでしょう。
それでは、OB訪問に適したスーツや、スーツに合わせるアイテムについて解説していきます。
OB訪問の際に着るスーツは、リクルートスーツであれば特に問題ありません。OB訪問以外でも、リクルートスーツは就活中に必ず活躍するスーツですので、1着はもっておきましょう。
リクルートスーツの色は、男女ともに黒色が無難です。グレーや紺色の落ち着いた色のスーツでも良いですが、リクルートスーツは就活生や新入社員、若手社員にしか似合わないスーツですので、フレッシュさをアピールするには黒色のリクルートスーツが適しているといえるでしょう。
スーツの柄も、細いストライプがぱっと見でわからない程度に入っているくらいであればOKですが、できれば無地がおすすめです。シンプルで清潔感のある黒色の無地のリクルートスーツがベストというわけですね。
ワイシャツやブラウスも、基本的には無地の白色のものを選ぶと、清潔感あるフレッシュな印象を相手に与えることができます。
襟のタイプは、男性の場合はレギュラータイプを、女性の場合はレギュラータイプか開襟タイプを選ぶと、誠実さや爽やかさをアピールすることができます。
男性の場合、ネクタイや靴下もスーツスタイルの重要な要素。ネクタイは、落ち着いた印象のえんじ色やフレッシュなイメージの青色などが良いでしょう。
柄は無地かストライプのものが無難です。靴下は、無地の黒色・グレーのビジネスソックスを選びましょう。中学生や高校生が制服に合わせるような白色のソックスはNGです。
女性の場合、スカートを選ぶかパンツを選ぶかという問題もありますね。基本的には膝丈くらいの長さのスカートがよいですが、営業などの活動的な職種を希望している場合はパンツスタイルでも良いでしょう。
企業の指示別OB訪問の服装マナー
OB訪問に行くにあたって、企業から受ける指示はさまざまです。
指示内容の意図をきちんと把握して、適切な身だしなみで訪問することが重要です。
いくつかの指示パターンを例に挙げ、それぞれの服装マナーについて紹介します。
「スーツでお越しください」と言われた場合
はっきりと「スーツで」と指示された場合は、選考要素が強いと考えられます。
OB訪問中もさり気なくいろいろな視点から人間性などをチェックされている可能性もあるでしょう。
きちんと就活生らしいスーツ姿で伺いたいものです。
「私服でお越しください」と言われた場合
「私服で良い」と言われた際は、スーツを着なくても構いません。
私服での普段どおりの姿を見たいという意図もあります。
リラックスして自然体でお越しくださいという気遣いもありますが、スーツに隠れていないありのままの状態を知りたいのでしょう。
またアパレル業界や美容業界などは、私服姿のセンスをチェックしている場合もあります。
「私服でお越しください」と言われた場合
「私服で」と指定されたのであれば私服で訪問しましょう。
リクルートスーツで行ってしまうと「固定観念にとらわれすぎて融通がきかない人物」というネガティブな印象を与えてしまう可能性があります。
私服を指定するのには、私服での気負わない普段どおりの姿を見たいという意図もあるのです。
「リラックスして自然体でお越しください」という学生に対する気づかいもありますが、スーツに隠れていないありのままの状態を知りたいのです。
またアパレル業界や美容業界などは、私服姿のセンスをチェックしている場合もあります。
私服でOB訪問する際のポイント
私服でOB訪問する際は、基本的にオフィスカジュアルを意識しましょう。
カジュアルといっても、通学や遊びではないのでラフな格好は厳禁です。
スーツを着た人と並んでも違和感がないくらい、かっちりとしたアイテムが必須です。
アウターはジャケット、もしくはカーディガンを着ていきます。 インナーには襟付きで無地のシャツを選びましょう。
ボトムスはパンツもしくは膝丈のスカートで、奇をてらわないベーシックなものが基本スタイルです。
ただし、ジーンズやハーフパンツ、ミニスカートなどはカジュアルすぎるため、OB訪問で選ぶべきではありません。
原色や蛍光色など派手な色のカラーリングのアイテムも選ばないほうが無難です。
特に女性は、胸元が大きく開いたシャツなど、露出度の高いアイテムも避けてください。
取引先など、社外の人に見られても恥ずかしくない格好かを基準にして選ぶのがおすすめです。
アパレル業界の私服訪問に関するポイント
OB訪問先の企業が自社ブランドを持っている場合、どれか1点そのブランドのアイテムを身につけて行くのがおすすめです。
OB訪問の途中でそのアイテムについて質問され、そこから会話が発展することも考えられますし、自社製品を大切に身につけているところを見てもらうことで、イメージアップもはかれます。
ただし、ハイブランドなど学生が購入するには、金銭的に難しい場合は無理して着て行かなくても問題はありません。
ハイブランドは、大学生よりもう少し上の年齢層をターゲットにしたものが多く、若者が着こなすのは難しいため、それを選んだセンスが疑われてしまうこともあります。
ブランドの世界観を大切にしつつも、自分に合った服装で臨みましょう。
「服装自由、私服でOK」など曖昧に言われた場合
曖昧な指示の場合、学生がどのように対応するか対応能力を見ている可能性があります。
もちろん、気軽に来て欲しいという気持ちもあるでしょう。
私服でも良いと曖昧にしておいて、あまりにも派手な服装の場合はマイナス評価を付けるなどシビアに見られていることもあります。
就活生であることをしっかりと踏まえた上での服装で伺いたいものです。
何も言われなかった場合
何も指示がない場合は、スーツで行くのが無難ではありますが、大切なのは自分が受ける企業にふさわしい服装を考えることです。
前にも述べましたが、美容業界などではオシャレのセンスも重要な選考ポイントです。
就活生でありながら、いかにオシャレを取り入れるかという点も課題になるでしょう。
一方、銀行員のようなお堅いイメージの業界であれば、きちんとスーツを着こなして行くほうが有利であるといえます。
どちらでもなさそうときは、インターネットで今までの参加者が、どのような格好を選んでいたのか口コミを見て参考にするのもおすすめです。
こんな場合はどうすれば良いの?OB訪問先別の服装マナー
一言にOB訪問と言えども、いろいろなパターンがあり得ます。
考えられるパターン別に、さらに詳しく服装について見ていきましょう。
知り合いにOB訪問をお願いした場合
知り合いの先輩などのところにOB訪問に行くとなると、気持ち的にはリラックスできるはずです。
だからといって服装も、カジュアルで良いというわけにはいきません。
先輩であろうとも就職活動の一環であり、急にオフィスに行くことになる可能性も出てきます。
知り合いのOB訪問でも、スーツで伺うほうが安心です。
OB訪問の日が企業の休日の場合
企業が休みの日のOB訪問は、気分的に堅苦しく考えずに済むものです。
しかしながら服装に構わずに伺うのではなく、たとえ企業が休みでもその企業の雰囲気に合う服装を心がけたいものです。
夏にOB訪問をする場合
暑い季節、スーツ姿でOB訪問をするのは大変です。
近年は夏用の涼しい素材のスーツも開発されているので、ノージャケットやノーネクタイで伺うのではなく、夏用のスーツを用意しましょう。
訪問先では、相手の了承を得た後にジャケットを脱ぐのがマナーです。
OB訪問をする際のNGな服装マナー
たとえ私服で良いと言われても、するべきではない服装があります。
OB訪問をする際のNGな服装について押さえておきましょう。
NGな服装はこれ
とにかく控えるべきは、サンダルや帽子、そして短パンです。
夏場、革靴が暑いからと言ってサンダルを履いていくのは常識がないとみなされます。
スニーカーやリュック姿も、企業によってはNGとされるので気を付けましょう。
ニット帽をかぶる男性もいますが、そもそも帽子をかぶったままで挨拶することはマナー違反です。
ジャケットの代わりにスポーツタイプのパーカーなどを羽織る人も見られますが、これもNGです。
就活では、羽織物は襟付きが基本です。
アクセサリーなどはつけない
女性に多いですが、派手なペンダントやピアスは控えたいものです。
ピアスを開けている人は、小さくて揺れないシンプルなものにしましょう。
女性はネイルに関しても、キラキラと派手すぎるデザインは印象が良くありません。
また、男性も高級時計のような個性の強い目立つアイテムは控えてください。
高級時計はリクルートスーツにあまりマッチせず、なおかつ身分不相応だと思われ、印象が悪くなることも懸念されます。
リクルートスーツに釣り合うような、銀色の金属製か黒や茶色の革製のベルトがついたシンプルな腕時計もあると、OB訪問のあと面接本番でも使えて便利です。
身だしなみに気をつけよう
OB訪問も就職活動の一環です。
そのまま職場に行っても、周囲から浮かない格好を選ばなければなりません。
髪型や髪色はあまりに奇抜なものを避け、こざっぱりとした表情がわかりやすいスタイルにし、女性の場合はマニキュアなどにも気を配らなければなりません。
接客業や食品を扱う企業など、ネイルについて規則がある、もしくは禁止されているところもたくさんあるからです。
どうしてもマニキュアをしたいのであれば、シールやストーンを駆使したネイルアートは避け、ピンクやベージュなどの肌なじみの良い色を選びましょう。
爪の傷みが気になるときは、透明なトップコートを塗っておくのがおすすめです。
メイクに関しても派手なメイクやすっぴんは、OB訪問ではマナー違反です。
清潔感があり健康そうに見えるナチュラルメイクが推奨されます。
髪型については以下の記事をぜひ参考にしてください。
スーツでOB訪問に行く場合は就活カバンを使用する
OB訪問の際に、どのようなカバンを持っていけば良いのか悩む人も見られます。
カジュアルすぎるデザインや派手なカラーのカバンは控えるべきです。
スーツを着るのであれば、やはり就活用のバックが良いでしょう。
OB訪問では、会社のパンフレットなど何らかの書類をもらうこともあります。
就活用のカバンであればA4サイズの書類も入るので便利です。
就活を効率良く進めるためには、カバン選びも重要になってきます。
詳しくは、こちらを参考にしてみてください。
訪問先で着席する際には、利き手側の床にカバンを置いて、ジャケットやコートを脱ぐのであればカバンの上に置くようにしましょう。
OB訪問のスーツにコートを着る時のマナー
冬の寒い時期や、秋・春の肌寒い日には、スーツの上にコートを羽織りますね。スーツにコートを合わせる場合には、コートに関するマナーがあるので要注意です。きちんとマナーを確認して、自信をもってOB訪問に臨みましょう。
まず、コートはスーツに合う黒色やグレーなどのシンプルなものを選びましょう。女性の場合は、春に着るコートはシンプルなベージュのコートでも良いでしょう。
シンプルなコートをもっていない場合は、スーツ売り場で販売されていることが多いので、スーツを購入する際に合わせて準備しておくことをおすすめします。
コートは室内で着るものではありませんので、相手に会う前には脱いでおきます。会社の建物や喫茶店など、OB訪問を行なう建物に入る前には脱いでおきたいですね。
コートを脱いだら、裏返しにしてたたみ、腕にかけます。できるだけキレイにたためるように、前もって練習しておくと良いですね。
反対に、コートを着るのは建物の外に出てからです。「コートの着脱は建物の外」と覚えておきましょう。また、コートは椅子にかけず、かばんの上に置くようにしましょう。置く場所の指定がある場合は、それに従ってください。
まとめ
就活をスタートして間もない時期に行なうことが多いOB訪問。「私服OK」「服装自由」といわれることもありますが、基本的にはリクルートスーツを着ればマイナスにはなりません。
OB訪問を機に、リクルートスーツや、スーツに合わせるネクタイなどのアイテム、コートも準備し、万全の態勢でOB訪問に臨みましょう!
OB・OG訪問関連記事
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート