資格を持っていないから履歴書(またはエントリーシート)の資格欄を空白で出すしかない、ただやっぱり空白だと不安だなと思っているそんなあなた!
実際に資格は就活の有利不利に関係してくるのでしょうか?
この記事をでは、資格がない場合にどれだけ就活に影響を与えるのかを紹介します。
- 資格を持っていなくて不安な方
- 資格が就活にどんな影響があるのか知りたい方
資格を持っていることが就活で有利だという声を多く聞くが実際のところどうなんでしょうか?
目次[目次を全て表示する]
【資格なしで就活】資格なしでも就活は不利にならない
就職未来研究所が2023年2月に公表した「就職白書2023」によると、採用において資格を重視する企業はわずかに16.1%しかありませんでした※1。
むしろ人柄や熱意、可能性が重視され、他を大きく引き離しています。中途採用とは違って即戦力よりも将来性を重視する傾向があるようです。このことから、資格がなくても就活が不利になることはありません。
資格を必須にする企業は少ない
実際に新卒の採用において資格を必須とする企業は少数です。資格なしでも内定をもらっている学生はたくさんいます。資格がなければできない仕事でも内定後や入社後の研修中に取得すれば十分に間に合うのです。
むしろ就活を有利にするために資格を取得しようと考えるのは非効率です。
その資格が実務に役に立つかは入社しないと分かりません。資格取得には時間がかかり、具体的な使い道が思い浮かばないとモチベーションを維持するのも大変です。さらにアウトプットがなければ忘れるのも早いでしょう。
そのため、就活で有利になるからというだけで資格を取るのはやめておきましょう。
ただし、今後は注意が必要
現状では16.1%と資格を重視する企業がとても多いとは言えません。
しかし、資格を重視する企業の割合は年々増加してきており、実際に直近5年間の間で資格を重視すると回答した企業は1.5倍近く増加しています。
ここから読み取れることは、以前と比較すると企業がどのような人材を求めているのか、というニーズ自体が変化しているということです。
よって必ずしも何かしらの資格を取得しておく必要はありませんが、変わりゆく市場や企業のニーズについてしっかりと把握しておくことは大切であると言えます。
資格を持っていることも悪いことではない
もちろん、まったく無駄というわけでもありません。業務に関する資格であれば、その企業に入社しようとする熱意は伝わるでしょう。またコツコツ努力できる証明にもなります。さらに、勉強する習慣も身につくはずです。
それでも就活における資格の重要性は低く、多くの企業では参考程度にしか捉えてくれません。資格なしで履歴書が埋まらなくても問題はないでしょう。
就活中に資格がなくても問題ない
【資格なしで就活】資格を持っていると有利になることはある
資格を持っていないことが不利に働くというよりは、資格を持っていることが+につながると考えるのが正しいです。
資格は自分の専門性や知識、スキルを証明する材料となります。
資格は多ければいいというわけではありません。
但し、業界に特化した資格は、持っておくと有利に働くということも認識しておきましょう。
資格取得が有利に働く例としては以下の通りです。
医療系
医療系については、事務など、直接的に患者の治療に携わることがなくても殆ど資格を要します。
そのため、入社後多忙の中資格取得に向けて勉学に励むよりは学生のうちから資格を取ってしまった方がのちに余裕ができます。
有資格者は殆ど採用が確約するほど有利に働く業界です。
事務や助手の資格は比較的容易に取得できますから、もし医療系の仕事に就きたい方は地道に勉強をしましょう。
金融系
金融系・保険系についても、資格を持っていると大変有利になります。
というのも、金融系や保険系の業界は、責任が重いです。
そのため、人の資産を預かるという意味で、信頼性や専門性の照明のために資格が必要なのです。
金融系に関しては、FP等から勉強を始めてみるといいです。
3級、2級などと分別されているので、3級から気軽に勉強を始めてみるのはいかがでしょうか。
不動産系
不動産系について、「宅地建物取引士」資格は殆どの企業で取得を義務とします。
国家資格にしては合格率が高いといわれていますが、やはり仕事と並行して資格の勉強を行うのは難しいことです。
宅建士は学生のうちからコツコツ勉強しているだけでも差がつきます。
また、宅建士は事務所ごとに5人に1人以上の割合で置く必要があるため、ニーズは高いのです。
他にも管理業に関する資格、不動産鑑定など、事業ごとに必要な資格は異なります。
【資格なしで就活】就活の履歴書における資格欄の書き方
資格がない場合
資格なしで履歴書を書くとき、資格の欄は「特になし」でOKです。
特になしと記入しただけで選考に落ちることはまずないので、資格を持っていない場合は「特になし」と書くようにしましょう。
取得中の資格がある場合
今、資格の取得中である場合は、向上心をアピールするために「○○という資格取得の勉強中」と記入するのも1つの手です。実際に受ける試験日まで決まっているのであればそちらも記入するべきです。
ただし書くからには面接で必ず指摘されますから、なぜ取得しようとしているのかを説明できなければいけません。目的や努力の過程、活用方法など採用担当者が納得いくものであれば評価は上がるでしょう。
以下に記入例を紹介しますので、そちらを参考に取得予定の資格を記入してみてください。
資格が不利に働く場合も
就活中に取得した資格が不利になる可能性もあります。 例えば持っている資格に方向性がなく、数だけ多いのは「資格マニア」だと思われてしまうでしょう。 履歴書に「資格なし」と書くのは寂しいですが、入社後のほうが本当に必要とされるものを取得できます。 むしろ就活ではアルバイトのような実務経験のほうが優遇される傾向があるので、そちらに力を入れましょう。 先ほどのリクルートの就職白書2023でも重視する企業は29.1%%と資格の倍近くあります。 資格なしなのに見栄を張って嘘を書くのは厳禁です。 簡単にバレてしまいますし、他が良くても嘘をつくだけで一気に印象が悪くなって不採用になるでしょう。 どこの企業も嘘には厳しいのです。
【資格なしで就活】持っておくと就活でアピールできる資格は?
就活中は特に資格はなくても不利になることはありませんが「入社後を見据えて資格を取得した」などはあなたの意欲をアピールすることができます。そのため、ここでは取得しているとプラスに働く資格を念のため紹介いたします。
TOEIC
英語の能力をスコアで表す検定で、海外にマーケットがある企業では重視されます。就活の際に語学力をアピールできるだけでなく、入社後の昇進や昇格にもスコアが大きく影響するでしょう。目安は就活の時点で550~600点ですが入社後は700点以上を目指したいところです。
▼さらにTOEICが就活にどのように関係してくるのかを知りたい方は、こちらも参考にしてください。
⇒TOEICって本当に就活に有利になるのか?
簿記
企業活動におけるお金やもの(資産)の流れを記録するのが簿記です。経理の業務では必須の知識なので、事務職を目指すならどの企業でも役に立ちます。同時に決算書や財務諸表を読めるようになるため、営業職など他の業務でも活用できるでしょう。
取得するなら最低でも2級です。商業簿記だけでなく工業簿記も範囲に含まれており、中小企業の経理なら十分にカバーできます。
▼簿記がどんな資格なのかをさらに詳しく知りたい方は、こちらも参考にしてください。
⇒簿記は就活に本当に役立つの?
ITパスポート
本来は「情報処理技術者試験」の第一歩という位置づけですが、むしろ企業でITに携わる人向けの資格になります。
いまやどの企業もIT化が進み、仕事もパソコン頼みです。操作方法を知っているのはもちろん、トラブルが発生したときも自分で解決できるようになれば時間のロスを防げます。ITパスポートはそのような知識を備えられる試験です。
ただ、IT業界ではこの資格は初歩過ぎるため、正直取得してもほとんど評価されません。
MOS(Microsoft Office Specialist)
書類の作成はWord、表やグラフはExcel、プレゼンテーションをするならPowerpointと多くの企業ではマイクロソフト社のアプリケーションを利用しています。MOSはOfficeを使いこなせることを証明する資格です。
これらのソフトは多機能で、使いこなせばあらゆる文書を簡単に作成でき、ビジネスに役立ちます。入社してから操作方法を覚えるよりも、ずっと早く仕事をこなせるようになるでしょう。
▼やっぱり資格で就活を有利にしたいと考えている方はこちらの記事も参考にしてみてください。
⇒エントリーシートに書くべき資格ってなんだろう?
【資格なしで就活】今からでも資格取得は間に合う!
今からでも資格取得に向けた勉強をしておいて損はありません。
特にオススメするのはMOSです。
学生生活の中で、殆どの学生はWordやExcelを多く活用してきたでしょう。
みんな資格取得に際する基本知識は備え持っているというわけです。
そのため、人によってはぶっつけ本番でも合格することができる資格です。
MOSの合格率は60%程度といわれています。
また、受験のタイミングも他の資格よりも自由度が高いため、一度落ちてもすぐ再チャレンジできます。
どの企業に就職してもPCに関する知識は活用できるでしょう。
地道に勉強してアピール材料にしよう
簡単に取得できる資格をさっさととってしまうのも効率的でいいですが、専門性が高く難易度の高い資格について地道に勉強をすすめることも十分アピール材料になります。
資格によっては年に数回決まった日程しか受験できないものもあります。
そのため、そのような資格については、資格取得に向けて勉強中というだけで、継続力や行動力など、面接でのアピール材料になり得ます。
目的をもって資格勉強に臨もう
せっかく資格取得に向けて勉強をするのですから、目的を持って資格勉強に臨むことが非常に大切です。
「ただ就活のため」だけでなく、何のために資格の勉強をするのかということを忘れないようにしておきましょう。
大学生活は4年間あり、春休みと夏休みは基本的にそれぞれ2ヶ月ずつもあるので、時間はたっぷり用意されていると思いがちです。
しかし、アルバイトやサークル、その他自分の資格勉強などに取り組んでいては意外と時間は足りなくなるものです。
その限られた時間の中で本当に必要なことは何なのかを常に考えつつ、資格取得の勉強をする際は何の目的を持って時間を割いているのかを考えながら取り組むようにしましょう。
志望企業にとって必要な資格か確認しよう
先ほどお話ししたように、資格が必須な業界もありますし、どの業界においてもアピールになる資格は数多くあります。
しかし企業によっては入社後に資格を取得すれば良い場合や、そもそも選考にあまり資格が重視されていない企業もあります。
自分が楽しんで、ライフワークとして取り組める資格勉強ならば何の問題もありませんが、そこまでモチベーションも高くなく、就活に対してもあまり良い影響がない資格勉強の場合は時間が無駄になってしまいます。
限られた4年間の中で最大限の成果を残すためにも、「本当にこの資格に時間をかけるべきなのか」をしっかりと考えてから取り組むようにしましょう。
【資格なしで就活】資格よりもあなた自身の将来性をアピールしよう
せっかく資格を取得しても、就活で評価してくれる企業は多くありません。
本当に役立つのかも入社してみないと分かりません。資格なしで就活しても問題はないといえます。
代わりにアルバイトなどを通して実務経験を増やしたほうが有利でしょう。
わざわざ就活のために資格を取得するなら、目的をはっきりさせるのが大事です。
それが就活の熱意につながれば企業も評価してくれるでしょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート