エントリーシートを書いていると、資格を書く欄があります。
この資格の欄に何を書けばいいのか、と迷う学生は少なくありません。
この記事では、エントリーシートの資格欄について、
- 書くべき資格
- 正しい資格の書き方
- 資格によって選考の結果は左右されるのか
といったポイントを解説していきます。
この記事を読んで、エントリーシートの資格欄の書き方を完璧にしましょう。
目次[目次を全て表示する]
エントリーシートに書くべき資格一覧
資格を持っている場合、必ず書くべき資格もあれば書かなくてもよい資格もあります。
記入する際には希望する職種に関連したものを優先的に書くようにします。
職種に関連の薄いものは基本的に重視されませんが、難易度が高いものを優先して記入すると良いでしょう。
逆に何も資格を持っていない場合は正直に「特になし」と書くようにして下さい。
ではエントリーシートに書ける資格と書かなくても良い資格との違いはどこにあるのでしょうか。
また書ける資格をたくさん持っている場合、どの資格を書けばよいのか迷うところでしょう。
まずは書くべき資格についてご紹介します。
1. 国家資格
国家資格は国の法律で規定されている資格のこと。知識や技術が一定水準以上であることを国が認定する資格です。
弁護士や医師、歯科医師などの医療系、税理士、気象予報士などが国家試験を受けて合格した人がもつ資格です。
- 公認会計士: 会計・税務の専門職として活躍するための資格
- 司法書士: 法律の専門職として、不動産登記や商業登記など、法的手続きに関する業務を行うことができる資格
- 弁護士: 法律の知識を持ち、法務部門や弁護士事務所などで働くことができる資格で
- 社会保険労務士: 人事や労務関連の専門職として、企業の労務部門や社会保険関連の手続きをサポートするための資格
- 簿記検定: 日本商工会議所が実施する簿記検定は、会計・経理関連の仕事で役立つ資格
- 薬剤師: 医薬品の調剤や販売、医療機関での業務に必要な資格
- 宅地建物取引士: 不動産業界で働くために必要な資格
2. 語学系の資格
語学系の資格もエントリーシートに書くべきです。
Toeicや英検をはじめとした語学系の資格は、特に外資系企業において有利な材料になります。
語学力は社会人としての必須スキルとも言えることから、toeicなどの語学系の資格はとても強みになるのです。
なお一般的にビジネスで活用できる判断基準は600点以上、外資系企業で必要とされるスコアは700点以上と、一定レベル以上のスキルが求められるため、所持しているスコアに注意しておく必要があります。
- TOEIC (Test of English for International Communication): 英語力を測定する試験
- TOEFL (Test of English as a Foreign Language): 英語を母国語としない人々の英語力を測定する試験
- IELTS (International English Language Testing System): 英語力を総合的に測定する試験
- 日本語能力試験 (JLPT): 日本語を母国語としない人々のための試験で、N1からN5までのレベルがある
- HSK (漢語水平考試): 中国語の能力を測定する試験
- DELF/DALF: フランス語の能力を測定する試験
- スペイン語能力試験 (DELE): スペイン語の能力を測定する試験
3. 普通自動車運転免許
エントリーシートに書ける資格の代表と言えば、普通自動車運転免許です。最もポピュラーである普通運転免許の資格は、免許を取得していれば必ず書くようにしましょう。
特に営業職を希望する場合、たとえペーパードライバーであっても運転免許の有無はチェックの対象となる場合が多いようです。
4.パソコン操作関連などの仕事に関連する認定資格
日本の民間資格には実に様々な種類のものがあります。民間資格といえども、国家資格と同等の知名度や有効性を持つ資格が非常にたくさんあります。
特にパソコン操作関連などは非常に多くの認定資格があります。このような資格はIT関連会社などで重要視される資格になります。
では次に書いても書かなくてもどちらでも良い資格について触れておきます。
- MOS (Microsoft Office Specialist): Microsoft Officeの操作スキルを認定する資格
- 日商PC検定: 日本商工会議所が実施するPC操作の資格で、文書作成、データ処理、プレゼンテーションなど、ビジネスで必要とされるPCスキルを証明するための資格
- ITパスポート: 情報処理技術者試験の一部で、ITの基礎知識を問う資格
- 基本情報技術者: ITパスポートよりも専門的なITスキルを測定する資格
- パソコン検定 (P検): インターネット検定協会が実施する資格
5. 趣味などに関連する認定資格
例えば漢検や簿記などは、絶対にこれらの資格を保有しないと仕事ができないというわけではありません。
手書き書類を作成する仕事内容や、日本語力を必要とするような業種の場合には強みになる資格です。
このような職種を希望する場合は書くと有利でしょう。
また、簿記は数字に強いということをアピールできる職種に対しては有効な資格であり、エントリーシートに書ける資格というふうに考えられます。
ただし、趣味の色が濃い資格、例えばダイエット検定資格やワイン検定など、就活には使えなくても目を引くような趣味の認定資格を持っている場合は「趣味・特技」の欄に書くと良いでしょう。
- 茶道関連の資格: 茶道教室や茶道関連の団体が提供する資格
- 書道関連の資格: 日本書道教育連盟などの団体が提供する書道関連の資格
- ヨガインストラクター: ヨガ教室やヨガ関連の団体が提供するインストラクター資格
- 料理関連の資格: フードコーディネーター、調理師免許、栄養士資格など、料理関連の資格
- 旅行業務取扱管理者: 旅行関連の資格
- カラーコーディネーター: カラーコーディネートに関する資格
6. スポーツの階級や段位など
スポーツ関連の階級や段位なども、資格の欄に記載することが可能です。
ただし、応募する企業によってはあまり関係のない階級や段位も多く、書く必要がない場合も少なくありません。
スポーツの階級や段位、インストラクターの資格などの場合、希望職種に関わらないのであれば趣味・特技の欄に記入する程度にとどめておきましょう。
前述の資格より優先順位こそ落ちますが、業界によっては書くとアピールできる資格があります。
自分の志望している業界、業種で求められている能力はなんなのか、確認してみましょう。
エントリーシートに書く必要がない資格一覧
評価ラインに立てていない資格やマイナーな資格など、残念ながらESに書く必要のない資格も存在します。
もしも保有資格として書いたとしても全く評価対象にならない資格なので、ESに書くことは控えましょう。
1.一定ラインに達していない資格
資格試験には一定の評価ラインが設けられていることが多く、英検なら準2級、秘書検定なら2級が大学生の知識レベルとされています。
つまり、その資格を取得するのに必要な知識や技能のレベルが明確にされていることを意味します。
保有資格が空欄よりも何か書いている方が企業の心象が良いと思い、就活で評価されるラインに達していない資格名を書く就活生もいます。
しかし逆に、求めるレベルの資格取得の能力がないことを自ら示す行為になってしまいます。
資格試験の一般的な評価ラインの評価は、資格試験ごとに調べられます。
その評価ラインが大学生以上など条件を満たしていない場合は、評価されないため書く必要がありません。
- TOEIC: 600点〜700点以上
- 簿記検定: 2級以上
- FP技能士: 2級以上
2.一般的でない資格
一般的に知られていない資格もESに書く必要がありません。
なぜなら、保有資格を知りたい理由は、技能や知識のレベルを証明することだからです。
ESで名前を聞いても知識レベルの把握ができない資格では、評価を付けられないため意味がありません。
資格は「国家資格」「公的資格」「民間資格」の3つに分類できます。
国家資格は国や省庁が主体でその資格の試験や認定を管理していて、公的資格は地方自治体や独立行政法人などが管理している資格です。
そして民間資格は、業界団体や民間機関などが管理している資格です。
特に、民間資格は玉石混淆なので、志望業界で必要な資格であることを確認してからアピールしましょう。
エントリーシートに資格を書くとどうなる?
多くのエントリーシートにある資格欄に、保有資格を書くメリットを3つ解説します。
あなたの能力と知識、専門性のアピールのためにも、資格を持っているのであれば必ず書くようにしましょう。
1.能力や知識をアピールできる
資格を書くことで自分が持っている能力や知識を企業にアピールできます。
資格を取得していることは、能力や知識が一定以上であると試験機関に認められている証明です。
そのため、あなたの能力と知識レベルを保有資格を見ただけで理解できます。
難関資格や1級など上級者レベルの資格取得には計画性が必要で、どれほど試験勉強を頑張り努力したかも分かります。
これは自ら自己研鑽に励み成長意欲が高く、目的達成まで努力ができるアピールにもなります。
この目的意識や成長意欲、計画性、努力できる強みは、企業からの評価が高いです。
また、単に興味があると述べるよりも、努力の結果として資格取得した事実が興味や熱意の裏付けになります。
2.専門性をアピールできる
企業と関連性がある保有資格を明示することは、専門性と深い理解のアピールにつながります。
例えば、IT業界の企業にエントリーする際に、ITパスポートや基本情報技術者などのIT業界に関連する資格を保有していると大きな強みになります。
なぜなら、即戦力として関心を持ってもらえるので、ライバルとの差別化になるからです。
専門的な知識を持っている証になり、企業が入社後に活躍する場面を想像しやすくなる効果もあります。
さらに、関連性ある資格取得は、その業界や職種を目指す本気度の高さが見て取れます。
取得した資格は入社後にも役立ちますし、キャリアアップのためいずれ勉強することになる場合が多いです。
3.そのままガクチカや自己PRに使える
ESでいつも聞かれる質問は、保有資格の他にはガクチカと自己PRがあります。
保有資格に関することは、そのままガクチカや自己PRのエピソードに展開できます。
ガクチカは学生時代に力を入れたことを意味するので、資格取得の過程がエピソードに使えます。
企業から評価される資格試験に合格するには、試験対策を頑張る必要があるでしょう。
その試験対策でぶつかった壁やそれを乗り越えた過程がそのままガクチカにできます。
また、同様に資格取得の過程で現れた強みや長所、価値観を自己PRとして使えます。
保有資格が自分の能力や知識のアピールに直結する以外にも、ガクチカや自己PRに一貫性が生まれ企業の納得感を高められます。
エントリーシートに資格を記載するときのポイント
ESに資格を記入する際には、いくつかポイントがあります。
ESに資格を書く際には以下のマナーを意識しましょう。
正式名称で書く
ESで資格をアピールする際には、正式名称で書くようにしましょう。
正式名称だと思っていたものが正式名称でないおそれもあります。
正式名称を一度調べなおすと安心かもしれません。
癖で略称などを書かないように注意が必要です。
取得の早い順に記入
保有資格が複数ある場合には、取得の早い順に記入するのが基本的です。
取得した順番に整理して記入しましょう。
業界に有利な資格を優先的に書く
当たり前ですが、業界に有利な資格を優先的に書くようにしましょう。
保有資格が多い場合、記入する資格を取捨選択する必要があります。
業界に無関係の趣味に関する資格などは書いても書かなくても就活に影響はありません。
自分なりに資格欄に書く資格は整理しましょう。
エントリーシートへの資格の正しい書き方を解説
では資格を持っていない場合や、持っている資格について記入する場合、エントリーシートにはどのように書くのでしょうか。
もし資格を何も持っていない場合は素直に「特になし」と書くようにします。
もし嘘をついて持っていない資格や免許を記入した場合、後に嘘がわかってしまったら採用取り消しや解雇の対象となってしまいます。
必ず正直に記入しましょう。
もし資格や免許をたくさん持っていた場合、それらを全てエントリーシートに記入することは実はそれほど有利なわけではありません。
つまり希望する職種や業務に関係のない資格全てを記入しなくても良いということです。
また、漢検や簿記などは、合格した全ての級を書くのではなく、合格した中で最も難易度の高い級を記入しましょう。
正式名称で記入することも、書き方の面で大切です。
漢検の場合は漢字検定、運転免許の場合は普通自動車運転免許など、正式名称で記入して下さい。
また資格や免許は取得した順番で記入します。エントリーシートの記載方法に合わせ、上から古い日付順で書くようにして下さい。
正しい書き方の例を見てみよう
エントリーシートへの資格の書き方例文は以下のようになります。
2014年6月 普通自動車代一種運転免許 取得
2014年8月 toeic600点 取得
2015年11月 乙腫第4類危険物取扱者 取得
このように、資格や免許の取得日を古い順に記載します。toeicのようなスコア制のものはスコアも一緒に記入します。
英検や漢検は2級以上を書くのが一般的です。準2級以下では効果はほとんど期待できないといったところでしょう。
2級以上のみ書くようにしましょう。
資格や免許を全く持っていない人は特に書かなくても構いません。
しかし何かしら資格を取るためのアピールは必要です。
もし資格を取得するために勉強中の場合、「○○取得に向けて勉強中」と書くことで自己アピールは可能でしょう。
また、資格取得の見込みがあるなら取得予定として書いておくのも方法のひとつです。
例として、今現在自動車教習所に通っているなら「普通自動車免許取得予定」といった書き方で取得見込みを書いておくと良いでしょう。
エントリーシートに書く資格がない時はどうすればいい?
ESに書けるような資格保有がない就活生も少なくないでしょう。
そこで、目立った資格を取得していない人の対処法を解説します。
資格がなければ特に無しと記し、勉強中の場合はその資格名を書きましょう。
1.そのまま「特になし」と書く
もしも、エントリーシートに適したレベルの資格が何も無い場合は、「特になし」と書くのが最善です。
ここで最も避けるべき行為は、嘘をつくことです。
たとえ保有していない資格をアピールして採用選考を潜り抜けたとしても、就職後に綻びが生じてあなたの評価は急落します。
知識や能力の矛盾を抱えて働き続けることは、あなたにとっても企業にとっても良いことが何一つないです。
他にも、大学生レベルなど、一定の評価ランク以下の保有資格を書くことはおすすめしないです。
これは一定レベルに知識が達していない印象を与えてしまうからです。
もしESに書ける保有資格がないという場合は、素直に「特になし」と書いてしまいましょう。
2.勉強中の資格を書く
現在進行形で資格取得に向かって猛勉強中であると自信をもって言える場合には、その旨をESに書くことも一つの方法です。
「現在〇〇試験△級取得を目標に勉強中」「〇〇試験△級を20XX年X月に取得見込み」などと書き示すのが一般的です。
その際、資格試験に向けて真剣に勉強に取り組んでいることが必須です。
試験勉強への取り組みの程度が低かったり、勉強を始める予定のことを書くなど事実と異なる内容は厳禁です。
また、数年先のような長期計画ではなく、直近の試験日や大学卒業までにある試験日であることが望ましいです。
いずれの場合も、胸を張って「いま資格試験に向けて努力している」と言える場合に限り書くようにしましょう。
エントリーシートへの資格の書き方まとめ
エントリーシートに書くべき資格についてご紹介しました。様々な資格がある中、書ける資格はしっかりと書き、企業に自分を知ってもらえるようにしましょう。
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