「保持していると就職活動に有利に働く」といわれることもある簿記3級。どんな資格なのか、本当に有利になるのか解説していきます。
簿記3級とはどんな資格なのか
みなさんは家計簿をつけたことはあるでしょうか。家計簿をつける行為の企業版が簿記といえます。企業やお店の行なった取引を都度記録し、どれだけ儲けたか、今どれだけの財産があるのかを可視化するのが大まかな簿記の役割です。
簿記にはさまざまなルールが存在します。代表的なものが仕訳です。仕訳を行うにあたっては、借方、貸方、勘定科目といった概念を理解する必要があります。そういったルールの定着度を測る入門資格が日商簿記3級です。
年に3回開催され、受験料は2800円(税込、2018年5月時点)と、比較的実施機会も多く安いため受けやすい資格です。しっかり対策すれば、1カ月程度の勉強でも合格可能だと思います。
就職活動に簿記3級は役立つの?
簿記3級が就活に有利と一部でいわれている理由は、大きく3つあると思います。
汎用性
簿記といえば経理職ですが、営業だって財務諸表などを見る機会はあります。企業活動をする中では、どのポジションにいても簿記の考え方は利用できます。ビジネスマンの多くに役立つ点で、幅広い業界において一目置かれる資格だといえます。
知名度
日商簿記は受験者数も多い人気資格です。知名度があるからこそ、担当者ウケがいいのでしょう。
商売と数字に関心があるアピールになる
一般的な民間企業から内定を得るにあたっては、文学部卒より経営・商学部卒が有利ということがいわれます。似たようなことですが、ビジネス向きの簿記資格を持っていることで、「商売や数字といったビジネス教養を持っているよ」というアピールになります。
仮に、現在文学部をはじめとしたビジネスとは縁遠い学部に通っている就活生も、簿記を持っていることで「ビジネス方面もいけるよ」と形として示すことができます。時間を割いてビジネス資格を取得した実績は企業に対して自信を持って示せるはずです。
一方、「本当に有利?」と感じてしまうような懸念も2つあります。
所詮は3級
簿記3級は高校生にも多数の取得実績のある資格です。大学の授業で簿記をやったことのある就活生などは2級を目指してみるのもアリでしょう。公認会計士や税理士といった難関資格の第一歩目ともいえる資格なので、大学生の早い段階で受けておき、もし頑張れそうと思えたなら上位の資格を目指してガチ勉強するのもアリでしょう。適度な難易度だからコスパがいいといわれる反面、「片手間でとれるんでしょ?」と捉えられがちなのも事実です。
資格はあくまでも参考情報
特に簿記3級レベルだと、「へー、もってるんだ」くらいの感覚で、ポイントが加算されるかどうか怪しいです。プラスアルファくらいになるとは信じたいですが。そのため、資格をダシに何か語れるのが大事になると思います。資格取得に向けて努力したエピソードでもいいと思います。
まとめ
簿記3級を取得するための努力はアピールできるが、簿記3級という資格ではあまりアピールできるかは疑問が残ります。
経理職や会計関係の仕事に興味がある方や、就職活動を有利に進めるためにできることは何でもしておきたいという方は、ぜひ取得してみてはいかがでしょう。