協調性は仕事にも生かせる重要なスキルです。
サークル等で培った協調性をアピールすることで、企業からの高評価を得ることが可能です。
しかし、協調性やサークル活動というテーマは、多くの就活生が使用するため、他の学生と差別化する工夫が求められます。
この記事では、企業に効果的に協調性をアピールするための方法を紹介し、他の学生と一線を画す自己PRの作り方を解説していきます。
- 企業に評価される協調性とは
- 自己PRを作るうえでのポイント
- 協調性の言いかえ表現
- サークル×協調性の例文
- 自己PRを作るうえでの注意点
サークルで培った「協調性」は就活の自己PRで使える?
協調性は、就職活動の選考においても高評価を得られる長所であるといえます。
しかし、単に「協調性」と表現するだけでは抽象度が高く、言いたいことが伝わりにくい場合があります。
サークル活動というテーマも多くの就活生が使うエピソードであるため、注意が必要です。
しっかりとあなたの強みとして伝えるためには、以下のポイントをおさえておく必要があります。
- 協調性とは何か
- 協調性の強みは何か
- 協調性の弱みは何か
- あなたの持つ協調性とはどんなものか
- サークルのどんな場面において発揮したのか
以降で、ポイントについても解説しています。
自己PRで使える「協調性」とは
自分と異なる立場、違う意見や考え方を持つ人たちと協力しながら、同じ目標の達成に向けて行動できる能力。
協調性と聞くと「誰とでもうまくやれること」とイメージされがちですが、企業が求める協調性は、異なる意見や価値観を調整しながら、チームで目標達成に導く力を指します。
ただ単に関係を円滑に保つだけではなく、対立する意見をまとめ上げ、最善の解決策を導き出す能力が求められるのです。
企業は、このような協調性を持つ人材を評価する傾向にあります。
協調性を持つ人の強み
協調性を持つ人は、周囲とうまくやっていけるその柔軟さが最大の強みです。
就活で企業に評価されるポイントは、大きく分けて以下の2つです。
入社後も円滑なコミュニケーションができる
社会人は人間関係に悩む人が最も多いと言われています。
そのため、企業も対人トラブルには敏感です。
協調性のある人材は、組織の中でも円滑なコミュニケーションをとることができ、人に影響されず業務を行う力があると判断され、重宝されます。
組織に馴染み、集団で協力して業務を行える
企業の特性にもよりますが、多くの仕事は組織内で協力して業務に取り組む体制が重要です。
その際、協調性のある人材は抵抗感なく他者と協力し、業務に望むことができるため、企業も心配せず採用できます。
協調性をアピールする際には、上記2つを意識しながら自己PRを作成するようにしましょう。
協調性を持つ人の弱み
協調性は就活でも使える強い長所である一方、消極的な印象を与える可能性もある表現です。
せっかくの強みがそのように捉えられることがないよう、弱みをフォローする内容を欠かさず伝えるようにしましょう。
企業が自己PRを聞く理由
企業は自己PRから、入社後にあなたがどのような働き方をしてくれる人材なのかというポイントを見ています。
そのため、人柄や価値観、持っているスキルなどを聞くことで、自社に適している人材かどうかを判断しています。
ですので、自己PRにおいて必ず伝えるべきは「あなたの強み」「具体的なエピソード」「入社後のビジョン」の3つです。
さらに具体的に企業が見ているポイントについて、次で解説していきます。
協調性の自己PRで企業が見ているポイント
協調性をアピールする自己PRにおいて、企業が評価しているポイントがいくつかあります。
以下3点を意識して自己PR文章を作成するようにしましょう。
- 人柄
- 入社意欲
- 入社後の活躍ビジョン
以下でそれぞれについて詳しく解説していきます。
人柄
企業はあなたの人柄を見ることで、自社の求める人材像とマッチしているかどうかを判断しています。
協調性のある人材はそれだけで好感が持てますが、会社の欲する人材とマッチしていなければ採用の決め手にはなりません。
自己PR作成の際には、企業の求める人材像と自身の強みがマッチしているかを意識しながら作成することが重要です。
入社意欲
自己PRはあなたのことを伝える場ですが、企業は入社意欲や熱意も見ています。
あなたの意欲もしっかりと伝わるような自己PRを作成しましょう。
そのためには、入念な準備と会社理解を極めることが重要です。
就職活動において志望度の高い企業の選考の際には、入念に準備を行う就活生が多いです。
企業もそれを知っているため、しっかりと準備をしてきた学生は志望度が高いのだろう、と感じます。
また、自身の強みと企業のマッチ度、入社後のどのような業務で活かしていきたいのかなどを具体的に語ることができれば、深い会社理解があると判断され、好印象です。
入社後の活躍ビジョン
自己PRは本来、入社後に活躍してくれる人材かどうかを判断するための質問項目です。
重要なのは、企業にその通りの活躍をしてくれる人材だと思わせることです。
強みを裏付ける具体的なエピソードと、将来ビジョンは欠かさず伝えるようにしましょう。
サークル×協調性の自己PRで企業から高評価を得るポイント
協調性は、サークル活動で身につけやすいスキルの一つです。
しかし、多くの就活生がこの強みを自己PRとして使うため、他者と差別化することが重要です。
以下に、企業が魅力を感じるポイントを押さえた協調性のアピール方法を紹介します。
サークルならではのエピソードを伝える
サークル活動には、独自の人間関係や役割があります。
例えば、上級生と下級生の関係や顧問とのコミュニケーションなど、特有の環境でどのように協調性を発揮したかを伝えることが効果的です。
このような具体的なエピソードを交えて協調性をアピールすることで、企業はあなたがどのように実際の仕事の場で役立つ協調性を発揮できるのか、より明確にイメージすることができます。
また、具体的な成功体験を示すことで、信ぴょう性が増し、説得力が高まります。
協調性を裏付けるエピソードは具体的に伝える
自己PR作成の際、まず強みを裏付ける具体的なエピソードを決めます。
この際、友人に聞くなどしてできるだけ多くの候補を出しましょう。
また、サークル活動で培った協調性を自己PRする際には、結論だけでなく過程をしっかりと伝えられるように準備しましょう。
サークル活動で成果を上げていた場合には、どうしてそのような成果が得られたのか、あなた自身はどのように貢献したのかが伝わるように文章を作成しましょう。
仕事にどう活かすかアピールする
あなたの持つ「協調性」がどんなものなのか伝えられたら、それをどう仕事に活かしていくべきかを伝えましょう。
先にも述べた通り、自己PRは入社後の活躍ビジョンが伝わることが重要です。
それを伝えるために、企業分析を行い、業務内容や会社の雰囲気、求められる人材像についてはしっかりと把握しておきましょう。
協調性の言い換え表現を使う
「協調性があります」と言うだけでは、他の就活生との差別化が難しい場合があります。
そのため、協調性を言い換える表現を使うことで、より具体的かつ印象に残るアピールが可能です。
例えば「傾聴力があります」と表現することで、相手の意見をしっかり聞き、適切に対応する能力があることをアピールできます。
他にも、「判断力があります」と言い換えることで、周囲の意見をまとめ、適切な判断を下す能力が強調されます。
PREP法を活用する
自己PRを構成する際、PREP法(Point-Reason-Example-Point)を活用することで、論理的でわかりやすい文章を作成できます。
まず、主張したいポイント(Point)を明確に述べます。
次に、そのポイントが重要である理由(Reason)を説明し、具体的な例(Example)を挙げて説得力を高めます。
最後に、再度ポイントを強調して締めくくります。
PREP法に関してさらに詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
自己PRで使える協調性の言い換え表現
就職活動において、「協調性がある」という表現だけでは印象に残りにくく、他の就活生との差別化が難しくなります。
以下に、協調性を表現するための効果的な言い換え表現とその特徴を紹介します。
傾聴力がある
傾聴力は、協調性の重要な要素の一つです。
他者の話に真摯に耳を傾け、相手の意図や感情を正確に理解する能力を指します。
単に聞くだけでなく、相手の話から重要な情報を抽出し、適切な行動につなげることが重要です。
傾聴力をアピールする際は、具体的にどのような状況で発揮され、それがどのような結果をもたらしたかを明確に示すことが効果的です。
例えば、「メンバーの意見を丁寧に聞き取り、プロジェクトの方向性を最適化した」といった具体例を挙げると効果的です。
- 相手の本音を引き出す傾聴力
- 相手の悩みを真摯に引き出す傾聴力
判断力がある
協調性のある人は、他者の意見を柔軟に受け入れながらも、最終的には状況に応じた適切な判断を下す能力を持っています。
この判断力は、チームの意見をまとめ、プロジェクトを前進させる上で非常に重要です。
ただし、独りよがりな判断にならないよう注意が必要です。
判断力をアピールする際は、多様な意見をどのように考慮し、最終的にどのような決断を下したか、そしてその結果どのような成果が得られたかを具体的に説明することが重要です。
- 多くの意見から正しい選択をする判断力
- 臨機応変に周囲の状況に対応する判断力
リーダーシップがある
周囲の意見を取り込む傾聴力と、適切な判断力を兼ね備えた人は、自然とリーダーシップを発揮する機会が多くなります。
ただし、単に役職名を押し出すだけではなく、具体的にどのようにチームをまとめ、目標達成に導いたかを示すことが重要です。
リーダーシップをアピールする際は、チームの多様性をどのように活かしたか、困難な状況をどのように乗り越えたか、メンバーのモチベーションをどのように高めたかなど、具体的なエピソードを交えて説明することが効果的です。
- 最終決断を下し周囲をまとめるリーダーシップ
- 多くの意見から一つの目標を定められるリーダーシップ
柔軟性がある
他者や環境の変化に柔軟に対応できる能力は、協調性の重要な側面です。
しかし、単に流されやすいという印象を与えないよう注意が必要です。
柔軟性をアピールする際は、変化にどのように適応し、それがチームや組織にどのような利益をもたらしたかを具体的に示すことが重要です。
例えば、「プロジェクトの途中で要件が大きく変更された際、迅速に新しい計画を立案し、チームの再編成を行うことで、期限内に目標を達成した」といった具体例を挙げることで、価値を示すことができます。
- おかれた環境にすぐに適応する柔軟性
- どんな人や環境ともすぐに打ち解ける柔軟性
責任感がある
周囲の状況をよく観察し、適切に発言・行動する責任感は、協調性の重要な要素です。
単に「責任感がある」と述べるだけでなく、具体的にどのような行動を取り、それがどのような結果につながったかを示すことが重要です。
責任感をアピールする際は、困難な状況下でどのように責任を果たしたか、チームの目標達成にどのように貢献したかなど、具体的なエピソードを交えて説明することが効果的です。
- 周りをよく見て全員で目標を達成しようという責任感
- 任されたことを状況にあわせて最大化していく責任感
言い換え別!サークル×協調性の自己PR例文
ここからは「協調性」という強みを別の言い方や表現に言い換えた自己PRの例文を紹介します。
どれも上手く言い換えながら、自分に強みを具体的なエピソードに絡めて伝えることができているので、参考にしてください。
私の強みは、相手の本音を引き出す傾聴力です。
この能力は、所属していた写真部での経験で培われました。
部員の参加率低下が問題となっていた際、私は各メンバーと個別に対話する機会を設けました。
丁寧に耳を傾けると、多くの部員が「作品発表の場が少ない」という不満を抱えていることが分かりました。
この声を受け、地域の美術館と交渉し、学生写真展を企画。 準備期間わずか1ヶ月で、20名の部員が参加する展示会を実現しました。
結果、3日間で400人以上の来場者を集め、部員のモチベーション向上にも繋がりました。
この経験から、傾聴することで相手の真のニーズを理解し、適切な解決策を見出せることを学びました。
この傾聴力を活かし、顧客や同僚の声に真摯に耳を傾け、期待以上の提案や解決策を提供します。
私の強みは、状況に応じて柔軟に対応する判断力です。
演劇サークルの副部長として活動していましたが、年間最大のイベントである学園祭公演の直前、主演俳優が怪我で出演できなくなるというアクシデントが発生しました。
公演まで1週間という緊迫した状況下で、私は冷静に選択肢を検討しました。
役者の変更、脚本の修正、公演日程の延期など、様々な可能性を吟味し、最終的に、私自身が主演を務めることを決断しました。
同時に、舞台装置を簡素化し、リハーサル時間を確保する案を提示しました。 結果として、予定通りの日程で公演を行い、観客からも好評を得ることができました。
将来は、この判断力を活かし、変化するビジネス環境において、迅速かつ的確な意思決定ができる人材として活躍したいです。
私の強みは、多様な意見をまとめ上げるリーダーシップです。
私はボランティアサークルの代表としてメンバー40名を抱え、活動の方向性が定まらず、参加率の低下が課題となっていました。
私は、まずメンバー全員と面談を実施しました。
各自の興味や得意分野を把握した上で、環境保護、教育支援、高齢者福祉の3つのプロジェクトチームを立ち上げました。
各チームにリーダーを置き、月1回の全体会議で進捗を共有する仕組みを構築し、その結果、メンバーの主体性が高まり、年間で延べ800人以上の地域住民に貢献する活動を展開できました。
社会人になっても、このリーダーシップを発揮し、多様な人材が活躍できる環境を創出し、組織全体の成長に寄与したいと考えています。
私の強みは、環境の変化に柔軟に対応する適応力です。
この能力は、ダンスサークルでの経験を通じて磨かれました。
入学当初、私は全くダンス経験がありませんでしたが、先輩方の丁寧な指導のもと、徐々に技術を習得しました。 2年次には新入生の指導を任されるまでに成長しました。
しかし、コロナ禍で対面での活動が制限された際、サークルの存続が危ぶまれる事態になりました。
そこで私は、オンラインでのレッスン方法を提案し、自ら動画編集技術を学んで指導用コンテンツを制作し、さらに、SNSを活用した新メンバー募集も実施しました。
その結果、メンバー数が20%増加しました。
この柔軟性を活かし、常に新しいアイデアを提案できる人材として会社に貢献したいと考えています。
私の強みは、任された役割を全うする責任感です。
野球部のマネージャーとして活動する中で、3年次に主務を務めることになった際、前年度の不手際により部の予算が大幅に削減されるという事態に直面しました。
この状況を打開するため、私は徹底した経費見直しと新たな資金調達方法の模索に着手しました。
OB会との連携強化、地域企業へのスポンサー依頼、クラウドファンディングの活用など、あらゆる手段を駆使しました。
同時に、部員たちの意見を取り入れながら、効率的な練習計画も立案し、結果として、予算不足を解消しつつ、チームの競技力も向上させることができました。
社会人になっても、この責任感を胸に、どんな課題にも粘り強く取り組み、期待以上の成果を上げられる人材になりたいと考えています。
サークル×協調性で自己PRを作成する際の注意点
サークル活動における協調性を自己PRに活用する際は、いくつかの重要な点に注意する必要があります。
ここでは、効果的な自己PR作成のために押さえておくべき二つの重要なポイントを詳しく解説します。
受け身なエピソードを話さない
自己PRでは、周囲の意見に従順だったというエピソードは避け、主体的な行動を強調しましょう。
「先輩の指示に従った」ではなく、「問題点に気づき改善策を提案した」といった表現が効果的です。
協調性を発揮しつつも、自分の意見を適切に表明し、チームに貢献した事例を挙げることで、協調性と主体性を両立させた人物像をアピールできます。
また、その行動がチームにどのような良い影響を与えたかも具体的に述べると、より説得力が増します。
協調性の意味を捉え違えない
協調性は単に「誰とでも仲良くできる」ことではありません。
立場や考え方の異なる人々と協力し、時には対立する意見をまとめ、共通の目標達成に向けて努力する能力です。
この本質を踏まえたエピソードを選び、直面した困難とその克服方法を具体的に述べましょう。
例えば、「意見の対立があったプロジェクトで各メンバーの主張を聞き取り、全員の合意を得て成功に導いた」といった記述が効果的です。
協調性の本質を理解した上で具体例を示すことで、深い印象を与えられます。
自己PR作成後に確認すべきチェックリスト
自己PRの作成後は、添削を行いましょう。
サークル経験の自己PR文章をセルフチェックする際は、以下のようなポイントを意識してください。
- 結論から述べているか
- サークル紹介になっていないか
- 自慢話になっていないか
- エピソードがわかりにくくないか
- 結果と過程のどちらも含まれているか
第三者からの添削も重要
自己PRの完成度を高めるためには、最終チェックが不可欠です。
自分で何度も読み返すことはもちろん、他者の視点を取り入れることで、客観的な評価や新たな気づきが得られます。
以下に、効果的な添削方法をいくつか紹介します。
それぞれの特徴を理解し、可能であれば複数の方法を組み合わせることで、より完成度の高い自己PRを作成できます。
- OB、OGなど第三者
- 大学のキャリアセンター
- AI添削
- エージェントなどプロの添削
無料の添削ツールは以下の記事にまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。
就活の総合サポートは就活エージェントがオススメ
就職活動をしていると、自己PR作成や添削だけでない悩みが出てくることも多いです。
そういった際、すぐに何でも相談できるプロがいると心強いですよね。
「ジョブコミット」では就活相談から企業の紹介まで、あなたの就活を総合的にサポートします。
これから就活を始める人も、就活がなんとなくうまくいっていないと感じている人も、プロと二人三脚で就職活動を進め、最速で納得して就活を終えましょう。
サークル×協調性のエピソードで選考を突破しよう
サークルの経験をベースに協調性をアピールすることは、結論から言うととても効果的です。
しかし、協調性という強みやサークル活動自体はそこまで珍しいものではなく、他の就活生との差別化が難しいでしょう。
そのため、自分が志望する企業や自分自身の分析を徹底的に行い、独自性のある自己PRを作ることが重要です。
また、協調性とそのまま言うのではなく、この記事内でも紹介している言い換え表現なども活用しながら差別化を意識するようにしてください。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート
小玉 彩華
他人の意見を柔軟に取り入れてサークルを運営した、などのエピソードを話す場合、他者の意見に流されやすいという印象を与えてしまう可能性があります。
この場合は、なぜその意見を取り入れたのか、その際どのような工夫をしたのか、などの内容を含めることで、あなた自身がしっかりと考えを持って他者の意見を取り入れたことが伝わります。