「文転しようか迷っている…。」
第一志望の大学に落ちてしまい、次はなんとしても合格したい!
将来研究職以外の職業に就きたい!
理系科目は少し苦手…。でも、暗記科目は得意かも!?
そんなことを思い浮かべる理系学生も少なくはないでしょう。
この記事は、リスクを考えて文転という選択に迷う学生に向けた記事となっています。
文転っていうけど、そもそも文転って何?と思う人もいるかもしれません。
目次[目次を全て表示する]
【文転のメリットデメリット】文転とは?
大きく説明すると、文転は 理系→文系 に転移することです。
進路選択の時に、理系の学生が受験の際に文系の科目を受験することです。
文転は非常にリスクがあります。
社会科目に変更する危険や就活への影響、合格率の低下である。
このような懸念が文転の迷いを決める要素となっています。
反対に文転にはメリットもあります。
そんなハイリスクハイリターンな文転のメリットデメリットを細かく説明していきたいと思います。
【文転のメリットデメリット】文転浪人のメリット
社会科目の偏差値を70にすることも可能?!
社会科目は数学に比べて暗記量が多いです。
しかし、暗記・歴史の流れ さえ掴むことができれば偏差値70の到達は夢ではありません!
また、社会科目は単元ごとに勉強できるので学習がしやすいです。
社会科目に変更するメリットとして勉強した分だけ点数が伸びて、点数が安定しやすいことが挙げられます。
また、点数が安定するだけでなく、90点以上の高得点を獲得することも夢ではありません。
得られるスキルとしては、正しい判断ができるようになる・「背景」を意識して理解できるようになることなどが挙げられます。
受験科目の負担が減る
私立理系学生であると、数学・理科・英語が受験科目です。
また、理系である場合、数学は数I A IIB +α数IIIが必要になっています。
文転した場合、数IIIの負担が減るため大幅な時間削減をすることが可能になるでしょう。
また、膨大な量である理科への勉強時間をカットすることができます。
その削減した時間を社会科目に費やせば、合格率をさらに高めることができます。
そして、社会は理科・数学に比べて努力が実を結ぶ科目でもあります。
数学や理科の負担が減ることは、文転をするメリットになります。
就職の幅が広がる
理系の場合多くが研究職や開発職になります。
大学でも専門的な知識を学んで、就職先でも専門知識が問われる職に就くことが一般的です。
それに対して、文系の就職先は、営業・販売・事務などです。
理系の就職先に比べて専門性というよりは汎用性がある職種についていることが分かります。
また、大学で学んだことが直接関連しない場合が多いです。
その分、就活時においても選択肢を広げることが出来ます。
大学生は自分のやりたいことを追求することが可能です。
社会人にステップアップする前の貴重な4年間です。
その際に就職の選択肢を広げられていた場合、より良い将来を見据えることができると感じませんか?
就職の幅が広がること・より良い将来を見据えられることは、文転のメリットとなります。
【文転のメリットデメリット】文転浪人のデメリット
一年という長い期間を犠牲にしてしまう
受験後に失敗してしまい浪人した場合、さらにもう一年勉強する必要が出てきます。
また、周りの学生と一年遅れて大学に入学するので、打ち明けるタイミングに困ってしまうことがほとんどです。
そして、浪人の場合日々勉強し続けなければ成績が下がってしまうので、継続力と根性が必要になります。
一年を累計して計算すると、
一年(365日)×24時間=8,760時間
仮に、浪人して第一志望の大学に行くことが出来なかった場合、8,760時間もの時間を無駄にすることになります。
時間を無駄にするリスクがデメリットとして挙げられます。
得意な科目で挑戦できない
文転学生は、もともと理系学生です。
そのため、理系科目が得意な学生が多いことがほとんどです。
私立文系受験では、国語・英語・社会
国語・英語・数学での受験が必須です。
数学で受験した場合、理系出身者が有利に働きます。
しかし、理系科目が3科目中1科目なのでわずかに有利になるのみです。
また、国語・英語・社会の受験を決定した場合、理系科目が0なので得意科目で挑戦できないです。
理系出身学生にとって1番の強みである理系科目受験も、文系科目受験においては不利に働いてしまうことが分かります。
国語が苦手であると大変
文系受験にとって、国語は高得点獲得が不可欠であるでしょう。
特に私立大学では、国語の高得点が必須である傾向が高いです。
なぜならば、文系学生は国語が得意であることがほとんどであるからです。
そして入試国語が比較的容易であることも理由として挙げられます。
国語が不得意な文転学生の特に苦労する点なのではないのでしょうか?
また、国語は成績が伸びにくい教科でもあります。
勉強した分と比例して学力が上昇する教科ではないです。
国語が苦手な学生には文転をオススメしません。
社会科目に膨大な時間がかかる
文転をした場合、新たに社会科目を学ぶ必要があります。
知識0→1まで完成させる時間と労力は並大抵のものではありません。
日本史は累計約550もの時間を要します。
また、私立文系では、日本史・世界史は論述問題や正誤問題がある大学もあります。
問題演習の時間を含めて、550時間よりも多い時間を必要とします。
また、難関私立大学の日本史・世界史では重箱の隅を突いた問題も出題されるので、細かな用語対策をする必要もあります。
これまで、文転のメリット・デメリットを挙げました。
ここからは、文転に向いている人・向いていない人を説明していきます。
【文転のメリットデメリット】文転に向いている人
文系科目が得意な人
私立文系の受験科目は国語・英語・社会です。
私立文系受験は、国語高得点が当たり前です。
また、英語は高得点を取っていると合格率がグッと近づきます。
文系科目が得意な人は他の受験生と差をつけられると考えられます。
文系の学部に進学したい人
高校3年生になって進路について考え始める学生も多いのではないでしょうか?
研究職・研究職以外の仕事に就きたい…。
私やっぱり理系向いていないかも…。
学びたい学部が文系にある…。
以上のような悩みを抱え始めた人もいるのではないでしょうか?
そんな学生の皆さんに朗報です!
文転は非常におすすめです!
社会人になって仕事は1番長く時間を費やすことになります。
それは、文転し浪人する1年間以上の価値に値します。
また、長い浪人1年間で1番大事なことはモチベーションの維持です。
モチベーションが高ければ高いほど自分を変化させられるのではないでしょうか。
【文転のメリットデメリット】文転に向いていない人
国語が苦手な人
何度も述べたように、国語は高得点が必須の科目です。
また、国語は論理的思考力が求められます。
国語が得意な場合、根拠を元にして筋道を立てることができます。
他の科目でも根拠を元にして勉強をすることができるため、成長率が高く効率的に学習を進めることが可能です。
しかし、国語が苦手な場合、点数の伸び率が良くないです。
したがって志望校をワンランク下げる必要が出てきます。
著者自身も他の科目は65〜70近くあったものの、国語の偏差値の伸び代は40→55まででした。
結果、志望校には合格することが出来ませんでした。
国語が苦手な人には文転はオススメしません。
安易な考えで文転を考えている人
文転をすることは、社会科目を1から学び直す・国語や英語を重点的に勉強し始める点で他の受験生よりも一歩遅れてスタートすることになります。
また、浪人する場合は1年間やる気とモチベーションを維持し続ける必要があります。
浪人夏以降で、予備校に来る人数が3分の2まで減っていることも事実です。
そして、未知数である社会科目に手を出す負担は計り知れないです。
「このまま勉強して間に合うのだろうか...。」
こんな不安が付き纏います。
【文転のメリットデメリット】適切なタイミング
高校3年より以前
高校2年生で理系に進んで、3年生に進級する前に文転を決めてしまった場合です。
受験勉強を完成させるには最低でも1年かかります。
問題演習を加えると1年よりも多く時間を費やす必要があります。
早めに文転をして、物理・化学・生物・数IIIの勉強時間を最低限にしましょう。
そして、英語の基礎を早く完成させて問題演習を行うことを推奨します。
また、高校2年生から受験勉強をすることで周りと差をつけることができます。
早めに英語を完成させて、社会の正答率を上げる事も可能です。
高校3年生4月
受験が本格的に始まるのは高校3年生に進級した時です。
高校3年生の夏休みまでに最低基礎を固める必要があります。
また、このタイミングで文転をすることで文系の授業を受けさせてもらうことができるかもしれません。
そして、進学校に在籍している場合、高校3年生に進級してから1年間ほとんどが演習期間になります。
理系科目で演習のため新しい知識を学ぶ必要がありません。
その分文系科目に注力をすることができます。
しかしこのタイミングを逃すと今まで勉強してきた時間と労力が無駄になってしまいます。
最悪の場合、不合格や浪人の選択肢も出現してくるかもしれません。
浪人し始めた時
浪人は1年という時間を持て余すことなく活用することができます。
この長い時間に甘んじて文転の決断を遅くしてしまう人がいます。
しかし、文転をして社会科目に変更した場合、思っているよりも時間が無くなることを覚悟しておいた方が良いです。
また、予備校に入った場合、現役生時代とは違って周りの仲間も出来ることがあります。
仲間と切磋琢磨し合い、勉強に一点集中することができます。
また、このタイミングで志望校をもう一度考え直すべきです。
現役生の時に目指していた大学よりもワンランク上の大学を目指すべきです。
ワンランク上の大学を目指すことによって、向上心が掻き立てられます。そして、自然と勉強量が増えるからです。
【文転のメリットデメリット】受験成功の秘訣!
社会選択を自分と相性がいい科目にする
社会科目の中でも日本史・世界史ではそれぞれ特徴が違います。
日本史は「縦」の歴史で、一つの国について狭く深く学ぶ教科です。
世界史は「横」の歴史で、複数の国について広く浅く学ぶ教科です。
量としては 日本史 < 世界史 です。
文化史の大小については 日本史 > 世界史 です。
また、自分の興味のある教科にすることを推奨します。
興味のある教科にすることによって
壁にぶつかって挫折した際に乗り越えられるようになるからです。
これらを踏まえて日本史・世界史の選択はしっかり調べてから熟考する必要があります。
社会にかける時間をなるべく短縮する
文転のデメリットでも挙げたように、社会科目を1から勉強することは並外れた時間と労力を要します。
実際文転した場合、英語や社会が大きなウエイトを占めます。
私立文系では、英語が合否の決め手を決めると言っても過言ではありません。
また、英語の成績を伸ばすためにかかる勉強時間は約750時間です。
社会の成績を伸ばすためにかかる勉強時間は約550時間なので
英語の勉強時間を他の教科よりも約200時間上回らなければなりません。
したがって、日々の勉強計画においても英語の比率を高く保つ必要があります。
社会の勉強に時間を取られていては到底合格には近づくことが出来ないのです。
有効的な受験計画を立てる
受験は長期戦です。
短期的な計画ではなく、長期的な計画を立てるべきです。
「今何のためにどこを勉強しているのか?」
目的を把握しながら学習していくことが大切です。
そして、目的意識を持つことがモチベーションにもつながることが認識されています。
モチベーションの維持が長期的な計画実行に関係しています。
モチベーションの維持には、勉強の際に抽象的なことを具体的に考えることと関係しています。
具体的に考えることで、より記憶に残りやすいエピソード記憶をすることができます。
また、スケジュールを見直すことも大切です。
無理な計画を立てた際、自分に合った計画へと柔軟に変更することでより効果的な勉強方法が見出せるようになっていきます。
過去問に沿った受験計画を立てる
受験勉強において1番重要な対策が過去問演習です。
過去問演習において不可欠な要素は、
①制限時間内に解く
入試は時間が限られています。
特に難関私大であると英語の制限時間が短い場合があります。
合格できなかった要因として時間が足りなかったが挙げられます。
徐々に制限時間を狭めていくようにしていきましょう。
②本番に近い環境で解く
入試の時期は冬です。
とても寒い環境で問題を解く必要があります。
本番と似たような環境にすることで本番に近い緊張感を体感することができます。
③復習をする
過去問演習において最も肝要な事は復習です。
これは過去問演習だけでなく、普段の学習にも言えることです。
おわりに
今回の記事では、文転をしようか悩んでいる学生に向けて「文転とは何か?」
「文転のメリットデメリット」「文転の適性」「勉強方法」を説明してきました。
文転は非常にリスクのある行動です。この記事を読むことによって文転のメリットデメリット・適性を知り、熟考することができたのではないでしょうか?
文転の決断は早ければ早いほど周りと差をつけることができます。
受験についての正しい知識を身につけ、合格への一歩を踏み出してください!