医療系の仕事に応募する際の自己PR例文【新卒就活】

医療系の仕事に応募する際の自己PR例文【新卒就活】

自己PRでもっとも重要なのは、相手の求める人物像を把握することです。この点を押さえておかなければ、せっかくの自己PRも単なる自己満足で終わってしまいます。

相手が何を求めているかを的確に把握し、そのニーズに合わせた資質を自分が持っていることをアピールすることが大切です。

医療系の仕事に応募する場合でもそれは同じことです。医療系の仕事に求められる資質を押さえ、そのうえで例文を元に自分のアピールポイントを見つけていきましょう

【医療系の自己PR】そもそも自己PRが聞かれる理由

そもそも自己PRが聞かれる理由
  • ポテンシャルを見るため
  • 人柄や価値観を見るため
  • 就業後の活躍の可能性を見るため

選考で自己PRを聞かれる理由はなぜでしょうか。質問の意図を押さえておくことでより響くアピールができるでしょう。

以下で確認していきましょう。

ポテンシャルを見るため

病院や企業では入社後に活躍してくれる人材を求めています。

そのため、自己PRからあなたがどのように活躍してくれるのかを見たいと考えています。

人柄や価値観を見るため

一丸となって目標やビジョンを達成するには同じ価値観を持っていることが重要です。

また、協力しチームワークを高めていくには組織になじめるかどうかも重要になります。

そのため、自己PRのエピソードからわかるあなたの人柄や価値観が注目されています。

就業後の活躍の可能性を見るため

就活の選考で自己PRを求められるのは、病院・クリニック側で、入職後の活躍できるかという可能性を見極めたいからです。

自己PRを聞けば、自分の強みや経験をもってどのような活躍をしたいのか、本人の意気込みやビジョンを知ることができます。

病院側は、その内容から院に貢献できる素質があるかどうかをチェックしているのです。

強みの種類やこれまでの経験、本人の総合的な人柄は、病院との相性に大きく関わります。

Profile Image

柴田貴司
(就活市場監修者/新卒リクルーティング本部幹部)

柴田貴司
(就活市場監修者)

やはり病院の雰囲気や方針に合う人でなければ、活躍・貢献は難しいため、活躍・貢献の可能性が見込めるかどうかは重要な評価基準になるでしょう。そのため、自己PRでは自分の強みを明確に伝えることが重要となりますが、その際はどのような活躍・貢献をしたいか具体的なアピールをする必要があります。

【医療系の自己PR】医療系の仕事に求められている資質とは?

医療系の仕事では、さまざまな能力・資質が求められます。そのため、自分の適性を見極めたり活かせる強みを理解したりするうえでは、医療系職種で求められる資質を知ることが重要です。

具体的には、以下のような資質が求められるでしょう。

医療系の仕事に求められている資質
  • コミュニケーション能力
  • 責任感
  • 協調性
  • 探求心
  • 共感力
  • 臨機応変に対応する力

上記の強みを持つ人は、自己PRでは積極的にアピールすべきといえるでしょう。

では、なぜその資質が求められるのかというポイントも含めて、詳細を解説していきます。

コミュニケーション能力

医療系の仕事では、コミュニケーション能力が多くの場面で求められます。働く際は、どのようなポジションであっても患者さんやほかスタッフとのやり取りが欠かせないからです。

そのため、コミュニケーション能力は、医療系の仕事でまさに基本となる重要な能力といえます。

周りの人と積極的に会話する姿勢、細かい部分も正確に伝達しようとする姿勢、相手の気持ちに寄り添って理解を深める能力なども重要になります。一つひとつのコミュニケーションがおろそかになっていては、質が高く安全な医療サービスを提供することはできず、さまざまなミスにもつながります。

そのため、これまで部活やサークル活動、アルバイト、実習などでコミュニケーション能力を積極的に発揮してきた人は、具体的なエピソードとあわせてその強みをアピールしたいところです。

責任感

医療系の仕事に従事する際は、コミュニケーション能力と同様に基本の姿勢・能力として、責任感が求められます。具体的な職種問わず、医療系の仕事は、患者さんの生命に関わる重大な仕事だからです。

そのため、責任感や人を助けたいという使命感がある人は、やりがいをもって主体的に仕事に取り組めます。責任重大な仕事を途中で放棄してしまうようなことはせず、最後までしっかりと向き合うことができる点が強みです。

責任感のある人は、患者さんだけでなく、ほかのスタッフからも積極的に信頼されることが特徴です。リーダーポジションなども任されやすく、真面目に経験を積むことでキャリアアップしていけるでしょう。

責任をもって一つのことをやり遂げた経験がある人、リーダーをよく務めてきた人などは、責任感を強みとしてぜひアピールしてみましょう。

協調性

医療系の仕事では、協調性も多くの場面で求められる資質になります。チーム医療という言葉があるくらい、医療現場では、周りのスタッフと協力して高品質な医療を届けることが重要視されています。

質の高いチーム医療を提供するためには、積極的に周りの状況を把握したり、重要なことを伝達したりすることが必要不可欠です。協調性がある人は、そういったチームワーク・連携を意識した行動が取れるため、協力が必須となる医療現場には適応していけるでしょう。

協調性は、たとえば部活やアルバイトなど、周りとの協力が欠かせない団体活動で培われるものです。そのため、これまで団体活動に積極的に従事してきた人は、そのエピソードを取り上げながら協調性をアピールすると良いでしょう。

探求心

探求心も、医療系の職種で求められることが多い資質です。医療技術は日々進化しているため、最新の医療を患者さんに届けるうえでは、常に勉強は必要不可欠となります。

また、患者さんの状態もそれぞれ異なるため、ケースに対してどう対応すべきか、日々勉強してスキルを高める姿勢も重要といえます。探求心がある人は勉強熱心で、一つのことを極めることを得意としているため、医療現場では常に勉強しながら活躍していける可能性があります。

そのため、これまでに勉強を頑張った経験がある人や何かを徹底的に極めて成果につなげた経験がある人は、そのエピソードを踏まえて探求心を強みにすると良いでしょう。エピソードで勉強してきたことやそのときの取り組み方などを詳しく伝えれば、医療現場でも活躍できる可能性がある人材として、高評価につながる可能性があります。

共感力

医療系の仕事では、共感力も大きく求められる重要な資質といえます。共感力がある人は、患者さんとの会話の中で状態や要望をうまく聞き出すことができ、質の良い医療に貢献できる可能性があるからです。

共感は、相手との円滑なコミュニケーションで欠かせないことであり、相手の自己開示を引き出すきっかけになります。

そのため共感力が高い人は、周りから信頼されやすく、良い人間関係を構築しながら業務効率を高めていける点が強みです。今までの経験の中で、コミュニケーションを取りながら共感することで物事を解決してきた人は、自己PRをするうえで共感力が強みになる可能性があります。

また、共感力がある人は物事に対する理解力が高いともいえるため、柔軟に言い換えてアピールすることもおすすめです。ただし注意点として、無駄話が多いと判断されないように注意が必要です。

臨機応変に対応する力

医療系の仕事においては、臨機応変に対応する力・資質も必要とされます。医療現場では、常に異なる問題が発生するため、その状況に応じて最適な対応を考えなければなりません。

患者さんへの対応もマニュアル通り…とはいかず、一人ひとりに合わせた判断や選択が必要になるため、固定概念にとらわれない姿勢が重要といえます。

そのため、これまでの経験などで臨機応変な対応力や柔軟性を鍛えてきた人は、医療系の仕事では高い適性を発揮できる可能性があります。冷静に状況を判断しながら必要な対処ができるため、成長が早いという期待もあります。

臨機応変な対応力をこれまで磨いてきた人は、その経験の内容を具体的に説明しながらアピールすると効果的です。

【医療系の自己PR】オススメの文章構成

医療系の自己PRの内容を考える際は、アピールポイントと具体的なエピソードをわかりやすく伝えるための構成を意識することが大切です。

そのためここからは、おすすめの文章構成を紹介していきます。自己PRを作成する際は、以下の構成・流れに沿って内容を書いていきましょう。

オススメの文章構成
  • 強み
  • 具体的なエピソード
  • 就業後にどう活かすか

最初に自分の強みは何かをはっきり伝え、その強みの証明としてエピソードを掘り下げていく流れがおすすめです。そのうえで、就業後にどのように強みを活かすのかを伝えることで、採用担当者に興味を持ってもらう流れになります。

では、それぞれの重要なポイントをわかりやすく解説していきます。

強み

自己PRでは、最初に強みをはっきりと伝える必要があります。コミュニケーション能力が強みである場合は、「私の強みはコミュニケーション能力です」と端的にアピールすることが重要です。

最初に強みをはっきり伝えるべき理由は、アピールポイントが明確になり、面接の際に面接官が話の内容を把握しやすくなるからです。結論である強みを伝えないまま、具体的なエピソードから話してしまうと、何がアピールポイントになるのかがわかりません。

面接官は何を伝えたいのかを探りながら詳しい話を聞いていくことになるため、わかりにくい印象が強くなります。そのため、アピールポイントである自分の強みは、はじめにわかりやすく述べましょう

強みは何なのか、つまりは何についての話なのかを明らかにしたうえで、具体的なエピソードを説明するようにしてください。

具体的なエピソード

自己PRでは、最初に強みを明確にしたうえで、具体的なエピソードを伝えていく流れになります。エピソードが必要なのは、どのような場面で実際に強みを発揮したのかアピールすることで、強みに説得力を持たせられるからです。

単純に「強みはコミュニケーション能力です」とアピールするだけでは、詳細もわからないうえに、説得力に欠けるため印象に残らない自己PRになってしまいます。

なお、エピソードではさまざまな情報を具体的に説明する必要があるため、以下の流れに沿ってわかりやすく伝えることが重要です。

エピソードを伝える流れ
  • 場面
  • 直面した課題
  • 課題解決のためにしたこと
  • 結果

もちろん、課題解決のためにしたことは、強みが発揮されている内容である必要があります。エピソードは具体的でなければ説得力がなくなるため、できるだけ省略せずに伝えることが重要です。

就業後にどう活かすか

自己PRでは、最後に、就業後にどのように強みを活かすかアピールする必要があります。強みと具体的なエピソードを伝えるのみでは、自己PRとして決定力に欠けるからです。

採用担当者は、明確に院で活躍してくれる人材を求めているため、活躍・貢献のイメージが持てる人材にこそ魅力を感じます。そのため、自己PRでは強みの活かし方を述べ、働くうえでどのようなビジョン・目標を持っているか伝えることが重要です。

もちろん、「コミュニケーション能力を活かして活躍したいです」などの伝え方では、抽象的で何にでも当てはまってしまうためNGとなります。強みを活かしてどのような場面でどのような成果に貢献したいのか、どのようなスタッフを目指したいのかなどを明確に伝えることが望ましいでしょう。

そのためには、病院・クリニック側が求める人物像を知るために、病院について十分に理解を深めることが必要不可欠といえます。

【医療系の自己PR】自己PR作成のポイント

医療系の自己PRでは、自分の強みを明確に評価してもらうためにも、さまざまなポイントを意識することが必要です。そのためここからは、自己PR作成におけるポイントや伝えるコツなどを紹介していきます。

具体的なポイントは、以下の2つが挙げられるでしょう。

自己PR作成のポイント
  • 人柄が見えるようにアピールする
  • 患者よりも同僚への気遣いをアピールする

上記のポイントを意識して伝え方を工夫すれば、自己PRの内容は採用担当者の印象に残りやすくなり、内定につながりやすくなります。

では、具体的にどのような点に注意すべきなのか、詳細を解説していきます。

人柄が見えるようにアピールする

自己PRでは、人柄が見えるようにアピールすることが重要です。採用担当者は自己PRを聞くうえで、本人の人柄や価値観なども重視しているからです。

特に医療系の仕事では、医療現場にふさわしい倫理観や真面目さを持っているかが重要となります。人柄を無視して技術力や経験のみで採用を決めてしまうと、現場スタッフや患者さんとの間で、何らかのトラブルになる恐れがあります。

また、特に新卒採用は社会人経験のない学生を採用するため、技術力や経験よりも人柄が重視される傾向です。そのため自己PRでは、自分の強みを詳しく掘り下げながら、どのような性格・価値観なのかがわかるポイントを盛り込むことが重要です。

具体的には、その場面に直面して思ったことや自分なりの信念などを入れながらアピールするようにしましょう。

患者よりも同僚への気遣いをアピールする

医療系の自己PRでは、患者さんよりも同僚への気遣いをアピールしながら作成すると効果的です。なぜなら、医療系の職種である以上、患者さんに対して気遣い・思いやりの姿勢を持つことはもはや当たり前だからです。

そのため、患者さんに優しく接することを強くアピールしても、医療系の仕事ではあまり評価は上がらない可能性があります。

したがって、たとえばコミュニケーション能力をアピールする際は、周りのスタッフと円滑に人間関係を築いていきたい意思を伝えると効果的といえます。すると、患者さんと積極的にやり取りできるのはもちろんのこと、現場スタッフともスムーズにコミュニケーションできる人材として、期待感が高まります。

特に協調性やチームワークなどをアピールする際は、同僚と良い関係が築けることを強調すると良いでしょう。

【医療系の自己PR】作成の際の注意点

医療系の自己PRを作成するときは、アピールが逆効果にならないように、注意点もあらかじめチェックしておく必要があります。そのためここからは、自己PR作成時に注意したいポイントを紹介していきます。

主な注意点は、以下の2つがあります。

作成の際の注意点
  • エピソードを曖昧に伝えない
  • 病院とミスマッチな内容をアピールしない

強みの伝え方に失敗してしまうと、わかりにくい・院に適性がないと判断されてしまう恐れがあるため注意しましょう。

では、以下から注意点の詳細を解説していきます。

エピソードを曖昧に伝えない

医療系の職種の自己PRを書くうえで注意したいのは、エピソードをあいまいに伝えないということです。詳細がわかりにくく抽象的なエピソードは、強みの説得力に欠けるものです。

「嘘を書いているのではないか」という疑念が生まれる原因にもなり、エピソードを取り上げる意味がなくなってしまうため、エピソードは課題・行動・結果の要点をわかりやすく伝える必要があります。

特に、強みを活かして取った行動や施策は重要なポイントになります。どのように強みを活かして立ち回ってきたのかを伝えることで、アピールの内容には初めて説得力が加わるため、エピソードは丁寧に伝えましょう。

また、成果については、可能な限り数字を活用して伝えるとより効果的といえます。「売上が10%増加した」などの伝え方のほうが具体性が増すため、強いインパクトを残すきっかけになります。

病院とミスマッチな内容をアピールしない

自己PRで強みをアピールする際は、病院とミスマッチになる内容を記載しないことが重要です。病院側は、院に理念や雰囲気に適応したうえで活躍できる人材を求めて自己PRを聞いているため、ミスマッチだと判断されれば当然採用にはつながりにくくなります。

例えばチーム医療を大事にする現場を志望しているにも関わらず、個人で作業に集中できる力などをアピールしてしまうと、相性の悪さが際立つ可能性があります。全体の構成がわかりやすくエピソードが具体的であっても、最終的に病院と相性が良くなければ、良い評価にはつながらないでしょう。

そのため、アピールすべき強みを考える際は、病院が求める人物像を考慮する必要があります。ミスマッチな内容はアピールとして意味をなさないことを、十分に理解しておきましょう。

【医療系の自己PR】例文8選

ここまで医療系の自己PRのポイントを紹介してきましたが、なかなか書けないという方も少なくないでしょう。そこで、医療系の自己PRの例文を8個紹介します。

さまざまなパターン別に例文を紹介し、また解説もしていますので、ぜひ参考にして自分の自己PRを完成させてみてください。

例文1. チーム医療

私の強みは、実習を通じてチーム医療の重要性を学び、積極的に関わった経験です。
看護実習では、スタッフ同士の連携が取れておらず、患者様の不安が大きい場面に直面しました
私はその課題を解決するために、医師や看護師、リハビリスタッフと積極的に情報共有を行い、患者様の状態や要望を正確に伝えることを意識しました。
その結果、チーム全体で患者様に対する理解が深まり、安心して治療を受けることができたと感謝の言葉をいただきました。
この経験から、円滑なチーム医療の実践には、積極的なコミュニケーションが不可欠であると実感しました。
入職後も、現場にいるスタッフと連携を深めながら、患者様が安心できる高品質なチーム医療を提供していきたいと考えています。

この例文は、実習などでチーム医療に携わった経験や、その際に培ったチームワークをアピールする例文です。

現在、多くの医療現場では円滑なチーム医療を取り入れているため、チームで動くことを意識して働ける人は評価されやすいです。

そのため、具体的な経験の内容や自分自身の行動などは明確に伝えるようにしましょう。

経験自体をアピールポイントにする場合は、例文でも触れているように、そのとき学んだことなどにも触れると効果的です。

どのように医療に向き合っているのか、自分自身の人柄や価値観を伝えるポイントになります。

例文2. コミュニケーション能力

私の強みは、気持ちを正確に読み取り、柔軟な対応で信頼関係を築けるコミュニケーション能力です。
飲食店でのアルバイトを経験した際は、忙しい時間帯に注文の伝達不備が起こりやすくなったことがありました。
そこで私は、スタッフ間で情報共有の不足を解決するため、具体的な確認手順と連絡体制の改善策を提案したうえで実行しました。
結果、ミスが減少したことで業務効率が向上し、顧客満足度も上昇することになりました。
貴院に入職した際も、医療現場において患者様・スタッフとの円滑なコミュニケーションを促進し、安心できる現場づくりに貢献したいと考えています。

この例文は、円滑に周りとやり取りできるコミュニケーション能力をアピールしている自己PR例文です。

コミュニケーション能力は、アルバイトや部活などの団体生活において養われることが多いため、エピソードも同様のものを取り上げると効果的です。

しかしながら、コミュニケーション能力が強みというだけでは具体的に何ができるのかあいまいな印象もあるため、例文のように行動の内容を明確に説明することが重要といえます。

そのうえで、コミュニケーション能力を発揮しながらどのような貢献・活躍をしたいのか具体的にアピールしましょう。

例文3. 責任感

私の強みは、最後まで責任を持って物事に取り組む姿勢です。
以前、ラグビー部の副キャプテンを務めていた際は、チームの練習参加率の低さが課題となっていました。
このままでは試合で勝つことができないと考えた私は、一人ひとりと対話し、練習の目的を明確に伝えることで意識改革を実践しました。
また、メニューの見直しを積極的に行ったうえで、練習の質を高める工夫をしました。
その結果、参加率が向上し、地区大会で過去最高の成績を収めることができました。
入職後も患者様やチームと信頼関係を築きながら、責任を持って医療に貢献し、安全で質の高いサービスの提供につなげたいと考えます。

この自己PR例文では、医療現場では非常に重要視される責任感を強みとしてアピールしています。

強みは最初にはっきりと伝えることが重要ですが、責任感という言葉自体は抽象的な印象もあるため、例文のように「最後まで責任を持って物事に取り組む姿勢」とアピールすることも大切です。

責任感は、重大な仕事に取り組んだ経験やチームをまとめた経験などを踏まえてアピールすることが効果的といえます。

責任のある行動とは何かをよく考えたうえで、責任感という強みが伝わる説得力あるアピールにつなげましょう。

例文4. 協調性

私の強みは、周囲と協力しながら目標達成に向けて努力できる協調性です。
大学のチアリーディングサークルでは、メンバー同士のスキル・経験の差が大きく、完成度がなかなか高まらないことが課題となっていました。
そこで私は、個々の得意分野を活かせるフォーメーションを提案し、基礎練習の時間を増やすことで全体のレベルアップを図りました。
ほかには、メンバー同士が積極的にアドバイスし合えるミーティングの時間を設けることで、一体感も高めました。
結果、先日の大会では入賞することができ、過去最高の記録を残せました。
入職後も培ってきた協調性を活かし、チームの一員として積極的に連携を図りながら、患者様に最善の医療を提供できるようになりたいです。

この例文は、協調性をアピールしている自己PRの例文になります。

医療現場では常に協力の姿勢を持つことが欠かせないため、協調性をわかりやすくアピールすれば、高く評価される可能性に期待できます。

しかし、エピソードを具体的に書かなければ信憑性がなくなってしまうため、エピソードの要点は明確にしていきましょう

見直す際は、課題→行動→結果の流れに沿ってエピソードを説明できているか、よくチェックすることが大切です。

特に行動の部分は、協調性を発揮して動いているのかがよくわかるポイントといえるため、何を行ったのか具体的に説明するようにしてください。

例文5. 探求心

私の強みは、課題に対して粘り強く取り組む探求心です。
資格試験の勉強では、難解な分野の理解が進まず、成績が伸び悩むことがありました。
そこで私は、参考書だけでなく論文や専門書を活用し、知見を深める工夫をしました。
また、同じ目標を持つ仲間と勉強会を開き、互いに解説し合ったりモチベーションを高め合ったりしました。
その結果、苦手分野を克服し、試験に合格することができました。
私はこの経験を通じて、探求心をもって知識を深めることが良い成果をもたらすことを実感しました。
入職後もこの探求心を活かし、最新の医療知識や技術を学び続けることで、患者様により良い医療サービスを提供できるよう努めたいと考えています。

この例文では探求心をアピールしている自己PR例文であるため、勉強熱心な人や新しい医療技術に強い興味関心がある人などは、ぜひ参考にしてみてください。

探求心は、勉強したり物事を突き詰めて研究したりするうえで重要な能力・姿勢といえるため、エピソードは勉強などの自己研鑽に関するものが望ましいです。

なお、勉強は多くの場合自分との闘いであるため、医療現場で重視される他者との関わり方をアピールしたい場合は、ほかの人からアドバイスをもらった経験などに触れると効果的です。

例文6. 共感力

私の強みは、相手の気持ちを理解し、寄り添うことができる共感力です。
介護施設でのボランティア活動では、入所者様がコミュニケーションを拒む場面がありました。
最初は接し方に悩みましたが、まずは入所者様の立場に立ち、表情や仕草から気持ちを読み取ることを意識しました。
また、無理に会話をしようとするのではなく、好きな音楽を一緒に聴くなど、安心できる雰囲気作りに努めました。
その結果、少しずつ心を開いてくださり、笑顔を見せてくれるようになりました。
先輩スタッフからも、コミュニケーションの取り方を褒めていただきました。
入社後もこの共感力を活かし、患者様の不安に寄り添いながら、安心して治療に臨める環境を作っていきたいです。

この例文では、物事に共感して寄り添う姿勢が強みだと伝える自己PR例文になります。

共感力と一口にいっても、具体的な能力の内容はすぐに把握できないため、相手に寄り添える・気持ちを理解できるなどの伝え方は重要といえます。

また、「一生懸命話を聞く」などのあいまいな行動を述べるだけでは、共感力があるとはいえないため注意が必要です。

例文のように、「表情や仕草から気持ちを読み取った」などの具体的な行動を示すことで、共感力が強みであることをアピールしていきましょう。

例文7. 臨機応変に対応する力

私の強みは、臨機応変に対応できる力です。
大学時代に留学を経験した際は、現地の授業では専門用語が多く、最初は内容を十分に理解できないという課題に直面しました。
そこで私は、事前に講義資料を読み込み、分からない単語を調べることで予習を徹底しました。
また、授業中は積極的に質問し、クラスメートとも意見交換を行いながら理解を深める工夫をしました。
結果、徐々に授業についていけるようになり、最終的には言葉に詰まることなくディスカッションにも参加できるようになりました。
貴院に入職した際も臨機応変な対応力を発揮し、患者様の状態や現場の状況に応じて適切な判断を行いたいと考えています。

この例文では、留学のエピソードを踏まえたうえで、臨機応変に対応する力が強みであることを伝えています。

臨機応変に対応できる能力は、医療現場では非常に重要視されるため、具体的にアピールすれば高評価につながる可能性があります。

臨機応変に対応してきたという具体的な証明は、エピソード内の行動でわかりやすく説明する必要があります

例文のようにどのように行動してきたのか、詳しい内容を伝えることで、説得力のあるアピールにつなげていきましょう。

また、臨機応変な対応力をもってどのような活躍をしたいのかアピールすることも重要です。

例文8. 思いやりの心

私の強みは、相手を思いやる心をもって行動できる点です。
地域の清掃ボランティアに参加した際、ただゴミを拾うだけでなく、住民の方々が快適に過ごせる環境を作ることが大切だと感じました。
しかし、清掃した地域にはゴミの不法投棄が多く、掃除をしてもすぐに汚れてしまうという課題がありました。
そこで私は、友人と協力しながら、住民と積極的に交流し清潔な環境の大切さを伝える活動を行いました。
結果、ゴミの量が減り、住民の方からも感謝の言葉をいただくことができました。
入職後も思いやりの心を大切にし、患者様に寄り添った対応を心がけることで、安心できる医療を提供できるように努めたいと考えます。

この例文では、医療現場で重要となる思いやりの心をアピールしています。

医療や福祉に携わる仕事は、根底として思いやりの精神がなければ成り立たないため、具体的にアピールすれば高い適性を示すことができるでしょう。

しかし、思いやりの心という表現のみではわかりにくいため、エピソードを伝える際はどのような行動につなげたのかを詳しく説明することが大切です。

また、思いやりなどの人柄に大きくかかわる部分を強みにする場合は、そのとき感じたことなどにも触れると効果的です。

より自分の人柄や価値観が伝わりやすくなり、採用担当者が興味を抱くポイントになるでしょう。

【医療系の自己PR】他の就活生と差をつけるには

医療系の自己PRを書くときは、ほかの就活生との差別化を常に意識する必要があります。あいまいな内容では、ほかの就活生と被りやすくなり、印象に残らないアピールになってしまいます。

そのためほかの就活生と差をつけるうえでは、以下2つのポイントを意識しましょう。

他の就活生と差をつける方法
  • 実習などの過去経験を具体的に伝える
  • 言い換え表現を使う

以上の点を意識して詳しい自己PRを行えば、差別化につながり、採用担当者に覚えてもらいやすくなります。

では、具体的にどのような点を意識すべきなのか、詳細を解説していきます。

実習などの過去経験を具体的に伝える

医療系の自己PRでは、実習などの過去経験を具体的に伝えることが大切です。強みを裏付けるエピソードは、具体的であるほど説得力が増し、ほかの人ともかぶりにくくなるからです。

オリジナリティのある内容でアピールができるため、採用担当者の記憶にも残りやすくなるでしょう。特に直面した課題の内容や、その課題を解決するために起こした行動や実践した施策は、詳しくアピールする必要があります。

また、なぜその行動が有効だと考えたのかなどの、自分なりの考え・価値観を伝えることも重要なポイントです。具体的なアピールができれば、エピソードの内容について詳しく聞かれた際も、言葉に詰まらずスムーズに対応できるでしょう。

そのため、自己PRの中で伝える過去のエピソードは、可能な限り詳しい情報に触れることを意識してみてください。

言い換え表現を使う

医療系の自己PRでは、言い換え表現を活用することで、ほかの就活生と差別化する方法もあります。言い換え表現を活用すれば、コミュニケーション能力や協調性などのよくある強みも、自分ならではの特徴を入れたうえでアピールできます。

汎用的な伝え方ではなくなるため、能力や人柄の詳細が伝わることが重要なポイントです。結果、採用担当者にも覚えてもらいやすくなり、ほかの就活生との間で埋もれてしまうことを防げます。

自分の強みにぴったり合う言い換え表現は、類義語・同義語を調べたり、その強みを活かしてできることを考えたりすることで見つけられます。例えばコミュニケーション能力であれば、「コミュニケーション能力を活かして必要な情報をこまめに伝える姿勢」などの言い換えができる可能性があります。

なお、強みの言い換え表現の例については次の項目でも解説しているため、ぜひ参考にしてみてください。

【医療系の自己PR】求められる素質の言い換え一覧

医療系の自己PRで自分の強みをより的確に表現する際は、汎用的な表現の強みではなく、言い換え表現を活用することがおすすめです。必要に応じて強みを言い換えれば、ほかの就活生とかぶらない表現ができるため、大きなインパクトを与えられる可能性があります。

そのためここからは、医療系の職種で求められる素質をピックアップしたうえで、それぞれの言い換え一覧を紹介していきます。前述のとおり、医療系の職種では以下のような素質が求められる傾向です。

求められる素質の言い換え
  • コミュニケーション能力
  • 責任感
  • 協調性
  • 探求心
  • 共感力
  • 臨機応変に対応する力
  • 思いやりの心

では、どのような言い換えの例があるのかをチェックしたうえで、より的確な表現を模索してみましょう。

コミュニケーション能力

医療系の職種で重要視される能力の一つとして、コミュニケーション能力があります。コミュニケーション能力は、表現としてあいまいだと捉えられる場合もあるため、例えば以下のような言い換えが望ましいでしょう。

コミュニケーション能力の言い換え例
  • チームワーク
  • 組織力
  • 協調性
  • 傾聴力

コミュニケーションが得意な人は、周りと積極的に連携しながら円滑に業務を進められるため、チームワークを意識して行動できるといえます。そのため、コミュニケーション能力がある人は組織形成において高い能力を発揮できる可能性があり、組織力があるとも言い換えられることもあります。

コミュニケーションを取ることで周りと協力できる人は、わかりやすく協調性と言い換えることもおすすめです。

ほかには、人と会話する際に相手の伝えたいことを引き出すことに長けている場合は、傾聴力と言い換えることも効果的といえます。

責任感

責任感も医療系の仕事では常に求められる重要な姿勢・能力ですが、責任感と一言でまとめてしまうと、あいまいな印象を与える場合があります。そのため、言い換え表現としては以下のようなパターンが挙げられます。

責任感の言い換え例
  • リーダーシップ
  • 忍耐力
  • 連携力

責任感が強い人は周りをまとめる能力に長けていることが多いため、実際にリーダーポジションを経験してきている傾向にあります。そのため、リーダー経験に焦点を当てて責任感をアピールするなら、むしろリーダーシップと表現したほうが適切な場合があります。

また、責任感のある人は大変な困難にも立ち向かっていけるため、つらいことにも耐えられる忍耐力があるともいえるでしょう。

ほかには、チームで取り組んだ経験をエピソードとして取り上げる際は、責任感ではなく連携力と表現したほうが良い場合もあります。

協調性

協調性を自己PRでアピールする際は、あいまいかつ抽象的な印象を与えないために、いくつかの言い換え表現をチェックしておきましょう。具体的には、以下のようなパターンがあります。

協調性の言い換え例
  • 傾聴力
  • チームワーク
  • 柔軟性

協調性がある人は、周囲の人の意見や考え方に積極的に耳を傾け、その内容に基づいて協力の姿勢を示すことができます。そのため、協調性がある人は傾聴力があるともいえます。

傾聴力は患者さんとのコミュニケーションにおいて重要な能力といえるため、志望先によっては、傾聴力と言い換えたほうが高評価につながるかもしれません。

ほかには、周りと協力して連携性を高められるという意味では、チームワークと言い換えることもおすすめです。また、協調性がある人は周りの人と協力するために行動を柔軟に変化させられるため、柔軟性と言い換えられる場合もあります。

探求心

探求心を自己PRでアピールする際は、内容によってはわかりにくいイメージにある場合があるため、以下のような言い換えを検討してみましょう。

探求心の言い換え例
  • 勉強熱心
  • 学習能力
  • 傾聴力
  • 観察力

探求心がある人は新しい知識を取り入れたり、一つのことを深く勉強したりすることに貪欲なので、わかりやすく勉強熱心と言い換えたほうが良い場合があります。また、勉強熱心であれば学習能力も高いといえるため、学習能力と言い換えるパターンもおすすめです。

さらに、探求心がある人は人の話から情報を読み取ったり勉強したりすることも得意なので、そのような意味では傾聴力があるとも言い換えられる場合があります。

物事を観察したうえで知識を深めることが得意な場合は、観察力があるという言い換えもおすすめです。

共感力

医療現場では、特に患者さんと接する場面において、共感力が重要視される場合があります。しかし、共感力という伝え方ではどこかしっくりこない場合は、以下のような言い換えを検討してみてください。

共感力の言い換え例
  • 傾聴力
  • 思いやりの心
  • 観察力

共感力がある人は、相手の話にじっくりと耳を傾けたうえで、話に共感することができます。そのため、共感力=傾聴力と言い換える場合があり、聞き上手であることに自負がある人は傾聴力と伝えたほうが効果的な可能性があります。

また、共感は思いやりの精神から来ているともいえるため、思いやりの心などの言い換え表現を用いることもおすすめです。さらに、共感力がある人は相手の要望や悩みをしっかりと見極めることができるという意味では、観察力があるともいえるでしょう。

臨機応変に対応する力

臨機応変に対応する力は、医療系の仕事では評価されやすい強みです。より正確に強みを表現し、自己PRで高評価を獲得するには、以下のような言い換えを検討してみましょう。

臨機応変に対応する力の言い換え例
  • 柔軟性
  • 傾聴力
  • リスクマネジメント

臨機応変に対応できる人は、状況に応じて必要な行動を変化していけるため、柔軟性に優れているともいえるでしょう。そのため、柔軟に行動や考えを変化させてきた経験を伝えながらアピールする場合は、柔軟性と言い換えることがおすすめです。

また、臨機応変に対応できるということは、相手の求めることをしっかり見極められることにつながります。そのため、臨機応変に対応する力を強みにする場合は、傾聴力と言い換えてアピールすることも検討してみましょう。

なお、リスクに応じて行動できる人は、リスクマネジメントという表現を用いることもおすすめです。

思いやりの心

医療系の仕事では、思いやりの心も基本的な資質として求められます。しかし、思いやりの心という表現はややわかりにくい印象もあるため、以下の言い換え表現も検討してみましょう。

思いやりの心の言い換え例
  • 柔軟性
  • 組織力
  • チームワーク
  • 傾聴力

柔軟性と言い換えられるのは、思いやりのある人は、相手の要望などに合わせて柔軟に行動できる場合があるからです。そのため、思いやりの心をもって臨機応変に対応してきた人は、柔軟性と言い換えたほうが効果的と言えるでしょう。

また、思いやりや気遣いの精神がなければより良い組織・チームづくりはできないため、思いやりの心は組織力やチームワークと言い換えられる場合もあります。

ほかには、思いやりをもって周りの人の話に耳を傾けられる人などは、傾聴力と言い換えるのもおすすめです。

【医療系の自己PR】まとめ

医療系の選考では、必ずといっていいほど自己PRが求められます。もちろん、志望動機なども大切ですが、医療系の現場では経験や知識がより求められます。

また、医療系の仕事ではそれぞれ求める人物像などが異なってきますので、それぞれの特徴を押さえた自己PRを作成しましょう。本文中にある例文などを参考にあなたらしさが表れる自己PRを作成してくださいね。

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柴田貴司
監修者

明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート

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