公務員を目指す大学3年生にとって、インターンシップは志望先の理解を深める貴重な機会です。
しかし、参加するためには面接を突破する必要があり、不安を抱えている人も少なくありません。
民間企業のインターン面接とは異なり、どのような質問がされるのか、どの程度本気で準備すればよいのか分かりづらいのが公務員インターンの特徴です。
この記事では、公務員インターンの面接においてよくある質問や評価されるポイント、当日の流れや対策方法について具体的に解説します。
初めて面接を受ける27卒の学生でも、落ち着いて対応できるような知識と準備のヒントをお届けします。
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【公務員 インターン 面接】選考の目的と全体の流れを押さえよう
公務員インターンの面接では、受験者の知識やスキル以上に、職業に対する理解度や将来への関心が問われます。
選考は本選考とは別物であり、インターンの性質や自治体・省庁によって目的も異なります。
中には選考というよりも、志望者とのマッチングや将来の受験を見据えた情報収集を目的とした面接も存在します。
ここでは、インターン面接の全体像や選考の意図について、具体的に解説していきます。
面接の目的は将来の人材発掘と職業理解の支援
公務員インターンの面接は、即戦力を評価するものではなく、将来の受験を前提とした志望者との接点づくりや業務理解の促進が目的です。
特に国家公務員や都道府県の行政職では、職業への適性や関心の深さが見られます。
自治体によっては、参加者の志望度や思考のクセを把握しておくことで、将来の採用活動の参考にすることもあります。
また、学生にとっても、面接を通じて公務員の考え方や姿勢に触れる機会になるため、職業選択の判断材料として非常に重要です。
書類選考・面接のタイミングと日程感
多くの公務員インターンでは、まずエントリーシートや申込フォームの提出があり、その後に面接が行われます。
日程は7月から8月にかけて実施されることが多く、面接はオンラインで実施されるケースが主流です。
所要時間は15分から30分程度が一般的で、質問内容は志望理由や自己紹介、インターンで得たいことなどが中心になります。
民間と比べるとフランクな印象を受けることもありますが、あくまで公的な場であることを意識し、丁寧な受け答えを心がける必要があります。
合否が本選考に影響するケースとしないケースの違い
原則としてインターンの合否は本選考に直結しないとされていますが、現実的には関係してくるケースもあります。
たとえば、省庁型のインターンでは事前面談の内容が職員の記録として残ることがあり、将来の志望先との相性や人柄がチェックされることもあります。
一方、自治体によっては完全に職業理解の場として位置づけており、合否や評価が本選考に影響しないケースも存在します。
いずれにしても、インターン面接の場では本気度や誠実さを持って臨むことが、後の進路選択にも良い影響をもたらします。
【公務員 インターン 面接】よく聞かれる質問パターンとは
公務員インターンの面接で問われる内容は、民間企業と大きく異なるわけではありませんが、公共性や社会貢献への意識がより強く求められます。
面接官は、学生がどのような考えを持ち、何を学ぼうとしているのかを見極めるため、オーソドックスな質問の中にも深い意図を持っています。
ここでは、実際に頻出する質問と、それぞれの意図、答え方の方向性について解説します。
志望動機をどう聞かれるか
公務員インターンでは、なぜその機関を志望したのかを問う質問が必ず出されます。
自治体であれば、なぜこの地域を選んだのか、どのような魅力や課題に関心を持っているのかが問われ、省庁であればその業務領域や行政機能への理解と興味が見られます。
単に漠然とした「地域に貢献したい」「行政に興味がある」では説得力に欠けるため、具体的な経験や学びと結びつけることが重要です。
取り組みに共感した政策、現地訪問の印象、学部での学びとの接点などを交えて答えると、志望度の高さが伝わります。
学生時代に頑張ったことへの深掘り例
学生時代に力を入れたことは、どの面接でもよく聞かれる定番質問です。
公務員インターンでは、成果よりもその過程で何を考え、どう行動したかが重視されます。
たとえば、サークルやアルバイトの中で困難をどう乗り越えたか、メンバーとの調整をどう行ったかなど、協調性や責任感、粘り強さといった人物像が見えるエピソードが求められます。
表面的な活動紹介にとどまらず、自分なりに工夫した点や得られた学びを明確に伝えることが、評価につながるポイントとなります。
インターンで何を学びたいか/どう活かしたいか
面接では、インターンに参加する目的や期待していることを聞かれることも多くあります。
この質問は、単なる参加意欲の確認にとどまらず、学生がどのような視点で行政を見ているか、将来のキャリアにどうつなげようとしているかを知る意図があります。
具体的には、どの部署の仕事に関心があり、なぜそれを学びたいのかを語ることが重要です。
また、学んだことを今後の学業や進路選択にどう活かすかまで述べると、思考の深さと目的意識が伝わりやすくなります。
【公務員 インターン 面接】志望動機の考え方と例文の型
公務員インターンの面接では、志望動機の内容が面接全体の印象を左右するといっても過言ではありません。
ただし、受けの良い言葉を並べるだけでは面接官に響きません。
評価されるのは、その人の考え方や経験と行政の役割がどれだけ結びついているかという点です。
ここでは、公務員インターン向けの志望動機を組み立てる際に意識すべきポイントと、面接で伝えるための具体的な型を解説します。
公共性や地域貢献との接点を示す
公務員という職種においては、社会全体への貢献意識や公共性に共感していることが大前提として見られます。
そのため、志望動機では、自分がどのように人や地域と関わってきたかを具体的に語る必要があります。
たとえば、ボランティア活動や地元の地域行事への参加などを通じて、住民との信頼関係や行政の役割を実感した経験などがあれば、それを軸に話を展開しましょう。
自分の体験から学んだことと、公務員の使命感が重なる部分を明確にすると、説得力のある志望動機になります。
過去の経験と志望理由を結びつけるコツ
効果的な志望動機をつくるためには、自分の過去の経験と公務員への関心を自然に結びつけることが大切です。
たとえば、大学で都市政策を学んでいる学生であれば、講義で扱ったテーマに触れながら、それがなぜ行政というフィールドで学びを深めたいという動機につながったのかを説明できます。
経験に基づいた志望理由は、面接官にとっても納得感があり、学生が本気でインターンに臨もうとしていることが伝わります。
自己紹介との一貫性も意識すると、より完成度の高い内容になります。
興味関心を具体的に語るフレーズ例
志望動機の中でよくある失敗は、抽象的で誰にでも言えるような表現になってしまうことです。
その対策としては、自分の関心のある政策や行政サービスを具体的に挙げて話すのが有効です。
たとえば、高齢者支援や観光振興、まちづくり、防災など、自治体や省庁が実施している具体的な施策に触れながら、「この施策に携わる職員の姿を知り、関心を持った」といった流れを作ると、話に現実味が出ます。
事前にホームページや施策資料を読み込むことが、こうした具体性につながります。
【公務員 インターン 面接】民間との違いと意識しておくべき点
民間企業のインターンと公務員インターンは、面接の目的や評価される要素が大きく異なります。
企業ではスキルや利益貢献の可能性が重視される一方で、公務員の面接では人柄や公共性への理解、誠実な姿勢が重視されます。
民間の面接に慣れている学生ほど、公務員独自の評価軸を理解しておかないと、的外れな回答になってしまうことがあります。
このセクションでは、民間との違いを踏まえて面接で意識すべきポイントを整理します。
評価されるのは答えの内容より思考と姿勢
公務員インターンの面接では、答えの完成度よりも、どのように物事を考えているか、どのような姿勢で臨んでいるかが評価されます。
たとえば、完璧な答えができなくても、真剣に向き合おうとする態度や、わからないことに対して学ぶ意欲を見せられるかが大切です。
民間のようにロジカルさや即戦力が前面に出る場面は少なく、むしろ誠実で一貫した考え方が求められます。
面接官は、話の上手さではなく、その人の価値観や将来性を見ているという点を忘れずに準備しましょう。
積極性や協調性よりも誠実さや丁寧さが鍵
民間企業の面接では、明るく元気な受け答えや、主体的に行動するエピソードが評価される傾向がありますが、公務員の面接では、目立つタイプよりも着実に物事に取り組む姿勢が重視されます。
たとえば、協力的に物事を進めた経験や、相手の意見に耳を傾けながら丁寧に対応した経験などが好印象につながります。
面接では声の大きさやテンションの高さよりも、言葉の選び方や対応の落ち着きが見られるため、素直で誠実な受け答えを意識することが大切です。
雰囲気・マナー・服装などの違いにも注意
公務員の面接では、雰囲気やマナーにおいても民間とは異なる点があります。
服装は原則としてスーツが基本であり、シンプルで落ち着いた印象を心がけましょう。
話し方も、ビジネス的な営業トークよりも、丁寧で落ち着いた語り口が求められます。
会話の中で無理に盛り上げようとせず、聞かれたことに対して正確に、相手に敬意を払って答えることが基本です。
細かな所作にも気を配り、誠実な印象を与えることが、選考突破につながる重要な要素となります。
【公務員 インターン 面接】NG回答例と落ちる理由とは?
面接で好印象を与えるためには、何を話すか以上に、何を話さないべきかを理解することも重要です。
特に公務員インターンの面接では、内容が表面的だったり、準備不足が露呈したりすると、評価が一気に下がる可能性があります。
民間の面接と同じテンションや内容で臨んでしまい、うまくいかなかったという声も少なくありません。
ここでは、落ちやすい回答の傾向と、避けるべき失敗パターンを具体的に解説します。
抽象的すぎる志望動機で熱意が伝わらない
志望動機を聞かれたときに、「地域に貢献したい」「人の役に立ちたい」といった言葉だけで終わってしまうと、面接官には熱意が伝わりません。
こうした言葉は一見前向きですが、背景や具体性が伴っていないと、他の多くの受験者と同じ印象になってしまいます。
たとえば、どのような経験からその思いが生まれたのか、自分はどんな場面で人の役に立ちたいと感じたのかといった内容まで掘り下げて話す必要があります。
抽象的な表現だけで終わらず、行動や体験に基づいた志望動機を意識することが重要です。
他人任せの経験談は主体性の欠如と見なされる
学生時代のエピソードを語る場面では、自分の行動や考えを主軸にして話すことが求められます。
たとえば、「友人に誘われて参加した」「指示されたからやった」といった他人の動機に乗っただけのような表現が多いと、主体性が薄いと受け取られてしまいます。
公務員として求められるのは、自ら考えて行動できる姿勢です。
仲間と協力した経験を話す際も、自分がどのように貢献したのか、どんな工夫をしたのかを明確に伝えるようにしましょう。
詰まった時に焦って取り繕うとマイナス評価に
面接中に想定外の質問を受けて言葉に詰まることは誰にでも起こりますが、そこで無理に取り繕うと不自然な印象を与えてしまう恐れがあります。
特に公務員の面接では、冷静さや誠実さが評価の基準となるため、わからないことをごまかすよりも、一呼吸おいて考えを整理する姿勢の方が好印象です。
たとえば、「少し考えさせてください」と落ち着いて伝えるだけでも、誠実な印象になります。
完璧を求めるより、自分の言葉で真摯に向き合う態度を大切にしましょう。
【公務員 インターン 面接】逆質問の準備で印象を残す
公務員インターンの面接では、最後に「何か質問はありますか」と逆質問の時間が設けられることがあります。
この時間は単なる形式的なものではなく、学生の志望度や主体性を測る貴重な場でもあります。
どのような視点で公務員の仕事に興味を持っているか、どれだけ事前に調べているかが自然と伝わるため、逆質問の質次第で印象が大きく変わることもあります。
このセクションでは、評価されやすい質問の方向性と、避けるべき質問の傾向について解説します。
業務内容や配属先の特色に関する質問例
志望先の業務内容に関する質問は、インターンへの意欲や理解度の高さを示すのに有効です。
たとえば、「○○課ではどのような業務に取り組まれているのか」「○○政策の現場ではどんな工夫が求められるのか」といった具体的な問いかけは、事前に調べてきたことが伝わりやすくなります。
漠然と「どんな仕事がありますか」と聞くよりも、自分の関心と結びつけて質問することで、熱意と調査力の両方をアピールできます。
気になる部署がある場合は、公式サイトの組織図なども参考にしましょう。
若手職員の働き方や雰囲気について尋ねる
実際の職場環境や若手職員の働き方について質問することで、将来的な働き方に対する関心やリアリティが伝わります。
たとえば、「若手職員のうちから任される仕事の範囲はどの程度か」「業務の中で職員間のコミュニケーションはどのように行われているか」といった質問は、働く側の視点に立った関心として評価されやすいです。
一方で、残業時間や有給取得率など待遇面に偏りすぎると、本質的な関心が薄いと思われる可能性もあるため、質問の切り口には注意が必要です。
キャリアパスや今後の施策に対する関心を伝える
キャリア形成や行政の方針に関する質問も、視座の高さを示せる逆質問の一つです。
たとえば、「今後注力していく予定の政策領域について伺いたいです」「長期的なキャリアの中で、どのような異動や専門性が求められるか」といった質問は、将来を見据えた真剣な姿勢として受け止められます。
インターンを一時的な体験にとどめず、公務員という仕事にどれだけ本気で向き合おうとしているかが伝わるため、差がつきやすいポイントでもあります。
【公務員 インターン 面接】面接当日の流れと心構え
面接当日は、準備してきた内容をどう発揮できるかが問われる場面です。
緊張してうまく話せないこともありますが、態度や姿勢といった非言語の要素も評価の対象となります。
公務員インターンの面接では、派手さよりも誠実さと落ち着きが重視されるため、焦らず丁寧な対応を意識することが大切です。
ここでは、面接当日の一般的な流れと、受験生として意識しておくべき心構えについて解説します。
集合時間・受付・待機〜面接までの流れ
公務員インターンの面接は、事前に指定された時間にオンラインで実施されるケースが増えています。
集合時間の10分前には入室できる状態にしておくと安心です。
接続後は面接官の入室を待ち、呼ばれたらカメラ越しに丁寧な挨拶を行いましょう。
対面形式の場合は、受付から控室への誘導を経て順番に呼ばれる流れになります。
待機中はスマホを触らず、姿勢を正して静かに待つことで落ち着いた印象を与えられます。
面接官はこうした態度も見ているため、開始前から意識しておくことが必要です。
面接官とのやりとりで意識すべきポイント
面接中は、受け答えの内容だけでなく、相手の話をきちんと聞いているか、落ち着いて対応できているかといった姿勢も評価されます。
質問に答える際は、早口にならず、一文一文を丁寧に話すことを心がけましょう。
また、難しい質問を受けた場合は無理に答えをひねり出すより、一呼吸置いて考える時間を取るほうが好印象につながります。
相手の目を見る、うなずきを交えるといった基本的なコミュニケーションも重要です。
感謝や敬意の気持ちを忘れずに、誠実な対応を心がけましょう。
面接終了後にやっておきたい振り返りの工夫
面接が終わったら、そのままにせず、話した内容や質問された項目をメモに残しておくことをおすすめします。
後から見返すことで、本選考に向けた自己分析や改善点の発見につながります。
たとえば、うまく答えられなかった質問に対しては、どこが曖昧だったのかを整理し、再度考え直してみることが重要です。
また、印象的だったやりとりや面接官の言葉なども記録しておくと、志望動機の強化にも役立ちます。
面接は受けて終わりではなく、経験として活用する姿勢が次のステップを確実に前進させてくれます。
【公務員 インターン 面接】本選考への影響と活かし方
インターンはあくまで職業体験の機会とされることが多いものの、実際には本選考とのつながりを意識して臨む学生がほとんどです。
特に国家公務員や一部自治体では、インターンでの評価や印象が記録として残る場合もあり、一定の影響があるとされています。
このセクションでは、公務員インターンの面接が将来に与える影響と、経験を本選考にどう活かすべきかを具体的に整理します。
インターン参加が評価に含まれるパターン
国家公務員や中央省庁を中心に、一部の機関ではインターン参加時の面接内容や振る舞いが、職員の内部評価として記録される場合があります。
形式的には選考とは無関係とされていても、志望度や人柄、関心分野などの印象は確実に蓄積されていきます。
そのため、軽い気持ちで臨むのではなく、将来その職場で働くかもしれないという意識を持って面接に臨むことが重要です。
言動のひとつひとつが将来の選考に影響を与える可能性があることを念頭に置きましょう。
面接経験を志望動機や自己PRに活かす方法
インターン面接の経験は、本選考における志望動機や自己PRの内容を深める材料になります。
実際に面接を通じて気づいた課題や、行政の仕事に対する理解の変化は、自分自身の志望理由をより具体的かつ現実的にする要素となります。
たとえば、「面接で○○の部署について聞かれたことで関心が高まった」「職員の方の言葉から地域に対する姿勢を学んだ」といった経験を踏まえて書くことで、説得力のあるアピールが可能になります。
経験をそのままにせず、次の行動にどうつなげるかが重要です。
落ちても意味がある?経験を次に活かす視点
インターンの選考に落ちた場合でも、その経験が無駄になることはありません。
面接の場で得た反省点や質問の傾向は、本選考に向けた貴重なデータになります。
自分が何をうまく伝えられなかったのか、どの質問に対して答えが浅かったのかを振り返ることで、次回に向けた改善が可能になります。
また、複数の機関を受けることで、自分に合った職場や関心分野が見えてくることもあります。
落ちたこと自体に意味を持たせるのではなく、その後の行動と学びの蓄積が将来を左右します。
まとめ
公務員インターンの面接は、知識やスキルよりも、誠実な姿勢や将来への関心が問われる場です。
民間と比べて評価基準が異なるため、内容より考え方や丁寧な受け答えが重視されます。
質問への答え方だけでなく、逆質問やマナーも含めて、自分らしさを伝える準備が大切です。
たとえ不合格になっても、経験を活かすことで本選考に確実につながります。
今こそ、失敗を恐れず行動し、将来につながる一歩を踏み出していきましょう。
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