「自己PRで思いやりのアピール方法を教えてほしい」
「企業は、自己PRで何を知りたいのだろうか?」
「思いやりをアピールするとき、何に注意すればいいの?」
自己PRで思いやりをアピールしたいけれど、どのような点に注意すればいいか悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
効果的な自己PRを作成するためには、自己分析だけではなく、企業の狙いも理解する必要があります。
本記事では、思いやりをアピールする方法、思いやりの言い換え例、アピールするときの注意点についてまとめました。
併せて、思いやりを取り入れた自己PR例文も紹介しています。
本記事を参考にして、就職活動を成功させてください。
- 企業が自己PRを聞く理由
- 思いやりを自己PRするポイント
- 志望動機を社風にするときのポイント
- 思いやりを自己PRしたい人
- 自己PRのポイントを知りたい人
- 例文を参考に自己PRを書きたい人
目次[目次を全て表示する]
【思いやりを自己PR】企業が自己PRを聞く理由
効果的なアピールには、質問の意図の把握が大変有効です。
では、人事はなぜ、面接で自己PRを尋ねるのでしょうか。
それには、いくつか目的があります。
以下で確認していましょう。
社会で活きるスキルや能力を持っているか
まず1つ目としては、仕事に役立つ能力や強みを持ち合わせているかを確認するためです。
強みを活かして活躍できる仕事なら、あなたの成長スピードも速く、将来性も期待できます。
仕事に役立つ能力や強みを持ち合わせているかをチェックする際に、「思いやり」を強みとして挙げた人がいたとしましょう。
思いやりは人間としてはとても重要なもので、誰もが持っていてほしいことの一つです。
ですが、仕事を遂行するうえでは、優先度が低くなるケースもあります。
たとえば、志望しているのがノルマが大きく、競争が激しい営業職であった場合、思いやりを強みに挙げられても、果たして仕事に役立つのかと疑問に思われ、そもそも続けていけるのだろうか、競争力がなく、仲間のパワーに圧倒されて、すぐに辞めてしまうのではと思われてしまうかもしれません。
これに対して、介護職やホテル職など顧客への親身なサービスが求められる職種や、連携したチームプレーが重視される業務や、部下に対する愛情が持てる人材がほしいと考えている企業などであれば、思いやりが強みの人に魅力を感じるかもしれません。
自社にマッチしているか
2つ目としては、その自己PRが会社に役立つかもチェックしています。
会社にとってほしい人材と感じられるか、求める人物像にマッチしているか、職場の人材のバランスを整え、現在不足しているタイプの人材として役立つかを確認するために強みを尋ねるわけです。
自己分析ができているか
3つ目としては、自分のことをしっかりと理解している人物かを見極めるためです。
強みを挙げるのは簡単なことですが、それに対する具体的なエピソードが伴っていない場合や、その強みを活かしてどう仕事に役立てるのか、強みをどのように会社への貢献につなげるかを具体的に語れない人は、自己分析がしっかりできていないと評価されます。
そのため、ただ、自分の強みを挙げるだけでは足りません。
自分をより掘り下げて考え、その強みを企業の仕事でこう役立てることができると明確にできる人物を、企業としては評価し、採用したい人物の候補に挙げるというわけです。
人事が強みを聞いて、こうした判断の材料にするのはもちろんですが、そもそも自分の強みを活かせる仕事選びや会社選びをしてきた人かがわかります。
人事としては、求める人物像にマッチし、自社で活躍してくれる人がほしいので、自分の強みを的確に見極めて、それを活かそうと自社を選んだ人を得たいと考えます。
そのために、人事は面接で強みを聞いてくるのです。
【思いやりを自己PR】思いやりがある人の特徴
思いやりがある人の特徴についても確認していきましょう。
自分が本当に思いやりのある人物で、それを就活においてアピールして良いのか、考えるのはもちろんのこと、どのようにアピールするのかについても考えてみてください。
思いやりがある人の特徴には大きく分けて下記の5つがありますので、どれが最もあなたの「思いやり」に当てはまるのか考えていきましょう。
- 相手に寄り添った言動
- 相手の変化に敏感
- 感謝の気持ちを忘れない
- 人のために尽くす
- 物腰が柔らかい
- 適切な言葉遣いができる
- チームワークや協調性がある
相手に寄り添った言動
自分では思いやりがあると思っていても、相手が求めていないアドバイスや厳しすぎる助言などを行う人は、相手に寄り添っているのではなく、空気を読めていないだけです。
一方、本当に思いやりがあり、相手に寄り添った言動ができる人は、自然と相手に寄り添った言動ができています。
相手の辛い気持ちや嬉しい気持ちに関しても自分事として捉える傾向にあります。
よって、自分がこれまで思いやりを持って周囲の人に寄り添った言動ができていたかについて考えてみましょう。
相手の変化に敏感
相手の変化に敏感であることも、特徴として挙げられるでしょう。
自然と周囲の状況を観察していることが多いので、髪の毛を切った、いつもと違うテイストの服を着ているなどの見た目の変化はもちろんのこと、疲れた様子や困っている様子などにいち早く気づくことができるのも大きな特徴の一つです。
また、敏感に変化に気づくだけでなく、声をかけたり、さりげなくサポートしたりなど、相手のためになれる対応ができるのも、思いやりがある人の特徴です。
自分がこれまで周囲の変化に気づき、何かしらサポートをした経験がある人は、自己PRに書くことをおすすめします。
感謝の気持ちを忘れない
他人の思いやりに関しても敏感なことが多いので、些細なことでも感謝の気持ちを忘れずに相手に伝えることができます。
人に何かをしてもらうことを当たり前と思ってしまう人は少なくありませんが、そのような中でも感謝の気持ちを持ち続け、お礼の言葉を相手にかけられる人物は、どのような人からも好かれるものです。
これまで周囲の人にかけてもらった優しい言葉やサポートしてくれたことなどについて思い出し、今でも感謝していることを話すことができれば、あなたが常に感謝の気持ちを忘れない、謙虚で思いやりのある人物であると判断してもらえることでしょう。
人のために尽くす
思いやりがある人の特徴として、人のために尽くすことも挙げられます。
自分の利益や快適さよりも他人の幸福や利益を重視する傾向にあるからです。
他の人が困っている様子を見ると、見過ごすことができず、何かしら助けることができないか、自然と行動に移します。
忙しい中でも周囲の人が困っていればサポートし、助ける傾向にあります。
他人のニーズや感情に関して敏感であり、相手が直面している問題を解決するために自分の時間やリソースを割くことを厭わない人が多いのです。
このようにサポートができる人は信頼構築が上手く、周囲も同じように本人をサポートしようという気持ちになるので、一人いるだけでそのグループや職場の雰囲気ごと良くしてしまう能力を持っています。
物腰が柔らかい
思いやりがある人は、往々にして物腰が柔らかいため、自分にもその傾向があるか考えてみましょう。
誰に対しても公平で分け隔てのない態度を取り、柔らかい言葉遣いで丁寧に接することができる人が多いです。
相手が上司であろうと部下であろうと、どのような相手に対しても一貫して丁寧な対応をすることができるので、どのような相手からも好かれる傾向にあります。
関係を構築するのも上手く、このような人と話す際は誰もがリラックスできることでしょう。
適切な言葉遣いができる
思いやりの強い人といえば、どんな状況においても常に適切な言葉遣いができるのも特徴です。
つまり、相手のことを第一に考えたり、その場の空気を読む力にも十分に長けているといえるでしょう。
状況に応じて言葉を選んで発言することができるため、対応力は非常に高いといえます。
このような人材は仕事でも活躍できますし、周りからも好かれるタイプですので、自己PRとして必ず高く評価される要素になるでしょう。
チームワークや協調性がある
もしあなたに人を思いやる気持ちが強くあるなら、おそらく自分勝手な行動を取ることはしないでしょう。
どちらかといえば、自分の考え方を押しつけるよりも、周りの考え方を聞いた上で行動することが多いはずです。
そのため、チームで行動する際にも必ず協調性を出すことができるのではないでしょうか。
実際の仕事においても、ほとんどの場合は周りの人と協力しながら取り組むことになります。
だからこそ、自己PRでも十分にアピールできる部分です。
【思いやりを自己PR】思いやりをアピールした際に企業が持つ印象
一般的に考えて、思いやりのある人とは「人に優しく気遣いができる人」と思われることが多いはずです。
思いやりがある人は空気を読むのが得意なため、場の雰囲気を良い方向に持っていったり、こじれた人間関係をも円滑にしたりできるでしょう。
思いやりがあるという強みを自己PRでうまく伝えることができれば、会社側はあなたに好感を持つようになるでしょう。
- 集団行動に適していると思ってもらえる
- 会社に尽くしてくれると思ってもらえる
- 部下に慕われる人だと思われる
- 細部まで気配りができると思われる
- 視野が広い
- 上司や顧客の立場に立って物事を進められると思われる
集団行動に適していると思ってもらえる
集団行動などのチームプレイでは、それぞれが自分のことだけを考えたのではその場は成り立ちません。
他人を思いやる意識を持ち、周りを見て行動していくことが必要です。
多く会社は複数人から大人数の社員で成り立っています。
ですので仕事をするときには、集団行動ができることは最低限のスキルとも言えます。
とくにチームワークが必要な会社の場合は、必須の要素としているでしょう。
強みが思いやりならば、会社側はあなたを集団行動に対し抵抗がなく、空気を読んで周りのために行動できる人間だととらえるはずです。
会社に尽くしてくれると思ってもらえる
思いやりのある人は、時に自己犠牲的に相手に尽くします。
それは恋愛の場合にもよく現れることがあります。
好きな相手に奉仕し、全力をかけて相手を愛し抜くというような、自分よりも相手を大切にする恋愛を経験する人が多いでしょう。
仕事に対してもそれは似ていて、会社のために全力で仕事に打ち込む傾向があります。
会社に入るということは、その会社からお給料をもらうかわりに、自分からも会社に労力を提供するということです。
そんな関係を結んでいる会社がもしピンチになった場合、本当に思いやりがある人ならば、逃げ出さずに会社を支えるはずではないでしょうか。
思いやりがあると自己PRすれば、面接官は、会社のためになることを一生懸命にこなしてくれる人材だろうと思ってくれるでしょう。
部下に慕われる人だと思われる
あなたに部下ができたとき、その人たちに思いやりのある対応ができれば、頼れる先輩として慕われるでしょう。
わからないことを丁寧に教えたり、相談に乗ってあげたり、先輩が部下にできることはいろいろあります。
同じ仕事をする仲間として部下を大切にすることは、思いやりのある人だからこそできるもの。
しかし、思いやりがある先輩と言っても、いつも優しく接するとは限りません。
時に厳しく部下を指導しなくてはならないときもあります。
そんな厳しさを持つことで、はじめて部下に真の意味で慕われる先輩になれるのです。
思いやりがあることを自己PRするメリットとして、部下に慕われるような指導ができる先輩像は、忘れてはいけないポイントでしょう。
細部まで気配りができると思われる
思いやりがある人は、細かな部分まで気配りできる人が多いようです。
さまざまな人と協力しながら仕事を進めるためには、些細なことにも気配りできる人が求められます。
悩んでいる人がいれば、すぐに気づいて、どのように対応すればいいか判断できる気遣いができます。
細かな部分まで気配りができれば、社内や社外の人と良好な人間関係が築けるでしょう。
視野が広い
思いやりがあることを認識してもらった際には、どんな採用担当者からも「この人は視野が広そうだな」と思ってもらえるでしょう。
なぜなら、人のことを考えて行動できるからです。
例えば、困っている人を見かけた時には、自分から積極的に声をかけてあげることも多いでしょう。
また、仕事においても視野を広く持つことが重要になるので、非常に良い印象を抱いてもらえます。
上司や顧客の立場に立って物事を進められると思われる
仕事をする際、相手の立場に立って物事を考えられるスキルは重要です。
相手から求められる前に、物事を前に進められるからです。
思いやりのある人は、相手の立場に立って物事を考え、進められる人が多いようです。
たとえば、顧客の立場に立って課題やニーズを考えられれば、より適切な商品やサービスを提案できるでしょう。
また、上司の立場に立って物事を客観的に捉えられれば、より良い仕事ができる可能性があります。
企業によって印象は異なる
思いやりを自己PRとしてアピールした際の印象は企業によって異なります。
なぜなら、企業によって人材に求める人柄や能力は異なるからです。
例えば、優しい人柄を求める企業や、高いお客様満足度を誇る企業などでは「思いやり」という強みは響きやすいでしょう。
企業に響く自己PRを作成するためにも、企業研究をして、企業ごとのニーズに合わせたアピールをしましょう。
【思いやりを自己PR】自己PRを作成する前の準備
自己PRをする際には、ただ強みだけをアピールしてもダメですし、「思いやりがあるので介護の仕事にピッタリです。」と伝えるだけでも不十分です。
「思いやりがあるのでホテルマンに適してます。」「思いやりがあるのでチームのメンバーをサポートできます。」「思いやりがあるのでパワハラはしません。」とアピールしても足りません。
なぜ、足りないのかといえば、それだけの話なら、思いやりを持ち合わせていない人でも口先だけで言えることだからです。
例えば、思いやりを大切にしている企業に採用されたいと思えば、思いやりがあっていい人アピールをすればいいだろうと短絡的に考えて、思いやりもないのに強みだとアピールすることも可能です。
仕事を通じて長く接していけば、その人の本心もわかりますが、人事としては、初対面の就活生を短時間で、本当に思いやりを持っている人なのかを見極めなくてはなりません。
そのためにどうするかというと、思いやりという強みがあることを証明できる具体的なエピソードの有無で見極めようとします。
思いやりが本当にある方なら、これまでの人生において、思いやりがあるなと他人からも感じられる具体的な行動を取り、そのエピソードが語れるはずです。
一方、口先だけの人には思いやりが感じられるエピソードがなく、作り話をしても内容が濃くないので、すぐにばれてしまうでしょう。
- 企業の求める人物像を把握する
- 思いやりがある人とはどんな人か考えてみる
- 自分の思いやりの種類を明確にする
- 強みを発揮したエピソードを整理する強みを客観的な評価で示す 思いやりがある性格を仕事でどう活かせるかを伝える
企業の求める人物像を把握する
自己PRは企業に対してあなたという商品を売り込む営業活動のようなものなので、自分を採用することで会社にとって利益になるということをアピールしていかなければなりません。
よって、せっかく良い文章を書けていたとしても、企業の求めている人物像から離れていると採用につながりにくいのです。
事前に企業の求める人物像についてしっかりと確認しておき、思いやりがあることがその企業にとって重要視されているのかについて考えていきましょう。
もし方向性は似ているものの、思いやりとは少し異なる長所を求められている場合は、言い換えながらアピールすることでより良い印象を与えられます。
思いやりがある人とはどんな人か考えてみる
そもそも、「思いやりがある人」とはどのような人でしょうか。
正確に定義するのは難しいですが、「どんなときでも相手の立場になって考えられる人」「相手の気持ちを考え、気配りができる人」ではないでしょうか。
そのためには、細かな変化に気づける洞察力も重要なポイントです。
相手の気持ちを正しく理解できないままでは、相手が喜ぶ行動はできないからです。
相手を思いやる心は多くの人が持っていても、それを行動に起こすのはなかなか難しいものです。
就職活動では、少しでもライバルに差をつけたいからと、つい自分を大きく見せてしまいがちですが、自分に当てはまらないことを無理して自己PRしても、結局はうまくいかないもの。
まずは、自分の強みが「思いやり」にあるのかどうか、じっくり考えてみましょう。
自分の思いやりの種類を明確にする
こちらも、自己PRにおいては非常に重要なポイントの一つであると言えるでしょう。
ひとくちに「思いやり」と言っても、その種類は様々であり、例えば「相手に寄り添って話を聞くことができる」「周囲の変化に敏感である」など、例を挙げればキリがありません。
また、思いやりがあることを強みとして話す就活生は多いので、差別化を図ることが難しいです。
よって、あなたの強みである思いやりが、具体的にどのようなものであるのかについて、解像度を高めて説明する必要があると言えるでしょう。
自分の思いやりはどのようなものに分類されるのかについて考えていくことが重要です。
言い換え表現を使うことがおすすめ
先ほど、思いやりを強みとしてアピールする就活生は多いので、差別化を図ることが重要であると話しました。
では、差別化を図るにはどのようにすれば良いのかですが、言い換え表現を用いることをおすすめします。
例えば、「思いやりがある」と伝えるのではなく、「相手の立場で考えることができる」「思いやりの強さ」などと話せれば、他の就活生と差別化を図ることができます。
自分の思いやりが具体的にどのようなものであるのかわからない場合は、下記の言い換え表現も参考にしてみてください。
強みを発揮したエピソードを整理する
「思いやり」が自分の強みであると気づいたきっかけは何でしょうか?
例えば、友達が体調悪いときはすぐに気づいて気遣う、バイトではいつもお客様の笑顔を第一に考えている、時間があるときはボランティアに参加するなど、きっと具体的なエピソードが思い浮かぶはずです。
長々と説明する必要はありませんが、「私の強みは思いやりがあります」「細かな気配りができます」だけより、エピソードを交えると印象はグッと強くなります。
自己PRをする際のポイントとして、強みを明確化する具体的なエピソードを語ることが大切です。
強みを客観的な評価で示す
思いやりをアピールするときは、他人からの評価を織り交ぜると、より説得力がでます。
例えば、本人が「私は思いやりがあります」と言うのと、友人が「彼は思いやりがありますよ」と言うのでは、印象が全く違いますよね。
これは、「思いやり」が他人本位の評価だからです。
例えば、食事に行くと料理をすぐに取り分ける人がいますよね。
それを嬉しいと感じる人もいれば、自分のペースで食べたいのに、と少しおせっかいに感じる人もいます。
自分は善意のつもりでした行動も、一方通行では「余計やお世話」になりかねません。
他人からの感謝や評価をもらって、はじめて「思いやり」として成立します。
そのため、エピソードをまとめるときには、「自分の行動」だけでなく「それによって感謝された」など、相手や周囲からどのような評価をもらったのかまで伝えるようにしましょう。
思いやりがある性格を仕事でどう活かせるかを伝える
強みを入社後の仕事にどう活かしていくのか、自分の成長に役立てられるのかといった点を具体的に伝えることです。
いかに思いやりがある人で、過去に思いやりの深いエピソードがあっても、それが仕事に活かせないのでは、企業としては採用する意味がありません。
企業は思いやりのある心優しい人を採用しようとしているわけではなく、自社で活躍してくれ、自社に貢献して利益をもたらしてくれる人を求めています。
それゆえに、思いやりを活かしてどんな仕事ができるのか、どう会社に貢献できるのかを具体的に伝えられないと、思いやりがある、ただのいい学生で終わってしまいかねません。
自己PRの最後は、あなたの「思いやり」がその企業にとってどのようなメリットになるのか、簡潔に述べるようにしましょう。
例えば、接客業であれば「細かな変化に気づくことで、お客様が求める接客へと柔軟に対応できる」、
オフィスワークであれば、「チームで働く仕事では、それぞれの立場や意見を考慮し、うまく調整する自信がある」など、自分のエピソードと関連させて考えてみましょう。
企業が採用したいのは、「思いやりがある人物」ではなく、「思いやりを仕事に生かせる人物」です。
自分が入社したら、どのようなメリットがあるのかを提示することで、人事や面接官も「この子を採用したら…」とイメージが描きやすくなります。
【思いやりを自己PR】思いやりの言い換え例
自己PRで思いやりを強みに述べるとき、そのまま書くというよりは、もっと自分の中で「思いやり」を掘り下げておく必要があります。
面接で思いやりについて質問されたとき、あなたなりの考えを説明できなければ、面接官にあなたの強みがうまく届かない場合もあるでしょう。
思いやりがあることを言い換えた例をいくつかご紹介するので、あなた自身でも考えてみてほしいと思います。
- 他人に厳しく自分に厳しい
- 相手の立場で考えられる 傾聴力がある
- お客さまの求めることを提供できる
- 信頼関係を築くことが得意
- 自主的に行動できる
- 責任感がある
他人に厳しく自分に厳しい
思いやりがある人は、よく他人に優しく自分に厳しいと思われがちです。
しかし、本当に思いやりがある人は、他者にもあえて厳しく接することで、相手のためになるようにする人でもあります。
優しい言葉を相手に言うのは簡単です。
ですが、厳しいことを言うとなると、嫌われやすかったり、相手を傷付けたりするだけになる可能性もあります。
しかし、それは相手を良い方向に向かわせるために必要なもの。
言う本人は勇気がいりますが、適度な厳しさは、結果的に相手に優しくすることにもつながるのです。
ただ、それは自分に厳しい人に言われるからこそ説得力があるというもの。
他人に厳しく接するには、他人以上に自分に厳しくなくてはなりません。
相手の立場で考えられる
思いやりがある人は共感力に優れ、相手の心情や立場を思いやり、相手の立場に立って考えることができます。
相手が本当は何を望んでいるのか、相手をよく観察し、思いやりのある対応をできることでしょう。
企業では様々な人が同じ空間で働き、それぞれ立場も役割も異なります。
自分の責任やタスクに目が行きがちな中、相手の立場に立ち、思いやるのある行動をすることで円満に、円滑に業務を進められることでしょう。
傾聴力がある
会社に入ると必須なのは、コミュニケーション力。
相手の言いたいことを理解し、仕事につなげていく行為は、どんな職場でも大切な要素です。
思いやりがある人は、そんな傾聴力に長けている場合が多いです。
顧客のニーズを的確に聞き出したり、チームワークを円滑に進めるために周りの意見をしっかり聞いたりするなどのさまざまな場面で、傾聴力がある人は重宝されます。
相手の立場になって、その要望に応えられるという能力は強みなので、その傾聴力をアピールするのは良い方法です。
お客さまの求めることを提供できる
思いやりがある人は、相手の立場に立って物事を考えられる能力に長けています。
ですので、「お客さまの要望をしっかりと理解し、それに合った対応ができる」と言い換えられるでしょう。
顧客のニーズに応えたり、接客業だとお客さまの質問や相談に対応したりなど、多くの職業ではお客さまと良い関係を築く必要があります。
思いやりがある人は、お客さまの求めることを的確に把握して提供できます。
なので会社側は、お客さまとの関係を円滑にする要員として、あなたを好意的に評価するはずです。
信頼関係を築くことが得意
思いやりのある人は信頼関係を築くのが得意と言えます。
なぜなら、思いやりがある人はしっかりと相手の行動や表情を観察できている人が多く、相手の求めることを察し、前もって行動できる人が多いためです。
そのため、人に頼られることも多く、信頼関係を築くことが得意であるといえます。
働く上で信頼関係を築くことは大事になります。
顧客との関係でも、社内での関係でも、自身の働き方に大きく関わってきます。
そのため、人と信頼関係を築くことが得意な人は企業にとっても印象はいいのです。
思いやりを言い換えてみましょう。
自主的に行動できる
思いやりのある人は、人のことを思ってその人が求める行動をすることができるので先読みして気を利かせることができます。
気が利くという特性を活かして、仕事でも率先して自ら行動できることをアピールしましょう。
思いやりがある人柄は自主的に行動できることと結びついている印象がないため、きちんと説明できることが好印象を獲得できるカギとなります。
責任感がある
思いやりの言い換えとして「責任感がある」と表現するのも良いでしょう。
思いやりがある人は、相手の気持ちに応えることに喜びを感じることが多いので、その結果、自分の行動に対する責任感が強くなる傾向にあります。
相手を失望させたくない、役に立ちたい、喜んでもらいたいという思いから、責任を持って行動することができるのです。
責任感は多くの企業で求められている能力の一つなので、積極的にアピールしていきましょう。
【思いやりを自己PR】思いやりが自己PRに向いているか
実際に就活において、思いやりのあるところが本当に自己PRとして成立するのかどうかを、疑問に持っている人も少なくないでしょう。
ここでは、思いやりのある特徴が向いている職業と、あまり向いていない職業について説明します。
思いやりをアピールするのに向いている職業
まず思いやりがあるところをアピールする際に、もっとも向いている職業といえば、販売系や営業、その他サービス業全般です。
つまり、外部の人と接触する機会が多い職業であればあるほど、高く評価されるポイントになるといえます。
なぜなら、人とのコミュニケーションにおいて、相手が誰であろうと思いやりは大切な要素になるからです。
その思いやりを仕事で十分に発揮できるのは、まさにこれらの職業だといえるでしょう。
もしあなたが、これから仕事を通じてさまざまな人と接していきたいと考えているなら、間違いなくその力を発揮できるはずです。
どんな企業からも採用したくなる人材になれますので、積極的に自己PRでアピールしていきましょう。
思いやりをアピールするのにあまり向いていない職業
思いやりをアピールする上で、逆にあまり向いていない職業といえば、建設業や製造業、研究職などが当てはまります。
その理由は、前述した職種とは異なり、外部の人と接することがメインの仕事になるわけではないからです。
もちろんどんな仕事においても、周りの仲間と一緒に取り組むことが多くなりますが、とはいえ思いやりのあるところが直接的に会社の利益を生んでくれるのかといわれると、それはあまりイメージできないでしょう。
【思いやりを自己PR】自己PRの最強の構成
自己PRは内容がとても重要なのはもちろんのこと、自己PRの構成も同じくらい重要となります。
ここでは、あなたの自己PRがより伝わりやすくなる構成についてお話します。
- 結論から述べる
- 根拠を述べる
- 入社後の意気込みを述べる
結論から述べる
まず、結論から述べることを意識しましょう。
結論から述べるという習慣があまりない人も多いかと思います。
というのも、日本にはあまり結論から述べる習慣がないのです。
そのため、あまり論文や日常生活で結論を最初に示そうと意識する人はいないかもしれません。
しかし、結論を最初に示すとメリットがたくさんあります。
結論を最初に示すことで論理的なイメージを獲得できるうえ、話の道筋が立ちやすいのです。
よりあなたの良さが伝わりやすくなるように、結論から述べるように心がけましょう。
根拠を述べる
次に、あなたの強みが思いやりである根拠となるエピソードについて述べましょう。
自己PRで思いやりがあることをアピールする際には、自分の人柄を裏付ける根拠を併せて述べるように心がけましょう。
今まで自分の思いやりが活きたエピソードを用いて説明することで、入社後にも同じように思いやりを発揮してくれそうだという印象を与えます。
入社後の意気込みを述べる
自己PRの最後は、入社後のことについて言及すると良いです。
自分の強みをアピールするだけだと、企業はあなたといっしょに働くイメージが湧きません。
あなたが積極的に入社後に貢献できることをアピールすることで、企業はあなたが入社後に活躍するイメージができるのです。
より企業の印象に残るためにはぜひ入社後の意気込みを述べましょう。
【思いやりを自己PR】思いやりを自己PRする例文
これまでの注意点を踏まえて、思いやりをテーマにESの自己PRを書きましょう。
ポイントは具体性です。
思いやりについて抽象的ではない、より具体的な言葉を選んでアピールしましょう。
例文1:部活のマネージャー
私の強みは、相手の要望にも応えるため、自発的に動けることです。
私は学生時代、バスケットボール部のマネージャーをやっていました。
地区内でも強豪になりつつある中で、厳しい練習の中、選手の雑務が多いと感じていました。
そこで私は、選手の潜在的な要望を感じ取り、自発的にその業務を引き受けることにしました。
私の業務量は増えてしまいましたが、作業の効率化を図り、乗り切りました。
さらに、練習の厳しさが増す中で選手ケアの必要性を感じたため、疲労緩和に関する知識をマネージャー全員で勉強し、共有することにしました。
その結果、疲労が蓄積してくるリーグ後半にその知識を生かすことで、選手がプレーに集中でき、チームは地区制覇を果たすことができました。
入社後は、この潜在的な要望をくみ取り自発的に動く力を生かし、社内の業務の円滑化に努め、お客様満足度の向上に繋げたいです。
例文2:アルバイト
私は、人一倍思いやりがある人間だと思っています。
そのため、周りの人からよく「気が利くね」と褒められます。
私は大学1年生の時から、飲食店でホールスタッフとしてアルバイトをしています。
お店のお客様アンケートには、「輝いたスタッフ」という欄があり、毎月発表されるのですが、始めた当初は私の名前が書かれたことはありませんでした。
そこで、どうしたら満足してもらえるのか、店長や先輩に接客中に意識していることを聞き、改善しました。 具体的には、
お子様連れのお客様は喫煙席から遠い席に通すなど、お客様を第一に考え接客するようにしました。
その結果、入社3か月目で初めてお客様アンケートで1位を取ることができました。
現在は、平均2か月に1回ほど1位を取ることを継続できています。
貴社に入社した際は、お客様に喜んでいただける提案をするため、お客様のニーズの把握を第一に行っていきたいです。
例文3:ボランティア
私の強みは、思いやりがあることです。
私の所属する学部では、1年次に1週間老人ホームにボランティアに行く機会がありました。
ボランティアでは、ご利用者様がどんな要望を持っているのか、どのように接することで喜んでもらえるのかを考え、改善に努めました。
その結果、ご利用者様に老人ホーム内で行う行事の企画を褒めていただいたり、丁寧に話を聞いてくれてうれしいというお言葉をいただけました。
現在、ボランティアが終わってからも、週末だけサポートをお手伝いさせていただいています。
もし貴社に入社致しましたら、お客様が何を求めているのか、どうすることで喜んでいただけるかを考え、日々精進して生きたいです。
【思いやりを自己PR】思いやりをアピールする際の注意点
思いやりがあることをアピールするとき、どのような点に注意すればいいのでしょうか。
本章では、注意点を5つ取り上げました。
思いやりそのものは企業から高く評価される強みです。
しかし、アピールの仕方やエピソードによっては、単なるお節介や自己満足と思われる可能性があります。
思いやりをアピールするときは、マイナスイメージを持たれないよう気をつけてください。
- お節介だと思われないように伝える
- 当たり前のことはアピールにならない
- ネガティブな印象を与えないように注意する
- 面接の態度にも注意する
お節介だと思われないように伝える
思いやりのエピソードを紹介するとき、お節介と思われないように注意しましょう。
もし、お節介な印象を企業に与えてしまうと、低く評価される可能性があります。
就職希望者は、思いやりとお節介の違いを理解した上でエピソードを選び、効果的な自己PRを作成してください。
そもそも、思いやりとは相手が喜ぶことや望んでいることを理解した上で行動する力です。
一方、お節介とは、相手の気持ちを考えずに自分本位で行動してしまうことを指します。
結果的に、自己満足な行動になってしまい、相手から迷惑と思われてしまいます。
自己PRを作成するときは、あなたが思いやりある行動をした後の相手の反応を強調してみましょう。
当たり前のことはアピールにならない
思いやりのエピソードとして取り上げた内容が、一般的に見て「当たり前なこと」ではないか、確認しておきましょう。
思いやりのエピソードを作成するためには、あなたの行動が相手にどう役立ったのか具体的に書く必要があります。
もし「気づいて当たり前」なエピソードならば、説得力のない自己PRになるでしょう。
エピソードの内容に自信がない人は、周囲の人にたずねてください。
ネガティブな印象を与えないように注意する
思いやりのエピソードを伝えているつもりが、「気弱な性格」「相手の言いなりになる性格」といった印象を与えないよう注意してください。
自分では困っている人を助けているつもりでも、相手の言いなりになっているエピソードだと、採用担当者から「気弱な性格」と思われる可能性があります。
就職希望者は「思いやり」と「相手の言いなりになること」の違いをよく理解した上で、自己PRを作成しください。
面接の態度にも注意する
「思いやり」を自己PRのポイントにするなら、面接中の態度でも矛盾の無いよう気をつけましょう。
エレベーターでの移動中や、ほかの就活生との会話など、面接官は意外と細かいところまで見ているものです。
普段はできている気遣いも、緊張しているとつい忘れてしまうもの。
あなたらしさを失わずに、面接に臨んでくださいね。
企業がどの程度評価するか不明
思いやりのあることは、もちろんその人の良いところです。
しかし、必ずしもすべての企業が、思いやりのある人柄を高く評価してくれるとは限りません。
同じ業界でも企業によって、求める人物像には違いがあります。
そのため、本命企業がすでにある場合は、その企業がどんな人を採用したがっているのかを、あらかじめ調べた上で適応させていくべきでしょう。
そうすれば、就活で失敗する確率は大きく下がります。
【思いやりを自己PR】自己PRで思いやりがあることをアピールしよう
自己PRで思いやりをアピールするために、自己分析をしっかり行いましょう。
併せて、思いやりの意味についても深く理解する必要があります。
あなたの思いやりを企業でどう活かすかを明確にして、効果的な自己PRを作成してください。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート