面接やインターンシップで必ずといっていいほど質問されるものとして、「自己PR」が挙げられるでしょう。
ただ、少しでも企業側に良い印象を持ってもらいたいと思って、前のめりになってしまってはいけません。
「企業は自分のことは知らない」という視点に立って、落ち着いた姿勢で自己PRをしていくことが大切です。
自己PRを質問されたときに慌ててしまわないためにも、自分の特徴や経歴などを一言で言い表す方法を見ていきましょう。
本記事のポイント
- 自己PRを一言で述べる際の効果
- 自己PRのオススメの構成
- 自己PRをする際のポイント
- 自己PRの例文
- 自己PRを一言で伝える際の注意点
- 効果的に自己PRを書きたい人
- 例文を参考に自己PRを作りたい人
あなたは自己PRを一言でアピールできますか?
実際にやってみると難しいので、あなたもこの記事を参考に一言自己PRをかんがえてみましょう。
端的な「自己PR」が採用に近づく一歩
いざ「自己PR」を考えようとしても、自分のことほど意外とわかっていなかったりするものです。
とはいっても、それは考えがよく整理されていないだけで、順序を追って考えていけばオリジナリティーに富んだ面白い自己PRを練り上げていくことはできます。
「他人に誇るような経歴はない」といったことを考えてしまいがちですが、ほかの応募者をそれほど意識することはありません。
その理由は、企業側が「どういった人間なのか」ということを知るためにする質問であるからです。
事務職や営業職などの職種にとらわれず、また他の人と自分を比べてしまうのではなく、自分の長所や経験したことを伝える努力をしてみましょう。
自分の特徴をたった一言で言い表せるようになれば、どんな場面でも落ち着いて行動していけます。
うまくやろうとせずにシンプルでわかりやすく
面接や応募書類を書く段階では、新卒生は未経験であるため特に緊張してしまいがちです。
その根底にあるのは「うまく自己PRできるだろうか」といったことを意識してしまうからでしょう。
応募をする側が緊張をしているということは、受け手の企業側も「どんな人物が来るのか」と不安な面もあるのです。
緊張をしているのは自分だけではなく、企業や他のライバルも同じく緊張しているということを忘れないでください。
そのことを踏まえたうえで自己PRを考えていくなら、やはり大事なことは「あなたがどんな人物なのか」といった点を強調することです。
- 私は○○な性格です。
- 周囲からは、〇〇が長所だと言われています。
といったように、一言で人となりを表す言葉を見つけてみましょう。
大切なことは、誰にでもわかるように真面目に伝える姿勢や書き方を身につけることです。
「一言」の印象は意外と残りやすい!?
自分のことを印象付けようとして「あれこれ言葉を並べてしまう」のは、ついやってしまいがちなミスです。
面接の時間は限られていますし、応募書類に書ける文章量にも限りがあります。
あれもこれもと欲張ってしまっては、聞く側からすれば結局どういった人物だったのかわからないといった印象しか残らなかったりするものです。
一度きりの場面でそうした振る舞いをしてしまっては、とてももったないといえるでしょう。
まずは、自己PRの柱となる自分の長所や経験をひとつにし、動機付けとなるエピソードなどの話を展開していき、無理のないアピールをできるように対策をとりましょう。
さらに、「私の長所は強みは負けず嫌いなところで、弱みは頑固であるところです。」といったように自分の長所や強みだけではなく、自分の欠点や弱みもあえてアピールしてみましょう。
自己分析がしっかりできている人物だと印象づけるきっかけにもなります。
なぜ「一言」がいいのか?
自己PRをなぜ一言で言わなければならないのか、多くの学生が疑問に感じるのではないでしょうか。
面接官が時間を節約したいからなのか、その人の気まぐれなのか、もしかしたら自分は期待されていないのではないかと不安に感じるかもしれませんが、もちろんきちんとした意図があります。
しかし、人事側の視点や思惑で考える前に、一言でPRをまとめることは自分にとっても大きなプラスになることを理解しなければなりません。
なぜ一言がいいのか、それは自分の一番の「売り」を自分自身ではっきり認識することにつながるからです。
同時に、自分が一番言いたいことを簡潔に相手に伝える訓練にもなります。
短くインパクトのある言葉を探すことで、いかにして自分を売り込むかというセルフブランディングの勉強にもなるでしょう。
おそらく就活のスタート時に多くの人が自己分析を行ったと思いますが、分析を進めていくと、自分でも気付いていなかった側面が、次々に見えてくることがあります。
それを逐一言葉で表しても伝わりませんし、長所がたくさんあったとしても、それをあげつらっていては、結局何が言いたいのか不明瞭になり本末転倒です。
おそらく多くの人が「一言で表せ」と言われたときに、「一言では難しい」と感じるでしょう。
でも考えに考え、これだと満足できる一言を見つける行為が自己分析の最終段階であり、見つかった言葉こそが集大成となります。
このハードルを越えることができると、自分自身に対してブレがなくなりますし、面接時にも落ち着いて対応ができるでしょう。
多くの場合、面接で失敗するのは自分の中に迷いがあるときです。
言うべきことが明確になればなるほど頭がクリアになり、納得できる受け答えができるようになります。
また、一言ですから、アピールする点は必然的に一つだけになり、それをベースにすべての面接対策の方針が決められます。
もちろん受ける企業に合わせて選ぶべき一言を変えるのも戦略ですし、社風や経営方針に合わせて、アピールの優先度を変えることも可能です。
それぞれに合致するエピソードも決まりますし、筋の通った受け答えができるでしょう。
キャッチコピーも有効ですが、キャッチコピーを考えることだけに夢中になり、そこだけで終わってしまっては意味はありません。
あくまでも自分をトータルプロデュースすることを目的に、「一言」からすべてを組み立てることが大切です。
企業へ印象がつきやすくなる
自己PRを一言で端的に伝えることで、企業にあなたの印象を強く残すことができます。
長々と話すと情報が錯乱し、結局強みは何だったっけ?とあなたの印象が曖昧になってしまう恐れがあります。
そのため、一言にまとめることがあなたの強みをダイレクトに伝えるのに効果的です。
論理的な印象を与えられる
結論を最初に簡潔に伝えることで、論理的な印象を与えることができます。
最初に結論である「強み」を伝え、その後にその根拠や理由を話すことで説得力のある、論理的な文章に仕上げることができます。
また、この伝え方は聞き手が理解しやすい構成にもなっているので、あなたの強みをしっかりと伝えられるでしょう。
人事の視点で物事を考えてみる
自己PRというと、つい自分視点でばかり物事を考えてしまいがちです。
しかし一歩引いて、人事の視点で考えてみることも有効です。
あなたが採用担当者だと想定して、「これから一緒に仕事をしていく仲間」として自分を客観視してみる作業も行ってみましょう。
自己PRというものは、あなた一人だけで成立するものではありません。
聞く相手がいて初めて成り立つものです。
ですので、自己PRの内容も単に経歴や部活動、大学での実績などの略歴を並べるのではなく、その経験を通じて「どんなことを学んだか」といった話の展開を重視して改善してみましょう。
そして、自己紹介だけに終始してしまわずに、
- これまでの経験を活かして、入社したら〇〇に取り組み、御社に貢献したい
- 自分自身を成長させるために、貴社を志望した
という熱意をアピールしましょう。
▼自己紹介は自己PRを話す前に面接では聞かれるところなので、こちらも一緒に確認しておきましょう。
自己PRを一言で述べる際の構成
一言自己PRを作成する際には結論→エピソード→貢献という一連の順番を意識すると、魅力的な自己PRになります。
そこで、ここからはそれぞれの構成部分をさらに詳しく解説していきます。
結論
普通の自己PRであっても、一言で述べる自己PRであっても結論から述べるということに違いはありません。
最初に結論を持ってくる理由としてはこれから述べる強みが最初に提示されることによって、その後のエピソードや貢献が理解しやすくなるという点が挙げられます。
そのため「私の強みは〇〇です」のようにできる限り簡潔に述べるようにしましょう。
エピソード
結論の次に述べるのはエピソードになります。
エピソードを述べる理由としては学生の強みに説得力が増すからです。
普通の自己PRのエピソードでは課題→行動→結果の順に具体的に述べていきますが、一言自己PRの場合は長々と述べるわけにはいかないため最初に述べた結論を裏付けるエピソードを述べることができればそれで十分です。
上手に要点を掴んで1,2行でまとめられるようにしましょう。
貢献
エピソードを述べたら最後は企業への貢献を述べていきます。
しかし、ここでも普通の自己PRとは少し異なる点があります。
普通の自己PRでは企業への貢献を述べることがマストとなっていますが、一言自己PRでは先ほどのエピソードで最終的にどんな結果が得られたのかを述べて終わるケースと企業への貢献を述べて終わるケースの2通りがあるのです。
決め方としては、ここまでに時間の余裕があるようであれば貢献を述べた方が良いですが、時間に余裕がなく、エピソードを通じて企業に貢献できることが伝わるようであれば省いてしまっても良いでしょう。
判断が難しいと感じる場合はこの後述べる例文を参考にしてみてください。
一言に集約させる自己PRのポイント
面接では、「自分の強みを一言で表してください。
」とか、「自分にキャッチコピーを付けるとしたら」などと問われることがあります。
わずか一言に自分の魅力や強み、他の人とは異なる特徴を打ち出すにはどうすればよいのでしょうか。
一言で自分を表現するために面接前にしておきたいポイントをご紹介します。
企業に誤解が生じないように注意
一言で端的に表すことでインパクトを与えることができますが、詳細情報がないため説得力に欠けます。
そのため、根拠や理由をしっかりと伝える必要があるのです。
その際、主観で話してしまうと重要な情報が抜けてしまい、しっかりとアピールできないという恐れもあります。
また、言い回しひとつで自分の意図とは異なって伝わってしまう恐れもあります。
そこでオススメなのが、ES添削や面接練習です。
第三者に聞いてもらうことで、わかりやすく魅力的な文章に仕上げることができるでしょう。
一言で説明したあと詳しく説明
あなたの強みを伝えた後は、必ずあなたの強みがそれである根拠を詳しく説明しましょう。
また、強みに対して抱くイメージは人それぞれです。
例えば、「コミュニケーション能力」をアピールする場合、話す力が強みなのか、それとも聞く力が優れているのかなどその判断は個人の経験や印象に左右されます。
そのため、前提となる部分をしっかりと伝える必要があります。
お互いの認識に齟齬が生じないよう、詳細な情報が欠けないよう注意しながら作成しましょう。
簡潔すぎないことも大切
ただ、「私には行動力があります」「私には集中力があります」などの漠然としたアピールはおすすめしません。
先ほど言ったように、個人によりそれぞれの強みに抱くイメージは異なります。
また、ありきたりな言い回しのため印象に残せないという可能性もあります。
そこで、強みを具体的に一言でまとめることがおすすめです。
例えば、「私には、興味を持ったことに対して飛び込む行動力があります」などの言い回しが好ましいでしょう。
あなたらしさが伝わるオリジナリティのある表現に言い換えて、好印象を与えましょう。
最後にもう一度一言でアピールする
最後にもう一度あなたの強みを一言で伝えることで、あなたの印象を強く残すことができます。
最後に述べる際は、意気込みを交えて話すことも効果的です
例えば、「私の強みである○○をいかし、××に貢献したいです」などと述べると良いでしょう。
「一言自己PR」例文
それでは、一言自己PRの例をいくつか紹介します。
また、面接では自己PRの時間を30秒程度持たされることが多いですから、本当に一言だけしか用意していないと後が続かなくなります。
まずは一言で言い切れる言葉を探し、その後に続けられる裏付けPRも考えておくことが大切です。
ここでは、一言の後に続ける例文も一緒にご紹介します。
例1
私は書店で4年間アルバイトをしていましたが、与えられた仕事はどんな仕事でもすべて責任を持って完結させてきました。
最終的には仕入れまで任されるようになり、仲間のスケジュール管理なども含めて業務を行う立場になりました。
例2
私は音楽関係のサークルに所属していましたが、他にも同じようなサークルがいくつもあり、それぞれ個別に活動をしていました。
私はすべてのサークルの間に入って人と人とをつなげることで、最終的に複数のサークルが参加する一大フェスの開催を実現しました。
例3
私がアルバイトをしていた飲食店の経営が思わしくなく、一時は辞めなければならない可能性も出て来ました。
それでも私は逃げ出さずにチラシを配ったりSNSで宣伝したりする努力で業績アップに貢献し、最後まで勤め上げることができました。
例4
私は自分のためより人のために行動できる人間になりなさいと親に言われて育ちました。
大学ではボランティア活動に積極的に参加し、年代を超えてたくさんの人たちと交流を持ち、多くの人脈を築けたことは私の財産です。
例5
考え方の異なる相手をリスペクトできる人間になるために、大学時代はバックパッカーとして世界中を旅しました。
現地での交流を通じ、価値観の多様性を学んだことで、人も自分も両方活かす考え方が身に付いたのが強みです。
これらの例はほんの一部ですが、原則として、仕事に利益をもたらしてくれそうな人材だと感じてもらえることが大切です。
希望する職種によって企業側に魅力的に映るポイントは異なりますが、組織に対する貢献を感じさせる内容であれば、少なくとも合格ラインといえるでしょう。
ただし、あくまでも自己分析によって自分の中から見つけることができた強みを活かしてください。
いかに魅力的な言葉を思いついても、嘘やでっち上げでは意味がありません。
一言自己PRを作成する際の注意点
一言自己PRを作成する際には当然注意点も存在します。
この注意点を知っているかどうかで、人事担当者が感じる印象は変わります。
これから述べる三つの注意点にしっかりと目を通しておくようにしましょう。
企業に活かせる強みを伝える
一つ目の注意点は企業に活かせる強みを伝えるということです。
自己PRのインパクトがどれだけ大きくても、そこで述べた強みが企業に活かすことができなければアピールにはなりません。
というのも企業は自己PRを聞いて学生が自社の企業に貢献できるかどうかを知ろうとしているからです。
自分のことを必要な人材であると感じさせるためには念入りに企業調べをして、志望する企業が求める人物像を明確にしておくようにしましょう。
他の学生と差別化をする
二つ目の注意点は他の学生と差別化をするということです。
一言という限られた文字数や時間の中では普通の自己PRよりも他の学生との差別化が難しくなります。
そこでありきたりな自己PRになることを防ぐために強みの言い換えを知っておいたり、できる限り具体的に述べるなどして差別化を図るようにしましょう。
嘘をつかない
三つ目の注意点は嘘をつかないということです。
一言とはいっても人事担当者はその一言自己PRから得た情報を元にさらに深掘りした質問を投げかけてくることもあります。
そうした時に自己PRで嘘を述べてしまうと回答に具体性がなかったり、的を得た回答ができなくなる恐れがあります。
そのため、嘘をつかず本当のことだけで自己PRを述べるようにしましょう。
自分という人間を売り込むことが「自己PR」
就職・転職活動は相手がいて初めて成立することですから、自分をよく分析することを前提として、企業と接触していく必要があります。
「自己PR」を端的に一言で表すと、どんな場面でも落ち着いて振る舞うことができます。
「伝えたいこと」をしっかりと言葉にしていくことを意識して、多くの例文に触れてみるのも良いでしょう。
以上、「一言」に集約させる自己PRのポイントでした。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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