はじめに
こんにちは。就活市場編集部です。
就職活動の第一段階として、マイナビが運営する「マイナビEXPO」やリクナビが運営する「リクナビLIVE」などの合同説明会に参加する人が多いと思います。
東京(ビックサイトなど)だけでなく、大阪、京都、名古屋、福岡、仙台など全国各地で開催されており、また無料で申し込みできることから「みんなが行くからなんとなく行かなきゃいけない」と思っている学生も多いかもしれません。
しかしこの合同説明会、はっきり言って、「行っても人が多すぎて疲れてしまい思ったより収穫が少なかった......」というのが就活を終えたばかりの筆者の感想です。 実際筆者も合同説明会に参加しましたが、参加した時間に比べて得るものが少ないように感じられました。
今回は、そもそも「合同説明会に行かなくてもいいのか?」と少なからず疑問を抱いているかもしれない読者の皆さんにその理由や合同説明会のメリットやデメリット、合同説明会で得られるものを最大化するための考え方についてご紹介します。
合同説明会とは
合同説明会は、そのほとんどが「就活生に会社を知ってもらう」ためのいわゆるフックになるようなイベントです。
大きな会場にいくつもの企業がブースとして出展して学生にプレゼンを行い、1回のプレゼンが終われば学生がぞろぞろと入れ替わり立ち代わりに流れていくものになります。
企業側は会社のことを知ってもらいたいため、合説の内容は大体が“就活生向け”に“わかりやすく”作られたものになっています。
事業内容や、社内制度、作っている製品やサービスの紹介など、まずは「どんな会社なのかな?」という部分ですね。
一回のイベントで多くの学生が多くの企業の「何をしている企業なのか?」を知ることができるイベントというわけです。
開催されている合同説明会の例
合同説明会と言っても大規模な合同説明会から小規模な合同説明会など様々あります。例えば、
- マイナビEXPO
- リクナビLIVE
- みん就フォーラム
などが大きな合同説明会になります。これらのイベントは東京、大阪、愛知、広島、福岡など全国各地で開催されることが多いです。
この合同説明会の特徴としては、「参加する企業数が多い」というものになります。
また、小規模な合同説明会になりますと本当に様々あり、一例として、
- 逆求人フェスティバル
- Meetscompany
- ジョブコミット
- キミスカLIVE
など上げだすときりがありません。小規模な合同説明会の特徴は、「企業との距離感が近い」ことが上げられます。
また、小規模だからこそ独自の特徴があるため、企業よりも就活について知りたい場合は小規模な合同説明会に参加するのがいいでしょう。
合同説明会に参加する意義
合同説明会は5~6月に開催されるケースが多いです。
3年次であれば、まだ就活するのは早すぎる、面倒くさいと考える学生も少なくありません。
しかし、実際合同説明会は多くのメリットがあります。
ここでは合同説明会に参加する意義についてお話します。
詳細な利点を知りたい場合は、本記事内「合同説明会のメリット」も合わせて読んでみてください。
合同説明会は効率よく業界を理解できる
まず、合同説明会の一番の特徴は「合同」であることです。
就活における説明会は、合同説明会・自社説明会の2種類あります。
合同説明会に参加することの利点の一つはさまざまな業界・企業を一挙に効率よく把握することができる点です。
3年次の半ばでは、就活に対してどんなアプローチをとればいいのか、自分がどんな企業に就職するべきか、漠然としている学生が殆どです。
合同説明会には、幅広い業界・企業が参加します。
そのため1日で効率よく業界や企業のフレームを理解することができるのです。
合同説明会ではできるだけ多くの業界を見て、比較してみましょう。
就活のスタートダッシュになる
先ほどのポイントと類似していますが、合同説明会は就活におけるとっかかりとして大きく役立ちます。
就活は人によっては冬に始める人も、もっと前に始める人もいます。
そのため、就活開始時期の具体的な正解はありません。
しかし、人よりも早く就活のスタートダッシュを切る事は他の学生と差別化できるポイントの一つです。
また、業界や企業を比較したり、自分なりの視点で考察してみると、就活に道筋が立ちやすくなります。
早くから就活準備を始めておけば、その分余裕をもって就活に挑むことができます。
就活のスタートダッシュに向けたきっかけを作りたい学生は合同説明会に参加してみるといいです。
就活の軸を見つけよう
合同説明会にただなんとなく参加するのではいけません。
きちんと目的をもって合同説明会に参加することを心がけましょう。
もし合同説明会に参加する目的が自分で見出せない場合は、合同説明会を通して就活の軸をみつけることを意識してみてください。
就活の軸は就活をしているうちに精緻化されていきます。
まずは自分が魅力を感じた企業にどのような特徴があって、自分は何を重視しているのか考えながら企業を分析してみましょう。
また、同じ業界でも企業ごとに業務内容や社風は全然違います。
そのため、さまざまな視点から企業を見つめて、企業との相性などもくみ取ってみましょう。
くれぐれも、合同説明会に参加しただけで、何もわからなかった、何も得られなかった、というのは避けましょう。
合同説明会のデメリットはある?
合説は多くの学生が集まり、出展している企業の方も学生一人一人にアプローチしている余裕は、基本的にはありません。
企業側は忙しい日々の業務の中で多くの学生に会い、自社の魅力を伝える必要があります。
人事の方に直接話を聞こうとしても、その場で色々な話をするのは控え「詳しくお話を聞きたいのですが」と企業の個別説明会や面談の日程を抑えた方が良いでしょう。
自身である程度どのような業界に就職したいか、どのような会社に入りたいか、というようなものがある学生にとっては得られる情報量が少ない、と言えるのではないでしょうか。
合同説明会のメリット
続いては合同説明会についてのメリットを説明します。
しっかりとポイントを押さえましょう。
就活を開始するきっかけになるため
就活する時期というのはわかっているけれど、なかなか腰が上がらないということがあります。
希望する職種や仕事内容があやふやで、将来のイメージがあまり描けない場合はなおさらその傾向が強くなります。
合同説明会はさまざまな業種の企業が集まりますので、ハッキリと目的が決まらなくても参加する意義があります。
さまざまな企業と出会うことで、少しずつ就職へのイメージを固めていけるからです。
合同説明会のメリットは、複数社の説明をその日のうちに聞けるという点です。
できるだけ多くの企業の説明を聞き、情報収集を徹底することで、就活の視野を広げることが可能になります。
視野が広くなれば、これまで消極的だった就活を本格的に開始するようになるのではないでしょうか。
就活に対するモチベーションを上げるため
希望する企業がすぐに見つかり、就職できれば問題ありませんが、就活にはある程度の時間と労力が必要になります。
多くの大学生は3年生の夏頃から就活の準備に取り掛かります。
興味のある企業がインターンシップ制度を取り入れているかどうかのチェックから始まり、各地で行われる合同説明会に合わせたスケジュールの調整、履歴書の作成と提出、そして入社試験へと進んでいきます。
その間よいことばかりではなく、自分の力不足に落ち込んだり、お金に困るなどモチベーションを下げることも当たり前のように起こります。
就職に意欲を燃やしている学生や、挫折続きで心が折れかかっている学生など、合同説明会には就活に励んでいる学生が多く集まります。
お互い刺激し合うことで頑張ろうという気持ちになったり、改善点が見つかるかもしれません。
孤独になるとモチベーション維持は難しいですが、同じ境遇の者同士が集まり、励まし合うことで保ち続けることが可能になります。
業界研究・企業研究ができるため
何となくこの業界で働きたいというように、志望する分野がざっくりと決まっているなら、合同説明会に参加することはメリットになります。
合同説明会では、特定の業界に絞って企業の説明を聞き、情報を収集できるからです。
1日情報収集するだけでも、その業界について知識を深められますし、就活を展開有意義に展開していくきっかけにもなります。
もし業界も絞り込めていないというのなら、複数の業界をピックアップして、各企業の情報を収集することも、合同説明会なら可能になります。
集めた情報から業界同士を比較することや同じ業界内の企業についても比較検討できるので、業界研究・企業研究の点から見ると、合同説明会への参加はメリットになるでしょう。
説明会の規模が大きければ大きいほどたくさんの企業が集まり、その業界について知識を深めたり、現状を把握することが容易になります。
各地でさまざまな合同説明会が介されていますが、大規模なものはできるだけ参加してみることをオススメします。
説明会以外にも就活に役立つセミナーに参加できるため
合同説明会は、説明会だけ実施しているというわけではありません。
就活をサポートするセミナーを実施する場合や関連イベントを開催している場合もあります。
初めての就活は、何かと戸惑うことも多く、スケジュールを組んだものの、取りこぼしがあったり、思うように進められないこともよくあります。
頭ではよく理解していても、実際に予想外の出来事が発生して、どうやって対処したらよいのか、落ち込んでいる場合は、専門家のサポートが必要になります。
合同説明会の中には、就活に関するさまざまな悩みを相談できるブースが登場する会場もあります。
ブースにはキャリアコンサルタントがいて、希望者に対して相談に乗ってくれます。
企業に応募するときは履歴書と同時にエントリーシートの提出も必須ですが、エントリーシートを添削するサービスが受けられることもあります。
面接対策セミナーなど、自分に必要だと思われるイベントには積極的に参加するようにしましょう。
不安が解消されるだけでも就活に自信がついてきますし、有利になることもあります。
魅力的な企業と出会える可能性があるため
合同説明会には多くの企業が一度に参加します。
まとめて話が聞けるというメリットとともに、その中から想像していなかった、魅力的な企業に出会える可能性もあります。
参加する前まで知らなかった企業に目が留まり、企業の担当者の人柄がよく、また説明を聞くと自分に向いていたということがあるかもしれません。
またそれまであまりよい印象を持っていなかった企業でも、説明を聞いてみたら自分のイメージと真逆だったということもあります。
個別の説明会では得られない、新たな出会いをもたらしてくれるのが合同説明会のメリットといえます。
先入観をできるだけ取り払い、よい出会いがあると信じて企業をチェックすることが、メリットを最大限に活かすポイントになります。
OBや社員と知り合えるかも
合同説明会では実際に企業の社員や内定者の説明を聞くことができます。
なかにはあなたの大学のOBや、あなたに魅力を感じてくれる社員さんがいるかもしれません。
合同説明会はこれらの人たちと知り合うチャンスです。
合同説明会で社員さんと仲良くなって、後日開催されるインターンシップへ参加することを勧められた、などの話も多く耳にします。
自分が関心を持った企業には、自分から積極的にアピールをしてみましょう。
合同説明会に行くべき人って?
前述のとおり、基本的に志望業界や企業を絞っている学生は合説にいく必要はありません。しかし、合説に行った方が良い2つのパターンがあります。
何から手を付けたら良いかわからないパターン
一つは、今まで就職活動を全くしておらず、何から手を付けたら良いかわからないパターンの人です。合説では“濃い話”を聞くことはできませんが、就活というもののイメージがふんわりとつかめますし、大体何をすれば良いかがわかるからです。
また合同説明会には多数の企業が参加しているため、資料だけでなくパンフレットやチラシの収集ができ、知らなかった業界や職種との出会いもあるかもしれません。
さらに、グループディスカッション講座やES対策、SPI対策の講座も並行して開催されている場合もあるのでメリットは多いはずです。
全て不採用となってしまったパターン
もう一つが、ある程度就活を進めたものの、全て不採用となってしまったパターンの人です。願わくばこのパターンにはなりたくないですが、こういう人はとにかく多くの企業と接触しましょう。何より会う数が大事です。
その場で選考の日程を教えてもらう事もできますし、気に入ってもらえればとりあえず連絡先を教えてもらい自社説明会に参加させてもらえることなどもあるでしょう。
合同説明会のマナー
ここでは合同説明会に参加する際のマナーを紹介していきます。
合同説明会と言えど企業が参加するイベントになるため、参加する前にしっかり確認してから参加するようにしましょう。
服装
引用元:リクナビLIVE
こちらの写真を見ればおわかりだと思いますが、合同説明会に参加する就活生はほとんどがスーツで参加します。
そのため、私服で参加すると悪い意味で目立ってしまう可能性はあります。
合同説明会は無難に黒か紺のスーツを着ていくのが望ましいでしょう。
また、合同説明会は3月に開催されることが多いため、まだコートを着用している可能性があります。
コートは会場に入る前に脱ぎ、2つに折りたたんで腕にかけて持つなど持ち方も綺麗に見えるように工夫する必要があります。
髪型
髪型も無難にするのがいいでしょう。
男性の場合、ワックスでツンツンに立てたりだとかマッシュなど「ザ・大学生」みたいな髪型はせず、おでこを出して無難な髪型で参加するのが良いです。
また女性もおでこを出して、後ろ髪が長い場合は結ぶようにしましょう。
また、髪色に関しても茶髪ではなく自然な黒髪で参加するようにしましょう。
男性の例
女性の例
合同説明会に持っていきたい持ち物
次は、合同説明会に最低限持っていくべき持ち物を紹介します。
カバン
配布される資料やパンフレットは基本的にA4サイズのものが多いです。そのため、カバンはA4サイズの書類が入るカバンにしましょう。
柄や色などは、服装によって変わってきます。
スーツであれば、黒や茶色のカバンを、私服であればあまり派手でなく装飾のついていないカバンを選ぶようにするのが望ましいです。
また、近年増えているのがリュックスタイルなのですが、そちらでも問題ございません。
カバンの種類で選考がるということは基本的にないので、合同説明会でいただいた資料が入る大きさのカバンで参加するようにしましょう。
メモ帳、筆記用具
企業の話をしっかりと記録するためにメモ帳と筆記用具は必ず持っていくようにしましょう。
「ボイスレコーダーでも良いか?」という人もいると思いますが、メモを取る癖をつけるためにメモ帳とボイスレコーダーの両方を持っていくようにしましょう。
メモは社会人になってから必ず必要になってくるもので、就活中から様々なことをメモする癖をつけておくほうがいいでしょう。
また、「メモを取っている」=「真剣に話を聞いている」と企業の方も思うため、印象を良くするためにもめんどくさいですがメモを取るようにしましょう。
クリアファイル
配布された資料をカバンにそのまま入れてしまうとぐちゃぐちゃになる恐れがあるため、A4サイズのクリアファイルを持っていくようにしましょう。
配布される資料の中にはクリアファイルに入れてくれているものもありますが、なかったときのことを考えて1枚はクリアファイルを持っていくようにしましょう。
合同説明会でするべき質問
次に合同説明会でするべき質問を紹介していきます。
先ほども説明した通り出展している企業の方も学生一人一人に丁寧に対応する時間がないため、簡潔に聞くことができる質問を用意しました。
- 入社してした失敗とそれを乗り越えた方法を教えてください
- 御社の仕事内容について詳しく教えてください
- 入社するまでに身につけておいた方が良いスキルや資格はありますか
- 1日の仕事はどんな流れですか
- 〇〇さんの仕事のやりがいについて教えてください
- 入社後の研修はどんなものがありますか
- 〇〇さんの目標を教えてください
- 社内の雰囲気はどんな感じですか
- 働いている人の特徴を教えてください
- 上司との距離感は近いですか
- 転勤などはありますか
- 有給の消化率はどのくらいですか
- 残業時間はどのくらいありますか
- 他の会社と違う御社独自の福利厚生はありますか
- この会社で活躍している人の特徴を教えてください
- 〇〇さんはどんな人と一緒に働きたいですか
- 今まで入社した先輩方に共通点などはありましたか
合同説明会に積極的に参加してみよう
合同説明会というものは「何かしなきゃいけないと思っているが、何から始めたらいいかわからない」や「もうほとんど打つ手がない」という学生の不安を和らげるためのものであると筆者は考えます。
ここで「自分の不安としっかり向き合い、自分のやるべきことはなにか?」ということを明確にし次のアクションに繋げることが重要です。
また、合同説明会に参加しなくても良い学生もいると思います。
常に「この選択は自分にとって必要か?」と明確にすることで、忙しい就活期間に無駄なことをせず最短距離で内定を手に入れて欲しいです。