企業選びの方法について段階的に紹介していきます。
企業がなかなか選べないという人は、企業選びの順序が悪いのかもしれません。
いきなり企業を選べといわれても、ほとんどの学生が選べないので、そこは安心しても良いでしょう。
むしろ、迷いながら、少しずつ段階を踏んで、選んだほうが、良い企業を選べる可能性は高いです。
- 企業選びが重要な理由
- 事前にすべきこと
- 企業を選ぶ手順
- 企業の「軸」を決めるメリット
- 重視する基準
目次[目次を全て表示する]
【企業の選び方】企業選びが重要な理由は?
企業選びをする前に、企業選びが重要な理由を把握しておきましょう。
中には、たくさん試験を受けたほうが内定を貰える可能性は高まると考える人もいるはずです。
しかし、実際の就活はそんなに簡単ではありません。
限られた時間で活動しなければならないため、効率良く就活をする必要があるのです。
また、どんなにたくさん内定を貰っても、最終的に入社できる会社は一つなので、無駄が生じてしまうという理由もあるでしょう。
効率良く就活をするため
企業選びが重要な理由は、就活の期間を考えてみてください。
就活は一生の成功、失敗を決める時期になります。
その割には、少ない期間しかなく、効率的に動いていかなければ、より良い選択肢を選ぶのは難しいです。
就活の時間が無限にあるのならば、手あたり次第面接をしてみるという方法も良いかもしれません。
しかし、それでは到底時間が足りませんので、どうしても事前に企業をある程度、絞っておく必要があるのです。
もちろん、その企業選びが間違っていないという前提になってきますので、企業の選び方には十分に注意する必要はあるでしょう。
就活は活動の効率も求められますし、活動の質も求められます。
質と効率の両立ということで、なかなか大変なものなのです。
たくさん選考を受けても最終的に一社に絞らなくてはいけない
就活をするために企業選びをする理由には、どんなに良い会社の採用試験を受けても、最終的に入社できる会社は一社です。
また、もし自分が行きたいと思える業界の会社数社の内定が確実という状況が発生してしまった場合、かなり迷いが生じてしまいます。
その結果、選んだ会社が自分に合っていなかったことがわかったときは、悔やんでも悔やみきれないでしょう。
それならば、最初から絶対に行きたい会社一社に絞って、一点集中で対策したほうが良いのではないでしょうか。
さらに就活の面接の際は、面接官から就活における軸を見極められることが多いです。
そして、数打てば当たる方式ではその軸ができず、それを面接官に見抜かれてしまう可能性すらあります。
【企業の選び方】まずは準備から!選ぶ前にすべきこととは?
企業選びの重要性を理解したら、すぐにでも企業選びを始めたくなるところではないでしょうか。
しかし、企業選びを始める前に準備があります。
企業を選ぶといっても、自分を分析していなければ、自分に合致した企業を選べません。
また、企業を知っても業界を知らなければ視野の狭い業界選びになってしまいますので、業界と企業はセットで分析しましょう。
それらを知ったうえで、企業分析をするのが定石になります。
・自己分析
・業界分析
・企業分析
自己分析
実際に企業を選ぶ前に、自分を知っている必要があります。
そのためにするのが自己分析です。
自己分析では、自分をより深く知るために、なんのエピソードに感動したのか、何に熱中したのかなど、過去のエピソードを振り返りながら、自分を知っていきます。
また、ジョハリの窓を利用するのも良いでしょう。
ジョハリの窓は、自己分析のために他己分析も組み合わせた、より確実性の高い分析方法です。
いくつかの観点から自分を多角的に分析することによって、自分が何かを明快にできます。
自己分析のために他己分析を組み合わせるのは良い方法ですが、ネットコンテンツやスマホアプリを使って、他己分析をする方法もあります。
業界分析
自己分析の次は業界分析をします。
企業のことをいくら分析しても、業界を知らなければ、木を見て森を見ず状態になってしまうのです。
どんな業界があるのかを調べ、その中で自分が興味のある業界がどこなのかを知ります。
さらに、業界にはどんな企業があって、最大手はどこか、中堅企業はどこかなども重要です。
業界分析をする際に重要になってくるのは、その業界の将来性や過去です。
この業界は過去にどんな道のりを歩んできたのか、そして、今後はどうなっていくかの未来を予測します。
現在良い業界であっても、数年後、十年後どうなっているかはわかりません。
そのため、自分が入社した後の業界を予測することはとても重要なのです。
企業分析
業界分析が終わったら、最後に企業分析をしていきます。
その企業がある業界を踏まえたうえでの企業分析を行えば、より意味のある業界分析になってくれるでしょう。
企業分析の際は、まず基本情報を手に入れます。
どんな歩みをしてきた企業なのか、どんな商品があるのか、商品の中では何が主力なのかも重要です。
また、社風やどんな社員を望んでいるのかなども調べておきましょう。
その会社は業界で何番手かも重要になってきます。
どんなに栄えた業界であっても、勝者と敗者は存在するので、なるべくなら業界の中で勢いのある企業を選びたいものです。
また、業界の未来とその企業の取り組みを照らし合わせることも重要で、この部分が合致しているなら、今後も伸びる可能性のある企業となります。
【企業の選び方】企業を選ぶ手順
これまで企業を選ぶ前の準備(自己分析・業界分析・企業分析)について紹介してきま した。
準備が終わりましたら、実際に企業を選んでいきましょう。
就活選びにおいて重要なことは「軸」です。
自分軸や企業軸を合わせて就活の軸と呼ぶことがあり、これは就活においては非常に重要になってきます。
軸を見つける方法も紹介しているので、ぜひご覧になってみてください。
また、自分軸や企業軸に沿った企業の厳選の仕方についても解説していますので、うまく利用すれば、数社程度まで行きたい企業を絞ることができるはずです。
①就活の「軸」をもとに企業を絞る
②企業を知る
③競合他社分析
④インターンの参加
①就活の「軸」をもとに企業を絞る
自己分析などを行ったら、これだけは譲れない「軸」を定めます。
自分の興味や関心・職場環境・やりがいなどを条件に設定することが「自分がこうありたい」「「将来こんな会社で働きたい」というイメージ作りに繋がります。
現在の状態から未来を想像し、その未来とのギャップを埋めるための会社選びをするこ とで、「入社後の未来」を想像しながら何万社→数社に企業を絞ることができます。
以下の記事で就活の「軸」について詳しく解説していますので、参考にしてください。
②企業を知る
就活の「軸」を元に企業を絞ったら、企業について調べます。
企業のHPや本などから企業概要・中長期経営計画・IR情報を調べて、収益を得る仕組みや組織構造を知り、具体的な仕事内容の把握をすることが大切です。
自分が行う作業が企業においてどんな立ち位置にいるかを理解することで、実際入社した時に「業務内容が思っていたことと違った」と感じることが少なくなるでしょう。
そして、人間関係・職場の雰囲気(環境)も理解する必要が出てきます。
自分の性格は内向的であるのに、時間外での付き合いが多い職場に就職すると毎日出勤することが辛くなり離職に繋がってしまいます。
そのためにも企業の情報を知ることが不可欠なのです。
③競合他社分析
企業について知ったら、競合他社分析をします。
会社がどのような立ち位置にいるか、同じ業界の他社を比較することで差別化戦略(経営戦略)の理解に繋がります。
それによって、御社をなぜ志望したのか志望動機を明確にすることができます。
競合他社分析をしていないと、面接の際に「なぜ同業他社ではなく、当社を選びましたか?」と言われた際に表面的な事柄になってしまいます。
競合の特性を知り、違いを理解することで、明確なビジョンを持ち、自信を持って面接に挑むことができます。
④インターンの参加
競合他社分析をしたら、インターンに参加します。
インターンに参加していないと実際に働いた時のイメージを想像できることはありません。
企業を絞り、実際に企業観を把握してインターンに参加することで、「こういう仕事は向いていないから志望するのはやめよう」「こういう仕事は向いてるからこの会社は志望しよう」という理由を持って取捨選択できるので、ミスマッチを防ぐことができます。
また、インターンに参加することで充実したフィードバックを得ることができ改善点が明確になり成長に繋げられます。
【企業の選び方】就活の「軸」のメリット
企業を選ぶ際に①就活の「軸」をもとに企業を絞ることが大切だと述べてきました。
「実際に就活の軸を決めて有利になるの?」
「就活の軸を定めて何かメリットはあるの?」と思う方もいると思います。
ここからは、就活の「軸」を決める際のメリットについて説明していきます。
キャリアプランを立てやすい
キャリアプランとは、「将来自分がどんな職業に就きたいか」を考え、それを達成するための計画です。
就活の「軸」を知ることで、自分が大切にしたい価値観を知ることができます。
また、就活において1番重要な工程は自己分析と言われています。
自己分析を行うことで「自分はこのような人間である!」という自分の状態を言語化し、主観的な状態から客観的な見方ができるようになるため、無駄な回り道をすることを防ぐことに繋がります。
企業とのミスマッチを防ぐことができる
就活の軸を決めないことは企業分析不足や自己分析不足が密接に関係していることが考えられます。
就活の準備を念入りに行うことで、自分の絶対に譲ることができないものを中心に企業選びをすることができるので会社に入社した後、「やっぱりここの企業に入社しなければよかった...。」と思うことが少なくなります。
一貫性
ブレない軸を決めることで、ESと面接内容の矛盾を生じないようにすることができて、一貫性をアピールすることができます。
面接で特に重視されることは、ESと面接内容の矛盾、嘘をついていないかです。
それを検証するために、面接では深掘りが行われるため就活の軸をじっくり固めておくことでこれらの問題を解消に繋がります。
【企業の選び方】重視する基準7選
企業を選ぶ際の選び方または、就活において有利になる就活の軸を決めるメリットが分かったのではないでしょうか?
就活の軸を決めた後は基準を見ていきましょう。
「就活において何を重視する?」
このような疑問を抱いたり、実際に友達から質問されることはありませんか?
福利厚生・残業時間・企業規模など様々な基準が思い浮かぶと思います。
以下の文章では企業選びで重視する基準について記述してあるので、読んでいただけると幸いです。
1.業界内のポジション
2.企業の社風
3.成長性があるか
4.業務内容
5.残業時間
6.給与
7.福利厚生
1.業界内でのポジション
業界で1位・2位・それ以外の会社では経営の戦略が異なるため、それぞれの立ち位置から企業の戦略を眺めることが求められます。
業界2位3位の会社は、競争優位を獲得して1位に到達するために「チャレンジャー戦略」が用いられて、経営資源が乏しい会社においては、効率化を図る「フォロワー戦略」が導入されます。小さな市場で独占することを目指す「ニッチャー戦略」を取り入れている会社もあります。
このように、会社の目標や市場に応じて用いられる戦略も異なっていることで社内における志向も十人十色であることが分かります。
2.企業の社風
社風とは、会社の価値観・歴史・人間関係のありさまです。
特に人間関係で離職する人は多いです。
社風を理解することが重要な理由は、大きく2つあります。
1つ目は、会社が何をポリシーにしているかを確認できるからです。
2つ目は、社員のことをどのように考えているかを把握することができるからです。
だからこそ、企業を選ぶ際から社風を考慮しておくことで、ミスマッチを防ぐことができます。
3.成長性があるか
今後伸びていく業界・企業を見定め、そこから企業の具体的な会社情報(新規事業・中長期経営計画・IR情報などを調べて、新規の事業はどのような内容か、組織形態はどうか見極めて企業選びをすることをおすすめします。
現在名を上げている企業であっても、今後衰退した場合、昇進した際に納得できる給料を獲得することができない可能性があります。
4.業務内容
特に中小企業は組織として事業部制を用いているため事業部ごとにまとまりを持っていることが多いです。
もちろん、事業部ごとに業務内容は異なります。
営業部であれば顧客対応・資料の作成、人事部であれば採用活動・社員の評価をする人事考課・人材育成、経理部であれば預金の管理・給与の計算・決算整理です。
5.残業時間
厚生労働省の調査によると、平均の残業時間は約13時間と言われています。
残業時間が20時間以内であれば、ホワイト企業です。
あまりに残業が多いと過労死や自殺に繋がるので、自身の健康を考慮して残業時間も見 込むことが求められます。
また、残業代が出るか出ないかにおいても入念な調査が必要です。
6.給与
賃金形態として、基本給・職務給・職能給・賞与(ボーナス)・インセンティブ制度などがあります。
日系企業と外資系企業では給与体系が異なります。
日系企業→基本給+手当(年功序列)
外資系企業→基本給+インセンティブ です。
福利厚生の少なさや解雇可能性、退職金の有無が関係して一般的に外資系企業が年収が高いと言われています。
7.福利厚生
福利厚生は分かっているが、内容はどんな内容であるのか理解していない就活生が多いです。
福利厚生は、幸せや利益を追求する「福利」と生活の豊かさを追求する「厚生」という 語が合わさって作られた言葉です。
内容として、保険や通勤・住宅・働き方(フレックスタイム・住宅勤務)などが挙げられます。
【企業の選び方】注意!企業を選ぶ際気をつけるべきこと
実際の企業選びは最終段階にあたります。
ここで良い企業を選ぶためには、いくつかのポイントを中心しなければなりません。
自分との適正を意識したり、将来性を確認したりすることが重要です。
また、転勤があるかを調べることやキャリアプランと照らし合わせることも重要になってくるでしょう。
自分との適性を意識しよう
企業を選ぶ際に、単に魅力的だからという理由はNGです。
あくまでも自分との相性が重要なのであって、その企業が就活の軸に延長線上にあることも重要です。
自分が企業に適正があることをアピールすることができれば、それは採用担当者に対するアピールになります。
将来性は必ず確認
自分が会社に適正があっても将来性がないのはいけません。
新入社員は、これから社会で何年も働いていくことになるのです。
そう考えると、最初から将来性のない業界や企業に行くのだけは避けたいものです。
将来性のある業界に行くというのは、新卒の就活における大前提になってきます。
転勤はある?キャリアプランと照らし合わせる
企業選びの際はキャリアプランと照らし合わせることも重要です。
企業の中には転勤が必須の会社もあります。
たとえそれが栄転であれ、自分のキャリアプランから見ると納得できないこともあるでしょう。
【企業の選び方】誤った企業選びをすると?
誤った視点から企業を選んでしまうと、早期退職に繋がってしまうこともあります。
新卒の約3割が早期退職をすると言われている社会の中で、企業の選び方をしておくことで未然に防ぐことができます。
誤った企業選びをしてしまうことによって起こるデメリットを紹介します。
時間を無駄にしてしまう
2・3年で退職をしてしまうと、そもそもスキルを得られることが少ないでしょう。
退職をした後には転職活動を行います。
新卒採用ではポテンシャル重視の採用がなされていますが、中途採用は即戦力として活躍できるような人材を集めるためスキル重視の採用が行われていることが多いです。
ここで、経験値が少ないと転職活動において不利になると同時に、勤めてきた2・3年を活かすことなく無駄となってしまうでしょう。
「後悔」する可能性が高くなる
新卒においての就職活動の際に、A会社とB会社の内定が決まっていて知名度からA会社を選んでしまったとしましょう。
入社してから「思っていたことと違う」と感じた際に、「あの時しっかり業務内容を調べてB会社にしておけばよかった」と思うでしょう。
知名度だけで選んでしまうと後悔する可能性が高いです。
仮に、選ぶ基準を明確にして分析を行なっていれば後悔する可能性は低くなります。
まずは自己分析から始めてみよう!
企業選びは、段階を踏んで選ぶことの重要性が理解できたのではないでしょうか。
段階を踏んで、意味のある企業選びをしていけば、実は企業を選ぶのはそれほど難しくありません。
それぞれには、それぞれの理想の企業というものがありますので、事前にそんな企業を選べるように努力してみましょう。