【例文10選】ガクチカで成果がなくても大丈夫!評価される思考プロセスの伝え方とは?

【例文10選】ガクチカで成果がなくても大丈夫!評価される思考プロセスの伝え方とは?

ガクチカで話せるような華々しい成果がなく、エントリーシートの作成に手が止まっていないでしょうか。

周囲の学生が優れた実績を語るのを聞き、焦りを感じるかもしれません。

しかし、企業の人事は成果の大きさ自体を最重要視しているのではありません

人事が本当に知りたいのは、物事に取り組む過程で見える、あなた固有の思考プロセスです。

この記事では、成果がないと感じる経験からでも人事から評価される、思考プロセスの具体的な伝え方と、テーマ別の例文10選を詳しく解説します。

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【ガクチカで成果がない】ガクチカとは?

ガクチカとは、学生時代に力を入れたことの略称であり、就職活動のエントリーシートや面接において頻繁に問われる質問の一つです。

学生が過去の経験に対して、どのような動機を持ち、どのような課題を認識し、どう乗り越えたかを知ることを目的としています

企業はこの質問を通じて、応募者の思考プロセスや人柄、価値観が自社と合致するかを判断しています。

自己PRとの違い

自己PRとの決定的な違いは、アピールする焦点にあります。

自己PRは、応募者自身の強みや長所そのものを直接的に伝えるものです。

一方、ガクチカは、学生時代の一つの経験に焦点を当て、その取り組みの過程や思考のプロセスを具体的に説明することが求められます。

ガクチカは、自己PRで提示した強みが本物であることを裏付ける、具体的なエピソードとしての役割も果たします。

そのため、ガクチカでは結果の大小よりも、課題にどう向き合ったかの過程が重視されます

【ガクチカで成果がない】ガクチカを尋ねられる理由

多くの就活生がガクチカにおいて「すごい成果を伝えなければならない」とプレッシャーを感じています。

ここでは企業がガクチカを尋ねる真の意図を紹介していきます。

自分のガクチカを効果的に、自信をもってアピールしましょう。

人柄や価値観を知るため

企業がガクチカを尋ねる一つ目の理由は、あなたの人柄や価値観を深く知るためです。

学生時代にどのような活動に時間とエネルギーを注いだのか、その中で何を大切にし、どのような決断を下してきたのかというエピソードには、あなたの個性や信念が色濃く表れます。

チームで活動する中で「全員が納得するまで話し合うこと」を重視したのであれば、協調性や傾聴力を大切にする人だと評価されるでしょう。

逆に、「誰よりも早く成果を出すこと」にこだわった経験からは、高い目標達成意欲や行動力が伺えます。

人事は、あなたの人生観や仕事観が、自社の社風や企業理念とマッチしているかを確認したいのです。

そのため活動を通じてあなたが何を学び、どのような価値観を培ったのかを明確に伝えることが重要になります。

論理的思考力の有無の確認のため

次に、ガクチカのエピソードを通じて、あなたの「論理的思考力」の有無を確かめています。

企業は、あなたが問題に直面した際に、それをどのように分析し、解決策を導き出し、実行に移したのかという一連の思考プロセスに注目しています。

たとえ結果が出なかったとしても、「なぜこの問題が発生したのか」や「その問題を解決するためにどのような仮説を立て、行動を取ったのか」という流れが筋道立てて説明できるかが評価のポイントになります。

ここで重要なのは、「なんとなく頑張った」ではなく、原因と結果、そして行動の理由に明確な繋がりがあることです。

論理的な説明能力こそが、入社後に仕事を進める上で不可欠なスキルだと企業は考えています。

モチベーションの源泉を探るため

そして、三つ目の理由として、あなたの「モチベーションの源泉」を探るためという点が挙げられます。

人が最も力を発揮するのは、心から「やりたい」「達成したい」と思えることに取り組んでいる時です。

ガクチカのエピソードから、あなたが何に情熱を感じ、どのような状況で意欲的に行動できるのか、つまり「あなたにとっての仕事のやりがい」に繋がる要素を読み取ろうとしています。

あなたを駆り立てる「原動力」が何であるのかを明確にすることで、企業はあなたの入社後の配属や役割を適切に判断する材料とするのです。

【ガクチカで成果がない】結果はないといけないのか

上記で企業がガクチカを尋ねる主な理由を解説しましたが、そのうえで華々しい成果や結果は本当に必要なのでしょうか。

企業がガクチカを尋ねる理由と関連付け、本当に求められるガクチカの内容ついて一緒に考えていきましょう。

必ずしもなければいけないわけじゃない

結果からお伝えすると成果や結果はガクチカにおいてマストではありません。

ガクチカで問われるのは、成果そのものの大きさよりも、成果に至るまでのあなたの思考と行動、そしてそこから何を学び、どう成長したかという点です。

成果があると話の起承転結が作りやすく、差別化できることもあります。

しかし、重要なのはそこに至るまでの過程であり、結果だけでは意味がありません。

思考や行動のプロセスを説明できれば、目標設定能力や原因分析能力、そして失敗を恐れずに挑戦する姿勢をアピールできます。

企業が本当に知りたいのは、入社後に困難な状況に直面した際に、あなたが「どのように立ち向かい、乗り越えようと努力できる人材なのか」というあなたのポテンシャルです。

結果が失敗でも大丈夫!

むしろ、失敗した経験は、あなたの真の強さや学びの深さを示す絶好の機会になります。

成功体験からは「あなたは何ができるか」が分かりますが、失敗体験からは「あなたが何に耐え、そこから何を学べるか」という、より本質的な強靭さが伝わるからです。

大切なのは、失敗をそのまま語るのではなく、その失敗を「客観的に振り返り、原因を特定し、次に活かすための行動変容を起こした」という構成です。

この構成ができると失敗を糧に成長できる「学習能力」と「改善意識」を強く印象づけることができます。

失敗を伝えることを恐れず、その経験から何を学んだのかに焦点を当てて語りましょう。

【ガクチカで成果がない】人事が結果より過程を評価する理由とは?

華々しい成果がない場合、ガクチカとしてアピールできないと考える学生は多いです。

しかし、実際には多くの人事が、結果そのものよりもそこに至るまでの過程を重視しています

なぜなら、その過程の中にこそ、応募者の本質的な能力や価値観、仕事への取り組み方が表れるからです。

企業は、入社後に自社で活躍できる可能性を見極めようとしています。

入社後の再現性を見ているため

企業が採用活動で最も知りたいのは、応募者が入社後に自社で活躍できる人材であるかという点です。

学生時代の成果がどれほど大きくても、それが特定の環境や運に依存したものであれば、ビジネスの現場で再現できるとは限りません

一方で、自ら課題を発見し、解決のために思考し、行動するというプロセスは、環境が変わっても応用可能なポータブルスキルです。

人事はガクチカの過程を通じて、この再現性のある能力を評価しています。

過程にこそ特有の強みが出るため

たとえ同じような結果であったとしても、そこに至るまでのアプローチは人によって異なります

ある人はデータを徹底的に分析して課題を特定し、またある人は周囲を巻き込みながらチームで解決策を実行するかもしれません。

このように、物事に取り組む過程には、その人固有の思考の癖や強み、価値観が色濃く反映されます。

人事は結果だけでは判断できない、応募者特有の能力や人柄を理解するために、過程の具体的な説明を求めているのです。

【ガクチカで成果がない】思考プロセスを効果的に伝るフレームワーク

人事が評価する思考プロセスとは、単に頑張ったという精神論ではなく、課題に対して論理的に向き合い、行動を改善していく力です。

ここでは、評価の核となる5つの要素について具体的に解説します。

これらは、成果の有無にかかわらずアピールできる重要なポイントです。

1. 課題発見力

課題発見力とは、現状を正しく認識し、何が問題であるかを特定する能力です。

表面的な事象にとらわれず、その根本的な原因を探る力が求められます。

主体的に動くための第一歩であり、この起点なくして具体的な行動は始まりません。

人事は、学生が自ら問題点に気づけるかを重視しています。

2. 主体性

主体性とは、誰かの指示を待つのではなく、自らの意思で課題解決に取り組む姿勢を指します。

ガクチカにおいて、なぜその活動に取り組み、なぜそれを問題だと感じたのか、という動機の部分が該当します。

当事者意識を持って行動できる人材は、入社後も自ら仕事を見つけ、貢献することが期待されます。

3. 計画性

課題を発見し、取り組む意思があっても、行動が場当たり的では成果につながりません。

計画性とは、設定した目標に対し、どのような手順を踏めば達成できるかを論理的に組み立てる力です。

限られたリソースの中で、優先順位をつけ、効率的に行動できる人材は高く評価されます。

4. 困難への対処

計画通りに物事が進むことは稀です。

重要なのは、予期せぬ障害や失敗に直面した時、どう考え、どう行動を修正したかです。

困難から逃げず、原因を分析し、粘り強く代替案を実行できる力は、ビジネスの現場で直面する多くの壁を乗り越えるために不可欠な素養と判断されます。

5. 学び

経験から何を得たかを言語化する力、すなわち内省力も重要です。

成功や失敗という結果だけにとどまらず、その経験全体を通して、自身の強みや弱み、次に活かせる教訓をどれだけ深く理解できたかが見られます。

この学びの深さが、応募者の成長可能性を示しています。

【ガクチカで成果がない】思考プロセスを効果的に伝るフレームワーク

思考プロセスを評価してもらうためには、伝える順番が重要です。

ガクチカ専用のフレームワークを紹介します。

この型に沿って整理することで、成果がなくとも論理的な説明が可能になります。

STEP1:結論「何に力を入れたか」

最初に、学生時代に最も力を注いだ活動の概要を簡潔に述べます。

ここで詳細を語る必要はありません。

面接官が話の全体像を把握できるよう、まずは結論から提示することが重要です。

例えば、飲食店のアルバイトにおける新人教育に注力した、といった形で伝えます。

STEP2:動機・課題「なぜ取り組み、どんな課題があったか」

次に、なぜその活動に取り組もうと思ったのかという動機や、活動の中で直面した具体的な課題を説明します。

ここが思考プロセスの起点となります。

例えば、新人の離職率の高さに問題意識を持った、といった背景を明らかにすることで、主体性を示すことができます。

STEP3:具体的な行動「どう考え、何をしたか」

このステップが思考プロセスを伝える上で最も重要です。

特定した課題に対し、どのように考え、分析し、具体的な行動に移したのかを詳細に述べます。

なぜその行動を選んだのかという理由を明確にすることで、あなたの計画性や課題解決力をアピールできます。

STEP4:結果と学び「行動の結果どうなり、何を学んだか」

最後に取り組んだ行動の結果と、その経験全体から何を得たのかを述べます。

結果は、必ずしも華々しい成功である必要はありません

重要なのは、その経験を通じて何を内省し、どのような教訓を学び、それを今後どう活かしていくかを示すことです。

成果がない場合、結果は失敗でもOK

成果が出ていなかったり、目標が未達で失敗に終わったりした場合でも、正直に伝えて問題ありません

むしろ、失敗した事実をどう受け止め、何を分析し、次に向けてどのような改善策を考えたかというプロセスこそが、困難への対処能力や成長可能性を示す材料として評価されます。

【ガクチカで成果がない】評価を高める作成時のポイント

結果や大きな成果がないガクチカでも、採用担当者の評価を格段に高めるための重要なポイントが三つあります。

これらのポイントを押さえてガクチカを構成することで、あなたの経験を単なる活動報告ではなく、入社後の活躍を予感させる魅力的なアピールに変えることができます。

あなたの「人となり」と「仕事への適性」を最大限に伝えるための具体的なテクニックを理解し、実践していきましょう。

企業が求める人物像に近づける

一つ目のポイントは、ガクチカのエピソードを語る際に、企業が採用サイトや説明会で示している「求める人物像」を強く意識することです。

企業の求める人物像は、「協調性のある人」「自ら考え行動できる人」「粘り強く目標達成にコミットできる人」など、具体的なキーワードで表現されていることが多いです。

あなたのガクチカのエピソードの中に、それらのキーワードに合致する要素がないかを探し出し、意図的にその部分を強調して語るように構成しましょう。

例えば、企業が「チャレンジ精神」を重視しているなら、あなたのエピソードの中で「過去に前例のない困難な目標に挑んだ部分」や「失敗を恐れずに新しい方法を試した部分」を具体的に描写します。

これにより、あなたの経験と企業が求める資質がマッチしているという印象を明確に与え、「この学生は当社の社風や仕事にフィットするだろう」という採用担当者の確信に繋がります。

課題や目標の深掘りをする

二つ目のポイントは、ガクチカの出発点となった「課題や目標」を徹底的に深掘りすることです。

多くの学生が「アルバイトを頑張った」「サークル活動に取り組んだ」といった活動内容から語り始めてしまいますが、評価されるガクチカは「なぜその活動に取り組んだのか」「その活動の中で解決すべき最も大きな課題は何だったのか」という背景にある問題意識から始まります。

具体的な数値や状況を交えて課題設定の妥当性を説明できると評価はぐんと上がります。

この深掘りにより、「あなたは現状に満足せず、自ら問題を見つけ、それを解決しようと高い目標を設定できる」という、入社後の仕事でも不可欠な能力をアピールできます。

課題の認識が深ければ深いほど、それに対するあなたの行動の価値も高まります。

行動の理由を鮮明にする

最後の、そして最も重要なポイントは、あなたが「なぜその行動をとったのか」という理由を、鮮明かつ具体的に説明することです。

採用担当者が知りたいのは、あなたがとった行動そのものではなく、その行動の裏にある動機や思考のロジックです。

例えば、「チーム内の士気が低下していたので、私が率先してチームメンバー一人ひとりにヒアリングを行った」という行動の裏には、「チームの成功には個人のモチベーションの維持と相互理解が不可欠だと考えたから」というあなたの価値観と戦略的な思考が隠れています。

この「行動の理由」を明確にすることで、あなたの個性や判断基準、そして論理的思考力が採用担当者に伝わります。

あなたの行動が「偶然」ではなく「意図的」であったことを示すことが、あなたのガクチカに説得力と深みを与えるのです。

【ガクチカで成果がない】結果がないガクチカの例文10選

ここでは、成果がないと感じる経験でも、思考プロセスを効果的に伝えるガクチカの例文を10個紹介します。

前述のフレームワークに沿って構成していますので、ご自身の経験を当てはめて作成する際の参考にしてください。

例文1:飲食店の新人教育

飲食店のアルバイトで、新人教育の仕組み改善に力を入れました。
勤務していた店舗では新人の離職率が非常に高く、既存スタッフの負担が増加するという課題がありました。
私は、離職の原因が業務マニュアルの分かりにくさと、質問しにくい雰囲気にあると考えました
そこで、まず既存のマニュアルを写真付きで具体的に改訂し、日替わりの教育担当制度を店長に提案し、導入しました。
結果として、新人の離職率は以前の半分に減少しました。
この経験から、課題の根本原因を特定し、周囲を巻き込みながら具体的な解決策を実行する重要性を学びました。

例文2:塾講師

塾講師のアルバイトで、生徒の学習意欲を引き出すことに注力しました。
担当生徒が宿題に取り組まず、授業中の集中力も低いという課題がありました。
私は、生徒が勉強自体に苦手意識を持っていることが原因だと考えました
そこで、まずは生徒との信頼関係構築を優先し、勉強以外の話題で対話する時間を設けました。
また、宿題は生徒ができるレベルまで細分化し、小さな成功体験を積ませることを意識しました。
結果、徐々に生徒が自ら質問するようになり、授業への集中力が高まりました。
この経験から、相手の立場に立って課題の原因を探り、粘り強く働きかけることの大切さを学びました。

例文3:コンビニ

コンビニエンスストアのアルバイトで、商品の発注業務の改善に取り組みました。
私の担当時間帯は、特定商品の欠品が頻繁に発生し、お客様にご迷惑をおかけしていました。店長は多忙で、詳細なデータ分析まで手が回っていない状況でした。
私は、発注が過去の経験則に頼っている点が課題だと考えました
そこで、過去の売上データと、天気や近隣イベントの情報を照らし合わせ、発注数を予測するリストを作成し、店長に提案しました。
結果、廃棄ロスを増やすことなく、欠品率を大幅に改善できました。
この経験から、現状維持を疑い、データに基づいて論理的に改善策を提案することの重要性を学びました。

例文4:イベント運営

学園祭実行委員として、イベントの企画運営に力を入れました。
担当イベントは例年参加サークルが少なく、盛り上がりに欠けるという課題がありました。
原因は、広報不足と企画のマンネリ化にあると考えました
そこで、SNSでの告知を強化し、地元の店舗に協力を依頼して景品を充実させました。また、意見が対立するメンバー間の調整役も担いました。
目標の参加サークル数にはわずかに届きませんでしたが、当日の来場者数は前年を上回りました。
この経験から、周囲を巻き込むことの難しさと、目標達成に向けて主体的に行動し続けることの重要性を学びました。

例文5:メンバーのモチベーション維持

テニスサークルで、メンバーの練習参加率の向上に取り組みました。
私たちのサークルは、レギュラーとそれ以外のメンバーとの間で練習への意欲に差があり、全体の参加率が低下していました。
私は、全員が楽しめる環境でなければ活気は失われると危惧しました
原因が練習メニューの偏りにあると考え、レベルを問わず楽しめるメニューの導入を提案しました。
また、自分から積極的にメンバーに声をかけ、参加しやすい雰囲気作りに努めました。
結果、サークル全体の練習参加率は30%向上しました。
この経験から、組織内の異なる立場の意見に耳を傾け、全員が納得できる解決策を見出す調整力を学びました。

例文6:練習方法の改善

大学の陸上部で、自身の長距離走の記録向上のために練習方法の改善に注力しました。
私は入部以来、全体の練習メニューをこなすだけでは記録が伸び悩んでいました。
自分の課題が後半のスタミナ不足にあると分析し、全体の練習後に自主的なインターバル走を追加しました。
また、練習日誌をつけて日々の体調とタイムの関係性を可視化し、練習メニューを微調整し続けました。
結果として、目標のレギュラー入りは果たせませんでしたが、自己ベストタイムを2分短縮できました。
この経験から、客観的に自身の弱点を分析し、地道な努力を継続することの重要性を学びました。

例文7:グループワーク

経済学のゼミ活動で、グループワークの議論を円滑に進める役割に徹しました。
私のグループは、発表準備の際にメンバー間の意見が対立し、議論が停滞することが多々ありました。
私は、問題の原因が互いの意見の前提が共有されていないことにあると考えました
そこで、自らファシリテーター役を担い、各メンバーの意見の背景にある考えを深掘りして全員に共有することを徹底しました。
最終的な発表は平均的な評価でしたが、グループとしては全員が納得のいく結論を出すことができました。
この経験から、異なる意見を尊重し、対立を調整しながら合意形成を図るプロセスを学びました。

例文8:苦手分野の克服

学生時代、英語のスピーキング能力の向上に力を入れました。
将来、海外と関わる仕事に就きたいと考えていましたが、会話に強い苦手意識がありました。
私は、アウトプットの機会が圧倒的に不足していることが課題だと考えました
そこで、毎日1時間のオンライン英会話を継続し、授業前にトピックを準備し、授業後は録音を聞き直して発音を修正するサイクルを徹底しました。
目標のビジネスレベルには到達しませんでしたが、日常会話は臆することなく話せるようになりました。
この経験から、高い目標に対し、課題を分析し、地道な努力を継続することの重要性を学びました。

例文9:SNS運用

学生時代、趣味であるカフェ巡りの記録として、SNSアカウントの運用に力を入れました。
当初はフォロワーが100人程度で伸び悩んでいましたが、より多くの人に役立つ情報を届けたいと考えるようになりました。
私は、投稿内容が単なる写真の羅列になっていることが原因だと分析しました
そこで、ターゲットを明確にし、写真や客層、Wi-Fiの有無などの情報を統一したフォーマットで発信するよう変更しました。
目標のフォロワー数には及びませんでしたが、半年で3000人まで伸ばすことができました。
この経験から、ターゲットのニーズを分析し、それに応えるコンテンツを提供し続けることの難しさとやりがいを学びました。

例文10:資格勉強

自身の専門性を高めるため、日商簿記2級の資格取得に力を入れました。
独学での取得を決意し、3ヶ月間の詳細な学習スケジュールを作成しました。特に苦手な工業簿記は、問題集を3回繰り返すことを徹底しました。
大学の講義と両立するため、通学時間などの隙間時間を活用して学習を進めました。
結果は不合格でしたが、敗因はインプットに時間をかけすぎ、過去問演習による実践が不足したことにあると分析しています
この経験から、計画を実行するだけでなく、途中でその妥当性を見直すことの重要性を痛感しました。

【ガクチカで成果がない】注意!絶対にやってはいけないNG例

成果がないと感じる場合でも、思考プロセスを誠実に伝えることが重要です。

ここでは、評価を著しく下げてしまう可能性のある、絶対に避けるべきNG例を3つ紹介します。

NG1:嘘をつく・エピソードを過度に「盛る」

成果がないことを気にするあまり、エピソードを捏造したり、事実を過度に誇張したりすることは最も危険です

経験豊富な面接官は、具体的な状況や思考の細部を深掘りする質問によって、話の矛盾に必ず気づきます

能力以前に、人としての信頼性を失うことになり、成果がないことよりもはるかに致命的な評価につながります。

NG2:「考えた」「頑張った」だけで、「どう考えたか」が具体的でない

思考プロセスを伝えようとするあまり、考えた、努力した、頑張った、といった主観的な言葉を多用するだけでは評価されません

人事が知りたいのは、その結果に至るまでの客観的な事実と考えの動きです。

何を課題と捉え、どのような選択肢を検討し、なぜその行動を選んだのか、という具体的な論理性が求められます。

NG3:行動の羅列になっており、「なぜ」その行動を選んだかが書かれていない

ガクチカが単なる活動報告になってしまうケースも多く見られます。

例えば、Aをして、次にBをして、最後にCをした、という行動の羅列だけでは、あなたの思考は伝わりません

重要なのは、なぜAが必要だと判断したのか、Bを実行する際に何を工夫したのか、という行動の背景にある動機や意図です。

【ガクチカで成果がない】まとめ

ガクチカで話せるような華々しい成果がないと悩む必要は全くありません

人事が本当に知りたいのは、成果の大きさではなく、あなたが課題に直面した時にどのように考え、行動し、何を学んだかという思考のプロセスです。

そのプロセスにこそ、入社後の活躍を期待させる、あなた固有の強みや人柄が表れます。

地味だと感じる経験でも、本記事で紹介した思考プロセスの5つの要素(課題発見力、主体性、計画性、困難への対処、学び)や、伝えるためのフレームワークに沿って深掘りすれば、必ずアピールできるポイントが見つかります。

例文を参考に、あなた自身の経験を整理し、自信を持って思考のプロセスを伝えてください

柴田貴司
監修者

明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート

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