ガクチカに書くことがないと感じる就活生は少なくありません。
特に、特別な経験や目立つ成果がないと、自分の学生時代を振り返っても何を書けばよいのかわからず、不安になるものです。
でも、心配しなくて大丈夫です。実は、ガクチカに書けるエピソードは誰にでもあります。
大切なのは、自分の中の当たり前に気づくことです。
そして、企業が知りたいのは成果の大きさや派手さではなく、取り組みの過程や姿勢です。
この記事では、ガクチカに書くことがないと感じている方に向けて、エピソードの見つけ方や注意すべきポイント、企業が評価している視点などを丁寧にご紹介していきます。
自分自身の経験を改めて見つめ直し、自信を持ってガクチカを書けるようになるきっかけになれば嬉しいです。
【ガクチカに書くことない】ガクチカが思いつかない人は多い
就職活動が本格化するなかで、ガクチカに書けるような経験がないと悩む方は本当に多いです。
でも、実際には書くことが何もないという人はいません。
多くの学生が自分の経験を過小評価しているだけなのです。
たとえば、アルバイトはただ勤務していただけ、サークルは趣味でやっていただけと感じていても、その中には工夫したこと、頑張ったこと、成長したことが必ずあるはずです。
それに気づくためには、まず自分の強みに目を向けることがポイントです。
強みが分かると、なぜその行動を選んだのか、どんな工夫をしたのかといった視点が自然と浮かび上がってきます。
そこから、ガクチカのエピソードの軸が生まれてくるのです。
【ガクチカに書くことない】陥りやすい落とし穴とは
頑張ったこと=長期間続けたことと思い込んでしまうのは、就活でよくある勘違いのひとつです。
確かに、長く続けたことには説得力がありますが、それだけがガクチカになるわけではありません。
短期間でも自分なりに真剣に取り組んだ経験や、悩みながら工夫した経験も、十分にアピールポイントになります。
たとえば、数週間だけ関わったイベントの準備や、新しく始めた趣味での挑戦なども、どのような課題に向き合い、どう乗り越えたかをしっかり伝えられれば、企業にとっては立派なガクチカになります。
逆に、4年間サークルを続けましたといっても、内容が薄ければ評価にはつながりません。

重要なのは、行動の背景や思考のプロセスを具体的に伝えることです。なぜその行動をしたのか、どんな困難があったのか、自分はどう変わったのかといった視点を加えるだけで、エピソードは一気に深みを増します。長さにとらわれず、自分にとって意味のある経験にフォーカスしてみてください。
【ガクチカに書くことない】企業が見ているポイントを理解しよう
ガクチカに書くことがないと悩んでしまう背景には、企業が何を見ているのかが分からないという不安もあるかもしれません。
しかし、実際に企業が注目しているのは、派手な実績や特別な体験よりも、その人がどのように物事に取り組み、どんな価値観や行動スタイルを持っているかという点です。
たとえば、どんな時にモチベーションを感じるか、困難にどう立ち向かうか、相手に自分の考えをどう伝えるかといった要素は、仕事をしていくうえで非常に重要です。
ガクチカは、これらを知るための貴重な手がかりとして企業に見られています。
このパートでは、ガクチカを通して企業が見ている視点を詳しくご紹介し、自分の経験をどう整理すれば魅力的に伝えられるかを一緒に考えていきましょう。
企業目線を理解することで、書くことがないという思い込みも、きっと解けていくはずです。
何にモチベーションを感じるか
企業がガクチカを通じて注目しているのは、学生がどんなことにやる気を感じる人なのかという点です。
なぜなら、入社後にモチベーションを持って働けるかどうかは、長く活躍するうえで非常に重要だからです。
どんなにスキルや学力が高くても、仕事に対して前向きな気持ちを持てなければ、成長や成果にはつながりにくくなってしまいます。
たとえば、誰かの役に立つことにやりがいを感じる、目標に向かって仲間と取り組むことが楽しい、自分で工夫して成果が出たときに達成感を感じるなど、人それぞれモチベーションの源泉は異なります。
大切なのは、それを自分なりに理解し、言葉にできているかどうかです。

企業は、あなたの過去の経験からこの人はどんなときに力を発揮するのかを知ろうとしています。だからこそ、ガクチカには、なぜその活動を頑張ろうと思ったのか、どんな気持ちで取り組んでいたのか、といった動機や感情も丁寧に盛り込むことをおすすめします。
物事への取り組み方
ガクチカで企業が見ているもうひとつの重要なポイントは、その人がどのように課題に向き合い、取り組んだのかという姿勢です。
社会人になると、正解のない課題に対して自ら考え、行動し、解決していく力が求められます。
だからこそ、学生時代の経験から、その人の取り組み方のクセや問題解決のプロセスを知ろうとするのです。
たとえば、アルバイトで接客に苦手意識を感じていたけれど、先輩の対応を観察したり、自分なりに話し方を工夫したりして乗り越えた、というようなエピソードは、仕事で課題に直面した際の姿勢を伝えるのにぴったりです。
何を頑張ったかだけでなく、どのように頑張ったかを掘り下げることが、良いガクチカを書くためのコツです。
うまくいかなかったことや苦労した点も包み隠さず伝えることで、リアリティのあるエピソードになりますし、成長の過程を具体的に伝えることができます。
就活では、自分の取り組み方の型を見つけ、それを明確に言語化することが、企業に伝わる自己PRにつながります。
簡潔にわかりやすく物事を伝える力
どのような職種であっても、社会人には簡潔に、分かりやすく伝える力が求められます。
そのため、ガクチカは単なる経験の羅列ではなく、読み手に伝わる構成や論理的な文章の組み立てができているかも見られています。
文章が整理されていないと、どんなに素晴らしい経験でも、その魅力が相手に届きません。
ガクチカを書く際は、起承転結や結論→理由→具体例→まとめといった型を意識しながら構成すると、自然と伝わりやすい文章になります。
特にエントリーシートでは限られた文字数の中で要点を押さえる必要があるため、情報を取捨選択する力や表現力も重要です。
また、面接の場では、自分の言葉で簡潔に話す力が問われます。
ガクチカを言語化する過程は、そのままコミュニケーション能力のトレーニングにもなります。
第三者に読んでもらったり、声に出して読んだりして、自分の言いたいことがしっかり伝わっているか確認してみると良いでしょう。
【ガクチカに書くことない】ガクチカのエピソード例10選
特別な経験がないからガクチカに書けることがないと感じている方もいらっしゃるかもしれませんが、実は日常のさまざまな経験の中にアピールできる素材はたくさん隠れています。
企業が注目しているのは、経験の内容そのものよりも、その経験を通じて何を考え、どう行動したかというプロセスです。
部活やサークル活動、ゼミや学業、アルバイトなど、学生生活のあらゆる場面に、ガクチカに活用できる要素があります。
ここでは、代表的な10のテーマについて、エピソード例とアピールする際のポイントをご紹介します。
自分に当てはまりそうなものを探しながら、ぜひ参考にしてみてください。
部活
エピソード例:
大学でバスケットボール部に所属し、3年次には主将としてチームをまとめました。
部員のモチベーションに差があり、練習参加率が低下する時期もありましたが、個々と面談を重ね、全員が納得できる目標を共有しました。
結果として全国大会への出場を果たしました。
アピールする際のポイント:
このような経験からは、リーダーとしての責任感や、チームの課題に正面から向き合い、対話を通じて解決を図る姿勢が読み取れます。
また、長期にわたる努力を継続し、周囲を巻き込んで成果を出した点も、継続力や協調性のアピールにつながります。
部活をガクチカにする際は、ただ頑張ったという抽象的な言い方ではなく、自分が置かれた状況や果たした役割、どのように周囲と関わって変化を生んだのかを具体的に伝えることが大切です。
サークル
エピソード例:
文芸サークルで広報担当を務め、SNSを活用した活動報告や作品紹介を行いました。
投稿内容を工夫した結果、フォロワー数が前年の2倍となり、学園祭では過去最高の来場者数を記録しました。
アピールする際のポイント:
この経験からは、自ら考えて発信方法を工夫し、効果を数値として出す力が伝わります。
また、趣味的な活動の中でも目的意識を持ち、メンバーや外部に働きかけながら主体的に行動していた点は高く評価されます。
サークルの活動は一見遊びと受け取られやすいため、ガクチカとして書く際には、何を目指してどのように取り組んだのかを明確に示し、仕事に通じる行動力や工夫の視点を強調するのがコツです。
ゼミ
エピソード例:
ゼミでは日本の観光業の再生をテーマに研究をしていました。
現地調査を含むフィールドワークを主導し、地域住民との対話を通じて観光資源の再評価を行いました。
発表時には、教授から実践的なアプローチが光ると評価を受けました。
アピールする際のポイント:
このようなゼミでの活動からは、単なる座学にとどまらず、自ら調査を企画・実行する行動力や、関係者と丁寧に関わりながら情報を得るコミュニケーション能力が感じられます。
また、研究テーマに対して深く掘り下げ、自分なりの仮説と検証を重ねた姿勢は、論理的思考力や探究心を印象づけます。
ゼミ活動をガクチカとして伝えるときは、成果だけでなく、取り組む中で工夫した点や、苦労した過程から得た学びを具体的に盛り込むと説得力が増します。
学業
エピソード例:
心理学の講義で興味を持ち、自主的に読書を重ねながら知識を深めました。
卒業論文ではSNSと若者の自己肯定感の関連をテーマに執筆し、論文発表会では最優秀賞を受賞しました。
アピールする際のポイント:
この経験からは、与えられた課題以上に自らの関心を深堀りし、主体的に学んできた姿勢が伝わります。
また、学問を通じて物事を体系的に考える力や、継続的に努力を積み重ねる力も感じられます。
学業をアピールする際には、どのような興味を持ち、どんな工夫で学びを深めたかを明確に示すと、単なる優秀さだけではない、自走力のある人物像が浮かび上がります。
アルバイト
エピソード例:
コンビニでのアルバイトでは、ピーク時のオペレーションが混乱していたため、作業手順と配置の見直しを提案しました。
実際に試した結果、待ち時間が平均で30%短縮され、社員から高評価を得ました。
アピールする際のポイント:
このエピソードからは、現場での課題を自分ごととして捉え、改善策を考え実行できる主体性がうかがえます。
さらに、自分の提案が実際の数値や評価につながっている点も、成果に直結する行動力を示しています。
アルバイト経験は多くの学生が語るテーマですが、指示通りに働いていただけにならないよう、自分がどう考え、どう工夫したかという視点をしっかり盛り込むことが重要です。
ボランティア
エピソード例:
被災地支援ボランティアに3回参加しました。
物資の運搬だけでなく、避難所で子どもたちに読み聞かせをする活動を提案・実行し、地域の方々に感謝の言葉をいただきました。
アピールする際のポイント:
この経験は、目の前の課題に対して自発的に行動を起こす力や、他者の立場に立って考える共感力を示しています。
また、自ら企画した活動を実現させる実行力や、チームとの協調性もアピールにつながります。
ボランティアの経験を語る際には、良いことをしたという事実だけでなく、その中でどのように自分の価値観や行動が変化したのか、学びがどこにあったのかを丁寧に表現しましょう。
趣味・特技
エピソード例:
写真撮影が趣味で、SNSに毎日1枚投稿することを2年間継続しました。
被写体の工夫や構図の改善に取り組み、地元観光局からプロモーション写真の依頼を受けるまでに至りました。
アピールする際のポイント:
このような経験からは、一つのことに地道に取り組みながら、成果を出していく継続力や自己成長意識が伝わります。
また、自分の作品を発信し続けたことで、他者から評価されるまでになったことも、努力の証明として有効です。
趣味や特技は就活に関係がないと思われがちですが、物事に対する向き合い方を伝える良い材料になります。
目的意識や工夫のプロセスが伝わるように意識して書きましょう。
留学
エピソード例:
ドイツに半年間留学に行きました。
文化や言語の壁に悩みながらも、現地の学生とディスカッションを重ねることで自分の意見を伝える力が向上。
帰国後は国際交流団体でリーダーを務めました。
アピールする際のポイント:
この体験からは、異文化に飛び込み適応する柔軟性や、困難に対する粘り強さが感じられます。
また、帰国後もその経験を活かし、次の行動につなげている点が評価されるポイントです。
留学経験を伝える際には、行ってよかっただけで終わらせず、何に苦労し、どう乗り越え、どのように自分に影響を与えたのかを明確にすることが大切です。
資格取得
エピソード例:
TOEICで900点を目指し、半年間の計画を立てて勉強を継続する中で、学習進捗を日記で管理し、苦手分野は個別に対策を実施しました。
最終的に905点を達成しました。
アピールする際のポイント:
この経験からは、明確な目標に対して計画的に努力し、成果を出すまでやり抜く力が読み取れます。
また、自分の課題を分析し、PDCAを回しながら改善していく姿勢も、社会人に求められる力として評価されます。
資格の取得は数字で成果が見えやすいため、どう取り組んだかを丁寧に説明すれば、地道な努力や学習力が伝わりやすくなります。
日々の習慣
エピソード例:
毎日5分間の今日の振り返り日記を3年間継続しました。
失敗や学びを記録する中で、自分の思考の癖や改善点に気づけるようになり、冷静な自己分析ができるようになりました。
アピールする際のポイント:
このような習慣からは、日常の中に学びを見出し、自分をより良くするための努力を継続できる力が感じられます。
また、小さな積み重ねを大切にする姿勢や、自分と向き合う冷静さも、長く働く上での強みとなります。
日々の習慣は一見地味に思えるかもしれませんが、継続によって得た気づきや変化を丁寧に語ることで、深い自己理解と成長意欲を伝えることができます。
【ガクチカに書くことない】思いつかない場合の見つけ方
ガクチカに書けるような経験が見当たらない…という方も多いかもしれません。
しかし、ガクチカにふさわしい経験は、必ずしも目立った成果や特別な活動である必要はありません。
むしろ、普段の生活や日々の取り組みの中に、企業が知りたいあなたらしさが隠れていることが多いのです。
この章では、ガクチカのネタが思いつかないときに、どのようにエピソードを見つけ出していけばよいのか、具体的なステップに分けてご紹介します。
考えを整理しながら、自分でも気づいていなかった頑張りに出会うきっかけとしてご活用ください。
日々の習慣を一覧にしてみる
まずは、気負わず自分の1日を振り返ることから始めましょう。
どの日でも構いませんが、平日と休日、それぞれの行動を時間ごとに一覧化してみると、自分がどんな行動を習慣的に行っているかが見えてきます。
たとえば、朝起きてすぐにニュースをチェックする、授業前に予習をする、移動時間に英語の勉強をする、夜にその日の振り返りを日記に書く、など些細な行動でも構いません。
当たり前と思っている行動の中にこそ、他の人にはないあなたらしさが含まれていることがあります。

特に意識せずやっていることの中にも、継続力や工夫の跡が表れている場合があります。まずは客観的に自分の習慣を洗い出すことで、自分が普段どんなことを大切にしているのか、何に時間を使っているのかに気づくことができます。そこから、ガクチカのヒントが見つかる可能性は十分にあります。
意識的にやっている行動を考える
日々の行動を一覧にしたら、次はその中から自分が意識して行っている行動に注目してみましょう。
ここでは主観的な判断で構いません。
これは自分なりにこだわっている、他の人はあまりやっていなさそうと思う行動をピックアップしてみてください。
たとえば、食事記録を毎日つけて栄養バランスを意識している、学業のノートを独自のフォーマットで整理している、SNSでの発信にテーマを設けて継続しているなど、自分にとっては当たり前でも、他の人には真似できないことかもしれません。
重要なのは、なぜその行動を続けているのかを考えることで、自分の価値観や目指す姿が浮き彫りになる点です。
行動には必ず動機があります。
その動機こそが、ガクチカに説得力を持たせるポイントになります。
こうした意識的な行動を見つけることは、自分の強みや個性を知る第一歩にもなります。
ガクチカにするような経験がないと思っている方ほど、まずは自分のこだわりを洗い出してみましょう。
行動の背景を深掘りする
ここまでで洗い出した習慣や行動の中から、これをガクチカにできそうかもと思うものがあれば、いよいよ最後のステップです。
それは、その行動を深掘りすること。
つまりなぜそれを行っているのか?、どんな気持ちで続けているのか?、それによって何が得られたのか?といった問いを自分に投げかけてみてください。
たとえば毎日英語の勉強をしているとしても、留学の夢があるから、将来、海外の企業で働きたいからなど、行動の裏には明確な動機や目標があるはずです。
さらに、途中でモチベーションが下がった時はどう乗り越えたか、どんな工夫をしたかなどの具体的なエピソードを思い出すことで、ガクチカとしての厚みが増していきます。

企業は、結果よりもその人の考え方や行動のプロセスを知りたいと考えています。だからこそ、あなたの習慣の背景を言葉にすることが、ガクチカに昇格させる最大のポイントになります。
【ガクチカに書くことない】中学・高校のエピソードでも大丈夫?
大学時代に頑張ったことが思いつかないという場合、中学・高校時代の経験を使っても大丈夫なのか、不安に思う方もいらっしゃるかもしれません。
結論から言うと、中学・高校のエピソードでも問題ありません。
むしろ、そこでの経験にあなたらしさがしっかり現れていれば、十分に評価される可能性があります。
企業がガクチカで知りたいのは、学生がどんな場面でモチベーションを感じ、どのように課題に取り組むのかという思考と行動のパターンです。
それはいつの経験であっても、本質的には変わりません。
特に、高校時代の部活動や受験勉強、委員会での経験などは、自分なりの工夫や努力が表れやすい場面です。
ただし注意点としては、古い経験であることをしっかり補足することと、そこから今にどうつながっているのかを示すことです。
たとえば、高校時代に学んだ〇〇の姿勢を、今でも継続して意識しているというように、現在との関係性を持たせることで、過去の経験が一貫性のあるものとして伝わります。

大切なのは時期ではなく、経験の中身です。これが私の価値観や行動スタイルを形づくった経験ですと自信を持って伝えられるのであれば、中学・高校のエピソードでも、立派なガクチカになります。
【ガクチカに書くことない】ガクチカの基本的な書き方構成
ガクチカに書くことは見つかったけれど、いざ文章にしようとすると何から書けばいいのかわからないと感じる方も多いのではないでしょうか。
ガクチカは自分をアピールする大切な場面ですから、伝えたいことを的確に、かつ簡潔に表現する構成力が求められます。
基本的な構成は、結論→具体的な内容→背景→結果→活かし方という流れを意識すると、読みやすく説得力のある内容になります。
この順序に沿って整理すれば、企業が知りたい何を、なぜ、どうやって取り組んだのかが自然と伝わるようになります。
以下で、各パートの役割や書き方のコツをご紹介しますので、ご自身のエピソードに当てはめながら、ぜひ活用してみてください。
何に打ち込んだのか
ガクチカの書き出しは、私は大学時代、○○に打ち込みました。と、まず結論から始めるのが鉄則です。
最初に要点を伝えることで、読み手である面接官や採用担当者が話の全体像をすぐに把握でき、興味を持って読み進めてもらいやすくなります。
たとえば、私は大学時代、学園祭実行委員会のリーダーとして、全体の企画と運営に打ち込みました。
という一文から始めると、その後の話がスムーズに展開できます。
ここで重要なのは、何にという対象を明確にし、その活動の概要がざっくりと伝わるようにすることです。

サークルでの経験、アルバイトでの取り組み、資格取得への挑戦など、取り組んだテーマは人それぞれですが、共通するのは自分が主体的に関わり、努力をした経験であること。それを最初に明確に伝えることが、良いガクチカのスタートになります。
具体的に打ち込んだ内容
次に、その取り組みの内容を具体的に説明します。
ここではどんな場面で、どのようなことをしていたのかを、できるだけリアルに描写しましょう。
また、その行動を始めたきっかけにも触れることで、あなたの行動が自然に理解できるようになります。
たとえば、委員長としてメンバー間の意見が対立した際、定期的な意見交換の場を設け、合意形成を図る仕組みを取り入れましたなど、工夫や具体的なアクションが伝わると、主体性や実行力が際立ちます。
さらに、なぜそれをやろうと思ったのかまで書くと、あなたの価値観や考え方も伝わります。
活動の背景を少し掘り下げることで、この人はどういう人なのかという印象をより強く残すことができます。
それに打ち込んだ理由
次に、その活動に本気で打ち込んだ理由や、継続できた背景を説明します。
ここでは、なぜ、その活動を自分ごととして捉えられたのか、困難な時期でもなぜ頑張れたのかといった内面の動機を伝えることが大切です。
たとえば、もともと自分に自信がなかったからこそ、人前で話す場面を増やして克服したいと考え、プレゼンの練習を重ねましたといったように、自分の課題意識と成長意欲が伝わると、企業からの共感を得やすくなります。

多くの学生がこの部分を省いてしまいがちですが、実はここが人柄を最も表現できるポイントです。単なる結果や実績ではなく、あなたがどういう思いで、なぜそこまで努力できたのかという部分を、丁寧に言葉にしていきましょう。
打ち込んだ結果
努力の過程だけでなく、その活動がどのような結果につながったのかも、きちんと伝えることが大切です。
成果は具体的な変化や数字で示すことで、読み手により明確に伝わります。
たとえば、提案した施策により、イベントの参加者数が前年の1.5倍になりました、アルバイト先での接客改善により、クレーム件数が月10件から3件に減少しましたなど、数字を交えることで、成果の大きさが伝わりやすくなります。
もし明確な数値がない場合でも、メンバーからの信頼を得て、次年度の代表に選ばれた、教授から最終発表で最高評価を得たといったように、変化や評価のエピソードを盛り込むと良いでしょう。
ただし、結果を盛ってしまうと信頼を損なう恐れがあるため、事実に基づいて、誠実に表現することを忘れずに。
それをどう活かすのか
最後に、この経験から得た学びを、入社後どのように活かせるかを伝えましょう。
ここは単なる締めの一言ではなく、あなたの価値が企業にどう貢献するかを示す、とても重要な部分です。
たとえば、チームの意見を調整しながら物事を前に進める力は、御社のプロジェクト運営でも活かせると考えていますなど、自分の経験と企業での業務とをつなげる視点があると、非常に説得力のある締め方になります。

このパートをしっかり書くことで、企業にこの人は入社後に成長しながら貢献してくれそうだと思ってもらえる可能性が高まります。ガクチカを単なる過去の自慢話で終わらせず、未来につなげることが、選考突破のカギとなります。
【ガクチカに書くことない】ガクチカを書く際のポイントと注意点
ガクチカは、あなたの学生生活で頑張ってきたことを企業に伝える大切な機会です。
しかし、せっかくの経験も、伝え方を誤ってしまうと魅力が十分に伝わらないこともあります。
特に、表面的な実績だけを強調したり、自分をよく見せようとするあまり背伸びをしすぎたりすると、かえって印象が悪くなってしまう可能性もあります。
ここでは、ガクチカを書く上で知っておきたい3つの大切なポイントをご紹介します。
結果より過程、企業理解、誠実な表現の3つを意識することで、あなたらしさが伝わるガクチカに仕上がります。
読み手の心に届く文章にするためにも、ぜひ参考にしてみてください。
結果よりも過程を重視する
ガクチカを書く際に最も大切なのは、どんな結果を出したかよりもどのように努力してきたかという過程をしっかりと伝えることです。
もちろん、良い成果があればそれも立派なアピールになりますが、それ以上に企業が知りたいのはあなたがどんな思考を持ち、どう行動してきたかという点です。
たとえば、チームで成功を収めたとしても、自分がどのような立場で何を考え、どんな工夫をしたのかを明確にすることで、あなたらしい頑張りが伝わります。
逆に、結果だけを強調してしまうと、再現性がなさそう、偶然の成果かもしれないと思われることもあります。
企業が求めているのは、入社後に困難に直面したときにどう動けるかというポテンシャルです。

そのため、どのように課題に向き合い、失敗や壁をどう乗り越えたかなど、行動のプロセスを丁寧に書くことが、より効果的なアピールにつながります。
企業が求める人物像を把握する
どれだけ素晴らしい経験であっても、それが企業の求める人物像と大きくズレてしまっていては、効果的なアピールにはなりません。
ガクチカを通じて大切なのは、この人はうちの会社に合いそうだなと思ってもらえること。
つまり、経験そのものよりも企業とのマッチ度を意識した表現が必要です。
そのためには、まず企業研究を丁寧に行い、この会社がどんな価値観を大切にしているのか、どんな人を採用したいと思っているのかを把握することが重要です。
たとえば、チームワークを重視する企業であれば、周囲との連携や協調性を強調するように工夫する必要があります。
ガクチカを書く前に、企業のホームページや採用ページ、社員インタビューなどをよく読み、この会社ではどんな人が活躍しているのかを理解しておくと、自分の経験と重ね合わせて効果的にアピールしやすくなります。
嘘や誇張は含めない
就活では少しでもよく見せたいという気持ちが働くこともあるかもしれません。
しかし、ガクチカでは嘘や過剰な誇張は避けるべきです。
なぜなら、エントリーシートや面接を通じて一貫性がなくなると、信頼できないと判断されてしまう可能性があるからです。
企業がガクチカを通して知りたいのは、完璧な人物像ではなく、どんな人柄で、どんな価値観を持ち、どのように成長してきたのかというリアルな姿です。
たとえ目立った成果がなかったとしても、自分なりに努力してきたことを正直に伝えることで、誠実さや人間味が伝わります。

特に面接では、深掘りされた質問が続く中で、嘘をついた部分があるとすぐに見抜かれてしまいます。ありのままの自分に自信を持ち、素直な言葉で語ることが、あなた自身の信頼につながります。
【ガクチカに書くことない】ガクチカのアピール例文10選
ガクチカに書くことは見つかったけれど、実際にどのように書けばいいのか分からない…という方に向けて、ここでは具体的なガクチカの例文を10種類ご紹介します。
それぞれの例文には、企業が注目する主体性、課題解決力、継続力などの要素を盛り込み、書き方のポイントを押さえています。
また、例文ごとの解説を通じて、なぜこの構成が伝わりやすいのか、どのような工夫がされているのかも理解できるようにしています。
自分の経験と照らし合わせながら、参考にしてみてください。
ボランティアのガクチカ例文
ガクチカ例文
私は大学2年の夏、被災地支援のボランティア活動に参加しました。
最初は何か役に立ちたいという漠然とした気持ちでしたが、現地での経験を通じて、自分の行動が人に与える影響の大きさを実感しました。
活動の中心は避難所での物資の仕分けや配布、清掃でしたが、特に心に残っているのは、避難生活を送るお子さんたちのために読み聞かせの時間を提案し、自ら絵本を準備して実施したことです。
活動当初は、物理的な支援に重点が置かれていましたが、精神的なサポートも必要だと感じ、自分にできることを考えて行動に移しました。
最初はうまくいかず、子どもたちも緊張していた様子でしたが、回数を重ねるごとに笑顔が増え、親御さんからもありがとうと声をかけていただくようになりました。
この経験を通じて、自分の小さな行動でも、人に安心や喜びを与えられること、そしてそのためには相手の立場に立って考える姿勢が大切だと学びました。
この経験は、今後仕事をするうえでも相手目線で課題を捉え、主体的に動くことの重要性を忘れずに活かしていきたいと考えています。
この例文では、行動のきっかけ→自分なりの工夫→相手の反応→学び→今後の活かし方という流れが丁寧に構成されており、読み手にとって非常に分かりやすく、好感の持てる内容になっています。
ボランティア経験はいいことをした、という内容だけで終わってしまいがちですが、この例文のように自ら考え提案した行動と相手への配慮、成果としての反応を描写することで、主体性や共感力、問題発見力がしっかりと伝わります。
また、最初はうまくいかなかったが、改善を重ねたことで成果が出たという成長のプロセスも評価ポイントです。
仕事に通じる視点として、最後に相手目線を活かしたいと今後へのつながりを示している点も好印象を与えます。
趣味・特技のガクチカ例文
ガクチカ例文
私は大学入学と同時に始めた動画編集を3年間継続しています。
最初は趣味としてYouTubeに簡単な旅行動画をアップしていただけでしたが、徐々に見てくれる人にとって分かりやすく、楽しんでもらえる動画を作りたいと思うようになり、編集技術や構成力を独学で磨いてきました。
特に工夫したのは、視聴者の反応をもとに改善を重ねることです。
たとえば、視聴維持率が低いと感じた動画では、冒頭部分の展開スピードを速め、テロップを効果的に活用することで、視聴時間が1.5倍に伸びました。
また、コメント欄に寄せられるリクエストを参考に、新しいシリーズを始めたところ、登録者数も1,000人を超えました。
趣味ではありますが、常に誰のために、どう伝えるかを意識し、PDCAを回しながら改善を重ねる姿勢は、仕事にも通じる力だと感じています。
情報の整理力、伝える力、そして数字に基づいて行動を改善する力は、今後どんな仕事においても活かせると考えています。
趣味をテーマにしたガクチカは、ただ好きなことをしていましたで終わってしまうと評価につながりにくいですが、この例文のように、目的意識を持って取り組み、他者からのフィードバックをもとに改善を続けている姿勢を伝えることで、ビジネスにも通じる強みが明確に表現されています。
注目したいのは、視聴維持率の改善、登録者数の増加といった成果を数値で示している点です。
これにより、単なる感想ではなく、客観的な変化を示すことができています。
また、継続力や改善力、相手目線を意識した発信という視点は、マーケティングや広報、企画職など幅広い職種で評価されるポイントです。
留学のガクチカ例文
ガクチカ例文
私は大学3年次にアメリカへ半年間の交換留学を経験しました。
目的は英語力の向上だけでなく、多様な価値観に触れて自分の視野を広げることでした。
最初の頃は授業の内容を十分に理解できず、ディスカッションにも積極的に参加できませんでした。
しかし、このままでは意味がないと思い、授業後に教授へ質問に行く、現地学生とペアを組んで課題を進めるなど、自分から積極的に関わる姿勢を意識しました。
また、留学先の日本文化紹介イベントでは、現地の学生と協力しながら、茶道や折り紙のワークショップを企画。
文化の違いから認識のズレが生じる場面もありましたが、相手の意見を尊重しながら丁寧に説明することで、イベントを無事に成功させることができました。
この経験を通じて、言葉の壁を越えて人と協力する難しさと大切さ、そして文化や価値観の違いを前向きに受け入れる柔軟性を身につけました。
今後は、異なる背景を持つ人々とも信頼関係を築けるようなコミュニケーション力を、社会人としての仕事にも活かしていきたいと考えています。
留学のガクチカで大切なのは、語学力の向上だけでなく、どんな困難に直面し、どう乗り越えたか、どんな学びを得て帰国後にどう活かしているかといった視点を盛り込むことです。
この例文では、授業での言語的なハードルに対して、自らの行動で克服しようとする積極性が表現されており、非常に好印象です。
さらに、日本文化紹介イベントを現地学生と協力して運営したエピソードを加えることで、実際の成果や他者との協働経験を具体的に伝えています。
文化の違いにどう向き合ったかという点は、異文化理解力や適応力の証明になります。
留学経験がある方は、滞在中の行動と成長をセットで伝えることで、単なる体験談ではなく、自分らしい強みをアピールするガクチカに仕上げることができます。
資格取得のガクチカ例文
ガクチカ例文
私は大学2年生の春から半年間かけて、日商簿記2級の取得に取り組みました。
もともと会計に苦手意識があり、講義でも消極的になりがちでしたが、将来の選択肢を広げるためにあえて挑戦することを決意しました。
学習を始めた当初は、仕訳や貸借の概念すら理解できず、模擬試験では思うような点数が取れませんでした。
そこで、苦手分野を分析し、時間配分や復習方法を改善しました。
毎日1時間の勉強を習慣化し、週末には学習記録をまとめることで、自分の進捗を可視化するようにしました。
また、勉強仲間を作り、互いに問題を出し合うことでモチベーションの維持にもつながりました。
最終的には試験に一発合格することができ、苦手だった会計の知識にも自信が持てるようになりました。
この経験を通じて、目標を達成するために必要な計画性、自己管理能力、継続力の大切さを実感しました。
社会人になっても、未経験の業務や新しい分野に直面した際に、自分で学びながら成果を出す力として活かしていきたいと考えています。
資格取得に関するガクチカは、結果を出したことよりもその過程でどんな努力や工夫をしたかが問われます。
この例文では、最初は苦手だった分野に挑戦し、自らの学習スタイルを見直しながら継続した様子が具体的に描かれています。
特に、苦手分野の克服に向けて学習記録をつける、仲間と学び合うといった具体的な行動は、計画的かつ前向きな姿勢を感じさせ、評価されやすいポイントです。
また、自己管理能力や学習習慣を継続する力は、多くの企業で求められるスキルでもあります。
資格取得の話をただの合格報告にとどめず、どんな壁があり、それをどう乗り越えたかに焦点を当てることで、より人間味のある、信頼感のあるアピールになります。
日々の習慣のガクチカ例文
ガクチカ例文
私は大学入学以来、毎晩寝る前に1日1つ、良かったこと・反省したことをノートに書き留める習慣を続けています。
始めたきっかけは、忙しい日々の中でも、自分の成長や感情の変化を振り返る時間を持ちたいと感じたからです。
最初は三日坊主になりかけたこともありましたが、気づいたことを簡単に箇条書きにすることで、無理なく継続できるよう工夫しました。
また、週に一度まとめて読み返すことで、似たような反省を繰り返していることや、自分がどういう場面で前向きになれるのかに気づくようになりました。
この習慣のおかげで、自分の思考や行動パターンを冷静に見つめ直すことができるようになり、ゼミでの発言やアルバイトでの対応など、場面ごとの改善に活かすことができました。
日々の習慣は派手な成果があるわけではありませんが、継続する中で身についた自己分析力や内省力は、仕事でもPDCAを回す力として役立つと考えています。
地道に積み上げてきたこの力を、社会人としても大切にしていきたいです。
日々の習慣をガクチカにする際は、一見地味だけれど、継続によって得られた成長や自分への深い理解をどう表現するかがポイントになります。
この例文では、1日1つの振り返りというシンプルな習慣から、行動を改善する力、気づきを仕事に活かす力へとつなげており、継続力と成長意識がしっかりと伝わります。
また、最初は続かなかったが、書き方を変えて工夫したといったリアルなエピソードも含まれているため、共感を呼びやすく、説得力のある内容になっています。
自己分析力や内省力は、職種に関係なく必要とされる能力であり、地道な努力を続けられる人として好印象を与えることができます。
【ガクチカに書くことない】まとめ
ガクチカに書けることがないと悩んでいる方へ向けて、この記事ではその不安を和らげ、自分自身の中にある経験や価値を見つけ出すためのヒントをお届けしてきました。
特別な実績がなくても、ガクチカとして語れるエピソードは誰にでも必ずあります。
重要なのは、何を成し遂げたかではなく、どのように考え、どのように行動したかという過程にこそ価値があるということです。
また、企業がガクチカを通じて知りたいのは、あなたの人柄や仕事に向き合う姿勢です。
部活やアルバイト、日々の習慣に至るまで、あなたらしい視点や努力が表れているものは、すべて立派なアピール材料になります。
さらに、企業ごとに求める人物像が異なることを意識し、自分の経験と照らし合わせながらアピール内容を調整することも、就活を成功させる上で大切なポイントです。
嘘や誇張をせず、等身大の自分の言葉で、自信を持ってガクチカを書いてみてください。
どんなに小さな一歩でも、それを積み重ねてきたあなたの姿は、きっと企業の心に届くはずです。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート
柴田貴司
(就活市場監修者/新卒リクルーティング本部幹部)
柴田貴司
(就活市場監修者)
特別な経験がなくても、自分らしさや小さな工夫に焦点を当てれば、十分に魅力的なガクチカを作ることができます。まずは、肩の力を抜いて、自分自身の経験をじっくり振り返ってみましょう。