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複数内定で内定先が決められない人は多い
就職活動を順調に進めてきた方の中には、いくつかの企業から内定をもらいどこに決めるべきか分からないと悩む方も少なくありません。
一見、うれしい悩みのように思えますが、複数の選択肢があるからこそ、将来への責任や不安が大きくなってしまうこともあります。
本当にこの会社でいいのだろうか、他を断って後悔しないだろうかといった気持ちは、多くの就活生が感じるものです。
特に、自分のやりたいことが明確に定まっていない場合や、企業ごとの条件・雰囲気に大きな差がある場合は、迷いが深くなる傾向があります。
このような状況は、決して珍しいことではありません。
多くの学生が最終的な決断の段階で立ち止まり、自分の価値観や将来像と真剣に向き合いながら、納得のいく選択をしようと努力しています。
まずは悩むのは自然なことと受け止め、焦らず一歩ずつ考えていくことが大切です。
平均的な内定獲得数って?
他の人は何社くらいから内定をもらっているのだろう?と気になる方も多いと思います。
平均的な内定獲得数は、文部科学省や民間調査会社のデータによると、おおむね2〜3社程度と言われています。
ただし、この数字はあくまで平均であり、0社から5社以上まで大きな幅があります。
内定数の多さ=成功とは限りません。
大切なのは、自分にとって納得できる企業に出会えているかどうかです。
たとえば、1社からの内定でもここで働きたいと思える企業であれば、十分に意味のある成果ですし、逆にたくさんの内定があっても迷いが大きければ、それがストレスの要因になってしまうこともあります。
また、理系学生や専門職志望の方は比較的早期に内定が出る傾向があり、逆に夏以降に採用が本格化する業界もあるため、時期や志望業界によって内定数にも差が出てきます。
他人と比べて焦るよりも、今の自分にとって最適な選択肢は何かを冷静に見極めることが大切です。
複数内定を得ている方は、自分が本当に納得できる道を選べる立場にいるということ。
その状況を前向きに捉え、自信をもって次のステップに進んでいきましょう。
複数内定から決められない原因は?
複数の内定を得たものの、どの企業に決めるべきか迷ってしまう。
これは多くの就活生が直面する悩みです。
むしろ、それだけ真剣に自分の将来を考えている証拠とも言えるでしょう。
では、なぜそのように決めきれない状態になるのでしょうか。
そこには、将来への不安や、自分の中での基準がまだ曖昧であることなど、いくつかの共通する要因があります。
以下で、よくある原因を見ていきながら、それぞれに対する対処法についても考えてみましょう。
- 将来のビジョンが定まっていない
- 企業選びの軸が定まっていない
- より自分に合う企業があると感じる
- 企業を総合的に判断できていない
- 周囲を気にしすぎている
将来のビジョンが定まっていない
就活を始めたばかりの頃は、自分が将来どんな仕事をしたいのか、どのようなキャリアを築きたいのかを明確に持っている方は少数です。
それはごく自然なことですし、多くの方が模索しながら進めています。
ただ、内定をもらう段階になると、具体的な業務内容や会社の将来性に触れる機会が増え、次第に自分がどう働いていきたいのかが浮かび上がってきます。
その中で、まだビジョンが曖昧なままだと、どの企業が自分に合っているのか分からないという状態になり、選択が難しくなります。
そんな時は、これまでの就活経験を振り返ってみましょう。
説明会や面接で心に残った言葉、自然と興味を持った職種や業界など、感覚的な反応も含めて整理してみることで、自分の方向性が見えてくることがあります。
企業選びの軸が定まっていない
どんな会社で働きたいかを判断するためには、まず自分なりの軸を持つことが重要です。
仕事内容、働く環境、社風、給与、成長機会、勤務地といったように企業を選ぶポイントは数多くありますが、すべてを同じ重みで考えてしまうと、選びきれなくなってしまいます。
まずは、それぞれの要素に対して自分の価値観を反映させ、何を優先したいのかを明確にしましょう。
たとえばワークライフバランスを大切にしたい、若いうちから裁量のある仕事がしたいといったように、キャリアビジョンに合った軸を持つことで、選択に迷いがなくなりやすくなります。
このような判断軸を明確にすることで、似たように見える複数の企業の中でも、自分にとって本当に合った企業を選びやすくなるでしょう。
より自分に合う企業があると感じる
内定を得た企業に対して悪くはないけれど、もっと自分に合うところがあるのではと感じてしまうのは、ごく自然な感情です。
特に、情報収集を熱心に行っている方ほど、他の企業の魅力的な側面が目につきやすく、決断を先延ばしにしてしまう傾向があります。
ただ、就活には期限があり、迷っているうちに内定の返答期限が過ぎてしまうと、大切なチャンスを失ってしまう可能性もあります。
すべての企業情報を完璧に集めるのは現実的ではありませんし、もっと良いところがあるかもと思い続けていると、決断するタイミングを逃してしまうことも。
最終的には、自分が納得できる選択であるかどうかが大切です。
100点満点の企業を探すのではなく、自分にとって満足度の高い選択肢を見極める姿勢が必要です。
企業を総合的に判断できていない
企業を選ぶ際、給与や知名度、勤務地といった分かりやすい要素にばかり目が向いてしまい、他の大切な部分を見落としてしまうことがあります。
しかし、長く働くうえで重要なのは、日々の仕事の内容や人間関係、企業の価値観など、目に見えにくい要素でもあります。
たとえば、給与が高いからという理由だけで選んだ企業で、実際に働いてみると仕事内容にやりがいを感じられなかった、というケースも少なくありません。
企業の魅力は一つの側面だけでは測れません。
OB・OG訪問を通じて現場の声を聞いたり、職場見学やインターンの経験を振り返ったりしながら、多角的に企業を見る視点を持ちましょう。
周囲を気にしすぎている
友人や知人が有名企業に内定した話を聞くと、自分ももっといいところに行けたのではと感じてしまうことは少なくありません。
また、家族やゼミの先生の反応が気になってしまい、自分の本音とは違う方向に決断してしまうケースもあります。
しかし、就職先を選ぶのは周囲ではなく、これから働いていく自分自身です。
他人と比べて一喜一憂するよりも、自分が納得して選べるかどうかを大切にしてください。
周囲の意見を参考にすることは大切ですが、最終的な判断は自分の気持ちを軸にして行うべきです。
そのほうが、入社後も前向きな気持ちで仕事に取り組むことができるはずです。
内定先が決められない時の決め方例
複数の内定を得たときにどの会社に入るべきか分からないと感じたら、感覚だけで判断するのではなく、いくつかの具体的な観点から比較してみることが大切です。
ここでは、企業を選ぶ際に意識したいポイントを9つご紹介します。
- 仕事内容がやりたい仕事かどうか
- 自分の将来のビジョンやキャリアプランに合っているか
- 一緒に働きたい人がいるか
- 社風や会社の文化が自分に合っているか
- 自分の市場価値を上げることができるか
- 研修体制や教育制度を整備しているかどうか
- 入社3年目までの離職率が高いか
- 労働者のワークライフバランスを尊重しているかどうか
- 福利厚生が整っているか
これらの視点を使って企業を見つめ直すことで、迷いが整理され、自分にとって納得のいく選択肢が見えてくるはずです。
自分の価値観や将来像と照らし合わせながら、一つひとつの要素を丁寧に確認していきましょう。

内定先を選ぶというのは、単に「就職先を決める」というだけでなく、自分の未来の在り方を形にしていくプロセスでもあります。今回紹介されている9つの視点は、どれも実際に働き始めたときの“満足度”や“成長実感”に深く関わる重要な要素です。どれを重視するかは人によって異なりますが、自分の価値観を明確にすることで、自然と選択の方向性が見えてきます。迷いは前向きに考えている証拠です。時間をかけて向き合った分だけ、自信を持って次のステップに進めるはずですよ。
仕事内容がやりたい仕事かどうか
企業選びでまず確認したいのは、自分がやりたい仕事ができるかどうかです。
内定が出た企業の業務内容が、自分が興味を持って取り組めそうな仕事かをしっかり確認しておきましょう。
その企業での5年後、10年後の自分をイメージして、この仕事を続けていきたいと思えるかが判断のポイントになります。
仮にやりたい職種でなくても、スキルアップやキャリア形成に役立つ内容であれば、将来につながる選択になる可能性もあります。
自分の将来のビジョンやキャリアプランに合っているか
企業の方向性や業界の将来性が、自分のキャリアビジョンとマッチしているかどうかも大切な判断材料です。
たとえば、マネジメント経験を積みたい、専門性を高めたいなど、将来の目標に対して、入社後にどのような経験が積めるかを確認しましょう。
また、企業が提供する研修やキャリアパスの情報にも目を通し、長期的な成長が見込めるかどうかを見極めることが大切です。
一緒に働きたい人がいるか
一緒に働く人たちの雰囲気は、入社後の働きやすさに直結します。
選考中に関わった社員や、内定者懇親会などで出会った同期の印象を思い出してみてください。
この人と一緒に働きたい、こんな先輩のようになりたいと思える人がいる職場は、自分の成長にとっても良い環境です。
仕事内容だけでなく、人間関係の相性も企業選びには欠かせない要素です。
社風や会社の文化が自分に合っているか
どれだけ条件が良くても、自分の性格や価値観と会社の文化が合わなければ、日々の業務にストレスを感じやすくなります。
たとえば、上下関係が厳しい、成果主義が強いといった社風が、自分のスタイルと合うかどうかを確認しましょう。
企業理念や社員の声、口コミサイトなどを参考にしつつ、自分が自然体で働けそうな環境かどうかを見極めることが大切です。
自分の市場価値を上げることができるか
その企業での経験が、自分の将来のキャリアや市場価値の向上につながるかどうかも重要な視点です。
たとえば、どのようなスキルが身につき、どの業界・職種に転用可能なのかを考えてみましょう。
今後のキャリアの選択肢を広げるという意味でも、自分にとって成長できる環境かを冷静に判断しておくことをおすすめします。
研修体制や教育制度を整備しているかどうか
入社後すぐに業務を任されるのが不安という方は、企業の研修制度や教育体制にも注目しましょう。
丁寧なOJTや研修制度が整っている会社であれば、安心して仕事をスタートできます。
また、成長の機会を定期的に提供してくれる企業かどうかも確認しておくと、入社後の不安が軽減されるでしょう。
入社3年目までの離職率が高いか
企業の離職率も、その職場での働きやすさを測る一つの指標です。
厚生労働省の調査では、新卒で入社した大卒者の約3割が3年以内に退職しているというデータがあります。
それ以上の離職率がある場合は、何らかの理由で職場に定着しにくい可能性があるため、理由を調べたり、実際に働いている人の声を聞いたりして、背景を把握しておくと良いでしょう。
労働者のワークライフバランスを尊重しているかどうか
適度な労働時間が保たれているか、有給休暇の取得率が高いかなど、ワークライフバランスを重視している企業は、長く働ける環境が整っていることが多いです。
反対に、残業が多く休日出勤が当たり前のような職場は、心身への負担が大きくなる可能性があります。
自分の生活スタイルを大切にしたい方は、働き方の実態もよく確認しておきましょう。
福利厚生が整っているか
福利厚生はあくまでも補助的な制度ですが、企業が社員の生活をどれだけサポートしてくれるかの目安になります。
住宅手当や食事補助、健康管理支援などが充実している企業は、働きやすい環境づくりにも力を入れている可能性が高いです。
ただし、福利厚生の良さだけで判断するのではなく、仕事内容や社風とあわせて総合的に判断することが大切です。
自分が何を重視したいのか、優先順位をつけて選びましょう。
全ての内定先の志望度が低い場合の対処法
複数の内定を得ているにもかかわらず、どの企業にも心が動かない、本当に入りたいと思える会社がないと感じることも、決して珍しいことではありません。
就活ではとりあえずエントリーしてみようと数を打った結果、自分の理想とマッチしない企業から内定をもらうケースもあります。
このような状況で大切なのは、焦って決断するのではなく、自分の気持ちに正直になって次のアクションを考えることです。
ここでは、志望度が低い内定先しかないと感じた場合に取るべき対処法をご紹介します。
- その企業の魅力を再度考える
- 内定者向けのイベントに積極的に参加をする
- 再就活をする
その企業の魅力を再度考える
まずは、内定をもらった企業に対して、あらためて本当に魅力がないのかを冷静に見直してみましょう。
選考中は緊張や忙しさから見落としていた魅力や、自分に合っているポイントがあるかもしれません。
たとえば、安定した経営基盤、働きやすい制度、職場の人間関係、将来のキャリアパスなど、一つひとつの側面を丁寧に掘り下げてみると、新たな発見があることもあります。
表面的なイメージや先入観だけで判断せず、客観的な視点から企業を再評価してみましょう。
内定者向けのイベントに積極的に参加をする
内定者向けの懇親会やオリエンテーション、インターンシップなど、企業が用意しているイベントに積極的に参加してみましょう。
実際に働く先輩社員や、同じく入社予定の同期と交流することで、企業のリアルな姿や雰囲気を感じることができます。
この先輩と働けるなら頑張れそう、この環境なら自分にも合うかもしれないといった気づきが生まれることもあります。
企業をより深く知ることで、気持ちに変化が起きる可能性は十分にあります。
再就活をする
どうしても納得できない場合は、再就活という選択肢をとるのも一つの手です。
内定を辞退して、新たに企業を探し直すことは勇気のいる決断ですが、長い社会人生活を見据えたうえで納得のいく選択をすることは、とても大切です。
現在は夏採用や秋採用を実施する企業も増えており、特に中小企業やベンチャー企業、公務員、外資系企業などは5月以降が本格的な採用時期になる場合もあります。
再就活には体力も精神力も必要ですが、自分の価値観や将来像に合った企業を見つけるための前向きな一歩ともいえます。
その際は、これまでの就活での経験や反省を活かして、志望企業の選び方や自己分析をより深めて臨むことが成功へのカギとなります。
焦らず、自分にとって納得のいく道を探していきましょう。
内定がもらえるかわからないが承諾期限が迫っている際の対処法
まだ第一志望の結果が出ていないけれど、すでに内定をもらっている企業の承諾期限が迫っている…という状況に悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
このようなケースでは、どう動くべきか迷ってしまいますよね。
就職活動では、企業ごとに選考の進み方やスケジュールが異なるため、このようなタイミングのズレが起こることはよくあります。
だからこそ、慎重に、かつ誠実に対応することが大切です。
以下に、対応策として考えられる3つの方法をご紹介します。
- 正直に状況を伝えて承諾期限の延長を相談する
- 選考結果を早めに教えてもらえないか問い合わせる
- 現時点で得ている内定を一度承諾して他社の結果を待つ
それぞれのメリットと注意点を理解しながら、自分にとってベストな判断をしていきましょう。
正直に状況を伝えて承諾期限の延長を相談する
まず検討したいのが、すでに内定をいただいている企業に対して、承諾期限の延長をお願いする方法です。
その際は、他社の選考結果を待っているため、もう少し検討の時間が欲しいという旨を、丁寧な言葉で正直に伝えることが大切です。
企業によっては、ある程度の期間延長に応じてくれることもあります。
もちろん、すべての企業が対応できるわけではありませんが、誠意を持ってお願いすれば、印象を悪くすることは基本的にありません。
相談はできるだけ早めに行い、感謝の気持ちを忘れずに伝えましょう。
選考結果を早めに教えてもらえないか問い合わせる
一方で、まだ選考中の企業に対して結果をできるだけ早く教えていただけないかと相談するのも選択肢のひとつです。
この場合も、言い方には注意が必要です。
たとえば、他社の内定承諾期限が近づいており、可能であれば早めにご連絡いただけると大変ありがたいと、あくまで丁寧で謙虚な姿勢を持ってお願いしましょう。
企業のスケジュールに負担をかけないよう配慮しつつ、自分の状況を素直に説明することで、対応してくれる可能性が高まります。
現時点で得ている内定を一度承諾して他社の結果を待つ
どうしても決断が難しく、延長や早期の結果通知が望めない場合、ひとまず今の内定を承諾しておくという手もあります。
その上で、他社の結果を待ち、場合によっては後日辞退するという選択になります。
ただし、この方法には慎重な判断が求められます。
一度承諾したにもかかわらず辞退することは、企業にとっては業務の再調整が必要になるなど、大きな負担になることもあります。
そのため、最終的に辞退する可能性があることをよく理解した上で、どうしても後悔のない選択をしたいという強い意志がある場合にのみ選ぶべき手段です。
どの選択肢を取るにしても、誠実に、そして丁寧な対応を心がけることが、就活における信頼構築につながります。
今は迷いや不安があるかもしれませんが、自分自身の気持ちを大切にしながら、納得のいく決断を目指していきましょう。

承諾期限と第一志望の結果の板挟みになるのは、就活生の多くが経験する“リアルな悩み”のひとつです。このような場面で重要なのは、焦って決めるのではなく、状況を冷静に整理し、自分が後悔しない判断軸を持つことです。企業も、学生が迷う事情をある程度理解していますから、誠意をもって説明すれば、柔軟に対応してくれることもあります。就活における「誠実なコミュニケーション」は、たとえ結果がどうであれ、今後の社会人生活にもつながる貴重な経験となります。迷ったときこそ、一つひとつの行動に自分の意思を込めてみてくださいね。
複数内定から就職先企業を決める際の注意点
複数の内定を得たとき、せっかく複数の選択肢があるのだから、慎重に選びたいと考える方は多いと思います。
これはとても大切な姿勢です。
しかしその一方で、情報に振り回されたり、一時的な感情や外部の影響によって本来の自分の軸を見失ってしまうこともあります。
企業選びは、就職活動の最終段階でありながら、これからのキャリアに大きな影響を与える重要な決断です。
だからこそ、自分にとって本当に納得できる選択ができるよう、以下のようなポイントに注意を払うことが大切です。
- 他人の意見に流されない
- 人事の印象だけで入社を決めない
- 給与や福利厚生などの条件面だけで選ばない

複数内定を得られたということは、それだけ皆さんの努力が企業にしっかりと評価された証です。その中から一社を選ぶというのは、まさに“未来の自分”への投資とも言えます。判断に迷ったときは、待遇や評判だけでなく、「その会社でどんな日々を過ごしたいか」「成長できそうか」といった視点も大切にしてください。迷うことは決して悪いことではなく、それだけ真剣に自分と向き合っている証拠です。自信をもって、自分の軸を信じて選んでいきましょう。
他人の意見に流されない
家族や友人、OB・OGなど、周囲の意見は参考になることも多いですが、最終的な判断を人に委ねてしまうのは避けましょう。
特に、あの先輩が良いって言っていたから、友達もその企業に行くからといった理由だけで決めてしまうと、入社後に自分には合わなかったと感じてしまう可能性があります。
もちろん、周囲の意見を聞くこと自体は悪いことではありません。
しかし、それらを鵜呑みにせず、自分はどう感じたか、何を大切にしたいかといった視点を持ちながら判断することが重要です。
人事の印象だけで入社を決めない
選考を通して接することが多い人事担当者の印象が良いと、この会社なら安心かもと感じることもあります。
しかし、人事は応募者に良い印象を与えることを仕事の一部として担っているため、その印象だけで企業全体を判断するのは危険です。
実際に配属される部署の雰囲気や上司、働く環境などは、人事とはまったく異なることも多々あります。
企業を評価する際は、人事だけでなく、実際に働く社員の声や配属予定部署の情報など、さまざまな視点から判断することをおすすめします。
給与や福利厚生などの条件面だけで選ばない
初任給が高かったり、住宅手当や社食が充実していたりと、条件面が魅力的な企業に目を奪われることは珍しくありません。
しかし、そうした目に見える条件だけで企業を選ぶのは、長期的に見てリスクが伴います。
どれだけ待遇が良くても、業務内容にやりがいを感じられなかったり、職場の雰囲気が自分に合わなかったりすれば、モチベーションが保てず、結果として早期離職につながる可能性もあります。
大切なのは、自分が働きたいと思える環境か、日々の仕事に前向きに取り組めそうかという視点を忘れずに持つことです。
複数内定が決められない就活生からのよくある質問
複数の内定を得たものの、なかなか決められないと悩む就活生は多く、その中でよく寄せられる質問があります。
就職先を決めるというのは、それだけ責任のある重要な選択です。
だからこそ、不安や疑問を持つことはごく自然なことですし、それに一つひとつ丁寧に向き合うことが、納得のいく決断につながります。
ここでは、複数内定で迷っている就活生から寄せられることの多い質問と、それに対する具体的な対処法を紹介します。
迷ったときのヒントとして、ぜひ参考にしてみてください。
内定辞退をする際には、まず誠実に、感謝の気持ちをもって伝えることが基本です。
最近ではメールで辞退を伝える方もいますが、メールは相手に確実に届くとは限らず、見落とされてしまう可能性もあります。
そのため、できるだけ電話で直接伝えることをおすすめします。
電話では、これまでの選考に対する感謝の気持ちを伝えた上で、熟考の末、他社での進路を選ぶことにしましたといった形で丁寧に辞退の意思を伝えましょう。
企業側も辞退されることは想定内ですので、礼儀を守って対応すれば、悪い印象を残すことはありません。
一人で悩み続けてしまうと、かえって迷いが深まることもあります。
そんなときは、信頼できる第三者に相談するのが効果的です。
特におすすめなのが、就活エージェントや大学のキャリアセンターなどのプロに相談することです。
就活エージェントは、業界知識や採用事情にも精通しており、客観的な視点からアドバイスをもらえるため、自分に合った企業はどこか、将来のキャリアを見据えた選択は何かといった視点で整理してもらえます。
一人で抱え込まず、積極的に外部のサポートを活用していきましょう。
将来的に別の職種にチャレンジしたい、他の部署にも興味があるという思いがある方は、企業のキャリア制度や配属方針について事前に確認しておくと安心です。
多くの企業では、ジョブローテーション制度や異動希望を出せる制度が設けられている一方で、希望が必ず通るわけではないことも理解しておきましょう。
入社時の配属は、企業側の人員配置や適性判断に基づいて行われることが多く、必ずしも自分の希望と一致するとは限りません。
そのため、事前にどのような配属方針があるのか、キャリアチェンジの可能性はあるのかなどを企業に確認しておくと、入社後のミスマッチを防ぐことができます。
まとめ
複数の内定を前にして悩んでいるということは、それだけ真剣に自分の将来と向き合っている証拠です。
周囲と比較して焦ったり、完璧な選択を求めすぎたりせず、自分なりに納得できる選択を目指すことが何より大切です。
迷ったときは、企業の情報をもう一度丁寧に見直したり、信頼できる人に相談したりすることで、新たな視点が得られることがあります。
そして、最終的にはこの会社で頑張っていこうと思えるかどうか、心の声に耳を傾けてみてください。
就職はゴールではなく、新たなスタートです。
今の迷いや不安も含めて、未来につながる大切なステップとして受け止め、前向きに進んでいきましょう。
応援しています。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート
柴田貴司
(就活市場監修者/新卒リクルーティング本部幹部)
柴田貴司
(就活市場監修者)
複数の内定を前に悩むことは、決して弱さではなく、“自分の未来に責任を持とうとする真剣な姿勢”の現れです。就職活動は「数」よりも「質」が問われる場面。たとえ1社であっても、心から納得できる選択ができれば、それは何よりも大きな成果です。他人のペースや結果に振り回されず、自分なりの納得感を大切にして判断を進めていきましょう。立ち止まる時間も、迷う時間も、すべてが“自分らしい選択”につながる糧になりますよ。