就活の面接では、ときに「意見が対立したらどうしますか」という質問をされることがあります。
その際は自分なりに対処法を述べ、その根拠や具体的なエピソードを伝えることが大切です。
しかし事前に対策してなければ、「意見が対立したらどうするか」という質問には、うまく対応できない場合もあるため注意が必要です。
そこで今回は、面接で「意見が対立したら?」と聞かれたときの答え方を紹介していきます。
回答例文や、質問する企業側の意図、具体的な答え方のポイントも見ていくため、ぜひ参考にしてみてください。
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新卒の面接でも「意見が対立したら?」という質問は聞かれる
「意見が対立したら、どうしますか?」という質問は、もともとは転職者の中途採用面接で多く見られるものでした。
しかし近年では、新卒採用の場面でも、企業によっては問われるようになっています。
特にチームでの協働や他社との意見調整などが求められる職種では、意見が対立する場面でいかにうまく立ち回るかが重要になります。
そのため新卒の就活でも、学生時代の経験の中から、対立やすれ違いをどのように乗り越えたのかを問われることが増えています。
基本的にこのような質問には、「正しい答え」があるわけではありません。
自分の価値観や考え方をどう言語化できるか、また他者との関係性をどう築いていこうとするかが、主な評価基準になります。
企業が面接で「意見が対立したら?」と質問をする意図
では、そもそも企業は、どのような意図で就活生に「意見が対立したら?」という質問をするのでしょうか。
もともと転職者向けの採用面接でよく聞かれていた質問だからこそ、新卒採用の場で聞くということは、さまざまな理由や狙いがあるといえます。
そのためここからは、企業が面接で「意見が対立したら?」と質問する意図・狙いを紹介していきます。
具体的には、以下が挙げられます。
- コミュニケーションスキルがあるか知りたい
- 困難への考え方を確認したい
- 臨機応変に対応する能力があるか知りたい
特にコミュニケーション能力や対応力をチェックしたいという意図は、大いに関係しているでしょう。
では、重要なポイントを解説していきます。
コミュニケーションスキルがあるか知りたい
企業は「意見が対立したら?」という質問を通じて、就活生の「伝える力」「聴く力」「相手と歩み寄る力」など、全般的なコミュニケーション能力を見ようとしています。
意見が対立した際に感情的にならず、冷静に自分の意見を伝えることができるか、相手の立場を尊重し相互理解に努める姿勢があるか…といった観点で、それぞれのコミュニケーション能力を評価しているのです。
学生時代にサークル、ゼミ、アルバイトなどで起こった小さな衝突を、どのように対処したかは、社会人になってからの働き方でも活かされます。
そのため、単に「意見が食い違った」という事実だけでなく、「そこでどのような工夫をし、解決に導いたか」を具体的に語ることが重要です。
皆の意見を聞いて回った、などの自分なりの対処を述べ、エピソードで説得力を与えましょう。

「意見が対立したら?」という問いは、単なる想定質問にとどまらず、職場で求められる実践的なコミュニケーション力を測るバロメーターです。学生時代の経験は規模の大小を問わず、あなたがどのように相手と向き合い、対話を通じて関係を築いてきたかを語るうえで大きな武器になります。
特に、「意見の違い=衝突」ではなく、「違いをどう活かすか」という視点で語れると、より成熟した印象を与えられますよ。たとえば、まず相手の主張を正しく理解しようと努めた姿勢や、共通点を探しながら妥協点を見つけた工夫などを丁寧に伝えると、企業はあなたの「働く力」をより具体的にイメージできます。
今からでも、自分の経験を振り返り、対話の中での工夫や成長を棚卸しすることで、しっかり準備が可能です。焦らず、自分らしい言葉で語れるように整理してみましょう。
困難への考え方を確認したい
企業が「意見が対立したら?」という質問をする理由には、困難への考え方を確認したいという意図も関係しています。
意見の対立とは、ある意味では「困難な状況」ともいえます。
企業はこの質問を通じて、そういった困難や試練に直面した際に、どのような考え方や姿勢で臨むのかを知りたいと考えているのです。
例えば「相手の意見を受け入れたことで新しい発見があった」などの考え方・価値観で、自分なりの思考プロセスを述べれば、自分自身の課題解決へのアプローチが採用担当者に伝わります。
また、対立をネガティブなものととらえずより良い方向を見つけるきっかけとして前向きに向き合った経験を話せば、ストレス耐性や成長意欲もアピールできるでしょう
実際に意見の対立という困難を乗り越えて成長した経験がある人は、そのエピソードを説明すると、良い評価につながりやすくなります。
臨機応変に対応する能力があるか知りたい
企業が「意見が対立したら?」と質問する理由は、臨機応変に対応する能力があるか、本人のポテンシャルを確かめたいからです。
社会に出れば、物事は、常に予定通りに進むわけではありません。
そのため企業は、柔軟に対応できる力、すなわち臨機応変に行動・思考できる能力も重要視しています。
意見が合わない状況では、相手の価値観を受け入れたり、新たな選択肢を提案したりと、状況に応じた柔軟な対応が求められます。
そのような中で自分の主張を押し通すばかりではなく、組織全体の目的を見据えて行動できれば、組織に貢献できる人として評価されます。
「当初は意見の食い違いで行き詰まりましたが、共通の目的を明らかにすることで解決できました」などのエピソードを具体的に伝えれば、臨機応変な対応力を示せるでしょう。
臨機応変な対応力は、顧客対応が必要な場面などでも必須になるため、さまざまな業界・企業で重宝されます。

「臨機応変に対応できるかどうか」は、社会人としての基礎力とも言える大切なポイントです。特に現代のビジネス環境では、計画通りに進まない状況を前提として動く力=柔軟性が求められています。
ただ、柔軟に対応すると言っても「何でも受け入れる」ことではありません。自分の考えを持ちつつも、相手や状況を見て行動を調整できるかが問われています。学生時代に直面した些細な出来事でも、「その場でどう判断し、どう動いたか」を振り返ることで、企業が見る「ポテンシャル」はしっかり伝えられますよ。
経験の大きさよりも、「どんな姿勢で取り組んだか」が鍵になります。今ある経験を大切に、臨機応変な対応力をアピールしていきましょう。
「意見が対立したら?」という質問への受かる答え方
では、実際に面接で「意見が対立したら?」という質問が来たときは、どのように答えれば良いのでしょうか。
「意見が対立したら?」に対する答え方を考える際は、具体的なポイントを押さえておくことが大切です。
答え方で重要なポイントは、以下の通りです。
- どのようなことを大切にして解決に導くのか伝える
- 考え方の根拠となる過去のエピソードを伝える
- 過去の意見が対立した経験から学んだことを補足する
上記のポイントを事前にチェックしておけば、「意見が対立したら?」と質問されても、あわてずに答えを組み立てられるでしょう。
では、心がけるべき点を整理していきます。
どのようなことを大切にして解決に導くのか伝える
「意見が対立したら?」と質問された際は、まず、対立が起きたときに大切にしている考え方を最初に伝えましょう。
これは自分の価値観や対人関係の考え方を示す部分であり、面接官はこの部分を最初に聞くことで、全体の理解がスムーズになります。
例えば「意見が対立したときは、相手の意図を正しく理解することを大切にしています」などのように行動指針・大事にしている考え方を明確に伝えることで、エピソードにも一貫性が生まれます。
冒頭でこのようにスタンスを述べれば、話に説得力が増し、面接官も具体的な対応力や対人スキルをより深く理解できるようになります。
なお、スタンスの詳細を伝えようと意識しすぎると、具体的なエピソードから話し始めてしまうことがあるため注意が必要です。
まずは結論ファーストを意識し、「意見が対立したら?」に対する答えを簡潔に述べるようにしてください。

どんなに良い経験があっても、話し方ひとつで伝わり方は大きく変わります。だからこそ、「自分はこういう価値観で動いている」という軸を最初に提示することが、面接では非常に有効です。
特に意見の対立という場面では、「自分を押し通すのではなく、どう対話しようとしたか」が問われるため、最初にスタンスを明示することで、その後のエピソードが「納得感のあるストーリー」になります。
面接では緊張もあり、つい思い出した出来事から話し出してしまう方も多いですが、まずは「私はこう考えています」と短く伝えるだけでも印象は大きく変わります。
今からでも「自分が人間関係や対話の中で大切にしていることは何か」を整理しておくと、面接時の安心材料になりますよ。
考え方の根拠となる過去のエピソードを伝える
「意見が対立したら?」の答え方では、最初にスタンスを示し、そのうえで裏付けとなる具体的なエピソードを説明しましょう。
大学のゼミやアルバイト、部活などで意見が食い違った場面があれば、その状況と自分の行動や感じたことを整理して伝えるのが効果的です。
その際は、状況が伝わるように、以下の流れをしっかりと意識することが大切です。
- 課題
- 行動
- 結果
まず、課題の部分では、どのような意見の対立・衝突が起きたのかを話していきます。
そのうえで、意見の対立をなくすために、自分自身が取った行動を述べましょう。
そして最後に、行動の結果としてどのように意見の対立が解決したのかを伝える流れになります。
順を追って要点を伝え、最初に述べたスタンスを実際に取って行動していることを証明しましょう。
過去の意見が対立した経験から学んだことを補足する
面接で「意見が対立したら?」聞かれた際は、考え方の根拠としてエピソードを述べたうえで、その経験から学んだことを補足しましょう。
エピソードの締めくくりとして、その経験を通じて得た学びや、今後への活かし方を述べる流れになります。
面接官は「その経験を通じて、どのように成長したのか」「入社後にどう活かすつもりなのか」という点を主に評価しています。
具体的には、「この経験を通じて、対立は否定すべきものではなく、新たな視点を得るチャンスだと気づきました」などの伝え方が挙げられます。
ポジティブな学びに言及すると、より好印象を与えることができるでしょう。
学びや気づきをアピールすれば、経験を通して積極的に成長していける人材であることを示すきっかけにもなります。

経験を語るうえで大切なのは、「何が起きたか」よりも「その経験から何を得たか」です。たとえ小さな対立でも、そこから前向きな学びや気づきを得ていれば、それは立派な成長ストーリーとして伝わります。
特に「新たな視点を得られた」「相手を尊重する姿勢の大切さに気づいた」など、自分の考え方や行動に変化があったことを具体的に述べると、面接官もあなたの成長意欲を感じ取ることができます。
大事なのは「うまくいった話」よりも、「うまくいかなかったからこそ考え、行動を変えた」という姿勢。そのリアルさが共感を呼び、信頼につながりますよ。ぜひ、素直な学びを自分の言葉で伝えてみてください。
「意見が対立したらどうしますか?」という質問への回答例文
「意見が対立したら?」という質問に対しては、具体的な答え方に迷うことも少なくありません。
そのためここからは、「意見が対立したらどうしますか」という質問への回答例文を紹介していきます。
質問のパターンは以下の通りです。
- 同僚と意見が対立した時はどのように対処しますか
- 上司と意見が対立したらどうしますか
- 後輩や部下と意見が対立したらどうしますか
このように、「意見が対立したら?」に関連する質問は、さまざまなパターンで聞かれる場合があります。
では、以下から詳細をチェックしていきましょう。
同僚と意見が対立した時はどのように対処しますか
私は、同僚と意見が対立した際は、相手の意見を尊重しながら対話を通じて共通点を見いだしたいと考えます。
意見の違いは多様な視点を生み出すチャンスだと思っているからです。
大学のゼミで企画方針を巡り対立した際、まず相手の主張を傾聴し、自分の考えとどこが異なるのかを整理しました。
その上で、双方の意見を組み合わせた提案を行い、メンバー全員が納得する形で方針を決定できました。
この経験から、冷静な対話と相互理解の重要性を学びました。
入社後もチーム内で円滑なコミュニケーションを図り、協力して課題解決に取り組む姿勢を大切にすることで、自分自身の成長にもつなげていきたいです。

同僚と意見が対立したら?という質問が来た場合は、はじめに、どのような考え方で場を解決したいかを述べていきましょう。
そのうえで、そのように考える理由や、裏付けとなるエピソードを具体的に説明していきましょう。
エピソードは、最初に示した考え方のスタンスと一貫性があり、具体的であることが重要なポイントです。
そして締めくくりには、その経験を通じてどのようなことを学んだのかを詳しく述べることが重要です。
なお、学びや気づきについて触れる際は、「大事なことを学んだ」などのようなあいまいな伝え方はしないように気をつけましょう。
上司と意見が対立したらどうしますか
私は上司の意見を尊重したうえで、自分の考えを冷静に伝え、建設的な対話を心がけたいと考えます。
なぜなら、立場や経験が異なるからこそ、互いに学び合える良い機会になると考えているからです。
大学時代にゼミで研究の方向性について指導教員と意見が分かれた際も、一度意見を深く理解し、自分の意見の根拠を整理したうえで再度提案しました。
その結果、互いの視点を活かした研究計画を立てることができ、私自身も知見を深める良いきっかけになりました。
この経験から、対立を恐れず、対話を通じてより良い結論を導く姿勢の大切さを学びました。
入社後も、自分の意見を持ちつつ、相手を尊重する姿勢で業務に取り組みたいと考えます。

上記の例文では、上司と意見が対立したらどうするかという質問に対して、建設的な対話を心がけたいという意思を伝えています。
その際は例文にもあるように、先生や先輩など、目上の人と意見が食い違った経験を取り上げられると効果的です。
経験ベースの考えであることがわかるため、より説得力のある答え方になるでしょう。
そのうえで、「意見が対立したら?」の答え方では学んだことも重要です。
意見が対立したことで何を学び、どう成長したのかは具体的に説明していきましょう。
後輩や部下と意見が対立したらどうしますか
私は後輩や部下の意見を尊重し、頭ごなしに否定するようなことはせず、まずは相手の考えを丁寧に聞くことを大切にします。
なぜなら、立場に関係なく、多様な意見を取り入れることが学びにつながると考えているからです。
大学時代もサークルで企画運営を担当した際は、後輩の進行案と意見が異なりましたが、否定せずに一度相手の案を採用し、結果をともに振り返る機会を設けました。
その結果、後輩のアイデアが新鮮な視点をもたらし、イベントの参加率向上につながりました。
この経験から、信頼関係を築きながら意見交換を行う重要性を学びました。
入社後もチーム全体の成長を意識しながら対話による協力を重ね、円滑な関係づくりに努めます。

上記の例文では、後輩や部下と意見が対立したら?という質問に対して、相手の意見を丁寧に聞きたいというスタンスをアピールしています。
その際は、前述の「上司と意見が対立したら?」という質問と同様に、近いエピソードを取り上げると効果的です。
実際に後輩と意見が食い違った経験がある人は、その状況をどう解決してきたのかを詳しく述べましょう。
エピソードに具体性が加われば、その分、信憑性と説得力も強まります。
また、結論→根拠→エピソードの伝え方の基本も、忘れないようにしましょう。
具体的なエピソードが思い浮かばない時の対処法
「意見が対立したら?」という質問に対しては、人によっては、なかなか具体的なエピソードが思いつかないこともあります。
そのため、エピソードが出てこない…と困ったときに備えて、具体的な対処法はしっかりとチェックしておきましょう。
主な対処法は、以下の3つです。
- 面接で思い浮かばなくなってしまったらまずは時間をもらう
- 「対立」の意味を広く捉える
- なぜ意見が分かれたのかを掘り下げる
このようなアプローチで考えれば、具体的なエピソードも思い付きやすくなるでしょう。
では、具体的なポイントを解説していきます。
面接で思い浮かばなくなってしまったらまずは時間をもらう
「意見が対立したら?」という質問に対して、エピソードが思い浮かばないせいで答えに詰まってしまったときは、まずは時間をもらうようにしてください。
面接中の質問にうまく答えられず、急に頭が真っ白になってしまうことは誰にでもあります。
そのような場合は無理に話し始めるよりも、落ち着いて「思い出すので、少々お時間をいただいてもよろしいでしょうか」と丁寧に伝えるのが効果的です。
面接官も機械的に面接をしているわけではないので、「待ってほしい」という意思を示せば、柔軟に対応してくれることがほとんどです。
冷静に対応しているという印象にもなり、良いイメージを持ってもらうきっかけにもなります。
なお、焦って話し出してしまうと内容が支離滅裂になったり、要点がぼやけてしまうことがあります。
数十秒間でも整理する時間をもらえれば、過去の経験を冷静に思い出せるため、より具体的に話す準備が整うでしょう。

面接の場では、予想外の質問や緊張から、一時的に言葉が出てこなくなることも珍しくありません。「少しお時間をいただいてもよろしいでしょうか」と冷静に伝えられる姿勢そのものが、社会人としての落ち着きや誠実さを感じさせる対応になります。
また、無理に話し出すよりも、ひと呼吸おいて整理した言葉の方が、自分の考えを正確に伝えられ、結果的に面接官への印象も良くなる傾向があります。
面接は完璧に答える場ではなく、自分らしく誠実に向き合う場です。詰まったときほど、落ち着いて対応する姿勢を大切にしてください。面接官も、皆さんのその「素直な対応力」をしっかり見ていますよ。
「対立」の意味を広く捉える
「意見が対立したら?」という質問に対してエピソードが思い浮かばないのは、人によっては「そもそも人と意見が対立したことがない…」と感じるからかもしれません。
そのような場合では、まず、「対立」という言葉を広く捉えることがポイントです。
例えば「大きく対立する機会はありませんでしたが、サークル活動で役割分担を決める際に、メンバーとの間で軽い行き違いがありました」といった伝え方でも十分でしょう。
上記は「意見が違った経験」であり、立派な対立の一種と捉えられます。
わかりやすく他人と衝突した経験はなくても、このような些細な食い違いは、多くの人が経験しているでしょう。
重要なのは、そこでどのように対処したか、どのように関係を保とうとしたかというポイントです。
そのときの姿勢や自分なりの行動こそが、社会人としての協調性や柔軟性をアピールするポイントになります。
「対立」の定義を狭くしすぎず、立場の違いなどの体験も思い出してみましょう。
なぜ意見が分かれたのかを掘り下げる
「意見が対立したら?」という質問に対してエピソードが思い浮かばない場合は、なぜ意見が分かれたのかを掘り下げることも大切です。
意見が分かれた背景を丁寧に掘り下げれば、内容に深みが出ます。
単純に「相手と意見が違った」ではなく、「なぜ違いが生まれたのか」に着目することが重要といえます。
例えば作業の進め方やスピード感に関する認識がずれていたなど、価値観や方針の違いによって意見が分かれることもあります。
このように意見が分かれた背景や細かな理由を掘り下げると、話が具体的になり、問題解決力や論理的思考力をアピールすることにもつながります。
そのうえで自分と相手の立場を整理し、結果としてどのように歩み寄ったのかを述べれば、実践的なエピソードを説明できます。

対立というと、つい「意見のぶつかり合い」に目が向きがちですが、本当に大切なのは「なぜそうなったのか」を冷静に振り返ることです。背景にある価値観や立場の違いに気づければ、対話に説得力が増し、相手との関係性を築こうとする姿勢も伝わります。
面接では、ただ「対立を解決した」だけでなく、「その違いをどう理解し、どう歩み寄ったか」まで話せると、あなたの論理的思考力や対人理解力を具体的にアピールできます。
思い出せるエピソードが少ないと感じる方でも、「なぜ意見がずれたのか?」という視点で振り返ってみると、案外たくさんの気づきが見つかりますよ。経験の大きさより、丁寧に振り返る姿勢が評価されるのが就活の面接です。
「意見が対立したら?」という質問には学生時代の経験を使って答えるのがおすすめ
面接で「意見が対立したらどうしますか?」という質問をされたときは、多くの就活生が構えてしまいがちです。
しかし必ずしも大きなプロジェクトでの衝突や、深刻なトラブルの話を取り上げる必要はありません。
むしろ、日常の中で起きた意見の食い違いや立場の違いなどを題材にするほうが、自然体で話しやすくなります。
具体的にはサークルでの企画決め、ゼミでの議論、アルバイト先での対応方針などが挙げられます。
重要なのは、「なぜ意見が分かれたのか」「どのように相手の考えを理解しようとしたのか」などのプロセスを具体的に説明できることです。
学生時代の経験は多くの面接官にとってイメージしやすく、共感につながりやすいのがポイントです。

「大きな成果や特別な経験がないとダメなんじゃないか…」と不安に感じる学生の方は多いですが、面接官が知りたいのは「経験の規模」ではなく、あなたの考え方や姿勢です。
サークルの話し合いやアルバイト中のちょっとした意見の違いでも、そのとき何を感じ、どう動いたかを丁寧に振り返れば、十分に説得力あるエピソードになります。
面接は「自分の人柄」を伝える場。だからこそ、等身大の経験を通じて、自分らしい対応力や柔軟性を語ることが何よりも大切なんです。気負わず、あなた自身の言葉で伝えていきましょう。
まとめ
「意見が対立したら?」という質問に対する回答は、特別な経験がなくても問題はありません。
学生時代の何気ないやり取りの中にも、意見の違いを乗り越えた経験はたくさんあるはずです。
そのような意見の食い違いの中で、自分がどのような姿勢で相手と向き合い、どのように関係性を大切にしてきたかを語れば、協調性や対人スキルを十分アピールできるものです。
重要なのは経験の大きさよりも、そのときの自分の考え方や行動です。
身近な出来事を振り返りながら、自分らしいエピソードを選び、説得力のある回答を心がけましょう。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート
柴田貴司
(就活市場監修者/新卒リクルーティング本部幹部)
柴田貴司
(就活市場監修者)
かつては社会人経験がある中途採用向けの質問だった「意見が対立したら?」という問いが、新卒採用でも増えてきている背景には、「チームで成果を出す力」がより重視されるようになったことがあります。
学生の皆さんにとっては少し難しく感じるかもしれませんが、面接官が見ているのは「完璧な回答」ではなく、「自分の価値観をどれだけ丁寧に伝えられるか」という点です。
意見が違ったときに、感情的にならず、相手を理解しようとする姿勢を持っているか。そんな「対話の土台」を持っている人は、どの業界でも信頼される存在になれます。焦らず、自分らしい答えを準備していきましょう。