就活においては「学業で力を入れたこと」について聞かれることがあります。
これはいわゆる「ガクチカ」と呼ばれる「学生時代に力を入れたこと」とはやや異なるものであり、答え方にも工夫をする必要があります。
そこで今回は学業において力を入れたことは何か聞かれた際にうまく回答するポイントについて紹介するため、参考にしてみてください。
- 「学業で力を入れたこと」と「ガクチカ」の違い
- 学業について企業が聞いてくる意図
- 「学業で力を入れたこと」を話すときのポイント
- 「学業で力を入れたこと」と「ガクチカ」の違いが不明な人
- 質問に対する回答の基本的な構成を知りたい人
- 「学業で力を入れたこと」の例文を読みたい人
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「学業で力を入れたこと」はガクチカと同じ?
「『学業で力を入れたこと』はガクチカと同じなのでは?」と思う方も多いかもしれませんが、結論として、異なります。
なぜならば、学業とはいわゆる「勉強」のことであり、ガクチカと比べて範囲が狭いからです。
ガクチカはサークル活動でも部活でもアルバイトでもインターンでも何でも構いませんが「学業で力を入れたこと」の場合は「資格取得」や「大学のゼミで学ぶこと」などであるため「学業=勉強」と覚えておくと良いでしょう。
企業が「学業で力を入れたこと」を聞く理由
では、企業はなぜ「学業で力を入れたこと」について聞いてくるのでしょうか。
様々な理由が考えられますが、どのような企業にも当てはまる可能性が高い理由は以下の3つです。
企業のニーズに応えられるような回答を用意するためにも、ぜひ確認してみてください。
学業を通じて得たスキルや知識を知るため
企業が「学業で力を入れたこと」を聞く理由の1つは、応募者がどのようなスキルや知識を学んできたのかを確認するためです。
大学での学びは「教養の習得」だけではなく「専門性を磨き、実社会で役立つ能力を育てるもの」でもあります。
企業は応募者がどのような分野を深く学び、その中で何を得たのかを聞くことを通じて、業務との適合性を判断しようとしています。
例えば、経済学を専攻していたならば、具体的なデータ分析や市場調査に応用できることをアピールする必要があります。
また、工学部出身者が「プロジェクトベースの研究に力を注いだ」と話す場合、その研究を通じて得た課題解決能力や論理的思考力をどのように活用できるのかを企業に伝えることが求められるでしょう。
このように、企業は応募者が学業を通じてどのようなスキルや知識を得たのかを重視しているのです。
人柄や主体性を見るため
企業が「学業で力を入れたこと」を聞くもう1つの理由は、応募者の人柄や主体性を確認するためです。
学業に取り組む姿勢やエピソードから、応募者の価値観や性格、行動パターンが垣間見えるため、企業はこれを通じてその人の適性や人間性を判断しようとしています。
例えば、学業で研究に力を入れた場合、その過程でどのような困難に直面し、どのようにそれを克服したのかが重要なポイントとなります。
このようなエピソードは課題に対する粘り強さや問題解決能力を示すだけでなく、どのような価値観を持ち、何を重要視して行動するのかという人柄を表しているからです。
主体性があるかどうかも重視されています。
特にベンチャー企業など、社員に様々な経験を積ませ、可能性を引き出したいと考えている企業は主体性を重視する傾向にあります。
企業との関連性を確認するため
「学業で力を入れたこと」を聞く理由には「応募者が企業の求める人物像や業務内容とどの程度マッチしているかを確認するため」も挙げられます。
企業は採用後に自社で活躍できる人材を求めています。
したがって、応募者の学業における取り組みが企業の業務や価値観とどの程度関連しているかを知ることを重要視しているのです。
例えば、営業職を希望する応募者が「学業を通じてプレゼンテーション能力やコミュニケーション能力を磨いた」と語る場合、仕事に直結しているため、好印象です。
一方で、専門職を目指す場合には大学での専門知識が業務にどう活かせるかを具体的に説明して、企業との関連性を示す必要があります。
また、企業が特定の価値観や文化を重視している場合、それに対してどのように適応できるかを判断するための材料にもなります。
例えば「チームでの協力を重視する」と求人情報に記載している企業に対しては、授業やゼミでの協調性を発揮したエピソードなどを語ることで、自分が適していることをアピールできるでしょう。
「学業で力を入れたこと」を書く前に準備しておくべきこと
続いて「学業で力を入れたこと」について聞かれた際の回答を作成する前に準備しておくべきことについて紹介します。
以下の4つにしっかりと取り組んでおくことで、スムーズに回答が作成できるはずです。
また、これらの4つの対策は間接的に自己PRや志望動機、ガクチカにも役立つため、準備している段階で「この情報は自己PRに使えそうだな」などと思う部分があれば、メモしておくと良いでしょう。
力を入れたことを書き出す
「学業で力を入れたこと」を書く際の準備で最初に重要なのは、自分が何を伝えたいのかを明確にすることです。
テーマが曖昧だと文章全体に一貫性がなくなり、採用担当者に響くアピールができません。したがって、自分の学業において特に情熱を注いだことや努力したことを紙に書き出して整理し、それを核にしたストーリーを作り上げましょう。
まず、自分の学業の中で特に意識的に取り組んだことを振り返ります。
例えば、ゼミでの研究活動や、選択授業で興味を持ち、自分で学びを深めた学問、チームプロジェクトへの貢献など、自分が本当に力を入れたと感じるテーマをリストアップしましょう。
そしてその中から「企業が求めるスキルや価値観と最も関連が深いもの」を選ぶことがポイントです。
選択したテーマが応募する企業の業務や理念に関連していれば、選考での説得力も高まります。
自己分析をして自分の強み・弱みを理解する
続いて、自己分析を通じて自分の強みと弱みをしっかりと把握することが重要です。
自己分析を行わずに自分をアピールしようとすると、曖昧で説得力のない内容になりがちです。
自己分析は採用担当者に「この人はうちに合うな」と感じてもらうための基盤を築く作業でもあります。
自己分析の第一歩は「自分にはどのような行動をとる傾向があるのか」を振り返ることです。
例えば、困難な課題に直面した際にどう対応したか、目標を達成するためにどのような工夫をしたのかなど、具体的な状況を思い出してみてください。
そして、その行動から自分の特性や価値観を導き出しましょう。
これにより、自分の強みとなるスキルや特性が浮き彫りになるはずです。
強みだけでなく、弱みも同時に把握することも大切です。
弱みを知ることで、自分がどのように成長を遂げたかをアピールする材料になりますし、短所について聞かれた際や、長所や強みが見つからない場合、弱みの言い換えや対義語を調べることで見つけられることもあります。
数字を使って具体的にする
そして、数字を活用して具体性を持たせることも不可欠です。
抽象的な表現では採用担当者に成果や努力の度合いが伝わりにくいため、具体的な数値を用いて説得力を高める必要があります。
例えば「全力で努力した結果、テストで良い成績を取った」という表現では具体性に欠けます。
そこで「1年生の前期に統計学の単位を落としたが、徹底的に勉強して後期に期末テストで満点を取った」「ゼミで研究論文を3本執筆し、そのうち1本が学内コンテストで最優秀賞を受賞した」というように数字を交えて、成果を明確にしましょう。
数字を用いて説明することで採用担当者があなたの努力の度合いを理解できるだけでなく「数字を追い求められるタイプの人だ」という印象を持ってくれる可能性も高いです。
プロセスを重要視する
学業で力を入れたことをアピールする際には、結果だけでなく、その「過程」を伝えることが重要です。
採用担当者は結果だけでなく、その結果を得るためにどのように考え、行動し、課題に取り組んだのかを知りたいと考えています。
例えば「ゼミの研究で発表を成功させた」と結果だけを述べるのではなく「発表内容を決める段階で意見が4つに分かれたが、折衷案を出したことで全員が納得できた」というように、具体的な行動や工夫を伝えることが重要です。
この「過程」を伝えることで、問題解決能力やコミュニケーション能力など、社会人として働くにあたって大切な能力があることをアピールできます。
また、過程を伝える際には「どのような考えに基づいて行動したのか」も具体的に説明すると良いです。
「なぜそのような行動を取ったのか」「その行動がどのように結果に結びついたのか」を明確にすることで、採用担当者に論理的思考力や行動力を伝えられます。
「学業で力を入れたこと」で企業が評価しているポイント
企業は「学業で力を入れたこと」について聞くにあたって、何を評価ポイントとしているのでしょうか。
以下の5つ全てが間接的に伝わるような回答を用意できれば、企業はあなたを優秀な人材としてみなし、採用したいと考えることでしょう。
ぜひ、それぞれのポイントを確認した上で、できれば5つのポイント全てが当てはまるような回答を用意できるよう取り組んでみてください。
目標の設定と達成に向けた計画力があるか
企業が「学業で力を入れたこと」を確認する際「目標の設定」と「その達成に向けた計画力」を重要視します。
これは就職後もゴールを明確にし、それに向かって適切かつ最短の方法で行動する力が求められるからです。
応募者がどのように目標を設定し、それを達成するためにどのような計画を立てて行動したかが評価されます。
例えば、研究活動や試験対策においては「ただ単位をもらう」ではなく、最初に具体的な目標を設定しているかが重要です。
「試験で90点以上を取る」「研究成果を学会で発表して、後の研究に貢献する」などの明確なゴールを持ち、そのゴールに向かって必要なステップを分解して実行したエピソードが評価されます。
また、途中で課題やトラブルが発生した場合は、計画を見直したり修正したりしたことを話し、柔軟性があることをアピールしても良いでしょう。
時間の管理ができるか
企業は時間の管理能力も確認しています。
社会人として、時間を効率的に使う力は日々の業務をスムーズに進めるために必要不可欠です。
したがって、学生時代にどのように時間を管理し、効率的に行動していたかが重要な判断材料となります。
例えば、学業だけでなくアルバイトやサークル活動も行っていた場合、限られた時間の中でどのようにスケジュールを組み、優先順位をつけて取り組んだのかが評価されます。
学業に力を入れたエピソードを語る際には、具体的にどれくらいの時間を割いていたのか、どのように他の活動とのバランスを取っていたのかを説明できると良いでしょう。
例えば「普段から毎日30分、その日の講義の復習をしていたので、期末テスト期間も普段通りアルバイトに出勤できた」などと話すと「素晴らしい管理能力だ」と思ってもらえる可能性が高いです。
ただし「学業」について聞かれている質問であるため「アルバイト」など他の活動の話がメインにならないように気をつけましょう。
自己管理ができるか
自己管理能力も、企業が応募者の自主性や責任感を評価する際に欠かせないポイントです。自己管理はこの能力は業務において目標達成や成果を上げるために必須の要素とされています。
例えば、大学での研究活動や試験勉強において、計画を立てた後にどのようにそれを実行し、振り返りを行ったのかが重要です。
「毎朝6時に起きて、1時間学習してから支度をした」「週ごとに進捗を確認して、計画を柔軟に修正した」など、具体的な行動を交えて説明することで、自己管理能力を明確に示せます。
また、モチベーションが低下しやすい場面でも自らを鼓舞して取り組みを継続した経験があれば、それも大きなアピールポイントとなるでしょう。
多くの企業では自ら課題を見つけ、解決に向けて自主的に行動できることが期待されるため、自己管理ができることを伝えるエピソードがあれば積極的に述べることを推奨します。
知識を深めるために積極的に行動していたか
応募者が知識を深めるためにどれだけ積極的に行動していたかを見ている企業も多いです。
これは「自ら学び続ける姿勢」が「社会人としての成長」にもつながると考えられているためです。
単に授業を受けて、テストで点を取って終わりでなく、自主的に学習したり、課外活動を通じて知識を深めようとしていたりした応募者は高く評価されます。
例えば、授業の内容に関連する文献を自主的に調べたり、興味のある分野でのインターンシップやボランティア活動に参加したりした経験は、学びへの積極的な姿勢を示せる、素晴らしいものです。
また「大学で学んだ知識をインターンに活かした」などと話せれば「知識を発展させて、仕事に還元できる人」と高く評価されるでしょう。
入社後の組織に対する貢献の見込み
企業は応募者が入社後にどのように組織に貢献できるかも確認しています。
応募者がチームや組織においてどのような役割を果たせるのかを確認するためです。
例えば、ゼミやグループプロジェクトでリーダーシップを発揮し、メンバーをまとめて課題を解決した経験を話せば、協力できる能力や調整力を示せます。
また、個人研究で得た知識やスキルを他者と共有し、グループ全体の成果向上に貢献した例なども評価されやすいでしょう。
こうした経験を語ることで「組織の中でどのような役割を果たせるか」が伝わります。
組織への貢献の見込みを具体的に示すためには、学業で得た知識やスキルを業務にどう活かすかを説明することが重要です。
「学んだデータ分析技術を活用して、業務効率化に貢献する」など、具体的なビジョンを伝え、採用担当者に「この人材は即戦力になりそうだ」と思わせることができれば、内定が一気に近づきます。
「学業で力を入れたこと」で使えるおすすめのテーマ
「学業で力を入れたこと」について聞かれた際に、どのようなテーマが適しているかについても考えてみましょう。
代表的なものは以下の4つです。
また「大学受験も当てはまるのではないか?」と思うかもしれませんが、大学受験は高校時代に取り組んだことであり、この質問への回答の主題とするには少し古すぎる感が否めません。
もし大学受験の話をしたいならば、大学受験の経験が大学生活にどのようなメリットを及ぼしたのかについて含めると良いでしょう。
ゼミ活動
ゼミでは特定の専門分野について深く学び、グループでの課題解決やプロジェクトに取り組む機会が多いため、個人の専門知識やチームでの協働力をアピールできます。
このテーマを選ぶ際にはゼミで学んだ内容や取り組んだ課題について具体的に述べ説得力のあるアピールをしましょう。
例えば、マーケティングをテーマとしたゼミであれば、特定の市場を対象にした調査や、企業のケーススタディに基づいた提案を作成した経験が挙げられます。
この際「市場調査の結果を基に仮説を立て、それを検証するためにデータ分析を行った」など、具体的な行動を説明することで、自分がどのように貢献したかを明確にすることが大切です。
また、チームでプロジェクトを進めた場合には自分の役割やチームメンバーとの連携についても触れることで、協調性やリーダーシップを示すこともできます。
資格取得
資格取得も「学業で力を入れたこと」としておすすめのテーマです。
資格取得には具体的な目標が伴い、それに向けた計画的な努力が必要だからです。
このテーマについて話す際は「どのような資格を取得したか」でなく「その過程でどのように学習を進め、どのような工夫をしたか」を具体的に説明することが求められます。
簿記やTOEICといった資格を取得する場合、試験日までにどのようにスケジュールを立て、学習を進めたのかを説明しましょう。
たとえ授業で学んだ内容の延長線上であったとしても、自主的に追加で教材を活用したり、苦手分野を重点的に復習したりした具体例を挙げることで、計画性や主体性をアピールできます。
また、仕事や他の学業との両立を図る中で、時間を効率的に使うために工夫をした点を伝えることも有効です。
卒業論文
卒業論文もこの質問への回答のテーマとして多くの学生に選ばれます。
卒業論文は自分が興味を持った課題に対して主体的に取り組み、独自の視点で結論を導き出す作業を伴うため、問題解決能力や探究心をアピールするのに最適です。
例えば、特定の社会問題や技術的な課題に関するテーマを選んだ場合、どのように課題を設定し、どのような方法でデータを収集・分析したのかを具体的に説明しましょう。
また、研究を進める中で直面した困難やそれを解決するために行った工夫を詳しく述べることで、採用担当者に対して自分の努力や柔軟性を伝えることもできます。
特に、文献調査やデータ収集、分析のプロセスを具体的に語ることで、論理的思考や計画力をアピールできます。
また、卒業論文のテーマが応募先企業の事業分野に関連している場合、その内容を仕事にどう活かせるのかを明確に伝えることが重要です。
例えば「研究を通じて得たデータ分析スキルを業務改善に役立てたい」と述べれば、あなたがどのように活躍するか、一目瞭然です。
実験
実験もアピールしやすいテーマの1つです。
実験には課題の設定、仮説の構築、実施、結果の分析という一連のプロセスがあるため、その内容を具体的に伝えることで、論理的思考力や問題解決能力をアピールできます。
例えば「実験において〇〇現象を解明するために取り組んだ話し」をする場合、実験計画をどのように立てたのか、また、予期せぬ結果に対してどのように対応したのかを説明することが効果的です。
また、得られた結果をどのように分析し、その結論をどのようにまとめたのかを簡潔に述べることで、論理的思考力や分析力の高さもアピールできます。
実験を通じて学んだスキルや考え方を明確にし、それを業務にどう活かせるかを伝えることも重要です。
例えば「実験で得た分析スキルを活かし、貴社の製品開発プロジェクトに貢献したい」と自分の経験と就職後の業務内容を結びつければ、より強いアピールが可能になります。
「学業で力を入れたこと」を効果的にアピールする構成
「学業で力を入れたこと」を聞かれた際に回答する際のおすすめの構成についても紹介します。
いわゆる「PREP法」であり、結論から述べて、もう1度軽く結論を話して締めるという構成です。
この構成を覚えておけば、自己PRや志望動機、ガクチカなどにも応用できるため、ぜひこの記事で完璧にしておきましょう。
結論「学業で力を入れたこと」
最初に結論として取り組みの概要を簡潔に述べることが重要です。
この部分では「自分が何に力を入れていたのか」を一言で理解してもらう必要があります。
したがって、あいまいな表現を避け、自分が具体的にどの分野や活動に注力したのかを明確に伝えましょう。
例えば「私は卒業論文で日本の地方創生に関する政策効果をデータ分析を通じて研究しました」など、一文で内容を端的に示すことを推奨します。
このように簡潔に結論を述べることで、相手に印象を与えると同時に、後に続く説明をスムーズにできます。
結論部分では話題の核を明確にすることが最優先であり、詳細は次の段階で補足するため、シンプルに一言で済ませることが大切です。
理由「きっかけ」
次に、なぜその取り組みに力を入れたのか、その理由やきっかけを説明します。
取り組みの背景や動機を明確にすることで、採用担当者に自分の価値観やモチベーションの厳選を伝えられます。
例えば、先ほどの卒業論文の例を挙げると「地方の過疎化問題に興味を持ったきっかけは、大学2年生のときに地域振興をテーマとしたフィールドワークに参加したことです。地方自治体の現状と課題に触れ、データを活用して課題を解決する手法に興味を持ちました」といった形で背景を説明しましょう。
このように、具体的な出来事や経験を基に動機を語ることで、説得力が増します。
具体的な取り組み「行動」
理由を説明した後は、実際にどのような行動を取ったのかを具体的に述べます。
自分がどれだけ主体的に取り組んだか、どのような工夫や努力をしたかを詳しく話すことで行動力や問題解決能力をアピールできます。
例えば「卒業論文では地方自治体の人口動態データや経済指標を収集し、統計ソフトを使って分析しました。分析に時間がかかるため、週ごとに進捗を確認するスケジュールを立てました。」などと述べましょう。
数字や具体的な行動を交えることで客観的にわかりやすい内容になり、誰が読んでも理解しやすい文章になります。
結果と学んだこと「学び」
続いて、行動の結果と学びを明確に伝えます。
取り組みを通じて得られた成果や、自分がどのように成長したのかを具体的に示しましょう。
この部分で重要なのは「結果」よりも「学び」ですが、全く結果に触れないと説明がしにくいだけでなく、内容が急にとんだ印象を与えてしまうため、簡潔に説明すると良いです。
例えば「研究の結果、地方の経済指標が人口流出に与える影響を数値化でき、学内の研究発表会で優秀賞を受賞しました」と結果について述べます。
そして学びは「この過程を通じて、データ分析スキルや論理的思考力を高められ、課題に対して粘り強く取り組む姿勢の大切さも学びました」などと述べると良いです。
「成果」と「学び」の因果関係をはっきりさせることで、取り組みが自分の成長に繋がる意義深い経験であったことをアピールできます。
入社後に活かせること「貢献」
最後に、これまでの経験が入社後にどのように役立つのかを具体的に述べます。
自分が学業で得たスキルや価値観を応募先企業でどのように活かせるかを明確にすることで、採用担当者に将来の貢献をイメージさせられます。
例えば「卒業論文で培ったデータ分析スキルや計画的に研究を進める力を活かし、質の高いマーケティング戦略の立案に貢献したいと考えています。」など、自分の強みと企業の業務内容を結びつけましょう。
入社後の貢献を明確に示すことで「自分を採用したらどのようなメリットがあるか」を強調できます。
あらかじめしっかり企業研究を行っておき、求められている人物像や力を入れている事業に関連した要素を含めた「貢献」を述べられれば理想的です。
「学業で力を入れたこと」を話すときのポイント
続いて「学業で力を入れたこと」について聞かれた際にどのようなポイントを意識すれば良いのかについても紹介します。
以下のポイントはガクチカにも応用できる部分が多いため、ぜひ覚えておいてください。
取り組みの過程を詳細に語る
まず、取り組みの過程を詳細に語ることが重要です。
ただ結果を述べるだけでは自分の能力や価値観を十分に伝えられません。
取り組みの過程を詳しく語ることで、どのような行動を取ったのか、どのような工夫をしたのかを明確に示し、自分の努力や主体性をアピールできます。
例えば、卒業論文に取り組んだ経験を語るならば「論文を完成させました」と結果だけで終わらせるのではなく、どのようにテーマを選定し、どのような方法でデータを収集・分析したのかを詳細に説明する必要があります。
さらに、研究計画を立てる際にどのような工夫をしたのか、効率的に進めるための方法やスケジュール管理の工夫も具体的に述べることで、採用担当者に計画性や行動力を印象付けられるでしょう。
困難や課題を乗り越えたエピソードを加える
困難や課題を乗り越えたエピソードを加えることで、自分の成長や学びをわかりやすく伝えることもできます。
採用担当者は応募者がどのように課題に向き合い、どのように解決策を見つけたのかを通じて、その人に問題解決能力や粘り強さが備わっているかを確認しています。
例えば、ゼミでリーダーとして意見が割れた際に迅速にまとめた経験があると仮定しましょう。
「どうやって意見をまとめたのか」「全員が納得できる解決策をどのように見つけたのか」を具体的に説明すれば、コミュニケーション能力や意見調整力をアピールできます。
特に、具体的な行動を挙げることで説得力が増します。
例えば「全員の意見を聞き出すために、議論の場を設け、論点を整理して優先順位をつけました」と述べれば、主体的に行動したことを理解してもらえるでしょう。
今後への活かし方を示す
学業を今後のキャリアや仕事にどのように応用できるかを具体的に示すことも大切です。
例えば「データ分析を通じて論理的に物事を判断する力を身につけました。このスキルを活かし、貴社のマーケティング戦略の立案に貢献したいと考えています」など、自分の経験と企業の業務を結びつけて説明しましょう。
具体的に業務や貢献のイメージを示すことで、採用担当者に自分が企業でどのように活躍できるかをイメージしてもらえます。
また、学業での経験を通じて得た価値観や姿勢も述べるのも選択肢の1つです。
例えば「粘り強く課題に取り組む姿勢を学びました。この姿勢を活かし、貴社での新規プロジェクトの推進に貢献したいと考えています」と述べれば、粘り強さや打たれ強さがあると理解してもらえるはずです。
「学業で力を入れたこと」の例文4選
続いて「学業で力を入れたこと」について聞かれた際の例文を、先ほど紹介したおすすめの主題に合わせて1つずつ作成しました。
本記事で紹介したポイントなどを踏まえた上で作成しているため、おさらいという意味でも、ぜひ全ての例文を熟読してみてください。
ゼミ活動
私が学業で力を入れたことはゼミのチームで消費者行動の分析に取り組むことです。
きっかけはマーケティングの講義で消費者行動が企業の成功に与える影響について学び、興味を抱いたことです。
私は、まず消費者行動に影響を与える要因を明らかにするため、アンケート調査を設計・実施し、回収したデータを統計ソフトを用いて分析しました。
そして結果を基にチームメンバーとディスカッションを重ね、プロモーション案を作成しました。
工夫の結果、研究発表で高い評価を得ることができ、研究内容は企業との共同研究プロジェクトに活用されました。
この活動を通じて、データ分析のスキルとメンバー間の意見を調整する力、プロジェクト管理能力を向上させることができました。
この経験で得たスキルや考え方を活かし、貴社における市場調査や戦略策定の場面で積極的に貢献する所存です。
資格取得
私が学業で力を入れたことは英検準1級の資格取得です。
グローバルに活躍するためには英語力が必須であると考え、資格取得を目指しました。
まず、細かい計画を立て、1日3時間、必ず学習しました。
特に、苦手だったリスニング力を向上させるために、英語ニュースやポッドキャストを日常的に聞き、発音の練習を繰り返し、過去問を15回分解きました。
その結果、初回の受験で合格できました。
この経験を通じて、目標達成に向けて計画的に行動する力や苦手を克服するための努力を継続できる力を身につけました。
この取り組みを通じて得た英語力はもちろん、計画力や問題解決力も活かし、貴社の新規事業の立ち上げに尽力する所存です。
卒業論文
私が学業で力を入れたことは卒業論文の執筆です。
大学で学んだ統計学を実践的に活用する機会が欲しく「気候変動が農業経済に与える影響の分析」というテーマを選びました。
まず、国内外の統計データを収集し、データ分析ソフトを活用して傾向を解析しました。
データ不足や計算の精度向上など様々な工夫が必要でしたが、専門書を熟読しながら取り組み、論文を完成させ、教授から高い評価を受けました。
この経験を通じて、課題解決のための粘り強さやデータ分析を用いた論理的思考力を養うことができました。
この経験で得た分析力と論理的思考力を活かし、貴社のマーケティング部で貢献できればと考えています。
広告の数字を細かく分析し、貪欲に結果を追い求め、貢献します。
実験
私が学業で力を入れたことは化学実験の研究プロジェクトへの参加です。
テーマは「新しい触媒の開発とその反応効率の検証」でした。
このプロジェクトに取り組んだのは、研究を通じて新しい価値を生み出したいという思いからです。
触媒の調製から実験条件の設定、結果の分析まで一貫して取り組みました。
特に、反応効率を高めるために異なる温度や圧力条件を繰り返し検証し、最適な条件を見つけ出す作業に力を注ぎました。
最終的に触媒の反応効率を従来の製品より約10%向上させることができ、研究発表会で高い評価を得ました。
この経験を通じて、粘り強く課題に取り組む姿勢や、データに基づく判断の重要性を学びました。
この研究で得た課題解決能力や分析力を活かし、貴社の研究開発に貢献する所存です。
まとめ
今回は「学業で力を入れたこと」について聞かれた際に、どのように回答すれば良い印象を与えられるかについて紹介しました。
「学業で力を入れたこと」と聞かれると、ガクチカと勘違いしてしまいがちですが、あくまで「学業」であるため、主題とするべきエピソードは「勉強」にしましょう。
ぜひ、質問の意図を明確に理解した上で、企業の採用担当者が「この人と働きたい」と思うような回答を提出してください。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート