AI面接に落ちた場合、原因がわからず戸惑ってしまうことも多いでしょう。
そのため、AI面接に臨む際に対策を強化するのであれば、AI面接ならではの特性や評価基準を知る必要があります。
そこで今回は、AI面接で落ちる原因や具体的な評価基準を紹介していきます。
また、AI面接に落ちた際にチェックしておきたい改善策も、あわせてまとめていきます。
AI面接の特徴や評価基準をよく理解したうえで、合格の確率を上げられるように、適切な対策を整理していきましょう。
AI面接で落ちる要因がわからない就活生は少なくない
傾向として、AI面接を受けた結果、落ちてしまう就活生は少なくありません。
AI面接はここ1年~2年ほどで急激に広まった新たな面接形式であり、現状、評価基準などは確立されていません。
そのため、「落ちる原因がわからない」「しっかり答えられたのになぜか落ちた」と感じ、釈然としないのも無理はないといえます。
必要以上に落ち込まないことも重要なので、まずは想定されるAI面接の評価基準から整理し、新たな面接の常識に備えましょう。
まずAI面接の評価基準を理解しよう
まずは、AI面接の評価基準を整理していきましょう。
AI面接は新しい面接形式なので、確かに明確な評価基準は定まっていませんが、現状傾向としてチェックしておきたい評価基準はあるものです。
AI面接で落ちる状況を解決するためには、現状からわかる評価基準を理解しておきましょう。
評価基準として、おもに見ていきたい項目は以下のとおりです。
- 質問によって評価される項目
- 観察によって評価される項目
以上の項目をチェックしたうえでAI面接について理解を深めておけば、面接は突破しやすくなるでしょう。
では、詳細を一つひとつ見ていきます。
質問によって評価される項目
AI面接の評価体制・基準には一定の傾向があります。
まずは、面接の中の質問によって評価される項目をチェックしていきましょう。
項目は、具体的には以下が挙げられます。
- バイタリティー(粘り強さ・責任性・エネルギッシュ・打たれ強さ)
- イニシアチブ(上昇志向・前向き・知的好奇心・自発性・創意工夫)
- 対人影響力(ビジョン・動機付け・巻き込み・主体的指揮)
- 柔軟性(状況理解・フレキシブル・自在性・適応性)
- 感受性(気持ちへの敏感性・共感性・気配り・気遣い・チームワーク)
- 自主独立性(信念的・度胸・自己主張・自律的)
- 計画力(段取り・タイムマネジメント・PDCA・明確な目標・優先順位)
志望動機や自己PR、長所などの基本的な質問を通して本人の回答を聞けば、このような本人の強み・スキル・性格的特徴について、ある程度傾向が見えてきます。
AI面接に搭載されている評価システムでは、質問をすることで上記の強み・スキルが本人にあるかチェックしていると考えられます。
観察によって評価される項目
AI面接の評価基準には、質問によって評価される項目に対して、観察によって評価される項目もあります。
具体的な項目とその詳細は以下のとおりです。
- インパクト(好感度・明るさ・清潔感)
- 理解力(頭の回転・正確性・迅速性)
- 表現力(伝達力・明瞭性・正確性・簡潔性)
- ストレス耐性(落ち着き・平常心・克服力)
これらの項目は、面接時の立ち振る舞いや受け答えの仕方などを観察することで評価できます。
受け答えははきはきとしていて明るさが感じられるか、わかりやすくアピール内容を伝える力はあるか、想定外の質問に対して冷静に対処できるかなどの基準で、就活生の総合的なスキルと適性を評価しているのです。
そのため、AI面接だからといって対応や振る舞いがチェックされないことはなく、むしろ評価基準の一つとして重要視すべきポイントであるといえます。
AI面接で不採用になる3つの理由とは?
ここからは、AI面接で落ちる理由について詳細をチェックしていきましょう。
AI面接についてはまだ取り入れられたばかりで、具体的な評価基準は現状不確定ではあるものの、傾向として不採用になる理由はいくつか挙げられるものです。
おもな理由は、以下の3つがあります。
- コミュニケーション能力が低いと判断された
- 話の内容に整合性がないと判断された
- 見た目、服装、表情、態度が不適切と判断された
AI面接を受けた結果、自分のアピール内容や受け答えの態度などで、上記の点に心当たりがある人は不採用につながる可能性があります。
では、落ちる・不採用になる理由を一つひとつ見ていきましょう。
1. コミュニケーション能力が低いと判断された
AI面接で落ちる理由の一つには、コミュニケーション能力の低さが挙げられます。
厳密にいうと、実際の能力はさておき、「少なくともAIにはコミュニケーション能力が低いと判断されてしまったこと」が原因といえるでしょう。
たとえば相手の話を理解して適切な回答ができないときなどは、理解力や傾聴力が足りていないことから、総合的にコミュニケーション能力が不足していると判断される可能性があります。
AI面接では、受け答えの正確性やスピード、話すときの落ち着き、わかりやすく伝える力などをチェックされる傾向にあります。
そのため一般的な受け答えレベルより対応が遅れたり、同じような内容を話してしまって落ち着きが感じられなかったりすると、コミュニケーション能力においては低評価を受けやすくなるのです。
結果、企業が求める水準に達していないと判断され、AI面接で足切りされてしまいます。
2. 話の内容に整合性がないと判断された
AI面接で落ちる原因の一つには、話の内容に整合性がないことも挙げられます。
平たく言うと「話がまとまっておらずわかりにくい」「内容が矛盾しており論理的ではない」と判断されることで、良いアピールではないという評価になってしまうのです。
たとえばよくあるケースでは、結論ファーストでアピール内容を述べていないこと、深掘りの際に論点が変わってしまうことなどが挙げられます。
このような受け答えに対してAIは、整合性のなさから、伝達能力の低さを感じ取る仕組みです。
実際に結論ファーストでないアピールなどをすると、人が行う面接でも内容がわかりにくくなり、低評価を受けやすくなります。
AIはそういった「よくある面接の評価基準」を学習し、話の整合性の有無に重きを置いているのだと考えられます。
3. 見た目、服装、表情、態度が不適切と判断された
AI面接で落ちる理由には、見た目・服装・表情・態度などが不適切と判断されたケースも挙げられます。
受け答え自体はある程度しっかりしていても、AI面接では身だしなみやマナーなどに関するポイントも細かくチェックされているため、結果として不採用につながる可能性はあります。
AIは採否の判断を下すための評価基準として、一般的に面接の場に望ましいとされる身だしなみ・受け答えのマナーを学習しています。
そのため、著しくその基準から外れる要素があると判断すれば、不採用の判断を下すかたちになります。
新卒採用は多くの場合一人ひとりの人柄を見て判断するポテンシャル採用なので、見た目や態度から人柄の良さや自社とのマッチ度の高さが伝わってこなければ、AI面接でも不採用になり得ます。
AI面接で落ちる学生が覚えておくべき3つのこと
AI面接に落ちると「しっかり答えたのになぜ?」などと感じ、結果に戸惑うこともあるでしょう。
そのため、AI面接で落ちる学生は、以下3つのポイントを覚えておく必要があります。
- AI面接では人よりも客観的に判断してもらえる
- その日の気分・体調に左右されずに判断してもらえる
- 面接官の直感ではなく応募者から収集したデータによって判断してもらえる
以上のとおりAI面接にはAI面接ならではのメリットがあり、場合によっては人が行う面接よりも採否判断が的確な可能性もあります。
そのため、AI面接に臨む際は、まずはとにかくAI面接の利点も含めて理解を深めることが重要です。
では、覚えておくべきことを一つひとつ整理していきましょう。
AI面接では人よりも客観的に判断してもらえる
AI面接に落ちる学生は、基本的な特徴として、AI面接は人よりも客観的な判断ができることを理解しておきましょう。
AIはさまざまな評価基準のデータに基づいて学生を評価するため、従来の人による面接と比べて、評価がより客観的であるといえます。
たとえば「一般的に見れば優秀に見えるが、個人的な好みで考えれば苦手な人柄だ」などの主観的な考え方や、「身長が大きい学生は態度もでかい」などの偏見的価値観が邪魔をしないため、一般的な基準と会社が定める基準のみに則して的確に判断できることが特徴です。
実際に就活では、面接官の主観的な評価によって採否が分かれるケースも少なくありません。
そのため、より客観的な評価を望む学生にとっては、AI面接のほうが評価を獲得しやすい可能性があります。
なお、客観的だからこそ落ちる理由や改善ポイント、課題が明確であることも利点です。
その日の気分・体調に左右されずに判断してもらえる
AI面接に落ちる学生は、AI面接については、その日の気分・体調に左右されずに判断してもらえる点も特徴として理解しておきましょう。
AI面接では、体調や気分によって判断基準が変化しないAIが評価を下すため、不確定要素による評価のブレや矛盾がありません。
そのため自分自身が体調が悪くても、しっかりとポイントを押さえて最低限の受け答えさえすれば、合格を勝ち取る可能性も出てきます。
AIは本人の体調不良や気分の上下を考慮せず機械的に評価するため、その利点を活かせば採用につながりやすくもなるということです。
もちろん、面接には体調も万全な状態で臨む必要があることは大前提です。
しかし万が一体調不良に陥っても、AI面接であれば受け答えをしっかり行うことでチャンスを見いだせる可能性がある点は、大きなメリットになり得るでしょう。
面接官の直感ではなく応募者から収集したデータによって判断してもらえる
AI面接に落ちる学生は、面接官の直感ではなく、応募者から収集したデータによって判断してもらえることをよく理解しておきましょう。
たとえば「個人的に気に入る回答だったから」「なんとなく活躍してくれそうな雰囲気がある」などのあいまいな評価ではなく、データに基づく評価基準で判断してもらえるため、偏りが生まれにくいことがメリットになります。
人による面接では、客観的な評価を下そうとしていても、やはり多かれ少なかれ面接官の直感や好みなどは反映されてしまうものです。
直感によって良い結果を勝ち取れれば御の字ですが、面接官の直感によってあいまいな評価をされ、結果として落ちるのでは正直釈然としないでしょう。
しかしAI面接では、データによる明確な判断のため、状況によっては評価の内容に納得しやすい部分もあります。
AI面接で落ちた後にやるべき改善策
では、AI面接に落ちた際は、対策としてどのようなことを行うべきなのでしょうか。
新しい面接形式だからこそ、AI面接の結果を受け取った際は、その後の活かし方に迷う人も多いでしょう。
AI面接に落ちたあとは、やるべき改善策として以下をチェックしておきましょう。
- 質問の回答内容をブラッシュアップする
- 質問の回答に使う間や回答の時間を振り返る
- 会話の抑揚をつける
- 表情の変化をつける
- 髪型や服装が整っているか再確認する
AI面接で合格を勝ち取るためには、基本的な選考対策にプラスして、AIとやり取りするときならではの対処が必要になると考えられます。
では、改善策の詳細を一つひとつチェックしていきましょう。
質問の回答内容をブラッシュアップする
AI面接に落ちた場合は、質問の回答内容をしっかりとブラッシュアップしましょう。
この点は、一般的な人による面接と、落ちたあとの改善策は変わりません。
質問内容に焦点を当てて落ちた原因を考えるのであれば、結論ファーストでないこと、伝え方が明確でないことなどが改善ポイントになるでしょう。
そのため、ブラッシュアップする際は以下のような点が重要となります。
- 言葉は明瞭に発音する
- 主語述語を明確にする
- 論理的な内容を話す
AI面接に落ちたときは、以上のポイントを重点的に心がけることができているか、再確認してみてください。
面接官は人ではないからこそ、言葉の伝え方には一つひとつ気を遣う必要があるといえるでしょう。
はきはき喋ることや論理的でわかりやすい文章の流れを意識すれば、それだけで採用を勝ち取れる可能性は出てきます。
質問の回答に使う間や回答の時間を振り返る
AI面接に落ちた場合は、質問の回答に使う「間」や回答の時間をよく振り返りましょう。
なぜなら、間の使い方や受け答えのペースに不自然さがあると、コミュニケーション能力が低いと判断されて不採用につながる可能性があるからです。
AIは、面接の評価基準として総合的なコミュニケーション能力をチェックしており、その際は一般的な会話の雰囲気をデータとして取り入れています。
そのため、一般的な会話のやりとりとして不自然なポイントがあれば、低評価を受けやすくなる仕組みです。
たとえば、用意していた回答内容を暗記して読み上げるような答え方では、間の取り方や会話のスピードが不自然だととらえられてしまいます。
よって、AI面接に落ちないための改善策としては、アピールを暗記して読み上げるような対応はなくしたいところです。
人間のコミュニケーションとしてナチュラルな受け答えを意識し、適切な間の取り方を心がけたり、回答時間を調節したりしましょう。
会話の抑揚をつける
AI面接に落ちた場合は、会話に抑揚をつけることを積極的に意識してみてください。
なぜならAI面接では、緊張や動揺から受け答えの抑揚がなくなってしまうと、不自然な受け答えだと判断される可能性があるためです。
実際にAI面接の評価基準には、落ち着きや柔らかい会話の雰囲気などが含まれている場合があります。
緊張すると受け答えの際に抑揚がなくなってしまい、機械的な言葉・表現になることで、場合によっては「嘘をついている」と判断されるケースもあるでしょう。
万が一虚偽の受け答えだと判断されれば、選考通過は難しくなります。
また、抑揚の感じられない機械的な喋りは不自然さにもつながるため、対人スキルの低さを感じ取られてしまう可能性もあります。
そのため、落ち着いてメリハリのある会話をするうえでは、本番で慌てないために準備を徹底することが重要です。
何度も模擬面接をこなして準備を進めれば、必要以上に緊張することは防げるでしょう。
表情の変化をつける
AI面接に落ちたときは、表情の変化をつけて回答することにも注力してみましょう。
AI面接では、学生一人ひとりの表情の変化も、態度や振る舞いを形成する要素の一つとして評価に含まれる可能性があります。
実際にAI面接のSHaiNなどには、面接中の動画を分析し、本人の様子を総合的に評価する機能も搭載されています。
そのため、面接中の細かい表情の変化が採否にかかわるケースはあるでしょう。
特に相手はAIなので、より微細な変化は感じ取れない可能性を加味して、意図的にわかりやすい変化をつけることなども重要といえます。
なお、もともと表情の変化が乏しい人や感情表現が苦手な人などは、特に意識的に対策すべきポイントといえるでしょう。
髪型や服装が整っているか再確認する
AI面接に落ちた場合は、髪型・服装などの身だしなみが整っているか、再度確認する必要があります。
AI面接では、髪型や服装のパターンから分析を行い、傾向として導き出せる人格を判断している可能性もあります。
就活では、高評価を得やすい見た目の特徴はやはり「清潔感があること」です。
このデータは当然AI面接にも反映されていると考えられ、身だしなみチェックで不採用にならないためには、清潔感のある見た目を意識することが重要といえます。
髪型や服装の傾向からして「清潔感に欠ける」と判断されやすい人は、機械的にチェックされるAI面接だからこそ注意したいところです。
AI面接でも、身だしなみをしっかり整えれば自然と面接に臨む意識も高まるため、面接前は身だしなみチェックを忘れずに行いましょう。
AI面接を通過できない時は対策アプリを使って対策するのもおすすめ
AI面接に落ちることが多く、なかなか採用につながらない場合は、専用の対策アプリを活用して改善策を講じることも重要です。
AI面接が一部の企業で取り入れられて以来、就活支援サービスの中には、AI面接のための対策アプリも登場しています。
アプリを活用すれば、AI面接ならではの特性について理解を深めることができ、より特化した対策を効率的に進められるでしょう。
そのため、AI面接に苦手意識のある人は、積極的に対策アプリを使ってみてください。
AI面接で落ちるのは珍しいことじゃない!落ち込み過ぎずに次に進もう
AI面接はまだ評価基準が確立されていないことが実情なので、評価の仕方にはばらつきがあり、落ちることは珍しいことではありません。
十分に対策を講じても、人が行う面接とAI面接では、前者のほうが通りやすく後者にはなかなか通らない人もいるものです。
ただし逆もしかりなので、AI導入が進む時代の流れに沿って就活を進める際は、AI面接ならではの利点を活かして合格を勝ち取ることもぜひ考えていきましょう。
AI面接で不採用になってもまずは落ち込みすぎず、必要な改善策を積極的に実践してみてください。
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