【例文12選】志望動機の構成はどう書いたらいい?ポイントを業種別に解説

【例文12選】志望動機の構成はどう書いたらいい?ポイントを業種別に解説
柴田貴司
監修者

明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート

「志望動機ってどんなことを書けばいいの?」 「ただこの業界や仕事に興味があるということを伝えればいいの?」 「内定に有利な志望動機の書き方ってある?」 就職や転職の際、履歴書に必ず出てくる志望動機について、上記のような悩みを抱えている人いるのではないでしょうか。

内定獲得につなげるための志望動機を作成するには、構成作りが重要となることをご存じでしょうか。

この記事では、数ある応募者の中でも企業側に「採用したい!」と思わせるような志望動機作りのコツと業界別のポイントを紹介しています。

この記事を読めば、構成作りにはどんなことを気をつけて、どんな内容を盛り込めばいいかがわかります。

構成という土台をしっかりと作ると自分がなぜこの業界を志望したかが更にクリアになり、未経験の業界や中途採用でも自信をもってこの仕事がしたいとアピールできるようになります。

例文もありますので、ぜひ志望動機作りの参考にしてください。

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【志望動機の構成】企業側は志望動機で何を見ているのか

企業側は、応募者の志望動機を通じて何を見ているのでしょうか。

実は、志望動機を質問することで、応募者が自社にマッチした人材かどうか、自社で活躍する人材なのかをチェックしているのです。

たとえば「応募者の人柄やスキルが自社に適しているか」「自社の業務内容や経営理念を理解しているか」「自社に魅力を感じているかどうか」といった点を見ています。

したがって、就職活動を成功させるためには、志望動機の目的を十分に理解した上で準備しましょう。

なぜ魅力を感じたのかを企業側は知りたい

多くの企業は、志望動機を通じて「なぜ自社に応募したのか」「なぜ自社でなければならないのか」という熱意を知りたいと考えています。

たとえ、立派な志望動機であっても「他社や他業種でもいいのではないか」と企業側に思われてしまっては、就職活動は上手く進みません。

企業側は多くの企業や業種がある中で「なぜ、自社に魅力を感じたのか」を知りたいのです。

就職活動者は、企業の思いや考えを理解した上で対応してください。

入社後活躍できるのかを判断したい

企業は入社後に活躍してくれる人材を求めています。

そのため企業は、応募者が自社で才能を発揮できるかどうか、志望動機を見て確認したいと考えています。

入社意欲が高いだけでなく、企業が求めているスキルがあるとよりミスマッチが防げますので、入社後の活躍が見込めるかどうかは大きな評価基準になります。

企業に入社した後に、自分の経験やスキルをどのように活かしていくのか伝えることがポイントです。

【志望動機の構成】志望動機は話の構成が重要

内定を取れるか否か、就職活動で一つの大きな鍵となるのが「志望動機」です。

ESに記載する必要もありますし、面接でも必ず質問される項目です。

大切な志望動機ですから、なんとか早めに作りあげたいと、いきなり志望動機を書き始めていませんか?だとすれば、書こうとする手をいったんストップしてください。

志望動機の作成は「話の構成を練るところ」から始まります。

労力のほとんどをこの構成を練る作業に充ててよいくらいです。

ではなぜ構成が重要なのでしょうか?まずはその理由についてみていきましょう。

構成があやふやだと伝わりにくい志望動機に

志望動機の構成があやふやですと、その内容は適当で行き当たりばったりになってしまいます。

それを読んだ面接官は「で、結局何が言いたいの?」という感想をいだくでしょう。

当然ながら、そこで試合終了。面接にもたどり着けません。

しっかりと構成を練ることで、理路整然とした内容になりますし、読む側も納得行くものになるのです。

志望動機は時間をかけて構成

志望動機はその企業への就職を希望するすべての学生が書くものです。

それはつまりライバルたちの志望動機と比較されるという事でもあります。

ライバルの志望動機よりも優れたものでないと、当然ながら内定には繋がりません。

ですから、志望動機は時間をかけて、納得がいくものを作成する必要があります。

ただし、むやみに時間をかけても良い志望動機には繋がりません。

そこで次章では、志望動機作成のポイントについてご紹介していきたいと思います。

【志望動機の構成】構成のポイント

志望動機の構成を伝わりやすく整理するにはどのようなことに気を付ければよいのでしょうか?

志望動機の構成が大事であると言われただけではどこをどのように改善すればよいのかわかりませんよね。

ここからは、志望動機の構成において、特に意識すべきポイントを4点説明します。

志望動機作成の際は、以下のポイントを意識してみてください。

【構成のポイント】
・結論ははじめに明確に
・起承転結をはっきり表す
・時系列は行ったり来たりしない
・最後にもう一度要点を伝える

結論ははじめに明確に

結論は志望動機の冒頭で明確に示しておきましょう。

これは企業の人事への配慮に繋がります。

最初に結論を伝えておくと、あとのエピソードが理解しやすくなるのです。

結論を最初に明確にしておかないと、話しを聞く側は何が話のポイントなのかわからないまま話をすすめることになります。

そんな状態で話を聞いていても集中力は切れてしまうでしょう。

話をはじめて聞く企業側が理解しやすいように、結論は冒頭で明確にしてください。

起承転結をはっきり表す

志望動機にはそれに則するエピソードが必要です。

そのとき、話になんの抑揚もなければ聞いている側は退屈に感じてしまうでしょう。

それを避けるために、当時の感情や考えたことなどを説明し、抑揚をつけるようにしてください。

話に波があると聞いている側も興味を持って耳を傾けることができます。

自分の価値観の変化などを伝えると、人柄を理解してもらうことに繋がります。

自分のエピソードの「起・承・転・結」はどこか、確認してみてください。

時系列は行ったり来たりしない

志望動機の中でエピソードを話すときには、時系列にも注意しましょう。

どうしても構成を考えずに走り出すと時系列がバラバラで、話を聞く側からするととてもわかりにくいです。

そのため時系列は流れに沿って順番であることが好ましいです。

時系列のズレは伝わりにくさにも影響します。

自分の頭を整理するという意味でも一度時系列を整理してから志望動機を作成することをオススメします。

最後にもう一度要点を伝える

最後にもう一度話のポイント・要点を簡潔に伝えます。

冒頭でポイントを伝えていますから、伝えなくていいだろうと思う方もいるかもしれません。

しかし大抵の場合、間にエピソードを挟んでいます。

そのため最初に伝えたポイントがにごってしまうのです。

また、最後にもう一度同じポイントを伝えることで、ポイントを強調する意味も含まれます。

企業にどこが大事なのかが伝わるように構成しましょう。

【志望動機の構成】「話の一貫性」にこだわる

志望動機を作成におけるポイントの一つが話に一貫性を持たせるということ。

なぜ一貫性が重要なのか、まずはその理由について解説していきたいとおもいます。

「話の一貫性」にこだわるべき3つの理由

話に一貫性を持たせる理由は大きく分けて以下の3つです。

・面接官に違和感を与えないため ・説得力を持たせるため ・論理的思考力をアピールするため

それでは早速、それぞれの詳細についてみていきましょう。

人事担当者に違和感を与えないため

企業の人事担当者は送られてくる大量のESに目を通す必要があります。そのため、一つ一つにかけられる時間はごくわずかです。

志望動機を読んで「んっ、なんかおかしいな…」と感じた場合、その違和感を解消するためにじっくりと読むという事はありません。

「志望動機がよくわからないから不採用」とするのみです。

それは面接に関しても同じです。

一貫性のない志望動機を答えてしまいますと、「何言ってるのかよくわからない…」という印象を与えてしまいます。

また面接という短い時間でその印象を解消する事は不可能と言っても過言ではありません。

人事担当者に違和感を与えないために、志望動機には一貫性が必要です。

自分の強みアピールに説得力を持たせるため

志望動機の中で自分の強みをアピールする事もあるはずです。

話に一貫性がありますと、その「強み」に具体性が生まれ、説得力をます事になります。

説得力がある喋りができる人と、そうでない人、採用につながるのはもちろん前者です。

論理的思考ができる人材だとアピールするため

論理的思考力というのは、仕事をスムーズに進めるための基本的な能力です。

志望動機に限らず、話に一貫性がありますと、「論理的思考力が高い」という印象を与えることに繋がります。

一方で、志望動機に一貫性がなく、行き当たりばったりな形で話を進めてしまいますと、面接官は「この人、ちゃんと考えて喋ってるのかぁ…」という印象を持ってしまいます。これでは当然ながら内定には繋がりません。

では、一貫性のある志望動機はどうすれば作れるのでしょうか?

続いてはそのポイントをご紹介していきたいと思います。

【志望動機の構成】志望動機を書く際のポイント

志望動機を構成する際には、論理的に分かりやすく書くことで人事担当者からの印象も良くなり、社会人としての能力も評価されるようになります。

以下では、志望動機を構成する際の大切な6つのポイントを紹介しています。

焦らず、自分自身の心と向き合いながら1項目ずつ作り上げていきましょう。

【志望動機の構成のポイント】
1.志望理由を明確にする
2.「何に」ではなく「なぜ」その企業を魅力的だと思ったのかに比率を置く
3.「何に」魅力を感じかを説明する際はその企業の核となる部分に触れる
4.他社では無くなぜこの会社なのかを明確にする
5.何故この業界を選ぶに至ったのかを明確にする
6.自分の強みがどのように活かせるのかを明確にする
7.自分が入社後何をしたいのかを述べる
8.具体的なエピソードを盛り込む

1.志望理由を明確にする

最初のステップは、自分がなぜこの仕事をしたいかの理由を明確にするところから始まります。

よく「人と話すのが好き、得意」「人を支える仕事をしたい」という理由を書く人がいますが、これでは抽象的なので人事担当者の心に響きません。

企業が数ある応募者の中から限られた人数の人材を採用する際は、具体的で明確な志望理由が知りたいのです。

ここがまずはっきりしていないと、次のステップへ進んでも曖昧な志望動機になってしまいます。

そのため、自分を振り返って、やりたいことを更に深堀りして、企業研究を進めていく必要があります。

2.「何に」ではなく「なぜ」その企業を魅力的だと思ったのかに比率を置く

志望企業に魅力を感じた理由を説明するときは、「何に(対象物)」ではなく「なぜ(具体的な理由)」に重点を置きましょう。

たとえば、志望企業に魅力を感じた点(対象物)だけを羅列してしまうと、あなたの熱意が企業側に伝わらない可能性があります。

一方、魅力を感じた具体的な理由があれば、説得力が増し、企業側に好印象を与えられるでしょう。

また、「入社後、どのようなことにチャレンジしたいのか」「どのような強みを仕事に活かしたいのか」といった前向きな姿勢もアピールできれば、より高い評価を得られる可能性があります。

3.「何に」魅力を感じかを説明する際はその企業の核となる部分に触れる

志望企業に魅力を感じた理由を伝えるときは、企業理念や経営方針など普遍的で変わらないものに触れるようにしてください。

多くの企業は、事業を進める上で、可変的な面と普遍的な面を持っています。

たとえば、可変的な面としては、時代に即した人事制度や事業展開などが挙げられるでしょう。

一方、企業理念や経営目標などは、企業の根幹に関わる普遍的なものなので、時代が変わっても大切にしている価値観です。

就職活動者は志望企業の魅力を伝えるとき、企業が大切にしている企業理念や企業文化、社風などに触れましょう。

4.他社では無くなぜこの会社なのかを明確にする

志望動機には「御社だからこそ入社したい」という思いをしっかりと明記する必要があります。

例えば工作機器メーカーを受けるとして、「とにかく日本のモノづくりを支えたいから、貴社を志しました」とESに書いたとします。

これを読んだ人事担当者は「それなら別にウチじゃなくても良くない?」と思います。

日本のモノづくりを支える企業は日本中にいくらでもありますから。

そんな印象を与えないためには、「日本に於ける製造業の現場には、必ずと言ってよいほど貴社製品が使われているという事を知り、貴社を志望しています」など、より具体的に書く必要が出てきます。

5.何故この業界を選ぶに至ったのかを明確にする

世の中には実に様々な仕事があります。

製造、メディア、サービス、コンサルティング、広告代理店…挙げればキリがありません。

しかも製造業という括の中には大量生産もあれば、完全受注生産もあります。

それだけ多くの仕事があるなか、なぜこの業界に興味を持ったのか。

それは当然気になるポイントですし、その理由が無くては面接官を納得させることはできません。

先ほどの例に続けるとすれば以下のようなイメージです。

「私の実家は小さな町工場を営んでおります。現場が休みの日には「機械を指さしコレ何?」と父に聞いておりました。それが御社と私との出会いです。そして父からは「この機械のおかげで仕事がずいぶん楽になったんだ」と聞かされました。そういった経験から、だんだんと、工作機器メーカーに興味を持ち、さらには貴社を志すようになりました。」

これがあれば、面接官にあなたの本気が伝わります。

6.自分の強みがどのように活かせるのかを明確にする

1~3で、あなたがいかにその会社を目指しているのかが明確になりました。

ただ、これだけでは「あなたが好きです!」とアピールしているにすぎません(もちろん好きだと明確に伝えるのは大前提です)。

けれど他にも「好きだ」と言っている人は多数いるわけですから、その中であなたを選んでもらう必要があります。

そこで重要になってくるのが、自分の強みをアピールする事です。

もちろんそこにも話の一貫性が求められます。

例文としては以下のようになります。先ほどの例文の続きとお考えください。

「私は大学時代の3年間、飲食店で接客業のアルバイトを続けてきました。それだけ長く続けてきた理由は、お客さんとのコミュニケーションが楽しかったからです。常連さんはもちろんのこと、初対面の人と話す事も得意としております。この能力を活かし、お客様とのコミュニケーションを密に取ることで、貴社での商品開発などで活かせればと考えております。」

このサンプルでは、コミュニケーション能力をアピールしていますが、飲食のアルバイトを長く続けてきたという具体例を添えることで、信頼性を高めています。

また、例では工作機器メーカーへの就職を希望しているわけですが、コミュニケーション能力が会社でどう活かせるのかについても具体的に示されています。

それこそが一貫性の元となります。

逆にダメな例を一つ挙げておきます。先ほどの2~3の後で「英語が得意なので、海外向けの仕事でもお手伝いができる」と書いたとしましょう。英語力が高いという事は一般的にはアドバンテージですが、ここではそうとも言い切れません。

というのも2~3では「日本のモノづくりを支えたい」というトーンで来ています。そこでいきなり「海外での仕事」となりますと、「アレ?日本のモノづくりは…」と面接官を混乱させてしまうからです。

この場合、英語力は別の欄でアピールしましょう。一番簡単なのは資格の欄に「TOEIC 830点(2019年3月)」などと記載する事です。

このように1~4に一貫性を持たせ、面接官がスッと納得できるように流れを作ることが肝心です。

7.自分が入社後何をしたいのかを述べる

企業を志望する理由と自分の強みがどのように仕事に活かせるかを伝えたら、次に重要なことが入社後、自分が何をしたいかどうかを伝えることです。

自分のやりたいことや情熱を伝えても、それが企業の理念や風土、仕事内容にマッチしていなければ、ただの自己満足で終わってしまいます。

企業側としては、採用した人材には長く勤めてもらい、会社に貢献してもらいたいと思っています。

採用していざ働き始めたら、自分の思っていた仕事と違う、やりたいことができない、会社の風土が合わないという理由で短期間でやめる人は大変多いのが現実です。

求人や会社の企業理念・風土と応募者のミスマッチを避けるためにも企業研究や仕事内容を現実的な側面から捉えられる人を望んでいます。

8.具体的なエピソードを盛り込む

1~5で伝えたことに裏付けをもたせるために、具体的なエピソードを盛り込みましょう。

日常での経験でも良いですし、中高時代や専門学校での経験でも何でもよいのです。

志望動機と関連したエピソードがあるとこれまでの話に関連性が生まれ、共感が得られるうえ、応募者の人柄も伝わりやすくなります。

志望動機の構成をより洗練するためには

志望動機をより洗練して伝わりやすくするにはどうすればいいでしょうか。

志望動機の構成を一番見やすいように工夫することが大事です。

自分一人で構成を確認する方法、人に手助けしてもらい確認する方法など、志望動機を完成させたら、とにかく何度か確認することが大事です。

ほかの人に確認してもらう

志望動機の構成について、自分では完璧と思っていても、ほかの人には直すべき箇所が見つけられる可能性があります。

自分の確認作業が完璧だとおもったら、友人や家族に添削を頼んでみてください。

今まで見えてこなかった改善ポイントが見えてくるかもしれません。

構成以外にも同時に言葉遣いや表現が改善できますから、他の人を頼ってみることも大事です。

紙に印刷して読み返す

もしPCを使って文書でESを作成しているなら、一度紙に印刷する確認方法が有効です。

というのも、人間はPCやスマートフォンの画面を画像の点滅だと認識してしまっているからです。

そのため紙に印刷することでより構成や改善するポイントが見つけやすくなります。

より洗練された志望動機を作成するために、紙に印刷して読み直してみてください。

構成の文量バランスを客観的に見る

志望動機を構成する各項目の文量をよく確認してみてください。

「はじめ・なか・おわり」の3部構成であると仮定したとき、はじめとおわりの文量は同じくらいであると好ましいです。

また、なかに位置するエピソードの起承転結のバランスも確認してみましょう。

文量を客観的に確認してみることで、全体のバランスや不足を正すことができます。

【志望動機の構成】周りとさらに差をつけるポイント

志望動機の書き方についてイメージはできたけど、自分らしさや企業への志望度が伝わるような文章を書くにはどのように作成したら良いのかと悩むでしょう。

ありきたりな文章では、ほかの就活生と差別化を図りにくく、面接官への印象は薄くなってしまいます。

説得力のある志望動機を書くためには、ここの企業じゃなければならない明確な理由を持つことが大切です。

どのように作成すれば良いか悩む人は、次の志望動機を作成するコツを押さえてみましょう。

【周りとさらに差をつけるポイント】
・就活の軸を作る
・深掘りする
・書き出しを意識する

就活の軸を作る

自分に合った仕事や会社選びの基準として決めておくべきことは「就活の軸」です。

就活の軸を明確にしておくことで、面接で志望動機を聞かれた時にしっかりと答えることができ、入社後に「どうしてこの会社を選んでしまったのだろう」と思い悩むこともありません。

就活の軸は志望動機作成の指針や面接対策にもなりますので、必ず決めるようにしましょう。

自己分析・他己分析をする

就活に役に立つ自分の「就活の軸」を見つけるには、まず自己分析をすることが大切です。

これまでの人生で印象的な出来事や経験を振り返って、 長所や短所、価値観、性格などという自分の理解を深めることで自分らしさが見えてきます。

あなたが興味を抱いている分野や、あなたの能力を発揮できる職種などを考えると、就活の軸を考えやすくなります。

このような自己分析を行うには、モチベーショングラフを用いると可視化して整理しやすくなります。

モチベーショングラフの作成方法や具体的な自己分析のやり方については、下記の記事を参考にしてみてください。

企業研究をする

企業にあなたの志望動機をはっきりと伝えるには、企業についてよく理解し、志望理由を深堀ることが必要です。

企業の経営方針などが自分の価値観とマッチするかどうか確認するようにしましょう。

企業の求める人物像や競合他社との違い、企業独自の強みを把握することで、なぜその企業を志望するのかを明確にすることができます。

また、「どうして○○に興味をもったのか」と志望理由を深堀ってみることもおすすめです。

あなたが企業のどんなところを重要視しているのか客観的に知ることができますよ。

企業研究についての詳しい説明は下記の記事にありますので、一緒に読んでみてください。

書き出しを意識する

志望動機は書き出しでどれだけ興味を惹けるかも重要です。

書き出しの印象が薄いと、せっかく良い志望動機を書けたとしても最後まで読まれない可能性があります。

興味を惹かせる書き出しにするには、「結論」をはじめに持ってくるのがコツです。

志望動機の書き出しから結論を持ってくることで、論理的に説明ができる人だと高評価を得られやすくもなります。

入社の意欲がどのくらいあるか判断される志望動機には、書き出しから志望度の高さをアピールすることが重要です。

採用担当に印象が残るような、興味を惹く書き出しを意識して書いてみてください。

結論から入ることは、面接の質疑応答でも使うべきルールですので、覚えておくと良いでしょう。

エージェントを利用する

「自己分析や企業研究をしてみたけどいまいちしっくりこない」

「自分の考えた志望動機が企業に刺さるのか自信がない」

志望動機を作成していく中で上記のような不安を抱いた方もいるのではないでしょうか。

志望動機に自信がない人は、前述したように他の人に確認してもらうようにしましょう。

就活エージェントの場合、プロの就活アドバイザーがあなたの志望動機を添削してくれますので、より的確なアドバイスをもらうことができます。

就活についての些細な疑問にも答えてくれますので、一度相談してみてはいかがでしょうか。

【志望動機の構成】内定がとれる志望動機の構成例

志望動機はエントリーシートでも、面接の場でも内定獲得を左右する重要な項目です。

大手企業から中小企業、外資系企業やベンチャー企業に至るまで、数えきれないほどの企業がある中で、なぜ、その企業を選び、入社を希望しているのかを伝える重要な項目であるためです。

内定を得るためには、いかにその企業を理解しており、自分がどれだけ、その企業で貢献できるのか、どんなにやる気を持っているのかをアピールすることが求められます。

そのために、どのような構成でアピールすれば、内定がとれるのか、志望動機のおすすめの構成例をご紹介します。

結論:私は〇〇という点で貴社を志望しました

志望動機を問われたら、まずは結論から述べてください。

「御社は業界でもトップ企業であり、成長可能性があります。」などと企業に関するうんちくや褒め言葉を並べ立てるところからスタートする人はいますが、それでは、あなたがその会社をどうして選んだのかが伝わりにくいです。

簡潔に、あなたがその会社を選んだ理由を、一言で簡潔に述べましょう。

理由:なぜならば〇〇という経験で〇〇と考えたためです

次に、その結論に至った理由を述べます。

ここで企業を魅力に感じたり、興味を抱いたキッカケを伝えたりする流れです。

まずは結論、次に理由という構成を基本にしてください。

エピソード:私は〇〇で〇〇ということをしていました

3ステップ目として、企業への入社意欲を示し、企業に貢献できることにつながる具体的なエピソードを紹介します。

エピソードを話すうえでも、構成があります。

その構成は簡単に言えば、起承転結の流れを作ることです。

まず、「起」としてエピソードの概要を話します。

「私は〇〇で〇〇ということをしていました」といった内容で簡潔に伝えます。

次に「承」で以降で説明する構成である、「生じていた問題」について状況説明をしましょう。

そして、「転」として、問題の解決のためにあなたがとった行動について説明をします。

エピソードの締めくくりの「結」として、行動をした結果、得られた成果を伝えましょう。

つまり、問題→行動→成果につながるエピソードを語ることが必要です。

志望動機に用いるエピソードを選ぶ際には、自分が過去に経験した体験談の中から、問題→ 行動→ 成果につながった経験がなかったかを軸に探しましょう。

問題:その経験で〇〇という問題に直面しました

選んだエピソードにおいて、直面していた問題について話します。

面接官はあなたに会うのも初めてですし、あなたの過去の経験談を聞くのも初めてです。

周知の仲ではありませんからこそ、直ぐにイメージが湧くように分かりやすく状況を伝えませんと、話が見えてきません。

いくらエピソードを語っても、状況が理解してもらえないのでは、あなたを理解してもらえず、内定獲得にもつながりません。

簡潔かつ分かりやすく状況説明を行ってください。

行動:そのため私は〇〇を行いました

生じていた問題に対して、あなたがとった行動を説明しましょう。

解決に向けて、どんな行動に出たのかを簡潔に伝えます。

結果:その結果〇〇になりました

行動に出たことで話が終わってしまっては、美談に過ぎなかったり、尻切れトンボに終わってしまいます。

行動を起こした結果、どんな成果がもたらされたのか、それによって学んだことや、身に付けたノウハウについて紹介しましょう。

結論:その経験を生かして貴社では〇〇で貢献していきたいと考えております

エピソードの紹介において、起承転結の流れを踏みますので、ともすると、エピソードの結果を話して終わってしまう方がいます。

面接の場では緊張もしているので早く終わりたいという気持ちや、エピソードまで語ったところで、いっぱいいっぱいになってしまう人もいますが、あともう一息ですので、緊張の糸を保ったまま、もうひと頑張りしましょう。

最後の結論こそ大事なところで、エピソードの語りは、この結論に結びつけるためのお膳立てにすぎません。

経験を通じて得たことや学んだこと、出せた成果を生かして、内定を得たい企業で役立てたいことや、貢献できることをアピールすることが大切です。

内定をとるためには、その企業に貢献できる人物であることと、入社意欲の高さを伝えなくてはなりません。

つまり、他の企業ではなく、その企業でないとダメなこと、その企業ですからこそ、自分の経験を生かして貢献したいのだということを伝える必要があります。

その意味では、エピソードを選ぶ際には、こうした企業への貢献につながりやすいエピソードを探すこともポイントです。

そのため、複数の企業からの内定獲得を目指すのであれば、企業ごとにエピソードも考え直す必要があるのです。

内定がとれる志望動機は、自分のすごいところを並べ立てて、他の人より秀でているとアピールするのではなく、自分を採用することでいかに企業に役立つか、いかに企業にとってメリットがあるかをプロモーションすることが重要であることを意識しましょう。

【志望動機の構成】志望動機の例文12選

いざ志望動機を書こうとしても、すぐに書くのは難しいでしょう。

ここでは業界ごとの志望動機の書き方と例文、そのポイントについて詳しく説明しています。

志望動機の書き方が分からなくて、困っている方は是非参考にしてみてください。

【業界ごとの例文】
・IT業界
・不動産業界
・総合商社
・コンサルティング
・人材業界
・アパレル業界
・広告業界
・出版業界
・食品メーカー
・医療業界(事務)
・金融業界
・福祉業界

例文①:IT業界の場合

プログラミングやエンジニアリングなど、技術系の仕事が多いIT業界は、モノを作る技術が必要というイメージがありますが、使う技術も求められます。

何かを作るためには、仮説を立てて実践の繰り返しですが、最善と思われる仮説を立て、必要な行動を選択するには、問題解決能力が必要になるからです。

情報技術だけではなく、情報を活用する力も求められ、こうした基準で人材を探しているIT企業も多くあります。

IT業界の志望動機を書く際、問題解決能力があることを裏付ける経験を選び、問題に取り組んだことや経験で得られた結果について書くようにしましょう。

例文

大学で学んだ知識やスキルを活用できる、IT業界を志望します。
新しいコンテンツを提供して、多くの人の役に立ちたいと思ったのが、IT業界を志望するキッカケになりました。
数あるIT系の会社の中でも、貴社は需要の高いコンテンツを作り続け、その目的意識と技術の高さに感銘を受けました。
貴社でコンテンツの開発を手掛けたいと強く志望しています。
私はエンジニアリングに興味を持ち、大学では情報工学を学んでいます。
趣味はアプリの開発で、独自に始めて3年ほど経過しました。
開発を始めた頃、3ヶ月でアプリを1つ開発することを決め、ひたすら目標に向かって頑張ったことがあります。
当時はプログラミングの知識がほとんどなく、知らない専門用語を見つける度に手を止め、リサーチに時間をかけるということの繰り返しでした。
予想外の結果になることも多く、そうした問題が発生したときは、作業の工程や行動を振り返り、原因を見つけ、改善するようにしました。
「本当に3ヶ月で作れるのだろうか」と不安になることもありましたが、タスク表を壁に貼り、毎日進捗状況を確認しながら、その日の目標はその日に終わらせることを自分に課し、作業を進めました。
その結果約3ヶ月後に、よく利用する地下鉄の時刻表アプリの開発に成功しました。
画像のない、シンプルなアプリでしたが、大きな達成感に包まれ、自信につながりました。
この経験で学んだことは、問題が発生したときに投げ出さず、原因を見つけて解消していくということです。
貴社へ入社したら、仕事に全力で取り組み、多くの人に愛されるコンテンツを作り出したいと考えております。

ポイント

「新しいコンテンツづくり」ということをアピールすると、人事担当者に、やる気があると評価される可能性が高くなります。

IT業界には特定のスキルが求められますが、持っている技術や資格、スキルについてアピールすることも大きなポイントになります。

問題解決能力を示すエピソードを盛り込むことも忘れないようにしましょう。

上の例では、アプリ開発中に発生した技術的な問題(思うような結果が得られない)と、精神的な問題(目標を達成できるかどうか不安)を解消した経験が語られています。

インターンやOB訪問の経験があれば、その感想を、企業を志望する理由として盛り込むと良いでしょう。

IT業界の志望動機についての詳しい解説は下記の記事にありますので、一緒に見てみてください。

例文②:不動産業界の場合

不動産業界の仕事は幅広く、土地や建物の販売や仲介、街やリゾート地の開発などさまざまです。

仕事には深い知識やコミュニケーション能力などが求められますので、志望動機を書く前は、志望する仕事について理解を深めておくことが大切です。

不動産業界の仕事は、複数の企業や人が関わることが多いため、自分の仕事を理解するだけでなく、関係する企業についても理解を深めることが大切です。

そのうえで自分のポジションを確立し、行動するためにはどんな能力やスキルが必要か考えるようにしましょう。

それが志望動機でアピールするポイントになります。

例文

私は土地や住宅の販売を手掛ける、不動産業界を志望します。
大学時代一人暮らしのアパートを探してたとき、不動産の担当者が、希望する条件を伝えるだけで、ピッタリの物件を提案してくれたことに感激し、私もそんな仕事に就きたいと強く思うようになりました。
貴社は一人暮らし向けの賃貸物件を多く取り扱い、新生活を始める学生や新社会人が喜ぶようなサービスも展開されています。
相手が喜ぶ価値を提供する姿勢に共感し、貴社で利用者に喜ばれるサービスを提案したいと考えています。
私は大学時代工学部で建築について学びました。
貴社に入社したら、大学で身につけた知識を活かし、暮らしやすい住まいを提供することで、人々の生活向上に貢献してきたいです。

ポイント

幅広い不動産業の中で、どのような仕事に就きたいかを明確に伝えることが大切です。

志望する理由は、業界に関連していることがポイントになります。

体験談を通して志望に至った経緯を説明すると、説得力が増し、人事担当者に伝わります。

企業を志望する理由についても伝えることで、志望意欲の高さがアピールでき、人事担当者に好印象を与えることが期待できます。

不動産業で役に立つ知識やスキル、資格は、即戦力があることを伝えることになりますので、持っていれば忘れずに書くようにしましょう。

詳しい不動産業界の志望動機の書き方についてはこちらの記事を参考にしてください

例文③:総合商社の場合

総合商社は、さまざまな商品を取り扱い、取引先も多岐にわたります。

中には海外の取引先を持つ企業もありますので、企業の事業内容と照らし合わせながら、必要な情報を志望動機に盛り込んでいきましょう。

総合商社のメインとなるのは、営業職です。

何をアピールしたら良いか、ポイントが絞りきれずに迷ったら、営業職に必要なスキルや求められる資質に注目して、志望動機を作成しましょう。

1度書いただけではうまくできないことも珍しくありませんので、何度か書いて、良いものを仕上げようという意識で、志望動機に取り組むのが無難です。

例文

私は物流に興味があり、流通を通して経済を活性化させたく貴社を志望します。
大学時代経済学部で学び、とくにお金の流れに興味を持ちました。
経済が発展するには、お金を回すことだけでなく、物も回す必要があるということに気づき、将来はお金と物の流れをダイレクトに感じる仕事に就きたいと考えるようになりました。
総合商社は理想的な職種で、国内外に事業を展開する貴社で、流通のノウハウを身につけたいと考えております。
とくに貴社の得意とする食品分野は、人々の生活に一番身近な存在で、お金と物の流れを学ぶのに理想的です。
大学で身につけた物流の知識を活かし、コストを抑えながらニーズに応える食品物流の発展に貢献したいと考えております。

ポイント

総合商社のどの点に魅力を感じたのかを明らかにし、そこから「私は適任です」というスタンスで書き進めるとうまくいきます。

書き出しは志望意欲、という鉄則を忘れないようにしましょう。

例文では物流に興味があるという地点から話を展開させていますが、物流管理はまさに総合商社の役割で、的を射ています。

志望意欲や志望する理由、入社後身につけたいことなど、盛り込む情報は一貫性を持たせましょう。

そのためには、盛り込む情報と志望動機をすり合わせながら書くことをおすすめします。

総合商社のの志望動機についての詳しい解説は下記の記事にありますので、一緒に見てみてください。

例文④:コンサルティング業界の場合

コンサルティング業は、いわゆる「相談役」です。

職種に特化していると言うよりも、「業績が振るわない」「課題の対処法がわからない」など、企業が抱える問題に対しアドバイスしたり、「新しい分野の進出を検討しているが、ノウハウがないので任せたい」などのニーズを満たしたりするのが仕事になります。

他の職種でなく、コンサルティングでなければならない理由を示すことが、コンサルティング業界の志望動機を書くための大切なポイントです。

人事担当者が、「コンサルティングの志望意欲が高い」と納得するような志望動機を書くことを意識しながら作業を進めましょう。

例文

私は問題解決することが好きで、それを仕事とするコンサルティング業に魅力を感じています。
とくにさまざまな業種の問題解決に取り組み、実績を上げている貴社を志望します。
私はメンバーが100人を超す大きなサークルで、リーダーを支える補佐的な立場で活動していました。
大きなサークルなので、常に何かしら問題が生じ、その問題に対して解決方法を提案して実行に移すのが、私の役目でした。
あるとき運営資金の問題が生じ、放っておくとサークルの活動にも大きく影響することがわかりました。
運営費用の見直しと資金確保が急務となり、出費の確認から作業を始めました。
サークル内に問題解決にあたる委員会を設置、資金確保の方法についてメンバーと話し合いました。
そこで提案されたのはイベントの開催・協賛企業の募集・メンバーを動員した広告活動などで、費用対効果などの面から、効果が期待できる方法を決定しました。
実行にあたり、各メンバーに必要な役割をあて、資金確保に奔走したところ、目標額の95%を確保できました。
この経験から、問題を解決するにはどうしたら良いかという視点をはじめ、解決策の提案、情報収集などさまざまなスキルを身につけました。
この経験を活かし、貴社のコンサルティング業に貢献したいと考えております。

ポイント

コンサルティング業の志望動機ですので、問題解決能力のアピールは不可欠です。

問題解決能力があるということをメインに話を展開させていきましょう。

説得力を上げるには、具体的に話すことが大切です。

数字を使ったり、比較表現を使ったりすることが、話に具体性を持たせることになります。

コンサルティング業には、理論的に考えられる能力をはじめ、短時間で必要な情報を集め、戦略を立てる力や、問題を解決するため人を動かす力も求められます。

これらの点も志望動機の中でさり気なくアピールするよう工夫しましょう。

コンサルティング業界の志望動機についての詳しい解説は下記の記事にありますので、一緒に見てみてください。

例文⑤:人材業界の場合

人材業界の志望動機を書く際は、企業が提供するサービスの特徴にあわせて書くことを意識しましょう。

サービスの形は求人広告、人材派遣、採用支援などサービスの形は様々ですので、自分の志望する会社のサービスがどのような形態なのかについて確認することが必要です。

例文

私が貴社を志望する理由は、誰もが活き活きと働ける社会を実現したいからです。
学生時代、私は飲食店のアルバイトをしていました。
社員や先輩に抑圧的な指導を受け、アルバイトを始めたばかりの私は自分の意見を主張することが許されませんでした。
また、就職活動を通して様々な業界の方に出会いましたが、多くの企業が年齢に関係なく自由に発言できる環境ではないと感じました。
自由に発言できない中で働くことは精神に非常に大きな負荷をかける上に、離職にもつながり企業の損失にもなってしまう恐れがあるため、このことを解決したいと考えています。
貴社は様々な業界、分野に精通しており、企業と人材とのマッチングが高いことで有名です。
それはヒアリングからアフターフォローまで一貫して誠実にクライアントに向き合っているからだと考えます。
私は企業と人材両方の支援を丁寧に行うことで、多くの人が満足して働ける社会づくりに貢献したいと考えています。

ポイント

人材業界では、企業に対して自社の利用をすすめるためのコミュニケーション能力、求職者や企業へのヒアリングのための傾聴力、地道な作業もコツコツできる忍耐力などが求められます。

人の人生に直接関わることができる、幅広い人脈が得られることができるなどが人材業界の特徴です。

志望企業の強みと一緒に考えてみてください。

人材業界の志望動機についての詳しい解説は下記の記事にありますので、一緒に見てみてください。

例文⑥アパレル業界の場合

ひとえにアパレル業界といっても、直接顧客とやりとりする販売員から企画を行うマーチャンダイザー、服をつくるデザイナーやパタンナーなど様々な職種があります。

各職種の特徴を理解し、適した志望動機を考えてみてください。

今回は販売員の志望理由の例文について見ていきます。

例文

私が貴社を志望した理由は、衣服を通じて人々の生活を豊かにしたいと考えたからです。
貴社の商品はデザイン性に優れているだけでなく、機能性もあるため幅広い年代の方が着用しており、非常に魅力を感じております。
私は学生時代、アパレルショップでアルバイトをしていました。
お客様ごとにニーズは異なり、接客のテンプレートでは満足度を上げることが難しく、ノルマを達成することができませんでした。
そこで私は自分のおすすめの商品をただ勧めるのではなく、お客様ひとりひとりのニーズに耳を傾け、最適な商品を提案するようにしました。
その結果、アルバイトの中で一番の売上を出すことができ、月ごとのノルマも達成できるようになりました。
この経験を活かして、お客様目線で物事を考え、より満足していただける接客をしたいと考えています。

ポイント    

「服が好き」という理由だけではアパレル業界の選考は通りません。

また「ブランドが好き」「アパレル業界に憧れている」といったブランドや業界への関心だけの志望動機もNGです。

企業が採用したいのは「自社のファン」ではなく、「自社の売上を伸ばしてくれる人材」ですので、このことを意識するようにしましょう。

またアパレル業界は流行の移り変わりが激しいため、常に最新のトレンドを抑え、消費者や市場の動向に対応する力が求められます。

そのため情報に敏感であることをアピールすると良い印象を与えられます。

アパレル業界の志望動機についての詳しい解説は下記の記事にありますので、一緒に見てみてください。

例文⑦:広告業界の場合

広告業界の仕事は、広告主の代わりに、商品やサービスが売れるような広告の作成や広告枠を仕入れることです。

BtoB取引がメインのため、広告に携わることがない学生にとってはイメージしにくい業界と言えます。

志望動機だけでなく、面接などで業界や企業への理解が足りていないと見なされると企業からの印象が悪くなってしまいます。

そのため、入念に企業研究をしてから志望動機を考えるようにしましょう。

例文

私は広告の仕事に携わることで、多くの人に様々な商品やサービスの価値を届けたいと考えています。
私は大学でラクロス部に所属しており、新入部員が年々減少していたことが部の大きな課題となっていました。
そこで自らPVやチラシを制作し、部の魅力をより多くの新入生に伝えたことで例年の2倍の新入部員を獲得することができました。
この経験から、商品やサービスの価値を広告を通して人の心を動かすことに興味をもちました。
クライアントにひとりひとりに適した提案を徹底している貴社で、商品やサービスの魅力をより多くの人に宣伝し、実績に貢献したいと考えています。

ポイント

広告業界ではコミュニケーション能力や情報収集能力、提案力などが求められます。

上記のような能力があることをメインに話を展開すると更に良いでしょう。

具体的な仕事内容が想像しづらい広告業界ですが、入社語のプランについて触れることも忘れないようにしてください。

広告業界の志望動機についての詳しい解説は下記の記事にありますので、一緒に見てみてください。

例文⑧:出版業界の場合

出版業界は就活生から人気の業界ですが、採用人数が少なく、非常に難易度が高い業界となっています。

動向についてですが、出版業界ではインターネットの普及に伴い、紙媒体よりも電子書籍の需要が高まり新たなビジネスの展開が始まっています。

企業によって力を入れている部分は異なるため、企業ごとの経営方針の違いを確認するようにしましょう。

例文

私が貴社を志望した理由は、海外に漫画の面白さを広めたいからです。
私は幼い頃から漫画やアニメが好きで、貴社から排出された作品も数多く拝読してきました。
大学時代に半年間アメリカに留学した際、ルームメイトが日本の漫画やアニメが大好きで何時間も語り合ったことがあり、様々な作品について熱心に話しました。
その時から「漫画の良さを世界に広められる仕事をしたい。」と考えるようになりました。
世界のニーズに応えることを理念としており、海外展開を進めている貴社だからこそ私の願いを実現できると考えております。

ポイント

出版社は数多くあるため、志望する企業独自の個性や思い入れのある作品について言及すると良いでしょう。

どんなコンテンツを作りたいか、ではなくコンテンツを通じて読者に提供したいものについて考えるようにしましょう。

出版物へのあなたの思いを自分の言葉で表現するようにしてください。

例文⑨:食品メーカーの場合    

食品メーカーも出版業界と同様、就活生の志望業界ランキング上位にあり、倍率は非常に高いです。

食品は人々の生活に必要不可欠であるため、業績が安定しています。

しかし消費者との繋がりが深いからこそ、社会事情の影響を受けやすい点が特徴となっています。

各企業の強みや弱みをしっかりと把握した上で志望動機を書くようにしてください。

例文

私は、食を通じて人々の生活を豊かにしたいと思い貴社を志望しました。
私は母子家庭で育ち、母はいつも夜遅くまで仕事をすることが多かったです。
そのような中でも、母は私と食事をする時間をなるべく作ろうとしてくれて、母と一緒に食事をとる時間は一番の幸せでした。
忙しい母にとって、素早く食卓に出せる冷凍食品は強い味方でした。
この経験から、私は自分と同じような境遇の子どもや家庭にも、暖かい食卓を提供したいと考えるようになりました。
貴社は冷凍食品や忙しくても栄養の取れる商品の開発に力を入れており、私も貴社の一員として多くの家庭で食を通じた幸せが生まれるように貢献していきたいです。

ポイント

「食べることが好き」「○○社の商品が好き」という思いだけでは選考を突破することができません。

アパレル業界と同様、なぜ食品業界で働きたいのかについて具体的に話せるようにすることがポイントです。

食へのこだわりや食を通じてやりたいことを明確に話すことを意識してください。

食品メーカーの志望動機についての詳しい解説は下記の記事にありますので、一緒に見てみてください。

例文⑩:医療業界の事務の場合

医療業界の事務というと、病院の受付業務や医療費の支払い請求等を行うレセプト業務を行う医療事務から医療機器のメーカーなどの製品や研究開発を行う会社の事務まで様々あります。

どちらも間接的に人の生命に関わる仕事なので、人の健康や命を支える仕事に興味ややりがいを持つ人におすすめです。

どの仕事にも言えることですが、事務には早く正確に物事を判断、処理する能力が必要になります。

医療事務であれば、病院に来た患者さんにどんな時も心配りや安心感を与えられるようなホスピタリティが必要とされます。また予想外の出来事にも臨機応変に対応できるスキルも必要です。

これらの能力を志望動機に交えながら話すと良いアピールになります。

数ある医療機関や企業の中でなぜここを選んだのか、そのきっかけや理由をしっかりと説明し、自分が事務員としてどういったことで役に立てるかを説明できるようにしましょう。

例文

私は、中学生の頃から人の健康や生命を支える仕事に携わりたくこの仕事を志望しました。
学生時代は、大学でホスピタリティを学ぶかたわら、医療事務の資格を取得しました。
医療事務に興味をもったきっかけは、私が高校生の時の部活動で足を痛めた時に病院で出会った受付の方でした。
足の痛みは当然ありましたが、大切な試合の1週間前だったので「早く治さないといけない」とかなり不安な状況でした。
その時の病院の先生や看護師さんの親切な対応はもちろんですが、受付の方達の温かい笑顔や気遣い、別れ際の「お大事にしてくださいね」という言葉にずいぶん心が救われました。
これまでいくつか病院に行きましたが、こういった病院全体が温かい雰囲気に包まれている場所は初めてで、実はその病院というのが貴院でした。
私は、貴院での関りはほんの数時間、数日のお付き合いでしたが、貴院で「温かい言葉や気遣いが人を元気にする」ということを学びました。
医療事務という仕事は、正確さやスピーディーな対応が求められるなど大変なことも多いと医療事務をやっている知人から話を聞いています。
その中でも貴院の職場環境やポリシーを守りながら、医療事務という仕事を早く覚えて、心にゆとりをもって患者さんが迎えられるよう働きたいと思っています。

ポイント

事務は正確さとスピーディーさが重要になります。

医療事務であれば、臨機応変な対応やホスピタリティをもって人と関わる必要があります。また、レセプト業務やカルテなど間違いがないよう正確に処理する能力も必要とされます。

業界や仕事内容をよく調べないまま憧れだけで入社して、現実とのギャップに苦しむ人も多いため、企業側はその業界や仕事に対してきちんと下調べしているかどうかもチェックしています。

必要な資格のために努力したことや、自分の体験から業界や仕事に良い印象を抱いていることをつたえることはもちろん大切です。

業界で実際に働いている人の声や情報を集め、楽しい事ばかりではないということを理解したうえで、本当にこちらの会社を志望しているということを強くアピールすると企業側も安心です。

NG例として、人の役に立ちたい、人の生活を支えたい、という漠然とした理由を述べる人もいます。

それだと「じゃあ大学じゃなくて看護学校に行けば良かったのに」「警察官や教員、市役所などのいわゆる公務員も人の生活を支えているのに」などと考えが浅い人間だと捉えられる可能性があります。

医療業界の志望動機についての詳しい解説は下記の記事にありますので、一緒に見てみてください。

例文⑪:銀行などの金融業界の場合

金融業界は、人々の経済活動を支えるお金を扱う重要な仕事です。

金融業界には、大きく分けて ・銀行 ・証券 ・保険 の3つの業界があります。

この中で目指す業界によって取り扱う業務やサービスが異なるため、志望動機を変えていく必要があります。

例えば、銀行であれば地元密着型の「地方銀行」、大手企業を顧客とする日本有数の「都市銀行」、不動産や有価証券などの資産を管理する「信託銀行」などそれぞれ選んだ理由が重要となります。

証券業界なら、投資やリスクについて理解し、なぜ銀行や保険ではなく証券なのかを説明できるようにしましょう。

また、今投資ブームで従来の預金のような資産の持ち方が大きく変わっており、また人間が担っていた仕事をコンピューターが取って代わって行うようになっています。

自分が企業にどのように貢献できるかや今後の展望や課題をきちんと説明できることが大切です。

日本人にはとてもなじみ深い保険業界では、生命保険や損害保険で取り扱う内容が異なります。

どちらも万一の場合の経済的な援助を得るものになりますが、ただ保険を売ったら終わりではありません。

加入した人の生活や人生に関わっていくので、時には加入者が辛い状況にある時にどのような形でサポートできるか、相手の立場で物事を考え、適切な態度で接するスキルが重要になってきます。

例文

私は生命保険の営業を希望します。
保険を通して、人の人生のはじめから終わりまで生涯にわたって一人の人と関わり、その人の人生を豊かにするためのアドバイザーとして活躍したいと思っています。
私は10年前に父を事故で亡くしました。
その時の私はまだ中学生でしたが、一家の大黒柱を失った私たち家族の経済的な不安についてはなんとなく分かっていました。
父が亡くなって憔悴していた母の元に、古くからお世話になっていた生命保険の営業の方が来て「こんな辛い時にお金の事務的な話をしてしまってごめんなさい」と最後に一緒になって涙してくれた姿を今でも覚えています。
そうやって人の心に寄り添った姿を私はいつまでも覚えています。
その後、父が加入していたその生命保険で私たち家族の生活は救われ、食事や学校にも最低限困らない生活を送ることができました。
自分の経験をもとに、お客様の人生を左右する出来事に「保険」という形で寄り添って、お客様に安心と幸せを提供したいと思い、この仕事を志望しました。

ポイント

自分の体験を通して感じたその業界の仕事への感想が志望動機に率直につながっており、非常に分かりやすい例になっています。

お金や資産という人々の生活の基盤を支える仕事を、自分がその業界でどのように役立てるかをきちんと伝えられると、企業側も入社後のその人の姿が想像しやすく好印象につながります。

中には、金融業界に入って自分で経済を回したい、経済を活性化させたい、という志望動機を述べる人がいます。

しかし、経済を活性化させているのは金融業界だけではないため、志望理由としては弱い印象があります。

金融のどの業界のどの位置で、どのように活躍したいか、どのように役立てるかだけでなく、今後の金融業界の動向をこのグローバル社会と結び付けてを説明できると企業の心にも強く響くでしょう。

金融業界の志望動機の書き方についてはこちらの記事を参考にしてください

例文⑫:福祉業界の場合

福祉業界というと、高齢者や障碍者、子供たちをメインにケアやサービスを提供します。

少子高齢化、外国籍の福祉職員の導入、職員の負担軽減など様々な動きがありますが、自分がこの業界のどの分野でどのように力を発揮したいのかをしっかりと説明しましょう。

また、日本の将来や現在の日本の福祉業界の問題点を自分なりに考え、どのようにすれば問題解決に繋がるのかを自分なりの言葉で語ることも必要です。

ただ、人に役に立つ仕事がしたい、というよりしっかりとした動機づけがあると、他の応募者との差がついてきます。

例文

私は御社が運営する高齢者施設での就職を志望しています。
理由は、高齢者施設の中でもスポーツ事業部と関連して、高齢者の健康を心身ともに支える取り組みを積極的にしているという点に惹かれたからです。
私は、趣味でスポーツジムに通っているのですが、そこにはひと際目立つカリスマ的なインストラクターの先生がいました。
その先生が担当するクラスはハードな筋力トレーニングがあるのですが、いつも満員で、しかもその半数が70歳以上の高齢者の方でした。
レッスンを受けていて気付いたことがありました。
それは、ハードなトレーニングの中にも細かな気配りがあり、また話し方もとても丁寧で分かりやすく、ご高齢の方にも無理なく続けられるような指導の仕方にポイントがあるということです。
その先生に憧れ、将来の話をしたところ、その方は普段は御社に勤めており、健康指導やトレーニング指導などの業務のかたわらスポーツインストラクターとしてジムに派遣されていることを知りました。
元々、介護実習の経験があったことやお年寄りのメンタルと体の健康を支える仕事をしたいと考えていたため、スポーツジムでの出会いがきっかけで御社へ応募しました。
これから高齢者が更に増えていくなか、高い指導力とコミュニケーションスキルを磨いて、日本のお年寄りの健康寿命を延ばすお手伝いをしたいと思っています。

ポイント

実体験を通して、就職後に自分がどうなっていたいかのロールモデルがいるという点で、企業側にどんな人材を目指しているかが明確に伝わっています。

また今後日本の抱える問題にも触れ、どのように自分が関り、解決につなげていくかを触れている点も良いです。

【まとめ】志望動機の構成は論理的に組み立てましょう

志望動機の構成について見てきましたが、イメージはつかめましたか?

志望動機は読んだ人・聞いた人がスッと腑に落ちるように作る必要があります。

そのためには構成を論理的に考え、しっかりと練ることが大切です。

また話に一貫性を持たせることも欠かせません。

志望動機はすべての受験者が作るものです。

ライバルに負けないためにも、構成にはしっかりと時間をかけて、より良いものを作り上げてください。

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