ガクチカで協調性をアピールするには、ポイントを意識したうえで、より魅力的で完成度の高い内容にすることが重要です。
しかし特に初めてガクチカを書く場合は、どのように書けば良いのか、ポイントやコツがわからず困ってしまうことも少なくありません。
協調性は社会人として基本となる大事な能力なので、ガクチカを通じたアピールは、積極的に行っていきたいところです。
そこで今回は、ガクチカで協調性をアピールするときのポイント・注意点を解説していきます。
協調性をアピールするガクチカで何を書けば良いのかわからない…と困っている人は、ぜひチェックしてみてください。
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【協調性のガクチカ】そもそも協調性とは
ガクチカの中で協調性をアピールするには、そもそも協調性とはどのようなものなのか、理解を深めることが大切です。
協調性を効果的にアピールする中で、万が一認識を誤っていれば、的外れなアピールにつながってしまう恐れがあります。
一般的に「協調性」とは、周りの人と積極的に協力しながら、一つのことに取り組んでいく姿勢のことを指しています。
社会人として働く際は、周りにさまざまな価値観・考え方を持った人がいるため、それぞれ調和を取りながら行動していく必要があります。
そこで重視されるのが協調性であり、組織の中での行動が必要とされる仕事では、業種・職種問わず協調性は重要なものとされています。
協調性とイエスマンの違い
協調性と似ている概念の一つとして、イエスマンが挙げられます。
そのため協調性について取り上げる際は、イエスマンと混同しないように注意が必要です。
まず協調性は、自分の意見を主張しつつ周りの意見も尊重し、それぞれの意見を取り入れるなど建設的な議論を重ねていく姿勢を指します。
一方でイエスマンは、自分の意見は一切主張しないことが特徴です。
イエスマンは周りの意見に同調し、自分の意見を言わない・持たない人のことを指します。
よって、協調性とイエスマンには、自分の意見・主張があるかどうかの違いがあるのが特徴です。
協調性のある人は周りと協力しながら主体的な行動が取れますが、イエスマンは他人の意見・指示がすべてなので、主体的な行動を取ることはありません。
どちらも組織を円滑に回していくうえで必要な能力といえますが、傾向として、イエスマンは主体性が足りないことを指摘されがちです。
【協調性のガクチカ】協調性をガクチカにするのはあり?
ガクチカではさまざまな経験・学びをアピールし、企業に自分自身を売り込む必要がありますが、そのうえで協調性をアピールポイントとして選ぶのはどうなのか迷うところです。
結論からいうと、ガクチカで協調性をアピールすること自体は問題ありません。
お伝えしているように協調性は組織の中で必要とされる能力の一つであり、意見の違う周りの人と円滑にコミュニケーションを取るためには、協調性は高いに越したことはありません。
協調性をガクチカの中でアピールして良いか考える際は、下記の点をに目を向けておきましょう。
- 協調性を重要な能力として見ている
- 周りとの差別化が必要
では、詳細を解説していきます。
協調性を重要な能力として見ている
協調性は、就活におけるアピールで評価されやすい強み・能力の一つです。
会社という組織に属して仕事をしていく以上、一定水準以上の協調性は、どのような業界・職種でも求められるからです。
協調性があれば、周りに違った価値観・考え方・意見を持つ人がいても、うまく折り合いをつけながら組織の中で立ち回っていくことができます。
また、協調性のある人はコミュニケーション能力や気配りのスキルに長けていることも多いため、職場で良い人間関係を構築していけると期待してもらえるでしょう。
そのためガクチカなどで協調性をアピールすることは、高評価につながりやすいため、積極的に検討したいことといえます。
組織内で働くうえで、重要なスキルがすでに備わっているとアピールできるので、特にチームワークを重視する会社からは好印象を持たれるでしょう。
周りとの差別化が必要
協調性をアピールすること自体は、高評価につながる可能性を持っているため、重要なことです。
しかしながら、より効果的なアピールをするなら、周りとの差別化をしっかりと意識する必要があります。
協調性はある程度よく取り上げられる長所・強みの一つなので、ほかの学生と被ってしまう可能性があるからです。
差別化を考えずにアピールすると、ありきたりで定型文を読んでいるような印象にもなり、企業によっては「つまらない」という評価をする場合もあります。
結果、埋もれてしまう可能性もあり得るでしょう。
そのためガクチカで協調性を強みとして伝える際は、差別化を意識し、自分だけのオリジナリティを出すことが重要です。
オリジナリティを出すには、エピソードを具体的にしてインパクトを与えたり、表現方法に工夫を加えたりするなどの対策が望ましいでしょう。
せっかくのアピールが、ほかの学生との間で埋もれないように気をつけてください。
【協調性のガクチカ】採用担当者がガクチカに求めていること
ガクチカを作成する際は、まず、採用担当者が評価しているポイントやガクチカに求めていることなどを理解することが重要です。
事前に採用担当者が見ている部分について理解を深めておけば、採用担当者から評価されやすいガクチカが作成できるからです。
採用担当者がガクチカをチェックする際に求めているポイントは、以下の2つが挙げられます。
- 自身の役割
- 学んだこと
上記は完成度の高いガクチカを作成するうえで、必ず盛り込む必要のある要素です。
重要なポイントが抜けてしまうと、ガクチカを答えて自分自身の強みをアピールする意味がなくなってしまうでしょう。
では、求めていることを細かく解説していきます。
自身の役割
採用担当者はガクチカをチェックする際に、エピソードの中におけるそれぞれの役割を見ています。
ガクチカのエピソード内の役割・立ち位置からは、本人が組織やチームの中でどのような役割を果たし、どのような立ち回りをしたのかがわかるからです。
それは入社後の活躍の仕方につながるため、企業はガクチカを聞くことで、本人の入社後の活躍イメージを固めているといえます。
たとえば協調性を活かして、異なる意見同士をまとめたのであれば、入社後も職場で調和を取りながら行動していけると期待できるでしょう。
そのため協調性を伝えるガクチカの中では、成果のみを示すのではなく、自分自身の役割やそのときの思考を明らかにすることが大事です。
漠然と成果を書くのみでは、自分自身がどのような立ち位置で、どんな貢献をしてきたのかわかりにくいため注意が必要です。
学んだこと
ガクチカを聞く際に、採用担当者は本人がその経験を通じて学んだこと・得たことを評価の対象としています。
成果は同じでも、人によって学んだこと・得たことは異なり、そこから本人の人柄や価値観が見えてくるからです。
ガクチカでは、経験の内容そのものが重視されるのではなく、行動や考えたことなどのプロセスが重視される傾向にあります。
どれだけ華々しい経験をしていても、学んだことに触れていなければ、本人の考えや人柄などが見えてこないため興味を引くポイントがありません。
一方である程度のありきたりな経験でも、丁寧に学んだことに触れていれば、そこからは本人の人柄がつかめてくるでしょう。
結果、本人に興味関心を持ったり親しみを抱いたりするきっかけになるため、後者のほうが企業にとっては重要になります。
企業はガクチカにおける学び・気づきをチェックすることで本人の人柄に触れ、社風や理念とのマッチ度を確かめているのです。
【協調性のガクチカ】協調性をガクチカにするメリット
協調性をガクチカの中で伝える場合は、さまざまなメリットに期待できます。
そのため協調性をアピールすべきか迷っているときは、事前にメリットを整理しておくと良いでしょう。
主なメリットは、以下の3つです。
- 強みを具体的に示すことができる
- 人柄がよく見える
- 入社後も問題ないと判断される
協調性をガクチカでアピールすれば、上記のメリットを感じられることは多いため、場合によっては就活をより有利に進められる可能性もあります。
いずれも重要なメリットのため、前もってよくチェックしておきたいところです。
では、それぞれのメリットの詳細を解説していきます。
強みを具体的に示すことができる
協調性をガクチカでアピールする際は、強みを具体的に示せることが大きなメリットといえるでしょう。
ガクチカではエピソードを細かく説明していくため、その中で協調性という強みをわかりやすく伝えられます。
採用担当者も、その場面や行動している姿を想像しやすくなるでしょう。
ガクチカのエピソードは、具体的に書けば書くほど説得力が増すため良いといえます。
なおガクチカのエピソードは、基本的に、何かに力を入れる中で直面した課題を乗り越えた内容であることが大事です。
課題や困難を乗り越える際に、自分自身の協調性が活きた場合、どのくらい強みなのかがより具体的に伝わるということです。
採用担当者には「入社後もこのように活躍してくれるだろう」と感じてもらえる可能性が高いため、ガクチカで協調性をアピールするときは、より効果的なアピールの仕方を検討したいところです。
人柄がよく見える
協調性をガクチカでアピールすれば、人柄を明確に伝えられるというメリットもあります。
協調性は、人の性格やコミュニケーションスキルなどに関わる部分だからです。
人と建設的なやり取りができるということは、周りとの調和を大事にする人柄・性格だということが推測できます。
人柄の面でも、自社の社風に合っていると判断する企業は多いでしょう。
実際に、多くの企業はガクチカを通じて、それぞれの人柄を見ているものです。
特に日系企業の新卒採用の基準はポテンシャル・人柄が基本となるため、人柄の良さ・すでに働いている社員との相性の高さなどは、採否を決めるうえで重要なポイントになります。
よって、協調性などの人柄に関わる強みを伝えておけば、人柄が見えやすくなるため就活でも有利に働く場合があります。
入社後も問題ないと判断される
ガクチカで協調性をアピールすれば、企業からは、入社後も問題ないと判断してもらえる可能性があります。
企業にとって、入社後に上司や部下と良好な人間関係を構築していけるか、問題なくコミュニケーションを取っていけるかという点は重視するポイントです。
ガクチカをもって協調性があることをアピールすれば、そのエピソード内での行動のように、社内でも協調性を発揮してくれるだろうという期待感が生まれます。
たとえば我が強い人などは、強い主体性がある反面、周りと調和を図るうえでやや不安要素があるといえます。
集中力の高い人は、個人の仕事にばかり集中するせいで、チームワークを意識した行動・振る舞いに欠ける部分があるかもしれません。
しかし協調性のある人は、周りと積極的に協力することで業務を効率的にこなしていけます。
職場での振る舞いも問題ないだろうと判断されやすいため、就活では有利になる可能性も考えられます。
【協調性のガクチカ】ガクチカを作成する際のポイント
協調性は多くの企業で評価されやすい強みですが、ガクチカでアピールする際は、いくつかのポイントを押さえておきたいところです。
より効果的なアピールにつなげるには、良い評価を獲得しやすい内容を意識する必要があります。
ガクチカを作成するときのポイントは、下記の3つがあります。
- どのように貢献したのかを明確にする
- 結果を数字で示す
- 学んだことを簡潔にまとめる
ガクチカを書くうえで重要なのは、具体性や客観性、ほかには端的でわかりやすいことなどです。
これらを意識して内容を充実させれば、協調性とアピールのわかりやすさ、両方の面で評価につながる可能性があります。
では、書く際のポイントを具体的に見ていきましょう。
どのように貢献したのかを明確にする
ガクチカを書くときは、長所や強みを活かして、どのように貢献したのか明確に示す必要があります。
抽象的なアピールでは内容がわかりにくく、場合によっては「嘘なのでは」と疑われる要因にもつながるからです。
たとえば、単純に「協調性を活かして行動した結果、場の空気が良くなった」と伝えるのみでは、具体的に何を実践したのかがわからないでしょう。
そのため貢献・活躍の仕方について触れる際は、「協調性を活かして皆で協力しながら作業を進めることを提案した結果、場の空気が良くなり、作業効率も高まった」などのように具体的に述べることが重要です。
具体化する際は、実践した施策の内容、自分の立ち位置・役割などを明らかにすると良いでしょう。
貢献の仕方が明確になれば、採用担当者は状況をイメージしやすくなり、入社してからの活躍の様子も想像しやすくなるはずです。
結果を数字で示す
ガクチカを書くときは、数字やデータを積極的に用いて成果を述べるようにしましょう。
成果の内容によっては、具体的な数字・数値がないと、あいまいな表現に聞こえてしまう場合があります。
また、数字を使って内容を明確化させたほうが、状況をスムーズに把握できるというのもあります。
エピソードの内容を知らない第三者でも客観的な評価ができるため、どのくらいすごいのかという点が伝わりやすくなり、評価も高まる可能性があるといえます。
たとえば仕事の効率化を成果として触れるときは、単純に「仕事が効率化した」と伝えるより「作業時間が10分短縮され効率化につながった」などの伝え方のほうが望ましいでしょう。
数字を使って伝えられるときとそうでない場合は、成果の内容にもよりますが、可能な場合は積極的に数字を使う意識を持ちたいところです。
学んだことを簡潔にまとめる
ガクチカでは、経験したことやエピソードの内容自体が重視されるのではありません。
むしろ重視されるのは、エピソード内での自分の行動や考えであり、さらにいうとその経験を通じて得た学びの部分です。
学んだことは、つまり経験からわかることをまとめたものであり、学びを述べれば本人の論理的思考力が測れるでしょう。
論理的思考力は、さまざまな課題や困難を冷静に見極め、分析していくうえで必要な能力です。
どのような業種・職種でも、重要視されることは間違いないでしょう。
そのためガクチカで協調性をアピールし、具体的なエピソードを取り上げた際は、学んだことを簡潔にまとめましょう。
何を学び、何を感じたのかという点からは、本人のものの感じ方・とらえ方がわかります。
企業が本人の人柄を把握するうえでは重要なポイントになるため、ガクチカでは、学びについて触れることを忘れないでおきましょう。
【協調性のガクチカ】協調性をアピールする際の注意点
ガクチカで協調性をアピールするなら、誤ったアピール方法にならないように、複数の注意点に気をつける必要があります。
伝え方が良くないと、せっかく協調性をアピールしても、良い印象を持ってもらえない可能性があります。
具体的な注意点は、以下の3つです。
- エピソードを用いる
- 過大評価しすぎない
- 協調性以外の能力もアピールする
上記の点に注意したうえでアピールのコツを実践すれば、協調性をアピールするガクチカは良い内容に仕上げられるでしょう。
では、協調性のガクチカを書くうえで注意したいポイントをそれぞれ解説していきます。
エピソードを用いる
協調性を伝えるガクチカは、エピソードを用いて丁寧に説明していくことが大切です。
さらに伝えるエピソードは、シーンが想像できるくらい具体的なものであることが望ましいです。
エピソードがなければ、ガクチカの内容や協調性を活かしてきたことについて説得力がないからです。
説得力のないアピールは採用担当者の印象に残りませんし、ほかの学生との間で埋もれてしまう原因になります。
エピソードがあいまいでは、「本当に協調性を活かしてきたのか?」という印象を持たれてしまう場合もあるため注意が必要です。
そのためガクチカで協調性を伝える際は、自己分析の中で、これまでの経験をよく振り返ること・事細かに伝えられるエピソードを選ぶことが重要です。
どのような内容も抽象的では採用担当者に響かないため、具体的かつ丁寧なアピールを心がけましょう。
過大評価しすぎない
協調性を伝えるガクチカでは、自分自身を過大評価しすぎないことも大切といえます。
協調性などの強みがあれば、ガクチカで積極的にアピールしたいと感じるものですが、過大評価はかえって採用担当者からの評価を落とす原因になります。
たとえば、以下のようなパターンで、自分の力のみで課題を解決したとアピールするのはやや無理があります。
- 自分の力だけではなく、周りの働きかけもあったおかげで成果につながった
- 自分でも行動はしているものの、行動できたのは周りの指示があったおかげだった
上記のパターンでも、協調性を活かして立ち回ったことを伝えること自体は問題ありませんが、自分だけの力で…と過大評価するのは避けたいところです。
あくまで周りの働きかけがあったおかげで…と、謙虚な姿勢を見せることが大切です。
過大評価していることがわかると、「自分を客観視できていない」というマイナス評価につながる場合があります。
協調性以外の能力もアピールする
ガクチカで協調性をアピールする際は、協調性以外の能力もできるだけアピールしておくと良いでしょう。
協調性は多くの学生が就活の中でアピールする強みの一つのため、協調性を伝えるのみでは、ややアピールとして弱いからです。
協調性は団体生活の中で欠かせない能力ですが、何らかのコミュニティに属していればある程度は誰でも養われる能力ともいえるため、就活で強くアピールするならほかの能力もあわせて伝えておきたいということです。
とはいえ複数の強みを一度にアピールすると、内容がごちゃつくため、ほかにも能力が垣間見えるようにアピールする形がちょうど良いでしょう。
「〇〇と△△が強みです」といったように欲張った伝え方をしてしまうと、「結局どっちがメインなの?」という疑問が生まれ、アピールの内容が入ってこない場合があります。
【協調性のガクチカ】おすすめの構成
ガクチカで協調性をアピールするなら、構成を意識した文章の組み立てを学んでおきましょう。
わかりやすく、かつ論理的に大事なポイントを伝えられる構成をチェックしておけば、ガクチカは非常に書きやすくなります。
初めてガクチカを書く人、文章を書くのが苦手な人でも、構成があればスムーズにガクチカを作成できるでしょう。
おすすめの構成は、以下の流れのとおりです。
- 結論
- 理由や動機
- 具体例
- 入社後に貢献できること
最初に結論を述べたうえで内容を具体化して説明し、最後に貢献の意思表示をすれば、ガクチカの要点は伝わりやすくなります。
「内容が分かりやすい」という高評価にもつながりやすいでしょう。
では、重要なポイントを項目ごとに解説していきます。
結論
ガクチカで協調性をアピールするなら、まずは、結論を明確に伝えましょう。
結論を最初に述べれば、採用担当者がどのような内容のガクチカなのか把握しやすくなるからです。
どのようなアピールも、基本的に、結論を最初に述べる「結論ファースト」を意識することは非常に重要です。
はじめに結論を述べれば内容を把握しやすくなるだけでなく、具体的なエピソードについて、興味を引かせることもできます。
概要を伝えたうえで詳細を掘り下げていく…という流れで、話を丁寧に展開させていきましょう。
なお、逆に先にエピソードなどの詳細部分を述べてしまうと、何が言いたい話なのか採用担当者は理解しにくくなります。
結果として、「伝えたい内容がわかりにくかった」という評価を受ける可能性があるため、必ず最初は結論を端的に伝えるようにしましょう。
理由や動機
ガクチカで協調性を伝える場合は、はじめに結論を伝えたうえで、次に理由や動機を述べていきます。
理由や動機は、結論部分である「ガクチカの内容」を軽く補足する部分なので、ここで第一段階として詳細に興味を引かせることができます。
どのような理由・動機から何を考え、行動に至ったのかを説明しましょう。
理由や背景、行動を起こす際に考えたことは、自分自身の人柄や価値観、興味関心を採用担当者に知ってもらううえで重要です。
採用担当者は、就活生一人ひとりの人柄や価値観について理解を深めたうえで、自社に合うかどうかを判断しています。
ガクチカは、自分自身が積極的に興味を寄せたり主体的に動いたりしてきたことなので、ほかの質問と比べて特に人柄や価値観がわかりやすい内容といえます。
そのため理由や動機の部分は、自分の人柄・価値観・考え方が伝わるように、具体的に述べるようにしましょう。
具体例
理由や動機を述べたあとは、次に、具体例を述べていきます。
ガクチカにおける「具体例」とは、つまりエピソードのことを指しています。
ガクチカでは経験したことや力を入れてきたことの内容そのものより、プロセスが重要だと考えられるため、エピソードは具体的かつ丁寧に伝える必要があります。
エピソードの中で、基本的に盛り込みたい要素は以下のとおりです。
- どのような課題があったのか・当時の状況
- 課題と直面して自分自身が考えたこと
- 課題解決のために行動したことの内容
- 行動した結果、どのような結果に至ったか
このように、状況の詳細がわかるように丁寧に伝えることが大切です。
また、採用担当者がさらに詳細を理解できるように、数字やデータを用いて説明することも積極的に意識しましょう。
入社後に貢献できること
ガクチカでは、最後の結びに、入社後に貢献できることを伝えることが大事です。
単純にガクチカの内容を述べるだけではアピールとして弱いため、最終的に、仕事でどう活かせるのかしっかり伝えていきましょう。
流れとしては、ガクチカの経験から学んだこと・得たことをまとめたうえで、その学びを入社後にどう活かしていきたいのか述べるかたちです。
協調性の場合、その強みを活かして何を成し遂げたいのか、どのような人材として貢献したいのか具体的に伝えることが重要となります。
アピールの仕方が抽象的だと、定型文のような締めくくりになってしまうため、採用担当者からは「うちでなくても良いのでは」という印象を持たれる可能性があります。
そのため、貢献できることを具体的に伝えるには、事前の企業研究が欠かせません。
企業が従業員に求める業務内での動き、人物像などを整理したうえで、その企業に合うアピールをしていきましょう。
【協調性のガクチカ】協調性をアピールする例文
では、最後に、協調性をアピールできるガクチカの例文を紹介していきます。
例文をチェックすれば、文章の構成や流れ、具体的な表現方法などを参考にすることができます。
「いきなり自分で書くのはハードルが高いので、まずは例文を見ておきたい」という人は、ひと通り例文に目を通しておきましょう。
今回ピックアップする例文は、以下3つの内容の例文です。
- チーム目標達成のための積極的な貢献
- 多様な意見を尊重したリーダーシップ
- 困難な状況下での協調性
いずれも協調性をアピールできるガクチカの例文のため、ガクチカで協調性を強みとして伝えたい人は、ぜひ参考にしてみてください。
チーム目標達成のための積極的な貢献
私が大学時代に力を入れたことは、大学祭実行委員として、大学祭準備のためにチームワークを発揮したことです。
私は幼い頃から団体スポーツを習っていたこともあり、チームで一つのことを成し遂げることに喜びを感じていました。
実行委員に参加したのもそのためでしたが、大学祭のイベント企画には多くの意見が集まり、最初のうちは企画候補が決まらない日が何日も続いていました。
そこで私はそれぞれの企画の良い部分をヒアリングしたうえで、期限を決めて意見をまとめていこうと提案しました。
結果、企画は無事にまとまり、ほかのメンバーからは積極的に異なる意見をまとめてくれたことが良かったと褒めていただきました。
私はこの経験を機に、協調性やチームワークの大切さを学んだため、将来は異なる意見を持つ人同士で協力し合い、目標達成を目指す経験を積極的に積んでいきたいと考えました。
今後御社に入社した際は、チームワークを発揮することで、営業目標達成に向けて貢献できる人材でありたいと考えています。
多様な意見を尊重したリーダーシップ
私は大学生活の中で、国際交流サークルの活動に力を入れ、異文化理解の姿勢とコミュニケーション能力を向上させてきました。
授業を通じて国際交流について学び、自分自身でも交流の機会を増やしたいと感じたため、サークルには精力的に参加し、リーダーも務めました。
先日はイベント企画・運営に携わったのですが、イベント開始当初は、同じ国籍同士のメンバーで固まってしまうことが多いことが課題でした。
そこで私は、自ら行動して国籍の異なるメンバー同士でグループを作ることを提案し、お互いの文化について語り合う時間を設けました。
結果、イベントは成功し、参加した留学生からは「多様な意見を持つ人同士で積極的に会話ができるようにしてもらったことが良かった」と好評をいただきました。
私はこの経験から、多様な意見を尊重したうえで積極的に意見を交わすことの大切さを認識しました。
御社に入社した際も、鍛えてきた異文化理解力やコミュニケーション能力を活かし、海外のお客様との取引を成功に導きたいと考えています。
困難な状況下での協調性
私は大学生活の中で、サッカー部の活動に力を入れてきました。
力を入れたいと考えたのは、レギュラー争いに負けてしまった経験から、自分でも何か部のためにできることはないかと考えた結果、不足していたチームワーク向上に貢献したいと考えたためです。
当時、私の所属するサッカー部はチームワークがあまり良くなく、それぞれがやりたいように練習する日々が続いていました。
レギュラーを勝ち取るためには、そういった足りない部分を補う行動も必要だと私は考え、それぞれ役割を決めたうえでチームを意識した練習をすべきだと提案しました。
そのうえで私は自らサポート役を買って出て、チームの皆が練習しやすい環境を整えることで、チームを意識した行動の良さを知ってもらおうと試みました。
結果、部のチームワークは向上し、全体の士気も高まったため、先日の大会では今までで最も好成績である地区3位入賞を記録することができました。
そのうえで私も先日はレギュラー入りを果たしたため、困難な状況でも協調性を発揮し、目標達成に向けて努めることの重要性を実感いたしました。
御社に入社した際も、培った協調性を活かしてチームワークを向上させ、新規事業で成功を収めたいと考えています。
【協調性のガクチカ】まとめ
協調性を伝えるガクチカは、社会人として重要なスキルをアピールできるため、高評価につながる可能性に期待できます。
そのためガクチカでアピールする内容に迷ったときは、協調性を選ぶことも重要といえるでしょう。
ただし、協調性はありきたりなアピールポイントともとらえられがちなので、ほかの学生との差別化や内容のわかりやすさなどは積極的に意識したいところです。
企業に響くアピールにするために、企業が求める人物像に合う内容に仕上げることも、ガクチカで大事なポイントとして押さえておく必要があります。
協調性をより効果的にアピールできるガクチカを作成し、内定獲得につなげましょう。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート