就活で企業からよく聞かれる質問のひとつが、就職後の意気込みです。
面接で聞かれることが多いだけでなく、企業によってはエントリーシート提出の時点から、意気込みを書く欄を用意していることもあります。
いつ質問されても回答できるように、しっかりと対策しておきましょう。
この記事では、就活で企業に好印象を与えられる意気込みの答え方を、元人事である筆者が徹底解説します。
これからエントリーシートを書く方、就職面接を受ける予定がある方は、ぜひ参考になさってください。
- エントリーシートで意気込みを伝えるコツ
- 意気込みを効率的に伝えるコツ
- 意気込みを書く際の注意点
- エントリーシートで好印象を残したい人
- 好印象を与えたいと考えている人
- 好印象を与えるための例文
目次[目次を全て表示する]
【意気込みの例文】意気込みはとても重要!
就職活動において意気込みが重要な理由は、書き方や話し方によって、応募者の印象が大きく左右されるためです。
意気込みの役割は、入社後にどういった仕事を志望しているかを伝えるだけではありません。
その方が仕事に対してどう向き合うのか、どのような人柄をしているかも、意気込みから見えてきます。
上手にアピールできれば好印象を与えられますが、企業が求める意気込みのあり方とマッチしていなければ、能力が高くても書類や面接で落ちてしまう可能性があります。
就活では面接やESでよく求められる
就活では、意気込みを求められる場面が多く存在します。
最も求められることが多いのは面接です。
- 「今後の意気込みをお願いします。」
- 「一言で意気込みを教えてください。」
どれだけ就職後の活躍や昇格に向けて意気込むことができるか、という点が評価されています。
どんな意気込みが求められているのか、この記事ではまだまだ解説します。
【意気込みの例文】企業が意気込みを聞く理由
まずは、企業がなぜ応募者一人ひとりに意気込みを聞くのか考えてみましょう。
企業が質問する意図を知れば、どのように答えるべきか考えやすくなります。
多くの企業が意気込みを質問するのは、応募者の志望度の高さ、入社後のポテンシャルを確認したいためです。
そのほか、学生の就職活動や企業に対する本音を聞きたいことも理由のひとつになっています。
ひとつの質問でさまざまなことを知れるため、多くの企業が応募者に意気込みを尋ねるのも当然と言えるでしょう。
志望度の確認
多くの企業が、就職活動で意気込みを尋ねる主な理由が、志望度の確認です。
企業が採用活動で避けたいのは、企業と応募者のミスマッチや、新入社員の早期退職です。
そのため、能力が高いだけでなく、本当にその企業を第一志望にしている方を採用しようとします。
入社の意気込みをどれだけ具体的に書けるかは、その方の志望度を示すポイントのひとつです。
ただ「がんばります」としか伝わらない回答では、本当にその企業を第一志望にしているのか疑われても仕方ありません。
入社後のポテンシャルの確認
企業が意気込みを聞く次の理由が、入社後に活躍できるだけのポテンシャルを持っているか確認するためです。
意気込みだけを書く際は、学生時代の実績やスキルを踏まえて「このように活躍したい」と具体的に示すのが良いでしょう。
ただ活躍する自信があると意気込みを書いても、応募者のことを知らない採用担当者に対して説得力を持ちません。
「自分は○〇のスキルを持っているので、採用してもらえれば○○の活躍ができる」という形で意気込みを示す必要があります。
学生の本音を聞くため
選考を受けるにあたって、多くの学生は志望動機やガクチカの答えを準備していますが、入社後の意欲まで用意している方は多くありません。
そのため、学生が本当にその企業を第一志望にしていて面接の準備をしっかりしてきたか、学生の本音を探る意図を持つ質問として、意気込みを聞く場合があります。
本当にその企業を第一志望にしているなら、入社後にどのような仕事があるか、企業がどういった活躍を求めているかが頭に入っているでしょう。
その企業の仕事にマッチした意気込みを答えられれば、企業からの印象はぐっと良くなります。
インターンシップの選考で意気込みを聞く理由
就職活動では、本選考以外に、インターンシップで意気込みを聞かれることもあります。
ここで企業が意気込みを聞くのは、できるだけやる気のある学生を集めて、企業にとっても学生にとっても有意義な時間にするためです。
また、長期インターンシップでは、実際に仕事を体験させてもらえる代わりに、強い責任感を持って参加することを求められます。
1dayの企業説明会に近いインターンシップでは意気込みは必要ありませんが、複数日にわたって実施される中長期のインターンシップでは、意気込みが重要になります。
インターンシップでどのように意気込みを書くかは、こちらの記事でより詳しく解説していますので、これからインターンシップ向けの意気込みを用意したい方は、ぜひ参考になさってください。
【意気込みの例文】内容のポイント
就活において今後の意気込みについて聞かれた際の回答のポイントは大きく分けて2つ存在します。
以下の2点を意識した上で回答を準備しておくと、マイナスな印象を与えるリスクを最小限におさえられます。
ぜひ、意気込みについて聞かれた際、慌てて回答しないためにも、ある程度下書きのようなものを作成し、頭の中に入れておきましょう。
差別化をする
まず、他の就活生と差別化をすることが非常に重要です。
就活において他の就活生との差別化を図るためには、自分独自の意気込みを明確にすることが重要です。
ありきたりな内容や一般的なフレーズではなく、自分の志望動機や自己PRと一貫性のある、そして具体的な意気込みを述べることで個性と真剣さを伝えられます。
まず、これまでの自分の経験やスキルを振り返り、それがどう企業のビジョンやミッションと結びつくかを考えましょう。
そして、その上で回答を作成することをおすすめします。
例えば「私は大学時代、ゼミのプロジェクトを通じてリーダーシップを磨きました。
この経験を活かして、御社の新規プロジェクトでチームを率いて目標達成に貢献したいと考えています。
:などと述べると良いです。
自分の具体的な経験をもとにした意気込みは、他の就活生との差別化を図る大きなポイントとなるからです。
企業に適した物にする
企業に適したものにするというのも非常に重要です。
応募する企業の特性や文化に合わせた内容を作成するようにしましょう。
企業は就活生の意気込みから、入社後の適性や貢献度を判断しようとしています。
したがって企業のニーズや価値観に合った意気込みを述べることで、企業との適正度をアピールすることが大切なのです。
企業のミッションやビジョン、価値観についてしっかりと調べ、それに基づいて自分の意気込みを具体化しておきましょう。
例えば、顧客満足度を重視する企業においては、「顧客第一の精神を持ち、業務を通じて顧客満足度の向上に貢献する」などといった話をすると良いでしょう。
このように、企業の価値観に沿った意気込みを示すことで、企業にとって魅力的な人材であることを強くアピールできます。
【意気込みの例文】意気込みを考える前にやるべきこと
次に、意気込みを書く前にやるべき2つのことである「企業研究」「自己分析」をご紹介します。
いきなり意気込みを考えても、なかなか企業に好印象を与えられる文章は作れません。
まずはしっかり準備をしてから、意気込みを書きましょう。
企業研究
業界や職種での単位ではなく、企業単位での意気込みを伝える必要があります。
そのため、なぜ競合他社でなくその企業なのかを、明確に説明できなければなりません。
志望企業が優れているところはどこか、その企業でなければ実現できないことは何かを整理しましょう。
意気込みを書き始める前に、企業のホームページやパンフレットなどをチェックすることが大切です。
しっかりと企業研究をおこなうことで、「熱意があり志望度が高い学生」という評価を得やすくなります。
自己分析
就職活動で意気込みを書くにあたり、企業研究と並んで大切なことが自己分析です。
自分が入社後に活かせるスキルや強みが何か、しっかりと深掘りしておきましょう。
性格的な長所より、スキルや強みをアピールしたほうが直接的に貢献でき、将来的に活躍できるイメージを与えやすいです。
もちろんスキルや強みだけでなく、自分がその企業で何をしたいかも深掘りしておく必要があります。
その企業で実現できるキャリアプランも、あわせてしっかり確認しておきましょう。
【意気込みの例文】意気込みに含めるべき内容
意気込みは志望動機に近い質問のため、どうしてもある程度内容が重なることがあります。
内容が重なっても構いませんが、より深みを出せるよう、しっかり肉付けすることが大切です。
なぜその企業を選んだのか、どう活躍したいのかを具体的に述べましょう。
なぜその企業がいいのか
就職活動で意気込みをアピールする才は、なぜその企業がいいのか、納得してもらえる理由を話しましょう。
とくに注意すべきなのは、「その意気込みは他社でも実現できるのではないか」といった疑問を持たれないようにすることです。
単に「人間的に成長したい」「一刻でも早く仕事を覚えたい」といった意気込みでは、良いアピールにならない可能性があります。
その企業が本当に第一志望であることがわかる理由を、しっかり考えておきましょう。
独特の社風や業務内容など、競合他社と差別化できるところがないか探してみるのがおすすめです。
どう活躍したいのか
自分のスキルや強みをどのように発揮できるのかにくわえ、どのように企業に貢献できるかを示すことも大切です。
「このような成果を出したい」と述べるだけでなく、「学生時代に得たスキルを活かして」「自分の○○という強みを発揮して」といった文をくわえると説得力が増します。
たとえば「コミュニケーション能力を活かして営業で貢献する」「聞き上手な強みを活かして顧客の声を反映したマーケティングをする」など、自分の強みと貢献したいことを関連させて伝えましょう。
【意気込みの例文】意気込みを効果的に伝える構成
続いて、就職活動で意気込みを書く際に、熱意を効果的に伝えやすくする構成をご紹介します。
内容が素晴らしくても、しっかりと相手に要点や真意が伝わらなければ意味がありません。
基本的な文章構成をしっかりマスターしておきましょう。
結論
意気込みを述べる際、最初に書くべきなのが結論です。
志望動機と内容が重なる部分もありますが、「なぜその企業に入りたいのか」「どういった形で貢献したいのか」を述べましょう。
最初に結論を述べることは、話の要点が相手に伝わりやすくなる効果があります。
論理的な文章構成や話し方である印象も与えやすくなるため、日本語力やプレゼンテーション力をアピールするのにも役立つでしょう。
意気込みだけでなく、志望動機や自分の長所などを述べる際にも、結論から伝えるとより効果的です。
根拠
結論の次は、なぜその企業や業界に興味を持ったのか、企業のどの部分に魅力を感じているかなど、結論を補足する根拠を述べます。
ここでは競合他社にも当てはまることではなく、その企業が本当に第一志望であることを示せる理由を入れられると効果的です。
たとえば「地域に貢献できている」「顧客を大切にしている」といった理由では、ほかの企業でも当てはまる可能性が高いでしょう。
企業理念やその企業独自のサービスなど、さらにその企業にフォーカスした理由がおすすめです。
入社後どう貢献するか
結論の根拠を述べた後は、自分の強みを述べたうえで、どういった形で企業に貢献したいかを示します。
アピールしたい強みと貢献したい内容をしっかり関連させ、自分が入社後に活躍している姿を、採用担当者にイメージしてもらいやすくしましょう。
そのためには、入社後に新入社員がどういった仕事を任せられるか、どの役割を期待されているかなどを知っておかなければなりません。
しっかり企業研究をしていない限り、なかなか良いアピールにつなげられない部分でもあります。
【意気込みの例文】意気込みを述べる際の注意点
次に、意気込みを書く際の注意点を2点ご紹介します。
意気込みを伝える際に重要なのは、伝わりやすさです。
内容が良くても、何を伝えたいのかわからない文章では意味がありません。
文章力に自信がない場合は、就活を始める前に文章を書く練習をしておくのがおすすめです。
専門用語は使わない
意気込みの項目では、自分のスキルや強みを書く必要がありますが、そのスキルを書く際に専門用語を使うのはあまり好ましくありません。
エントリーシートを読む方や面接官が、そのスキルや資格に詳しいとは限らないためです。
とくに、複数の職種で応募者を集めている企業の場合、希望職種以外の方が採用担当になっている可能性もあります。
誰にでも伝わりやすく、簡単な言葉を使って意気込みを伝えるようにしましょう。
どうしても専門用語を使わないと説明が難しい場合、その用語を短く説明して補足するとより丁寧です。
一文を短くする
「私は学生時代に○○のアルバイトをしていて、○○では××に努めており、××の経験を活かして御社に貢献したいです」のような、長い文章は好ましくありません。
一文が長いと、どこに注目すべきか聞き手にとってわかりにくくなるためです。
同じ内容を書くなら「私は学生時代に〇〇のアルバイトをしていました。
そこでは××に努めたことで××という良い結果を残せました」と短い文に区切るほうが好ましいです。
一文に読点が何度も必要になる文は避け、句点で文を区切りましょう。
ネガティブな内容は避ける
意気込みについて聞かれた際、ネガティブなことを話す就活生は基本的に良い印象を持ってもらえないと覚えておきましょう。
意気込みの部分は就活生の前向きな姿勢や入社後のビジョンを示す場であり、ネガティブなことを話す場ではありません。
例えば、「以前の職場では上司との関係がうまくいかなかったので、御社では慎重に仕事を進めたい」などと言ってしまうと、あなたが問題を引き起こす人物であると思われてしまいます。
それだけでなく、前向きな話をする場所であるにもかかわらず、わざわざマイナスの話をする、非常に印象の悪い人材であると思われてしまいます。
したがって、ポジティブな経験や自己成長に焦点を当てて意気込みを述べるようにしましょう。
【意気込みの例文】好印象を与える意気込みの例文
次に、企業の採用担当者に好印象を与えられる意気込みの例文を2つご紹介します。
ESに意気込みを書く場合、面接で意気込みを話す場合の2例ですが、どちらも結論から切り出し、入社後どのように貢献したいかまで踏み込んで述べている点は共通しています。
ESに意気込みを書く場合
それは私が大学で、中小企業が抱える課題について学んだことが大きな理由です。
日本は中小企業が多く、その課題を解決し安定した経営状態に導くことが、経済発展の鍵を握っていると考えさせられました。
貴社の〇〇というサービスは競合他社にない、〇〇や〇〇といった長所を備えているのが魅力です。
このサービスをより広く知ってもらい、中小企業に利用してもらいたいと思っております。
私は〇〇部で部長となり、部員の悩みを聞きまとめる役割を担ってきました。
チームの心をひとつにしたことで全国大会に出場できた経験を糧に、社会人となってからもSEとして顧客の抱える問題に寄り添い、貴社の事業に貢献したいです。
面接で意気込みを述べる場合
御社は〇〇を製造販売している企業の中でも、とくにユーザー目線での使いやすさと安全性を強く意識しています。
そのことをしっかりと打ち出し、より多くの企業に使ってもらうことが働く方のためになると考えました。
私は大学時代、お客様との距離が近い個人経営のカフェで働き、幅広い年齢層の方とコミュニケーションを取るスキルを磨いてきました。
営業職は、これまで鍛えてきたコミュニケーション能力を活かせる職種だと思います。
入社して一緒に仕事をする機会を与えていただけるのであれば、傾聴することと伝えること、どちらもしっかりとこなせる営業社員になり貢献したいです。
「一言で意気込みを教えてください」の回答例文
入社後は、私のコミュニケーション能力を活かして社内の雰囲気を形作る一員になれるよう頑張ります。
入社後は、私の部活動で培ってきた粘り強さを活かして成果が上げられるまで努力を惜しまない所存です。
入社後は、同期の中での一番早い昇格を目指し、意気込んで活動していきます。
「今後の意気込みを教えてください」の回答例文
今後は、入社に向けて資格取得に励んでまいります。
入社後最速で活躍したいと考えているため、私の目標とする幹部への昇格のためにも、いちはやく成果を出し、力をつけるための資格取得の勉強に時間を使い、入社に備えたいと考えています。
また、入社後は培ったスキルや知識を活かし、同期の中で最も早く成果を上げられるよう、努力を惜しまず邁進します。
【意気込みの例文】意気込みは見なおしが大事
意気込みの文章を書類に書くときは、書いた後にしっかり見直すことが大切です。
その際は自分で確認するだけでなく、他の方にも読んでもらうことをおすすめします。
書いた本人がわかりやすいと感じた文章でも、他の方から見ると読みにくさを感じる可能性もあるためです。
自分で確認する際のポイント
自分で書いた文章を確認する際のポイントは、結論から書けているかにくわえ、一文が長すぎないか、難しい専門用語を使っていないかなどです。
もちろん、誤字脱字がないかも確認しなければいけません。
また、日本語の文法がおかしくなっていないかも確認しましょう。
PCで書類を書いて提出する場合、漢字の変換ミスがないかも注意する必要があります。
ただ目で文章を追うだけでは気づけないこともあるので、実際に声を出して文章を読んでみるのがおすすめです。
他の人に確認してもらうポイント
家族や友達、大学のキャリアセンター職員といった方に、自分の書いた文章を確認してもらうのもおすすめです。
第三者の目を通してチェックしてもらうことにより、さらに好印象を与える意気込みを書きやすくなります。
わかりにくい部分はないか、要点がどこなのか、しっかりと伝わるか聞いてみましょう。
意気込みを述べる文章では、熱意や意欲を感じるものになっているか聞くことも大切です。
日本語に問題がなくても、ありきたりで熱意が伝わりにくい文章になっている可能性もあります。
就活エージェントを活用しよう!
他の方に文章を読んでもらうのであれば、就活エージェントの活用がおすすめです。
就活エージェントのスタッフは就活に精通したエキスパートであるため、人事目線でのさまざまなアドバイスをもらえます。
書類の添削や面接対策をしてもらえるだけでなく、自分の希望にマッチする企業の紹介など、就活に役立つサポートを無料で受けられます。
意気込みを書く際は就活サイトだけでなく、ぜひ就活エージェントにも登録しておきましょう。
まとめ
就職活動でよくされる意気込みの質問は、応募者の志望度や熱意を確認する目的でおこなわれることが多いです。
そのため、単に「がんばります」と伝えるだけでなく、企業についてよく調べていること、自己分析がしっかりできていることを示す必要があります。
入社後にどのような活躍を見せてくれるのか、採用担当者が具体的にイメージできる文章になっているのが理想です。
作った文章を他の方に見せ、自分の働きぶりが想像できる文章になっているかどうかをチェックしてもらいましょう。
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