「面接で尊敬する人を聞かれた際はどう答えたら良いの?」
「面接で尊敬する人を聞く理由を知りたい!」
「面接で好印象を与える尊敬する人の伝え方は?」
このように就活の面接でよく聞かれる「尊敬する人」について、どう伝えれば好印象を与えるのかが分からないという人もいるでしょう。
本記事では、就活の面接で頻出する「尊敬する人」への好印象な答え方をまとめました。また、例文もいくつか紹介しているため、どのように答えればいいか悩んでいる方の参考にもなるでしょう。
この記事を読むことで「尊敬する人」について聞かれた際も、困ることなく回答できるでしょう。他の就活生に差をつけるような答えを考えたいという人は、ぜひご覧ください。
目次[目次を全て表示する]
面接で「尊敬する人」を聞くのは禁止されている?
就活の面接で「尊敬する人は誰ですか?」という質問を受け、悩んだこともある就活生は多いものです。
この質問について、法的な観点と実際の就活場面での対応について解説します。
面接で思想や信条にかかわる質問はタブー
「尊敬する人」を尋ねる質問は、応募者の思想や信条に関わる可能性があります。
法律上、企業が採用選考時にこのような質問をすることは望ましくありません。
なぜなら、応募者の思想や信条に基づいて合否を決めることは、職業選択の自由を侵害し、差別につながる恐れがあるからです。
例えば、特定の政治家や宗教家を尊敬すると答えた場合、それが採用の判断材料になってしまう可能性があります。
そのためこの質問が公平な採用選考の原則に反する質問として、企業側も慎重になるべきとされています。
答えられるのであれば答えるのがよい
しかし実際の面接では、この質問が完全に禁止されているわけではありません。
多くの場合、面接官はあなたの人柄や価値観を知るための一つの質問として尋ねている可能性が高いのです。
もし答えられる準備があれば、政治的・宗教的な人物は避け、一般的な著名人や身近な人物を選ぶとよいでしょう。
その人を尊敬する理由を具体的なエピソードと共に説明し、その人から学んだことや自分のキャリアにどう活かしたいかを述べることで、あなたの価値観や目指す姿勢を前向きにアピールできます。
ただし、答えたくない場合は、「特定の一人というよりも、様々な人から学びを得ています」といった一般的な回答で穏やかにかわすこともできます。
企業側もこの質問の適切さを認識していることが多いので、自分の判断で適切に対応することが大切です。
面接で「尊敬する人」を聞く理由
「尊敬する人」を聞かれた際の答え方について考える際は、なぜ企業側は「尊敬する人」について質問するのか考えてみましょう。ここでは、面接でよく聞かれる「尊敬する人」を聞く理由について紹介します。
回答を考える際は理由や意図をよく理解したうえで作成すると、説得力がある内容に仕上げられるでしょう。
応募者の考え方が知りたい
どんなにスキルがあり優れた人であったとしても、企業の考え方とマッチしていないと早期退職などのミスマッチにつながります。
企業側としては、自社と同じような考えや価値観を持っている人を採用したいと考えているため、「尊敬する人」とその理由を聞くことであなたの考え方や価値観を知ろうとしています。
企業側としては、さまざまな質問を通してあなたの人となりを確認していると言えるでしょう。
理想の人物像が知りたい
「尊敬する人」はあなたが目標としている人です。企業側は「尊敬する人」という質問を通して、あなたがどういった人を理想とし、目標としているかを知ろうとしています。
「尊敬する人」について考える際は、その企業がどういう人物を求めているのかを研究したうえで、尊敬する人物や理由を考えていくのも良いでしょう。
ここでミスマッチを起こしてしまうと、どんなに素晴らしい回答であっても採用に届かない可能性も出てくるため注意しましょう。
自社にマッチしているかを知りたい
「尊敬する人」の質問を通して、あなたの人となりや価値観を確認するだけでなく、自社と同じような考え方や価値観を持っているかどうかも見極めています。
企業側としては同じような考えがある人に働いてほしいため、「尊敬する人」の回答を通して、自分が企業と同じような価値観を持っていることをアピールできるような内容にすると良いでしょう。
「尊敬する人」は偉人や有名人のほうがいい?
「尊敬する人」を答える際、必ずしも偉人や有名人を選ぶ必要はありません。
重要なのは、あなたの価値観や目指す姿勢を効果的に伝えることです。
ここでは、身近な人を選ぶ場合と偉人や有名人を選ぶ場合のポイント、そして避けるべき話題について解説します。
身近な人を選ぶなら具体性が重要
身近な人を「尊敬する人」として挙げる場合、具体性が鍵となります。
なぜその人を尊敬するのか、どういった部分に感銘を受けたのか、そしてそれを自分のキャリアにどう活かしたいのかを明確に説明しましょう。
例えば、「高校の恩師の粘り強さと生徒への愛情に感銘を受け、私も人々の成長を支援できる仕事に就きたいと考えるようになりました」といった具体的なエピソードは、面接官に好印象を与えやすいでしょう。
偉人や有名人を選ぶ場合は好感度・知名度に注意
偉人や有名人を選ぶ場合は、その人物の社会的評価や知名度に注意が必要です。
一般的に尊敬されている人物を選ぶことで、面接官との共通認識を持ちやすくなります。
しかし、ヒトラーやスターリンなど、争議を呼ぶ可能性のある人物は避けましょう。
また、あまりにもマイナーな人物を選ぶと、面接官に説明を求められる可能性があります。
選んだ理由と自分のキャリアとの関連性を簡潔に説明できる人物を選ぶのが賢明です。
面接で評価される「尊敬する人」の回答方法
尊敬している人を質問された際に上手に回答するコツについてお話します。
尊敬している人を面接時に質問されることはそれほど多くはありませんが、いざ急に質問されると咄嗟に回答することは難しいです。
ある程度回答する際のポイントを押さえておきましょう。
尊敬する人の概要を示す
尊敬する人を回答する際には、簡潔に尊敬する人の概要を示しましょう。
あなたにとって尊敬する人のことを必ずしも他の人が知っているとは限りません。
そのため、ある程度説明をする必要があります。
しかし、面接において尊敬する人を質問した企業は、尊敬する理由や学生の目標などに興味があります。
そのため尊敬する人の説明はできるだけ簡潔に一言でまとめましょう。
尊敬する理由を明確に
尊敬する理由はできるだけ自分の人柄と絡めて伝えましょう。
企業は尊敬する人を質問する際に、学生の人柄を知りたいと考えています。
そのため、尊敬する人のどこを尊敬するのか、またその人からどのような影響を受けたのかなど、具体的に説明できると良いです。
自分がどうなりたいか伝える
尊敬する人のことをただ尊敬するだけではいけません。
尊敬する人に影響されて自分がどうなりたいか伝えるようにしましょう。
どのような社会人になりたいか、入社後どのように活躍したいかなどを伝えることで、企業があなたと働くことを想像しやすくなります。
尊敬する人の回答で好印象を獲得するポイント
尊敬する人の回答で好印象を獲得するポイントについていくつかお話します。
尊敬する人を回答する際のポイントは以下の2つです。
企業に合った特徴を持つ人物を選ぶ
面接で尊敬する人を回答する際には企業に合った特徴を持つ人物を選びましょう。
あくまで面接の一環ですので企業の社風とマッチした人物を選ぶと好印象です。
企業とマッチ度の低い特徴の人をアピールすると企業研究が足りない、企業に合わないという印象を抱かれてしまう可能性があります。
企業ごとに尊敬している人を回答する人との相性を考えましょう。
他の回答と一貫性を持たせる
尊敬している人の回答は、他の回答とのつながりも意識することで高評価につながります。
他の回答との一貫性を持たせることであなたの人柄がより企業の印象に残りやすくなります。
例えば、長所で計画性をアピールして、尊敬している人で計画性があり真面目な人を回答すると、長所の回答を印象付けることができます。
反対に、短所と絡めて話すのもいいです。
短所が「ルールに縛られすぎてしまう」などの場合、臨機応変な対応力や奇想天外な発想力を持っている人などを尊敬する人として回答すると一貫性をもって人柄をアピールすることができます。
面接で「尊敬する人」を答える時の例文
「尊敬する人」も見つかり、伝え方のポイントを理解したとしても、回答の文章をうまく作れないという人もいるでしょう。ここでは、面接で「尊敬する人」を答える時の例文をいくつか紹介します。
例文はあくまで参考にし、実際に答える際は自分のオリジナルの文章で答えるようにしましょう。
父を尊敬している場合
私が尊敬する人は、父です。父は、毎日遅くまで仕事をしながら家族を支えくれ、休日になると私との時間もたくさん作ってくれました。
私は父とキャッチボールをするのが大好きでしたが、今考えると日々の仕事で疲れていたうえに家族との時間も作っていたため、自分の時間は全くなかったのではないかと感じます。
しかし父は愚痴一つ言わず、常に温かい笑顔で家族に接してくれました。私も父のように器の大きい男になり、誰かのために働けたらと考えています。
母を尊敬している場合
私は、母を尊敬しています。私は3人姉妹の長女です。母は私たち3人の子育てをしながら、家計のために仕事もしていました。毎日朝から晩まで休むことなく働いていた姿に、母の偉大さを感じています。
母は忙しい日々にもかかわらず、常に笑顔で愚痴一つ言うことはありませんでした。私も母のようにどんなに大変な日々でも、目の前の仕事をしっかり行っていきたいと考えています。
恩師を尊敬している場合
私が尊敬している人は、中学3年生の時の担任です。その頃の私はいわゆる反抗期で、親の話はもちろんのこと周囲の大人の話を一切聞かないような学生で、高校受験にも興味がありませんでした。
両親も半ば諦めていたところ、担任の先生だけは諦めずに何度も私と話をしてくれ、だんだん先生の熱意に心が動くようになりました。今私がこの場にいるのは全て先生のおかげです。
私も先生のように、熱意を持ち人の心を動かせるような人になりたいと思っています。
歴史上の偉人を尊敬している場合
私は、坂本龍馬を尊敬しています。坂本龍馬は世の中に縛られない自由な発想の持ち主で、世の中を変えていこうとした人物です。
私も坂本龍馬のように自由な発想を持ち、社会の荒波の中さまざまなことに挑戦していきたいと考えています。
スポーツ選手を尊敬している場合
私が尊敬している人は、元フィギュアスケート選手の羽生結弦さんです。羽生結弦さんは目標のためには努力を惜しまない人で、その努力をしっかりと結果につなげているところも素晴らしいと感じています。
私も羽生結弦さんのように目標に向けて努力を行い、しっかりと結果を残せる人になりたいと考えています。
経済界の著名人を尊敬している場合
私が尊敬している人は、ホンダの創業者である本田宗一郎氏です。本田宗一郎氏の著者に「分からないことは人に聞く」とありましたが、これは簡単に見えるようで実は難しいことなのかもしれないと感じました。
人それぞれ得意分野が異なるからこそ、仕事をしていて分からないことがあった場合は人に聞き、目の前の問題をどんどん解決していきたいと考えています。
面接で「尊敬する人」を答える時の注意点
「尊敬する人」に誰を選んだとしても、伝え方に問題がなく話に一貫性があれば好印象を与えられる質問です。しかし、伝え方次第では面接官に悪い印象を与えてしまう場合もあるため、注意が必要です。
次は、「尊敬する人」を答える際に気をつけたいことを紹介します。
尊敬している人の説明は長くならないようにする
「尊敬する人」について答える際は、その人についての説明が長くならないようにしましょう。
面接官は尊敬する人について知りたいのではなく、あなたがどのような点を尊敬しているのかを知りたいのです。
その人の説明よりも、エピソードや具体的な話に時間を使うようにしましょう。
エピソードには具体性を持たせる
エピソードが簡単すぎると説得力がない内容になってしまうため、エピソードには具体性を持たせることが大切です。エピソードに具体性がないと、面接官も本当に尊敬しているのか疑ってしまうでしょう。
また、エピソードがいくつもある場合は、周囲の人に説得力がある内容がどれか聞いてみるのも良いでしょう。
エピソードは深掘りしていく
前述したとおり、あまりに簡単で具体性がないエピソードを出すのは良くありません。
「尊敬する人」の回答を考える際は、深堀りをしながら考えましょう。
どの部分に感銘を受けたのか、なぜそう思ったのか、というように順序立てて考えるのがコツです。
宗教や政治の話題は避ける
思想や信条の自由は尊重されるべきですが、採用面接の場では宗教や政治に関する話題は避けるのが無難です。
特定の政治家や宗教家を挙げると、過激な考えを持っているのではないかと誤解される可能性があります。
また、これらの話題は面接官の個人的な見解と衝突する恐れもあるため、職務適性の判断には適さない話題といえます。
身近な人であれ有名人であれ、具体的なエピソードと共に、その人から学んだことや自分のキャリアへの影響を明確に説明できる人物を選びましょう。
面接で「尊敬する人」は具体性を持って答えよう
「尊敬する人」は就活の面接ではよく聞かれる質問であるため、事前に内容を考えておくと良いでしょう。また、「尊敬する人」は伝え方に注意すれば好印象を持ってもらえる質問です。
この記事を参考にして、あなたがどんな価値観を持った人間で、どんな人物になりたいのかを回答に乗せ、熱意を持って伝えましょう。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート