フィットネス業界が持つ10の将来性とは?市場規模や業界動向についても解説

フィットネス業界が持つ10の将来性とは?市場規模や業界動向についても解説

「フィットネス業界への就職を考えているけれど、情報が少ない」 「フィットネス業界について、知っているようで分からないことが多い」 「そもそも、フィットネス業界って何をしているの?」 フィットネス業界への就職を考えているけれど、実はフィットネス業界について詳しく知らないという人も多いのではないでしょうか。

本記事では、最初にフィットネス業界におけるスポーツの種類について触れ、次にフィットネス業界の動向や課題について解説していきます。さらに、記事の後半では、フィットネス業界の有名・主要企業、そして業界の将来への展望について紹介します。

本記事を読むことで、フィットネス業界に関する知識を深めることができ、自身に合った業界の研究や対策を行うことができるでしょう。

フィットネス業界について詳しく知りたい方は、ぜひ本記事をチェックしてみてください。

フィットネス業界におけるスポーツジムの種類

「人生100年」の時代を迎えようとしている現代では、多くの人にとって「健康である」ことがより大切なものとなっています。

長い人生を健康的に過ごすためには、食事、運動、睡眠・休養といった健康マネジメントを上手に行う必要があるのです。

そこで、本記事では健康マネジメントの柱の1つである「運動=フィットネス」に焦点をあて、紹介していきます。以下で、フィットネス業界におけるスポーツジムの種類を見ていきましょう。

コンセプト型スタジオフィットネス

コンセプト型スタジオは、その名の通り、特徴的なコンセプトを持ち特定のニーズやターゲットを絞ったスポーツジムになります。たとえば、女性や高齢者向けフィットネス、ホットヨガ、暗闇フィットネスなどです。

また、コンセプト型スタジオフィットネスは、マンツーマンや少人数制を採用しているところが多くなっています。そのため、人目を気にせずに集中でき目的を達成しやすく、通いやすいなどのメリットが挙げられます。

総合フィットネス

総合フィットネスは、前述のコンセプト型スタジオとは異なり、ジム・スタジオ・プール・サウナ・スパ(お風呂)などが一か所に揃った総合施設です。

総合フィットネスを利用するメリットは、運動するといった目的以外に「交流の場」にもなったり、その日の体調や気分に合わせて自由にプログラムを組めたりすることが挙げられます。

パーソナルジム

パーソナルジムは、インストラクターとマンツーマンで行うトレーニングジムのことです。パーソナルジムには短期集中型、回数券などを使用した継続型、サブスクを利用した継続型の3つのタイプがあり、1回の利用時間やコース期間が決められている特徴があります。

また、パーソナルジムは目的を達成しやすいメリットがある一方で、マンツーマンであるために利用料金は他のフィットネスよりも高くなるケースが多いでしょう。

24時間ジム

24時間ジムは、24時間いつでも利用できるスポーツジムです。基本的には、自分で考えてトレーニングし、インストラクターによるトレーニング指導はオプションとなります。

また、24時間ジムにはスパ(お風呂)やプールなどはなく、シャワーが併設されていることが多くなっています。このように、24時間ジムでは設備や人件費が抑えられているため、他のフィットネスよりも比較的リーズナブルな料金で利用することが可能です。

フィットネス業界に見られる動向

近年の健康ブームによりフィットネス業界は、新型コロナウイルス流行前まで堅調に推移していました。

しかしながら、コロナの流行によりフィットネス業界は大きな打撃を受け、2021年頃のフィットネスクラブ利用者数は、流行前と比べて減少してしまったのです。

大幅な落ち込みの中でも、業務形態によって会員数や売上などへの影響の度合いに差が生じています。以下で、現在のフィットネス業界の動向について詳しく見ていきましょう。

新型コロナウイルス感染症拡大による会員数の減少

前述したように、フィットネス業界は2020年頃に流行が始まった新型コロナウイルスの影響により、この年に大幅に会員数を減らしています。

フィットネスは室内で運動しなければならず、また運動や会話による飛沫感染のリスクがあることなどで、他のスポーツ施設提供業よりも嫌気されたためです。

オンラインフィットネスの発展

オンラインフィットネスは自宅で目的に合わせた動画を見ながら、手軽にトレーニングできます。そのため、新型コロナウイルスの流行後、一気にユーザー数を伸ばしており、さらに新規参入する企業も増加傾向にあります。

動画コンテンツやライブレッスンなどといったオンラインを活用した取り組みは、より一層広がっていくといわれています。

パーソナルジムや24時間ジムの増加

フィットネス業界を見ていくと、近年パーソナルジムや24時間ジムといった小型店が増加傾向にあることが分かります。

それぞれが支持されている理由として、まずパーソナルジムでは新型コロナウイル流行の中でも、安心してトレーニングを受けることができる点が挙げられるでしょう。

パーソナルジムはインストラクターとマンツーマンでトレーニングを行い、また決められた時間の指導となるため、不特定多数との接触や飛沫感染のリスクを抑えられるためです。

そして、24時間ジムが支持される理由には、現在の日本人のライフスタイルにマッチしていること、リーズナブルな利用料金、さらに都市部だけでなく地方にも出店展開している点が挙げられます。

会員の高齢化が見られる

現在、少子高齢化といわれる時代になり、またフィットネス業界の会員にも高齢化が見られるようになっています。特に、フィットネス業界を支えている団塊の世代が、75歳以上の後期高齢者になりはじめているのです。

出典:高齢者の医療の確保に関する法律|e-GOV法令検索 参照:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=357AC0000000080_20221001_503AC0000000066

女性専用店舗の増加

フィットネス業界の動向を見ていくと、女性専用店舗の増加をうかがうことができます。特に、地方郊外に女性専用の小規模サーキットジムや、パーソナルトレーニングジムを出店する企業が増えています。

その理由として、小規模のフィットネスジムは低投資・低運営コスト・低料金の業態となるためコスト吸収しやすく、またコロナ禍による首都圏オフィス立地への流動人口の減少対策にもつながるためです。

初心者を重視したプログラムの実施

フィットネス業界の各企業では、新規会員や初心者がより安心して継続できるように、初心者を重視したプログラムやサポートを実施しています。

たとえば、トレーニングを予約制にしたり、担当のインストラクターによる無料カウンセリングの実施だったりなどが挙げられます。

M&Aによる異業種からの市場参入

フィットネスの市場シェアは大手5社で全体の半分程度を占めているため、中小規模の事業者はM&A(企業の合併・買収)を事業継続の1つの選択肢としているケースが増えています。

その結果、フィットネス業界に対して異業種からの市場参入がM&Aで行われ、フィットネスクラブの運営に本格参入してくる異業種の企業が見られるようになっているのです。

フィットネス業界が持つ課題

フィットネス業界を取り巻く状況は、新型コロナウイルスの流行により一変し、流行前まで堅調であった会員数は継続して減少となっています。さらに、フィットネスクラブ利用者を指導する人材も不足しており、人材の供給が追い付いていない状況にあります。

こうした現状を背景にフィットネス業界が持つ課題について、以下で詳しく見ていきましょう。

無人運営による効率化

フィットネス業界では、利用者数の伸び率に対して指導者数の伸び率が小さいといわれており、多くの企業で人材不足が指摘されています。

人材不足をカバーするために、無人運営システムを採用し効率化を図ることが大切になります。このとき、押さえておきたいポイントは店舗の運営自体はシステムで行い、利用者へのトレーニング指導、潜在ニーズや悩みの引き出しについては人が行うということです。

デジタルを活用したサービス

場所や時間を選ばず、非対面で行えるオンラインフィットネスは新型コロナウイルスが流行する前から展開されていましたが、流行をきっかけにそのユーザー数を増加させています。

多くのユーザーがオンラインフィットネスをはじめるきっかけとして、新型コロナウイルスの流行だけでなく、それに伴う生活習慣の乱れや外出自粛による運動不足、在宅ワークによるライフスタイルの変化なども挙げています。

また、オンラインフィットネスといったセルフトレーニングのサポートに、トレーニングの内容や食事内容、健康状態を記録して分析し、適切なトレーニングや食事のアドバイスを行うアプリなどの需要も高まっているのです。

そのため、各企業はユーザーニーズやライフスタイルの変化に対応し、データやデジタルを活用したサービスを提供できるかが、今後の課題といえるでしょう。

トレーナーや社員の人材育成

前述したように、フィットネス業界は人材不足といった問題を抱えています。さらに、現在直面している課題や今後のトレンドに対して、柔軟に対応していくためには人材の確保だけではなく、専門的な知識と技術を持つトレーナーや社員の育成が大切です。

フィットネスクラブの運営を成功に導くためには、「ビジネスマン・経営者タイプ」を目指した人材育成を行う必要があるでしょう。

「ビジネスマン・経営者タイプ」とは自身で問題を発見できる力、その問題に対しての解決策を利用者・ユーザーの立場で創造的に考えることができ、そして自らの意思で行動できる人のことを指しています。

フィットネス業界の有名企業を紹介!

ここまでに、フィットネス業界の動向や抱える課題などについて紹介してきました。フィットネス業界は、新型コロナウイルスの流行により会員数の減少と取り巻く経営環境が変化しており、ユーザーニーズやライフスタイルの変化に対応していくことが求められています。

以下ではフィットネス業界大手5社の特徴、そしてプログラム内容や運営方法などについて見ていきます。ぜひ、就活の際の参考にしてみてください。

RIZAPグループ株式会社

「結果にコミット」というテレビCMでも有名なパーソナルジムが、RIZAPです。同社は高いトレーニング指導力・的確なプログラム提供力・食事サポート、そして徹底した新型コロナウイルス対策により、ボディメイク会員数が約18万人を突破しました。

RIZAPの特徴でもあるトレーニングは、約18万人に及ぶ実績データから開発したプログラムをもとに、一流の知識と技術を持つ専属トレーナーが自身の目標や目的に合わせて、トレーニング内容を設計していきます。

このとき、「太りにくく、健康的なカラダ」づくりを目指しており、筋肉の活動を重視したプログラム内容となっているのです。

また、トレーナーが各分野の専門家と連携しながら、トレーニング、食事のサポートやメンタルサポートまで専門的かつ総合的に行います。

そのため、RIZAPは他のフィットネスクラブやジムと比較すると、コース料金が高くなっています。

セントラルスポーツ株式会社

セントラルスポーツは「0歳から一生涯の健康づくりに貢献する」を経営理念に掲げ、創業当時よりスポーツを通して全ての人が体を動かす楽しさを感じながら、心とカラダの健康づくりを目指しています。

同社の特徴は、フィットネス施設の種類が多岐に渡っていることです。総合型はもちろんのこと、24時間ジム単体型、ジム・スタジオ型、そしてスタジオ単体型と様々な種類の施設が展開されています。

そのため、セントラルスポーツでは世代や性別を問わず、さらにライフスタイルに合わせて施設を選ぶことができます。

コナミスポーツ株式会社

コナミスポーツ株式会社は、「コナミスポーツクラブ」「グランサイズ」「エグザス」の3ブランドを展開するグループ会社です。

コナミスポーツクラブでは、ダイエットや体力の向上などを目的にしたフィットネス、子どもの心と体を育てるキッズスクール(運動塾)、ゴルフ・テニス・スイミングなどの大人向けスクール、そして運動後の体を癒すスパ・エステも提供しています。

グランサイズは、「最高の自分であり続けるための、最上級の時間と空間。」をコンセプトに優れたインストラクターはもちろんのこと、ハイグレードな設備やホスピタリティを提供したブランドです。

エグザスは、「その街に、こころとカラダの快適空間」をコンセプトにリ・ブランドされ、コナミスポーツクラブで提供しているプログラムやサービスの中から人気が高いものを厳選し提供しています。

また、比較的短時間で行えるスタジオプログラムを用意しているため、仕事帰りやショッピングの合間などライフスタイルに合わせて選ぶことが可能です。

株式会社ルネサンス

株式会社ルネサンスは、「スポーツクラブ ルネサンス」を事業の中核にし、「ジム&スタジオ ルネサンス」、女性専用フィットネススタジオ「バニスタ」、グループ・ワークアウト・スタジオ「BETTER BODIES HI AOYAMA」、「コクール ルネサンス」などを展開しています。

具体的に見ていくと、事業の中核である「スポーツクラブ ルネサンス」ではジム・スタジオ・プール・テニスコート・ゴルフレンジなどの多彩な施設・設備に加え、サウナやお風呂、マッサージチェアなどのリラクゼーション設備も完備しているのです。

また、同社は「生きがい創造企業」を経営理念に掲げており、スポーツクラブ事業だけではなく、介護リハビリ施設の展開やヘルスケア領域の事業創出など幅広い分野で人々の生きがい創りをサポートしているのです。

株式会社カーブスホールディングス

株式会社カーブスホールディングスは、50歳以上の女性を中心に「1回30分、予約不要」で運動できる『女性だけの30分健康体操教室カーブス』を展開しています。

カーブスが提供する運動は、筋力トレーニング、有酸素運動、ストレッチの3つの運動を組み合わせたサーキットトレーニングです。このサーキットトレーニングを行うことで、生活習慣病をはじめ、認知機能の改善や介護の予防が期待できるといわれているのです。

フィットネス業界が持つ将来の展望

ここまでに、フィットネス業界の動向や課題、そして業界の主要企業について紹介してきました。以下では、紹介してきた内容を踏まえて、フィットネス業界が持つ将来の展望について見ていきましょう。

ファンクショナルトレーニングの増加

新型コロナウイルスの流行により、改めて健康の大切さが認識されています。フィットネス業界は、そうしたユーザーニーズの変化に対応することが求められ、その1つにファンクショントレーニングを中心にしたプログラムの作成が挙げられます。

ファンクショントレーニングとは、身体機能を向上させるためのトレーニングです。身体機能の向上とはスポーツ動作だけでなく、日常的な動作においても効率的に使える身体をつくることを目的にしています。

つまり、ファンクショントレーニングは、運動機能の維持・向上や怪我の予防などのフィットネスが持つ、本質的価値を提供するものになります。そのため、ファンクショントレーニングは、今後も増加していく可能性があるでしょう。

プログラムの多様化

フィットネス業界は、2020年頃から続く新型コロナウイルスの流行により会員数の減少が起きています。しかしながら、現在では会員数の減少は少しずつ回復傾向にあり、新型コロナウイルスがもたらした影響はユーザーニーズやライフスタイルを変化させました。

その結果、多くのフィットネスクラブやジムでは従来の在り方を変え、個人のニーズにも対応できるようプログラムの多様化が求められるでしょう。

新しい技術やシステムの導入が進む

前述したように、既存のデジタル技術はもちろんのこと、今後は新しい技術やシステムの導入がより進んでいく可能性があります。

たとえば、日常のフィットネスライフのサポート、フィットネスクラブ内の監視システムや電子決済、会員予備軍を見つけるためのデジタルマーケティングなどが挙げられるでしょう。

さらに、生命保険会社や測定器具メーカーなど他業界とのコラボレーションにより、ユーザーの運動履歴をもとに生命保険料を安くするなどのサービスも増加していく可能性もあるのです。

個人に向けた新業態や新サービスの開発が進む

フィットネス業界は、多様化するユーザーニーズや購買行動、またユーザーの世代に対応していく必要があります。そのため、プログラムの多様化はもちろんのこと、さらに個人に向けた新しい業態やサービスを積極的に開発していくことが求められます。

具体的には、女性専用パーソナルジムや24時間営業のセルフジムに加え、ダンスと武道が必修化した中学生向けのダンススクールや武道教室など、各種目的志向の単体スタジオやジムの新業態の開発が進んでいくでしょう。

地方・郊外への出店が進む

フィットネス業界の変遷を見ていくと、2000年代に入りそれまで主流だった総合型よりも、ユーザーニーズをピンポイントに捉えたジムやスタジオが登場していきました。この流れは現在も続き、新型コロナウイルスの流行により、さらに進んでいくことでしょう。

特に、地方・郊外といった人口の少ないマーケットへの出店は、すでに女性専用小規模サーキットジムや24時間型ジムなどの出店成立が認知されているため、一層加速していく可能性があります。

フィットネス業界について知り就職を目指そう

本記事では、フィットネス業界のジムの種類をはじめ、業界の動向や課題、そして主要企業などについて紹介してきました。

フィットネス業界の在り方や将来への展望は、新型コロナウイルスの流行や会員層の高齢化により変化を余儀なくされていくでしょう。そのため、フィットネス業界への就職を目指す際には業界研究をしっかりと行うことが大切になります。

フィットネス業界への就職を検討している場合は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。

柴田貴司
監修者

明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート

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