【リース業界の志望動機】はじめに
就活や転職をする際に、どの業界を選ぶかは重要な選択でしょう。
就活を始めたばかりで知らない人も多くいるかもしれませんが、リース業界という業界があります。
リースとは、企業が求める設備などを代理でリース会社が購入し、その企業に長期で賃貸することです。
新品の設備を貸し出すこともありますが、中古の機械設備を貸し出すことも多くあります。
企業研究をしていく中で、リース業界に縁を感じて目指してみようと思った人もいるかもしれません。
自分が学生時代に勉強してきた分野のものを扱う、リース企業に就職するという道もあるでしょう。
- リース業界の概要
- 「リース」と「レンタル」の違い
- リース業界で求められるスキル
- リース業界に向いている人の特徴
- リース業界に興味がある人
- 志望動機について基礎から知りたい人
- 志望動機の例文を読みたい人
【リース業界の志望動機】リース業界とは
リースとは、企業に機械や設備の貸出をすることで、企業の代理でリース会社が製品を購入するという特徴があります。
レンタルが先払いなのに対して、リースは設備を入れた後に企業がリース会社に賃貸料を払うものです。
どちらかと言うと規模の大きな設備もあるので、長期間にわたって企業へ設備の貸し出しを行います。
また、リース業界は二つの役割があり、金融機能とサービス機能に分かれる業界です。
リース会社を利用して設備を導入することにより、企業は費用や面倒な手続きをカットできます。
リースとレンタルの違いとは?
「リース」という言葉と「レンタル」という言葉は混同されがちであるため、簡単におさらいしておきましょう。
レンタルは短期の使用、基本的に「1日から1ヶ月程度」を対象にしている一方、「リース」は長期の使用、「6ヶ月から6年程度」を対象とする言葉です。
また、レンタルは中途解約が可能ですが、リースの場合は、原則、中途解約はできないということも覚えておきましょう。
いずれも「貸し借り」であることは同じですが、期間と「途中で解約ができるか否か」の違いがあります。
リースの種類
続いて、リースの種類についても覚えておきましょう。
「オペレーティングリース」と「ファイナンスリース」という2種類のリースがあるため、それぞれ区別して覚えておく必要があります。
オペレーティングリース
オペレーティングリースはレンタル期間中に資産を使用し、終了後に返却する形式のものです。
例えば車などのリースはオペレーティングリースに該当します。
つまり「借りているだけの状態」であるため、契約期間に応じた料金を支払い、期間が終わると相手に資産を返却しなければなりません。
また、設備が故障した場合の修理の責任は所有者、つまり「借りている側」ではなく、「貸している側」が負います。
ファイナンスリース
一方で、ファイナンスリースは故障などが発生した場合の費用は、実際に利用している側が負担する必要があります。
つまり、分かりやすく説明すると「お金を借りて資産を購入し、それを使いながら返済している」という状態を指します。
ローンを組んで購入することと非常に近い状態です。
金融機能
設備導入の過程に関わる費用は、リース会社が受け持ちます。
その分の費用を別のところに回せるので、自社で設備を新規購入するよりもコストパフォーマンスが良いでしょう。
リース会社を利用せずにまるごと新品を購入するとなると、導入費用までも企業で負担しなければなりません。
リース会社を通して設備を借りる方が、優れた設備を格安で導入することが可能なのです。
短期間で多額の資金を調達する必要がないので、資金繰りに追われることなく良い設備を整えることができます。
リース期間に応じて、貸し出し費用を支払うことになるため、効率的な設備投資が可能なのです。
また、銀行の借入のように利子の変動もなく、リース料金は固定という状況が原則としてあります。
そのため、金利情勢に振り回されることなく、資金調達ができます。
サービス機能
新しい設備を導入する際には、さまざまな手続きが必要になってきます。
契約書などの基本的な事務手続きや、災害や事故などのトラブルに備えて保険に加入する必要も出てくるのです。
リース会社で設備導入を行えば、そのような事務手続きも自社でする必要がなく、完全に委託することもできます。
保険の手続きは法律も絡んでくることや、どの保険に入るのが適切かなど面倒なことも多く、できるだけ手間を省きたいものです。
費用だけでなく、手間や人材コストもカットできるので、リース会社の利用は企業にとってメリットが多いです。
使用後の設備の処分までリース会社が請け負ってくれる場合もあるため、リース業界のサービス機能は充実していると言えます。
【リース業界の志望動機】リース業界で求められるスキル
リース会社に入社するにはどのようなスキルが求められるかと言うと、ざっくり分けて柔軟性と課題発見能力です。
この二つに自信がある人は、リース業界で大きく活躍できるでしょう。
入社後は、実際にさまざまな業界の企業と関わりを持ち、その企業の課題解決のための設備に携わることになります。
取引先の企業から良い評価を得るためには、さまざまな職種の人と渡り合う柔軟性が必須です。
課題発見能力は、その企業の設備に関わる課題を自主的に発見し、自社がリースする設備をより良い形で提供する力になります。
柔軟性
さまざまな職種の人たちや企業と一緒に業務をすることが多いのが、リース会社の特徴です。
柔軟性のある人の方がスムーズにやり取りできますし、案件を成功させることも多いでしょう。
ほかのさまざまな業界を相手にするリース業界は、柔軟性が不可欠と言っても過言ではありません。
頑固で柔軟性に欠けている人は、相手先によって上手く対応ができず、取引を失敗してしまうおそれもあるでしょう。
幅広い業界やビジネスに興味を持ち、相手によって対応の仕方を工夫できるタイプの人はリース業界に向いているかもしれません。
自分の専門分野を極めるのも大切ですが、リース業界を目指すならほかの業界や企業の研究も積極的にしておきましょう。
そうすることで引き出しが増え、どの業界の人とも渡り合えるようになり、リース業界で必要な柔軟性も備わるはずです。
課題発見能力
新しい設備を入れるのは、その企業がさらなる業績の向上を狙っているか、何か課題を解決するためでしょう。
リース会社に設備導入をお願いする際、抱えている課題をすべて提示してくれるわけではないかもしれません。
取引先の企業が話してくれる情報や求めている設備から、能動的に課題を発見する力は必要です。
求められた設備をただ導入するのではなく、商談する中で相手先が何を求めているかを察することができるかは重要です。
企業に頼まれた設備を貸し出しするという認識で入社すると、後々の業務が難しく感じてくるかもしれません。
主体的に考え、課題を発見する力は誰にでもあるとは言い難く、リース業界において大きな戦力になります。
課題発見能力や課題解決能力に自信がある人は、リース業界を目指してみるのも良いでしょう。
【リース業界の志望動機】リース業界に向いている人
続いて、リース業界に向いている人の特徴についても確認しましょう。
自分がリース業界に向いているのか確認した上で、もし当てはまっていない場合は、就活本番までに近づけるよう取り組んでみてください。
他社の事業に貢献したい人
他社の事業に貢献するモチベーションが高い人はリース業界に非常に向いていると言えます。
特に中小企業と取引をする場合においては創業から立ち会うこともあるため、強いやりがいを感じます。
そのため「自分の仕事で他の事業に貢献したい」「成長を見届けたい」というモチベーションが強い人はリース業界でやりがいを持って働けるでしょう。
よって、これまで誰かの成長をサポートした経験がある人は、積極的にその経験について話すことで、リース業界に向いていることをアピール可能です。
法人への営業職を行いたい人
法人への営業を行いたいと考えている人も、リース業界に向いている可能性が非常に高いです。
なぜならば、リース業界の取引先はほとんどが法人だからです。
そのため、法人への営業を行いたい人にはぴったりの業界であると言えるでしょう。
また、リース業界の営業は新規開拓よりも、取引先を回るルートが非常に多いため、営業職が初めての人でも比較的働きやすい環境であることが多いです。
「新しく顧客を獲得する」というよりは「すでに構築されている関係をさらに深める」ことを得意としている人に向いている業界といえます。
【リース業界の志望動機】志望動機の書き方
リース業界も、就活においてはマイナーな業界とはいえ、志望動機の書き方の基本はほかと同じです。
自己分析、企業分析や業界研究、結論から書くことが必要と言えます。
基本的な志望動機の書き方は、もう完全にマスターしたという人もいるかもしれません。
しかしながら、リース業界について志望動機を書くとなると、ぴんと来ないこともあるでしょう。
また前の項目では、リース業界に必要なスキルをご紹介しました。
その中に、自分に当てはまるものがあったならば志望動機のねたにもなると思います。
以下に、リース業界のための志望動機の書き方をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
自己分析
リース業界を受けるにあたっても、やはり自己分析は重要なものです。
すぐに志望動機を書き始めるより、自己分析をしっかりと行ってから実際に書き始めた方が良いものが書けるでしょう。
どのような価値観を持っているかや自分の適性をしっかり自覚していると、志望動機でもアピールしやすいです。
自己分析を怠ったまま、志望動機を書いてしまっているという人もいるでしょう。
自己分析せずに面接に臨み落ちてしまっている人は、人事に「自分を分かっていない」と思われている可能性もあります。
リース業界では、さまざまな種類の人と関わるのが得意だったり、金融に詳しかったりする人などが求められるでしょう。
自己分析を念入りに行い、自分がリース業界に適しているか、どのような点をアピールすべきかを考えてみてください。
企業・業界分析
志望動機を書くのに必要な分析は、自分自身の分析だけではありません。
企業・業界分析も非常に大切な作業です。
リース業界やリース会社について深い理解を得ておくことは、必要不可欠でしょう。
どのような業界なのか、有名なリース会社はどこかなど、細かい部分まで知れば知るほど引き出しは増えます。
また、リース以外に自分の興味があった業界の知識もついでに入れておくのもおすすめです。
「なぜ、数ある業界の中でリース業界を選んだか」に対する答えの良い材料にもなります。
また、自分が受ける企業の社風や事業について、深く企業研究をしておくことも大事です。
志望動機には「ほかの企業ではなく、なぜ自社を選んだか」は含んでおく必要があります。
面接で面接官にピンポイントで聞かれる可能性も高い質問なので、準備しておきましょう。
PREP法に沿って書いてみる
志望動機で何を書けば良いか定まってきたなら、次に大切なのは構成です。
文章構成の基本的な手法である、PREP法に沿って書くのがもっとも分かりやすくおすすめでしょう。
PREP法とは、PointのP(結論)、ReasonのR(理由)、EpisodeのE(エピソード)、PointのP(結論)の順で書く構成です。
この順番で書けば、読み手や聞き手に伝えたいことがスムーズに伝わります。
結論を先に話すことがもっとも大切と言えますので、まずは真っ先に「志望動機は何か」という結論を書きましょう。
結論を先に書いてしまうということを押さえて書くだけでも、格段に読みやすくなります。
結論が書けたなら、その明確な根拠や理由を書き、その次に来るエピソードはなるべく具体的なものを持ってきてください。
結論では「だから、貴社に貢献したいと思った」「自分の実力を発揮できると考えた」などで締めると良いでしょう。
【リース業界の志望動機】リース業界の志望動機を書くときのポイント
リース業界の志望動機を書く際の主なポイントを二つご紹介していきます。
志望動機は、単にその企業を志望する理由を伝えるという意識では不十分です。
志望動機を通して、その企業にどのような貢献をするつもりなのか、その企業に対しての自分なりの熱意を伝えるのです。
何も深い考えがないまま志望動機を書くと、ほかの志望者に埋もれてしまうでしょう。
より優れた内容の志望動機を書くために、以下の必要なポイントをチェックしてから書き始めることをおすすめします。
なぜリース業界を志望するのか
なぜリース業界を志望するという考えに至ったのか、何かきっかけがあったのかを思い出してみましょう。
具体的なきっかけのエピソードがあるならば、それはしっかりと明記した方が良いかもしれません。
業界研究の中で、リース企業と出会ったという人もいると思います。
ほかの業界と比べて何が魅力的だったのかや、どのようなところで自分が活躍できそうだと考えたのかをテーマにすると良いでしょう。
また、リース業界ならではの魅力があった方が良いですし「ほかの企業でも良いのではないか」と思われないことが大事です。
リース業界の企業は、多種多様な業界の人と交わり、さまざまな企業の課題解決に携わります。
そこを意識して、志望動機を作成することもポイントの一つです。
自分がどのように貢献できるのかを意識
良い志望動機を作るには、その企業や業界を志望する動機そのものだけでなく「企業への貢献」という視点が大切です。
モチベーションの話だけでなく、スキルや資格などを持っているならばその話も入れた方が良いでしょう。
スキルや資格を持っている人は、新入社員でも即戦力として企業に貢献できる可能性もあります。
また、長期インターンに参加したという人は、志望動機にインターンの話を持ってくるのもありです。
アルバイトの経験があるならば、それも同様に志望動機のねたとして使えるでしょう。
長期インターンやアルバイトについては、その経験の中でどのようなスキルが身についたかが大切です。
そのスキルを活かし、入社後に自分はどのような貢献ができるかを具体的に語ってみてください。
【リース業界の志望動機】リース業界の志望動機を作成する時の注意点
リース業界について、志望動機を書くときに注意してほしいポイントが二つあります。
志望動機は、面接や履歴書などで問われる内容の中でもっとも重要と言っても過言ではないところです。
注意するべき点としては、その企業に対する志望理由を明確にすることと誤字脱字の2点です。
この二つの注意点に気を付けておくことで、面接官にはじかれてしまうことなく選考に進めるでしょう。
以下を参考に、注意して自分の志望動機を見直してみてください。
その企業を志望する理由は明確に書く
同じリース業界でも、数多くのさまざまな企業が存在します。
なぜその企業を志望するのかは、面接官にもっとも強くアピールすべきポイントと言えるでしょう。
ここで注意したいのは、ほかの企業と差別化できず、どの企業にも当てはまるような志望動機にしないことです。
ほかの企業と比べて秀でていると思うところ、ほかの企業にない魅力は何なのかをはっきりと語ってください。
企業のホームページは、社風や企業理念などの情報が豊富にあるのでかなり参考になります。
歯切れが悪い言い回しや「ほかの企業にもありますが」などの前置きをするのはよくありません。
その企業を選んだ理由は、ほかの企業に当てはまらないものを設定し、理論立てて自分の中で明確に確立させておく必要があります。
なぜその企業が良いのかが明確になっているか、あらためて自分の志望動機について考えてみましょう。
誤字脱字がないか確認
次に、志望動機を書くために注意すべき点は誤字脱字がないかというところです。
誤字脱字は、気を付けているようで見落としてしまいがちな危険なポイントと言えます。
誤字脱字があると、入社前からミスが多い人と思われてしまったり、適当に書いたのではと疑われたりしかねません。
誤字脱字を防ぐには、書く前に鉛筆やシャープペンシルで下書きをする方法が有効です。
鉛筆やシャープペンシルで下書きをした段階で、誤字脱字がないかを念入りにチェックしましょう。
その後にペンで本書きに入ることにより、誤字脱字を防ぐことが可能です。
志望動機は、面接官や人事にアピールする際のもっとも大切な項目と言っても過言ではないため、とくに注意しましょう。
【リース業界の志望動機】リース業界の志望動機例文紹介
中小企業を中心に支援している貴社に魅力を感じ、貴社を志望しました。
父親が会社を経営しており、リース会社から設備を借りたことで、事業の拡大に成功したこともきっかけの一つです。
実際に、リース会社から設備を導入して課題が解決され、事業が拡大していくのを目の当たりにして私は大変感動しました。
大企業に貢献しているリース会社も確かに魅力的ではありますが、あえて中小企業を支援するという理念に将来性をも感じています。
また、私は学生の頃に長期インターンに参加し、営業の仕事を経験してきました。
長期インターンが、初めての営業職の経験です。
最初は不安ばかりでしたが、日々努力して社員についていく中で、同じインターン生の中でも上位の成績を収めることができました。
その経験を積む中で、顧客の需要を察知することやコミュニケーション能力に自信をつけました。
営業の経験で培ったそのような能力を活かし、貴社の事業にも貢献したい所存です。
【リース業界の志望動機】おわりに
今回は、リース業界の志望動機を書くためのポイントや注意点をご紹介してきました。
さまざまな業界の設備に携わるリース企業は、社会貢献の意志が強い人にとっても魅力的な業界かもしれません。
費用や手間をカットして事業をスムーズに進める手助けができる業界だと思うと、非常にやりがいがあるでしょう。
この記事で紹介したポイントを押さえて、しっかりとした志望動機を書けば、面接官の気持ちを動かせるかもしれません。
例文もご紹介したので、リース業界の企業に就職したいものの、志望動機が上手くできないという人は参考にしてみてください。
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