どうして志望動機が弱いのか?印象に残せる志望動機を書くコツを紹介!

どうして志望動機が弱いのか?印象に残せる志望動機を書くコツを紹介!

はじめに

志望動機を読み返してみると「印象に残らない」「弱く感じる」と思うことはないでしょうか。

また、志望動機を人に見てもらったら「動機が弱い」といわれたものの、どこを直せばいいのかがわからないといった悩みを持つ方も多くいます。

応募先の担当者に直接自分をアピールできる志望動機は、強力な武器の一つです。

だからこそ知っておきたい、担当者の心に強く響く、かつ書類選考や面接にも勝ち抜ける志望動機を書くコツを詳しくご紹介します。

【志望動機が弱い】志望動機の評価基準とは?

強く相手に響く志望動機を書く前に知っておきたいのが、企業側は志望動機をどう評価するのかという基準です。

企業側は志望動機を通し、自社が求めている人材なのか、一緒に働いていきたいか、貢献してくれるスキルを持っているかなどさまざまなことを把握しようとしています。

弱い志望動機では、今後いくつの企業に応募したとしても選考をクリアすることはまず無理だといわざるを得ません。

そこで企業が志望動機でどう応募者を評価するのか、また判断する基準について詳しく見ていきましょう。

就活の軸は業界選びとマッチしているか

企業が志望動機で見ているのは、応募者の就活の軸です。

軸とは、仕事を通して成し遂げたい・企業を選ぶ際に自分が考えている目標のことです。

学生時代を通して身につけた経験や強みは、一人ひとり違います。

だからこそ自分の強みを把握したうえで、仕事を通して何をしたいと考えているのか、志望動機で伝える必要があるのです。

成し遂げたい目標があっても、選択する業界と合っていなければチグハグな印象を与えてしまいます。

それだけでなく、なぜこの業界を選んだのかが相手にわからないので「やりたいことがあるわけでもなく、企業や業界選びもしっかりしていない」と受け止められてしまいます。

自分の就活の軸をしっかりと把握したうえで、志望動機を作成するようにしましょう。

就活の軸とエピソードが論理的構造であるか

志望動機で担当者が見るのは、アピールする就活の軸と補強に使われるエピソードが論理的構造になっているかという点です。

志望動機は就活の軸をもとに作成するため、その軸を明確に相手に伝えるためにはエピソードを示す必要があります。

エピソードを提示することで、相手がイメージしやすくなることもメリットです。

ただ、提示するエピソードが就活の軸とかけ離れているものだと、相手には伝わりません。

それだけでなく、自分では就活の軸を持っていても相手には伝わらないばかりか、「就活の軸を把握していない」と受け止められてしまいます。

自分では把握しているはずの就活の軸が、選択したエピソードを間違えてしまったことにより、アピールが弱くなっている可能性もあります。

企業の独自性の有無

志望動機で企業の独自性を示せているかどうかも、重要なポイントです。

誰かがいっているような志望動機やホームページでわかる無難な内容だと、他企業でもいいのではないかと受け止められてしまいます。

とくに同業種でいくつもの企業を受ける場合、同じような志望動機になりがちです。

そのため、「どうしても御社で働きたい」という説得力が薄くなる傾向にあります。

志望動機を作成する際には、なぜその企業や業界を選んだのか自分の意志を伝える必要があります。

さらに応募する企業が持つ独自性を把握しておくためにも、企業研究をしっかりすることが大切です。

その企業だけを研究するのではなく、同業種の別企業についても比較研究し、違いを示すことができれば説得力が増します。

【志望動機が弱い】弱い志望動機の特徴

「志望動機が弱い」とアドバイスをもらっても、どこが弱いのか把握できていないとまた同じ失敗を繰り返すことになってしまいます。

そこで、志望動機が弱いといわれるのはどういった内容なのかを知っておきましょう。

そうすれば、無意味に内容を書き直すことがなくなります。

まとまりのある文章であっても、相手にはどうして「志望動機が弱い」と感じられてしまうのか、まずはその根本的な原因を突き止めましょう。

ここでは、よく指摘される3点を詳しくご紹介します。

業界・企業の独自性がない

相手に伝わらない弱い志望動機によく見られるのが、業界や企業の独自性を把握していない内容です。

普遍的な内容だと印象に残らないだけでなく、「あえて自社を選ばなくてもどこでもいいのではないか」と思われてしまいます。

志望動機に熱量を感じられないため、説得力もなく薄く感じられてしまい、最悪の場合は最後まで目を通してもらえない可能性もあるのです。

同じ業界の企業をいくつも志望している場合に、無難な志望動機を作成してしまいがちです。

内容は無難でも、「ほかでもこの志望動機を使っているのでは」と思われてしまえば意味がありません。

業界の中で数多くある企業の中から選んだ理由に加え、どういったところに魅力を感じて働きたいと考えたのか、しっかり伝わる内容を書きましょう。

業界・企業の魅力だけになってしまっている

業界や企業の魅力にひかれていることばかりを強調しすぎて、志望動機が示されていない内容も相手には伝わりません。

業界や企業について研究していることは伝わりますが、肝心の動機について説明されていないため、担当者からするとファンコールを受けているとしか感じられず、薄い印象を与えてしまいます。

なぜこの企業を選んで志望したのかが伝わらず、何を成し遂げたいのかもわからないのでは、採用して働いてほしいという気持ちにはなりません。

業界や企業に魅力を感じて働きたいと思っている気持ちは大切ですが、それは志望動機の一部でしかないことを覚えておきましょう。

志望動機で伝えるべきことは、企業にとって自分がどれだけ採用する価値のある人材なのかということです。

志望動機を支えるエピソードが抽象的

志望動機がはっきりとしていても、その動機となるきっかけや裏付けが抽象的だと相手には伝わらず、中身が弱いと判断されてしまいます。

自分と同じように、業界や企業に対して熱意を持つ応募者は何人もいるのです。

その多くの中から「採用したい人材である」と自分を担当者に感じてもらうためには、動機を具体的に伝える必要があります。

そのため、相手が想像しやすいエピソードを引用し、説得力を持たせなければいけません。

志望動機を支えるエピソードがあるなら、時系列や数字を織り込み、相手が想像しやすいような内容を組み立てる必要があります。

自分にしかわからないような表現になっていないか、見直すことも大切です。

熱意を後押しするような内容にしましょう。

【志望動機が弱い】志望動機を書くときの注意点

志望動機を書くときに、無意識に記載してはいけないことを盛り込んでしまうことがありますので、見直す際にはチェックが必要です。

熱意のある志望動機を書いたとしても、NGなことが内容に含まれているとそれだけで続きを読んでもらえなくなる可能性があります。

また、自分では問題ないと考えて記入した事柄が、採用する側からするとマイナス点として受け止められることもあり得ます。

そこで知っておきたい、志望動機で書くべきではないことについて詳しく見ていきましょう。

NGワードを使わない

志望動機では、使ってはいけないNGワードがいくつか存在します。

作成時には「敬語表現が間違っていないか」「貴社と御社を取り違えていないか」などに気を取られがちです。

曖昧な表現では熱意が伝わらないと考え、前向きな言葉を探した結果、NGワードを使ってしまうことがよくあります。

ここでは、一見すると前向きに見える言葉ですが、実は相手にネガティブな印象を与えてしまう2つのNGワードについて、その注意点を詳しくご紹介します。

待遇が良いから

待遇を志望動機の理由にするのは辞めましょう。 企業によっては独自の待遇を展開することで、ほかにはない魅力としていることもあります。

給与や福利厚生の待遇は、これから働く人間にとっては重要なポイントですが、企業側からすると「そこにしか自社に魅力を感じていない」と受け止められてしまいます。

企業が知りたいのは、企業の体質に合っている人材なのか、事業を一緒に発展させてくれる力を持つ人材であるかどうかです。

企業からすれば、待遇に魅力があるといわれることは、個人の魅力が年収や学歴にしかないと相手に思われたら不快に感じるのと同じだといえます。

志望動機では表面的な魅力を取り上げるのではなく、その企業にしかない事業内容や経営理念といった深い部分を取り上げるようにしましょう。

学ぶことがあるから・成長できるから

志望動機に学びや成長といった、個人の期待を込めることも辞めておきましょう。 企業はあなたの学びの場ではありません。

また、あなたに学びながら成長してもらうことを期待して採用するわけでもありません。

企業は戦力となる人材を求めているのであって、人材育成をするために採用をしているわけではないことを理解しておく必要があります。

学びたい・成長したいという言葉は、一見すると前向きな言葉に聞こえます。

一方、採用する側からすると、自分の意志がなく人に依存しているだけだと受け止められてしまうのです。

その企業で自分がどう活躍できるのか、企業に自分を採用することでどんなメリットがあるのかを志望動機に織り込むことが最優先です。

自分にとってのメリットや利益は、志望動機にはならないと心得ておきましょう。

辞めることを前提としない

辞めることを前提とした志望動機を書かないようにしましょう。

自分のキャリアアップを考え、転職を前提として就職を考えること自体は悪くありません。

働きながら経験を積み、独立をすることを目標にしている人も多くいます。

そのような目標を持っている人材を採用することは、企業にとってはマイナスでしかありません。

企業は会社を成長させてくれる、一緒に働く人材を求めているのであり、短期間で辞める人間を採用することは考えていないからです。

ただ、企業によっては独立や起業をすることを認めていたり、起業するという意志を持つ人材をバイタリティのある人間として積極的に採用していたりすることもあります。

そういった企業であれば別ですが、一般的にはそうでないところがほとんどと考えておきましょう。

【志望動機が弱い】印象に残る志望動機を作るポイント

志望動機が弱いと悩んでいる方は、何度書いても思うようにいかず、せっかくの魅力やエピソードを活かしきれないことが多くあります。

希望する企業に自分を売り込むためにも、ほかにはない独自のアピールを書くことが必須です。

そのためにも、これだけは作成時に押さえておきたい重要なポイントを3つご紹介します。

これをいつも心がけて作成するようにすれば、ほかにない熱意ある志望動機に仕上げられますので、ぜひチェックしてみてください。

企業の独自性に触れる

志望動機では、企業の独自性に触れましょう。

同業種の中でなぜ自分はその企業に興味を持ったのか、その理由を挙げるためです。

ほかの競合企業との違い、その企業が目標としていること、大切にしている理念やこだわりを調べることがまず必要です。

そのうえで、提供されている製品やサービスが誰にどういった目的で開発され販売されているかを想像し、自分の中でかみ砕いて理解する必要があります。

ここで忘れてはいけないのが、「自分の目標を達成するためにはこの企業でなければならない」という結論をしっかり持っておくことです。

企業研究をしっかりしていれば、自身の志望度の高さを裏付けることにもつながります。

自分自身の言葉で、その企業を評価できるようにしておきましょう。

「なぜ」を中心にする

「なぜ」を中心に、志望動機を組み立てましょう。

志望動機を作成する際、企業や業界の魅力について詳しく説明をしてしまいがちですが、企業が知りたいのはそこではありません。

「なぜ自社に入社したいのか」「なぜこの業界を選んだのか」「なぜ数多くある会社の中から自社を選んだのか」など、採用する側に立ってもう一度考えてみましょう。

そう考えることで、自分本位になりがちな志望動機を改善することになります。

企業が知りたいのは、自社の将来を一緒に支えてくれる人材であるかどうか、一緒に働きたい人間であるかということです。

企業が知りたいと思っている「なぜ」を理解することで、相手を説得する志望動機を作成することができます。

志望動機を深掘りし、企業が知りたいことに答えられる内容にしましょう。

エピソードの具体化

伝わる志望動機を作成するためには、エピソードの具体化も必須です。

エピソードは志望動機の根源をなす存在であり、志望動機を支える根拠です。

エピソードが弱いと、「本当の体験なのか」「どこかで聞いた話をアレンジしただけなのでは」と受け止められてしまいます。

実際のエピソードであっても、抽象的な説明だと説得力がなく、志望度が低いと判断されてしまう可能性があります。

エピソードが具体的であれば相手も想像しやすいため、あなたの働きたいというモチベーションの高さや業界についての興味が強いことをアピールできるのです。

自分で書いたものであっても、必ず第三者に客観的な視点で見てもらうようにし、エピソードが具体的に伝わっているかどうか確認しましょう。

【志望動機が弱い】印象に残る志望動機を作るためには?

志望動機が弱く相手に伝わらないと、どんなに熱意があったとしても意味がありません。

ここまで、志望動機がなぜ弱いと判断されてしまうのか、その原因とともに改善すべきポイントを見てきましたが、それだけではまだ十分とはいえません。

志望動機は応募先ごとに作成する必要があるため、繰り返し書いているとどうしても似通った内容になってしまいがちです。

ここでは、印象に残る自分だけの志望動機を作るために、見直したいことと参考にすべきことについて詳しく見ていきましょう。

就活の軸を確認

あなたにとって核となる、就活の軸を確認しましょう。

志望動機を書く際、何も考えずに作成し始めてしまうと内容にまとまりがなくつまらない内容になってしまいます。

その理由が、自分の軸のぶれです。 志望動機は書類選考だけでなく、面接でも参考にされます。

そのため、内容が伝わらないと意味がありません。

志望動機で最初に伝えるべきことは、応募の理由です。

なぜこの業界で働きたいと考えたのか、その思いにつながる経験や考えを掘り下げてみましょう。

その根拠を説明するためにも、自身の軸と理由となるエピソードの間に矛盾があってはいけません。

まずは自分の就活の軸について見直したうえで、内容がブレていないかどうか深掘りしてみるといいでしょう。

詳しい就活の軸の作り方や考え方はこちらの記事を参考にしてください

入念な企業研究

担当者に響く志望動機を書くには、入念な企業研究が不可欠です。

なぜその業界や企業を選んだのか、説得力を持たせるためには、まず企業の独自性を見つけ出す必要があります。

企業のホームページやパンフレットでも基本的な情報は手に入れられますが、情報収集で終わってしまっては意味がありません。

情報を集めたら、そこから企業が製品やサービスを通して、将来に向けて何を成し遂げたいとしているのかを考えてみましょう。

自分の強みが入社後にどのように貢献できるのか、具体性を持たせるためにも関連性を深掘りする必要があります。

企業が目指すものから、必要とされている人材や能力について考えたうえで、自分の経験や強みでどのような貢献ができるのかを見つけ、関連付けて説明できるようにしましょう。

詳しい企業研究の仕方はこちらの記事を参考にしてください

内定者の志望動機を参考にする

実際に内定した人の作成した志望動機を参考に、書いてみる方法もおすすめです。

内定した人の文章とそうでない人の文章には、大きな違いがあります。

「ここに入社したい」という気持ちが前のめりになり、企業を褒め称える文章になってしまったり、単に企業の良いところを挙げるだけの志望動機になってしまったりする人は、まず内定者の文章を読んでみましょう。

内定者の志望動機を公開している企業も増えてきているので、探してみることをおすすめします。

また、志望する業界によっても志望動機の内容は変わってきますので、一から作成するよりもスムーズに書けるはずです。

魅力ある文章に引っ張られてしまわないように注意が必要ですが、どういった流れで読み手を引き込むか、その手法をぜひ取り入れてみましょう。

おわりに

志望動機が弱いと指摘を受けている方の多くは、伝えたいことが相手に伝わっていない文章になってしまっています。

業界や企業の魅力について語るだけでは、企業はあなたがなぜ応募してきたのかを想像できません。

志望動機を通し、企業はあなたが貢献してくれる人材かどうか、一緒に働きたい人間なのかを判断しようとしています。

企業研究を通し、自分の強みやスキルとの関連性を見つけ出したうえで、担当者に「ほかにない人材だ」と感じてもらえる強い志望動機を作成しましょう。

柴田貴司
監修者

明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート

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