はじめに
法人の顧客相手に、モノやサービスを売る職種のことを法人営業と言います。
不動産や洋服、金融商品や人材サービスなど、法人営業で扱う商材は有形商材から無形商材まで種類はさまざまです。
一度に大きな契約を結べる法人営業にやりがいを感じ、就職活動に励んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
法人営業を募集している企業は非常に多いため、なぜその企業を志望するのか、志望動機をより具体的に書く必要があります。
こちらでは、法人営業向けの志望動機について解説しています。
法人営業での就職を目指している方、志望動機の書き方に悩んでいる方など、ぜひ参考にしてください。
【法人営業の志望動機】志望動機ではどこを見られるのか
これから法人営業の志望動機を書こうとしている方も多いかもしれません。
法人営業の志望動機を書く際には、どのような点に気をつければ良いのでしょうか。
どの業種においても、人事担当が見ているのは、その就活生が今後企業の利益に貢献してくれる人材か否かです。
しかし、業種によって向き不向きもありますし、求められる人材も変わってきます。
こちらでは、法人営業では志望動機のどのような点が見られているのか、具体的なポイントをあげて解説していきます。
熱意
まず人事担当が志望動機から読み取ろうとするのが、就活生の熱意です。
どれほど入社したいのか、そしてどういった仕事をしていきたいのかなど、自社に対して熱意を感じさせる志望動機には心動かされるものです。
また、熱意の有無ですぐに離職してしまわないかも見られています。
求人を出すということは、想像以上に時間やコストを割くものです。
そのため、すぐに離職されてしまっては企業としても大打撃なのです。
「すぐに辞めそう」という印象を与えないよう、志望企業への熱意は余すことなく伝えられるようにしましょう。
人柄
法人営業では、すでに取り引きのある企業に対して営業をかけるルート営業がメインです。
また、新規開拓のために飛び込み営業を行うこともあります。
いくつかの営業方法はありますが、どんな方法であれ、営業を行う際に内向的でフットワークの重い人では、せっかくのチャンスを無駄にしてしまうおそれがあるのです。
そのため、法人営業ではどんな営業先にも溶け込めるような、親しみやすい人柄が求められます。
加えて、企業や組織に合う人柄かどうかも、志望動機を通してチェックされていると言っても良いでしょう。
志望動機を書く前に、企業の求める人物像を把握しておくことが大切です。
適性
熱意があり、人柄が社風に合っている人材でも、仕事で結果を出せなければ意味がありません。
先に説明した通り、法人営業ではどんな営業先でも溶け込めるような人柄が求められるうえ、契約締結へのクロージングの際は多少強引に誘導するくらいの胆力も必要です。
どんなにフットワークが軽くて営業に向いている人柄だとしても、大事なところで一歩引いてしまっては、法人営業としての適性があるとは言えません。
悪く言えば、図太さを持ち合わせていることも大切なのです。
人事担当者が志望動機を見る際は、自社の法人営業としての適性は必ず確認するポイントだと言えるでしょう。
【法人営業の志望動機】法人営業に求められるスキル・人柄
法人営業の志望動機で、見られているものの1つとして人柄をあげました。
こちらでは、法人営業に向いている人柄について、より具体的に解説していきます。
接しやすく話しやすい人柄であることは前提として、法人営業にはどのような人柄が向いているのでしょうか。
また、法人営業で求められるスキルもぜひチェックしておきましょう。
これらをふまえて志望動機では、法人営業に向いているご自分の人柄やスキルをアピールできるようにしておくと良いでしょう。
コミュニケーション力
法人営業には、コミュニケーション力は必要不可欠です。
コミュニケーション力には大きく分けて話す力と聞く力があり、自社の製品について、わかりやすく魅力的に伝えるための話す力は欠かせません。
加えて、聞く力を求められる場面も非常に多いです。
なぜなら、顧客の話す内容から、いち早く相手のニーズを聞き取ることで、商機につなげられるからです。
契約を取れる営業は、話す力よりも聞く力が長けた人のほうが多いと言っても過言ではありません。
また、他社の悪口を言ったり、自社を良く見せようとして誇張した説明をしたりするなど、悪い印象を与えるコミュニケーションはやめましょう。
分析力
自社商品を売り込む際「他社にも同じような商品がある」と相手に言われてしまうことも少なからずあるでしょう。
そんなとき、競合他社の商品と自社の商品を比較し、より魅力的に伝えられるスキルが求められます。
その際、話す力が必要になると思われがちですが、実はそれ以上に必要なのは、自社製品の魅力を把握する分析力なのです。
また、営業先のニーズを見出すための分析力も求められます。
自社製品の魅力と、営業先のニーズがマッチすることで、より営業の成功につなげられるでしょう。
論理的思考力
法人営業が個人営業と大きく違うのは、営業相手は実際に話をしている相手だけではないということです。
その社員の先に、ほかの社員や上司達がおり、ひいては会社の代表者まで営業情報が共有されます。
そんなときに感情だけで押し通す営業をしてしまっては、営業相手1人には響いても、商材やサービスの正確な情報が組織には伝えられません。
だからこそ法人営業では、誰にでも正確な情報を伝えるための論理的思考力が欠かせないのです。
筋道の通った論理的な説明やプレゼンで相手の信頼を獲得し、正確な情報を組織レベルにまで伝えられることが、営業成功のカギとなります。
向上心
営業職についても離職してしまう人の中には、毎月課せられるノルマに心折れてしまう人がいます。
しかし、営業で契約を取らなければ利益を得られないため、法人営業とノルマは切っても切れない関係にあるのです。
しかし、ノルマだけ達成できればいいと思ってしまう思考は、営業職としての成長を妨げます。
法人営業は、ノルマに向かってやり切る力はもちろん、日々目標を上書きしていく向上心が必要不可欠なのです。
向上心をもつことで、顧客相手に営業としてのあるべき姿を思い描けることから、顧客価値を高める提案につなげられるでしょう。
計画力
営業とノルマは切っても切れない関係にあると説明しましたが、ノルマ達成の向上心に加えて、達成させるための計画力も欠かせません。
営業先に一度通うだけで契約を結べるとも限りませんので、訪問頻度など、営業方針に沿った訪問計画を立てる必要があります。
また、ノルマを達成するタスクのほかに、すでに得意先として抱えている顧客へのフォローもおろそかにしてはいけません。
法人営業では、ノルマ達成のための計画を立てながらも、顧客へのフォローや急なスケジュール変更への対応など、柔軟な計画力が求められます。
責任感がある
法人営業は、顧客との信頼関係がなくては成り立ちません。
法人営業では決まった顧客とのやり取りが主であるルート営業をメインとするため、信頼関係を強固にすることで、競合相手が介入する隙を与えないことも大切です。
顧客が営業担当のどんなところに信頼を感じるかというと、責任感ある人柄は欠かせないでしょう。
営業担当が商談に頻繁に遅刻したり、約束の資料送付を忘れたりするなど、信頼に欠く行動が続いた場合、関係を打ち切られてしまうことも決して少なくはありません。
営業担当が責任ある行動をすることで顧客から信頼を獲得でき、成功につながるはずです。
【法人営業の志望動機】志望動機のポイント
法人営業で求められる人柄やスキルを理解したら、いよいよ志望動機を書く準備に取り掛かります。
志望動機を書く際には、ただ感情のままに筆を走らせないよう心掛けましょう。
「志望した企業で何をやりたいか」「こんな経験をしてきた自分に何ができるか」などは滞りなく書ける方もいるかもしれませんが、必要な準備をしていないと表面的な志望動機になってしまいかねません。
人事担当の心に響く志望動機とするためにも、必ず準備はしておきましょう。
こちらでは、志望動機に必要な準備のポイントを解説します。
業界研究
法人営業と一口に言っても、いろいろな業界が存在します。
扱う商材が有形なのか無形なのかによっても、契約までのプロセスはまったく異なります。
志望する企業を選んだり、志望理由を伝えたりするためにも、まずは業界研究から始めましょう。
業界研究から志望する企業の立ち位置を確認することで、志望動機の基本的な方針を決められます。
また、志望動機の中で業界の現状が理解できていることを伝えたうえで、さらに自分の意見を伝えられるのです。
そうすることで、より深みのある、響く志望動機を書けるでしょう。
企業研究
業界研究の次は、企業研究へと対象を狭めていきましょう。
企業の特徴を理解したうえで自分との相性を確かめることも大切ですし、企業を深く知ることで志望動機をより具体的に伝えられます。
企業研究では、代表取締役や企業理念のリサーチから始まり、くわしい事業内容や成長性などを掘り下げ、企業の求める人物像なども把握しておきましょう。
またその企業だけでなく、同業他社と比較したうえでの特徴などを押さえておくのもおすすめです。
志望企業の強みが浮き出ることで、志望動機に活用できます。
自己分析
企業研究を進めていくと、次第に求める人物像を把握できるようになります。
その人物像に自分が当てはまっているか、求められる人物像になれるかどうかを知るためにも、きちんと自己分析を行いましょう。
自分がこれまでどういった経験を積んできたのか、何を考えてきたのかなどを分析し、書き出すことで自分の強みや弱みを再認識できます。
また、あなたがその企業でどのように成長していきたいかも一緒に考えておきましょう。
営業の場合は、管理職への昇進が一般的です。
しかし、営業として成長し続けたいという人もいます。
自分が今後、どのようなキャリアを歩んでいきたいか、この時点でしっかりと道筋を描き、その理由も整理しておきましょう。
【法人営業の志望動機】志望動機の構成
準備をしたら、いよいよ志望動機の執筆に取り掛かります。
ペンを走らせるその前に、忘れてはいけないのが、志望動機の構成を組むことです。
道筋立てて志望動機を伝えることで、より伝わりやすく、より響く内容にできます。
また、営業職に就いてからも、論理的に物事を組み立てて、説得力ある営業をすることが重要です。
その説得力の有無を、志望動機を通して伝えることが採用への第一歩だと言えるでしょう。
こちらでは、志望動機の構成について説明していきます。
結論
通常、文章の書き方は起承転結が良いとされています。
しかし志望動機においては、結論から書くことを心掛けましょう。
志望動機の結論にあたるのは、企業の志望理由です。
志望理由をまず明らかにしてから、なぜそう考えるのかを書いていくことで、伝えたいことがはっきりします。
反対に、最初に結論を示さないと、結局何が言いたいのかわからない文章になってしまいがちです。
大勢の就活生の志望動機に目を通しているであろう人事相手には、結論をどう端的に伝え、印象づけられるかがカギです。
根拠
志望理由の結論を提示したら、次はその根拠を述べていきます。
言いたいことを明らかにしたあとで「なぜそう考えるに至ったか」を道筋立てて説明することで、志望理由の詳細や企業への熱意を伝えられます。
ここで大切なのは、志望するに至った具体的なエピソードを盛り込むことです。
あなただけのオリジナルエピソードを入れると、説得力が増すと言えるでしょう。
あなたがその企業に興味を抱くようになった経緯を丁寧に思い返し、具体的に伝えられるよう工夫すると良いでしょう。
どう貢献できるか
企業への志望理由と、志望するに至った経緯を書いたら、次はどう貢献できるかをアピールしましょう。
人事担当が志望動機から読み解くのは、いかに自社へ貢献してくれる人材かということです。
自分の経験ばかりを書いてしまってはいけませんが、自分がどう貢献できるかは決して忘れてはいけないポイントであり、志望動機の要となります。
貢献できることは、自分のスキルや強みを理解していなければ書くことはできません。
自己分析をきっちりし、強みやスキルをどう活かせるかを具体的に伝えていきましょう。
【法人営業の志望動機】志望動機の例文
志望動機の構成を組み、どのような内容にするかを決めたら、実際に書き進めていきます。
しかし、具体的にはどのように書いていけば良いのか迷ってしまう方もいるでしょう。
法人営業と一口に言っても業界は幅広く、業界によっては響く志望動機が異なるため、悩んでしまうのも無理はありません。
業界によってどのような書き方が適しているのか、こちらでは業界別に、志望動機の例文をご紹介します。
先にあげた、結論・根拠・どう貢献できるかがどのように書かれているのかもチェックしてみてください。
IT業界の法人営業の例文
私が貴社を志望する理由は、貴社のサービスを広め、企業の抱える問題の解決を果たしたいと考えたからです。
以前よりアルバイト先で、貴社のサービスである○○というシステムを利用しており、企業の業務効率化に非常に最適だということが強く印象に残りました。
しかし同じ業界でも、貴社のシステムをまだ導入していない企業が多数である事実を知り、貴社のシステムを広めるための役割を担いたいと強く思ったのです。
学生時代にはイベントサークルでのスポンサー獲得を担当しており、コミュニケーション能力には自信があります。
貴社へ入社後は培ったコミュニケーション力を活かし、顧客が抱える問題解決をはかると共に、貴社のサービスの魅力をより広く伝えるべく努力してまいります。
インフラ業界の法人営業の例文
私は、人々が自分らしく生き、働けるためのサポートをしていきたいと考えております。
私には遠方に住む祖母がおり、○○で使用した貴社の○○というサービスを「とても便利だ」と喜んでいた笑顔に強く心を打たれました。
私が人々の生活に密着した仕事に就きたいと思った、一番の出来事でもあります。
インフラ業界には人の人生に関われる点にやりがいを感じると同時に、インフラを支える企業の中でも、人々に寄り添い人生をより良くしようとする貴社の姿勢に、大変魅力を感じました。
私の強みは、皆の意見に耳を傾けてより良い提案ができることです。
これまで培ったヒアリング力を活かし、企業とサービス利用者が納得のいくようサポートをしていきたいと思います。
【法人営業の志望動機】志望動機は見直ししよう!
法人営業の志望動機を書き終わったとしても、まだ満足してはいけません。
書きっぱなしにするのではなく、必ずしっかりと見直しましょう。
見直しのポイントとしては、誤字脱字と話の展開に違和感がないかをあげられます。
誤字脱字があることで、いい加減な印象を与えてしまうため、一字一句間違えていないか細かく確認するべきです。
また、法人営業職として必要不可欠な論理的思考も、志望動機を通して見られている可能性があるため、相手に伝わる書き方になっているか見直す必要があります。
ご自分で確認したあとは、客観的な視点を取り入れるために、家族や友人、大学のキャリアセンターなどでチェックしてもらいましょう。
就活エージェントを活用しよう
自分でしっかりと見直しをし、客観的な意見をもらったあとで、さらに魅力的な志望動機にする方法があります。
それが、就活エージェントに添削を依頼することです。
就活エージェントで添削を依頼すると、誤字脱字だけでなく、ビジネスにおける適切な言葉づかいや、マナーができているかどうかという点も確認してくれます。
また、向上心やチャレンジ精神など、あなたがアピールしている点に認識のずれがないかなど、プロの目からの最終チェックがかなうのです。
就活エージェントは就活に関する豊富な知識があるため、具体的で効果的なアドバイスをもらえるでしょう。
就活エージェントを選ぶなら「就活市場エージェント」がおすすめです。
営業職に精通したエージェントが、あなたの志望動機に効果的なアドバイスをしてくれます。
まとめ
今回は、法人営業での志望動機についてご紹介しました。
採用担当が見ているのはどういった点なのか、どのような点に意識することで、面接官に響く志望動機を書けるのかなど、ポイントを押さえたうえで書き進めていきましょう。
特に個人営業と法人営業の違いをしっかりと理解し、なぜ法人営業を選ぶのかを明確にすることを忘れてはいけません。
他の就活生と差をつけられるよう、今回ご紹介したポイントをぜひ意識してみてください。
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