はじめに
「就活の志望動機ってどんなことを書けばいいの?」 「内定をもらうために志望動機で気を付けるポイントを教えてほしい!」 「志望動機が書けなくて困っているので例文を見てみたい!」 就活中の学生さん、転職を考えている方など、志望動機に関してこのような不安や疑問を抱える方は少なくないことでしょう。
本記事では、就活の場で内定の是非を決めるといっても過言ではない、志望動機の作成について詳しく解説していきます。また、企業が志望動機でチェックしていることや、具体的な志望動機の書き方、参考例文など、志望動機を書くうえでのポイントもまとめています。
本記事を見ることで、志望動機の書き方を理解し、好印象かつ高評価がもらえる志望動機が誰でも作れるようになるでしょう。
就活に悩むみなさまのヒントになれば幸いです。少しでも興味のある方は、是非この記事をチェックしてみて下さい。
- 企業が志望動機でチェックしていること
- 志望動機の書き方のポイント
- 志望動機の例文
- 就活を始めた人
- 志望動機が書けずに悩んでいる人
- 志望動機の例文を見たい人
【就活の志望動機】就活における志望動機はどうやって書けばいい?
志望動機とは、応募した企業に対してなぜ入社したいのかを伝える項目のことです。
企業側は応募者の志望動機を聞くことで、自社への理解度や入社意欲の高さを測っています。企業側は、明確な意図を持って志望動機を聞いているということを理解したうえで、志望動機を作成することが重要です。
【就活の志望動機】企業が志望動機でチェックしていること
応募者の志望動機に対し、企業側がチェックするポイントを3つに絞ってお伝えします。企業側がチェックするポイントを知っていれば、評価の高い志望動機が作成できるでしょう。
なぜ自社に魅力を感じたのか
多数の会社が存在する中で、志望する企業と同じ事業を展開する企業もあるはずです。企業側は、自社と同じような企業が多くある状況でも、なぜ自社に魅力を感じているのか、聞きたいと思っています。
「なぜその企業でなければダメなのか」を明確に伝えられれば、入社意欲が存分に伝わり、他の応募者との差別化につながるでしょう。
価値観が自社のビジョンとマッチしているか
どんなに強い入社の意欲があったとしても、企業側の価値観とは異なった考えを持つ人物であった場合、入社後にミスマッチが生まれてしまう可能性があります。 人材のミスマッチは、企業側にデメリットがあることはもちろん、応募者側にとっても合わない職場に来てしまった…という両者にとって不幸な結果になりかねません。
このような最悪の事態を防ぐために、企業側は志望動機を確認することで、応募者の持つ価値観が自社のビジョンとマッチするかを見極めています。
入社後しっかりと働き成長していってくれるか
志望動機は、仕事へのモチベーションを伝えるものです。企業は志望動機を通じて、入社後に活躍できるポテンシャルがあるかどうか、自社にどのくらい貢献してくれるかを測ろうとしています。
また、応募者の将来的なビジョンを知ることで、企業の目指す方向性と明らかなズレがないかどうかを確かめたいのです。
【就活の志望動機】就活における志望動機の書き方の6つのポイント
ここまでは、企業が志望動機でチェックするポイントを学んできました。このポイントを知ったうえで、実際に志望動機を書いてみましょう。
志望動機の書き方にもポイントがあるため、以下で詳しく説明していきます。
- 企業研究をしっかりと行う
- 企業と自分との接点は何かを考える
- 具体的なエピソードを盛り込む
- 伝わりやすい構成を心がける
- 魅力に感じたものはできるだけ企業の普遍的な部分にする
- 自分の強みを仕事でどう活かすかをアピールする
1:企業研究をしっかりと行う
志望動機を充実させるには、企業研究が欠かせません。
企業側は「なぜ他社ではなく自社を志望するのか」を重視しています。企業研究を念入りに行い、その企業が持つ特徴や魅力について洗い出しておくことが大切です。
他社でも言えるような点を志望動機にあげてしまうと、自社じゃなくてもいいのではと思われ、入社意欲に疑問を持たれてしまう可能性があるので注意が必要になります。
志望企業にしかない特徴や魅力を探すのは、難しい作業でしょう。そんな時は、志望企業の研究に加え、他の企業についても調べてみることが有効です。より志望企業の特徴や魅力がはっきりとし、入社意欲が伝わりやすくなるでしょう。
2:企業と自分との接点は何かを考える
よくある志望動機の悪い共通点として、「企業と自分との接点がほとんど見えない」ことがあります。接点がない場合、企業側は応募者が将来活躍してくれそうなイメージを抱きません。
企業と自分の接点があるように伝えるには、自己分析や企業分析をもとに自分のことも会社のことも深く掘り下げ、「どんな点で結びついているのか」をきちんと説明する必要があります。
例えば、大学で学んだ専門知識を活かしたいという考えや、過去の経験からその企業や職業に思い入れがあるなど、志望しているのであれば何かしら企業と自分を結びつけられるでしょう。
こうした接点を見つけることが、企業側が納得する志望動機につながります。
3:具体的なエピソードを盛り込む
エピソードとは、志望動機の裏付けとなる経験のことです。エピソードがあるかないかで、志望度に対する説得力が変わってきます。
しかし、いざ志望動機にエピソードを盛り込もうと思っても、なかなか思いつかない人も多いでしょう。就活で使うエピソードだからといって、立派なものでなければいけないわけではありません。
自分の幼少期までさかのぼり、なぜその企業に入りたいのか、なぜその仕事をしたいのかを今一度真剣に考えてみましょう。どんなにささいな出来事でも構わないので、一度すべて書き出してみることをおすすめします。
4:伝わりやすい構成を心がける
伝わりやすい構成の流れは「結論」「根拠」「入社後のビジョン」の順です。
1.志望理由を簡潔に述べる(結論) 結論を冒頭で述べることで、その後に続く内容が相手に伝わりやすいという利点があります。
2.志望理由が生まれた背景を書く(根拠) 背景が具体的であるほど、志望動機の説得力は上がります。自分の価値観や強みなどをもとにエピソードを加えつつ、志望理由が生まれた根拠をしっかりと伝えることが大切です。
3.なぜ他の業界や企業ではないのかを述べる(根拠) 他の業界や企業についても研究し、志望企業にしかない強みを発見し伝え、企業研究がしっかりできているという印象を残しましょう。
4.入社後どのように活躍するかを結論とともに述べる(入社後のビジョン) 志望動機では、入社後の仕事への貢献度合いも測られているため、自分を雇ったら企業にどんなメリットがあるかを提示しつつ、再度結論で締めるのがポイントです。
5:魅力に感じたものはできるだけ企業の普遍的な部分にする
各企業には、自社の「売り」が存在しています。具体的には、企業理念や文化・社風のような、時が経過しても大きくは変わらない普遍的な要素のことです。
「企業のどの部分に魅力を感じたか」を伝える際には、できるだけ普遍的なコアな部分に着目すると良いでしょう。
仮に変化しやすい要素(新規事業や制度・社員など)を選んでしまった場合、企業側に「その要素が欠けたら魅力を感じなくなってしまうのでは?」と思われてしまう危険性があります。どの要素を志望動機に入れるかは、注意が必要です。
6:自分の強みを仕事でどう活かすかをアピールする
「学生時代にどんな経験をしたか」「過去にどのような仕事に関わったか」を伝えることで、自分の強みをどう仕事に活かしていくかを伝えましょう。
今までの経験値、経験によって得た学びや経験を自己の強みとして表現することで、企業側は応募者が入社した後の活躍に期待を高めます。
また、実際の仕事の現場を想像したうえで、自分の強みをどう活かしていくかを伝えることができれば、「意欲の高い人物」という印象を与えられるでしょう。
【就活の志望動機】就活における志望動機の例文
志望動機の書き方を一通り解説してきました。ここからは、具体的に業種や職種、理由別に分けた志望動機の例文ととも、それぞれの志望動機で抑えるポイントをまとめていきます。
IT系企業を志望する場合
ITリテラシーがない人でも簡単に利用できる画期的なサービスを作りたいという思いから、貴社を志望します。
大学時代、学生団体の活動を広めるためにWebサイトを作成した経験から、サイト作成のために専門知識の情報を集める中で「もっとわかりやすいサイトがあればいいのに」と感じることが多くありました。
この経験での思いと、自らのチャレンジ精神を活かし、新しいサービスを作り社会に貢献したいと考えています。
ポイントは、「業種・職種への理解」「学習意欲の高さ」です。
まずは業種や職種について理解したうえで、各特性に合致した志望動機を作成することが鍵になります。
また、IT業界では学習意欲の高さが必要です。次から次へと新しい情報が出てくるIT業界では、自ら情報をキャッチアップし吸収していけるような自走力が必要とされています。
地方銀行を志望する場合
生まれ育った地域の企業を金融面から支え、地元の発展に貢献をしたいという思いから貴行を志望します。
昔よく参加していた地元の行事は、貴行をはじめとした多くの地元企業の支えによって運営されていることを知り、自分が生まれ育った地域の発展に貢献したいと考えるようになりました。
また、貴行は地元企業への融資・出資金シェア率が高く、他行よりも地域密着型である特徴に魅力を感じています。入行後には、地元企業に近い立場として親身な支援をし、地域に寄り添って活躍できる人材を目指そうと考えています。
ポイントは、「なぜその地方銀行なのか」「その地域に対する思い」「入行後のビジョンを伝える」ことです。
地方銀行とその地域は強い結びつきを持つため、その地域に対する思いを伝えることが大切になります。エピソードを盛り込むと思いが伝わりやすいでしょう。加えて、入社後の展望を具体的なイメージで伝えられると好印象を与えられます。
営業を志望する場合
これまでの販売職勤務の経験を活かし、より結果が重視される営業職で活躍したいと考え貴社を志望いたしました。
店舗で多くのお客様に洋服を販売するアパレル職に携わった経験から、「相手の希望を汲み取る力」や「お客様に寄り添うコミュニケーション能力」が私の強みだと考えています。
貴社で営業職として入社した際には、持ち前のコミュニケーション能力を活かしてお客様の要望を引き出し、最適なサービスを提供することに注力していきたいと考えております。
ポイントは、「適性があることをアピールする」ことです。
営業職は「高度な顧客折衝能力」や「コミュニケーション能力」が求められることから、採用時には経験が重視されやすい傾向があります。未経験の場合は、過去の接客経験やコミュニケーション能力などをエピソードとしてアピールしましょう。
事務職を志望する場合
直接的に会社内部から人を支える仕事がしたいと思い、事務職への転職を考えました。
現職は営業ですが、PCの使用機会は多くありました。今はさらなるスキルアップを目指し、PCスクールに通いスキルの向上を目指しています。
営業で培ったコミュニケーション能力や目標達成意欲を活かし、皆さんの仕事や会社の成長を支えられる縁の下の力持ちのような存在になりたいと思っています。
ポイントは、「スキルがあることをアピールする」ことです。
事務職に必要なスキルには、「PCスキル」「作業の正確さ・スピード」「コミュニケーション能力・協調性」があげられます。
また、事務職は他人の意図を正確につかみ、気遣いのできる人が重宝されます。未経験者であっても、スキルコミュニケーション能力や協調性といったヒューマンスキルをエピソードとともにアピールできるといいでしょう。
開発・研究職を志望する場合
生活に必要不可欠な飲料を提供している貴社で、製品の研究開発に携わりたいと思い志望しました。
学生時代は農学部に所属し、食品を通じた環境保全について研究していました。会社説明会で、貴社は環境保全や茶葉産地の地域活性化にも注力していると知り、様々な取り組みに果敢に挑み、飲料を通じて人々の生活を豊かにする姿に感銘を受け志望意欲が高まりました。
入社後はお客様に広く愛される商品づくりのため、学んできたことを活かし試行錯誤しながら取り組みたいと思います。
ポイントは、「研究職・開発職に対する志望理由を明確に述べる」「自分の研究内容や研究で得られた能力をアピールする」「研究職・開発職で取り組みたいことを具体的に伝える」ことです。
また、求められるスキルとしては、幅広い視野・柔軟性・粘り強さがあります。これらのスキルを発揮した経験があれば、積極的にアピールしていきましょう。
企業理念に惹かれた場合
貴社を志望した理由は、家電を通して多くの人に便利で充実した暮らしを届けたいからです。
貴社では利便性が高く暮らしになじむ商品を取り揃えています。また、客側として来店した際に、お客様に親身に寄り添うスタイルの販売方法を実際に体験し「こんな販売員を目指したい」という目標も生まれました。
貴社の企業理念である「家電を通じてより良い暮らしを届ける」ことは、私がお客様に提供したいことと一致しています。入社後は、貴社の素敵な商品でたくさんの人を幸せにする販売員になりたいと考えています。
ポイントは、「共感する具体的な内容を伝える」「自分の価値観と重なるところを伝える」ことです。
企業理念を志望動機にしたい場合、ただ企業理念を読む程度ではなく、なぜその企業理念を制定するに至ったのか、経営者の考えや企業の歴史・背景をよく調べ、しっかり志望企業について理解したうえで盛り込むようにしましょう。
社風に惹かれた場合
貴社を志望する理由は、風通しが良い社風に魅力を感じたためです。
先輩後輩関係のない活発な意見交換で良いチームワークが築けたという部活動経験から、風通しの良い環境は会社全体の成長につながると考えています。OB訪問時に役職や年齢にかかわらず良い意見は取り入れる社風があると聞き、自分の価値観と共通するものを感じました。
入社後は部活動のチーム経験を活かし、自分の意見を発信しつつ周囲の考えも尊重し、貴社をより良い方向に引っ張っていく存在を目指します。
ポイントは、「自分にとって社風が大切な理由」「その会社の社風を感じたエピソードや根拠」「社風によって自分がどのように活躍できるのか」を伝えることです。
社風は志望動機として取り上げやすい要素ですが、根拠が薄くなりがちで難易度が高いといわれています。社風を志望動機に書く際は、上記のポイントを参考に濃い内容を述べられるように準備しましょう。
評価制度に惹かれた場合
貴社を志望した理由は、個人の成果を重視した評価制度に魅力を感じたためです。
私は学生時代、営業職の長期インターンシップに参加していました。そこでは、自分の努力や成果によって待遇が上がる環境があり、負けず嫌いな私は非常にやりがいを持って働くことができました。
この経験から、私の企業選びの軸は「成果を出すことで高く評価され、よりチャレンジングな機会を得られること」としています。貴社においても、積極的に知識を吸収しつつ、自らのパフォーマンスを十分に発揮し、会社の発展に貢献していきたいと思っています。
ポイントは、「自分の過去の経験や自分の性質、価値観といかに合致しているか」です。
上の例文は、実際に個人の実力主義の現場を経験してきた人の例になります。評価制度と個人のモチベーションがマッチすることをアピールできれば、入社後の意欲の高さを評価されるでしょう。
商品や事業に惹かれた場合
土地開発やビル・施設造りを通して地域のまちづくりに携わりたいと考えたため、貴社を志望します。
私の地元駅周辺は活気がなく閑散とした印象でしたが、再開発により複合施設が建てられたのをきっかけに、地元駅周辺が活気を取り戻しました。この経験から、人々の暮らしを支え、街を元気にできるような仕事をしたいと考えるようになりました。
貴社に入社した際は、このようなまちづくりに携わり、人々の暮らしを豊かにすることに貢献していきたいと思います。
ポイントは、「なぜ魅力を感じたのか」を深掘りすることです。
商品や事業内容は、調べれば誰でも書けます。「なぜ」を繰り返して深掘りし、自分にしか書けないオリジナルの志望動機を作成することが必要です。
【就活の志望動機】就活における志望動機の書き方のポイントを押さえよう
以上、志望動機の作成方法についての解説はいかがでしたでしょうか。
この記事では企業が志望動機でチェックしていることや就活における志望動機の書き方を紹介しました。
志望動機は、いかに説得力があるかと企業側の目線に立つことが重要です。今回解説したポイントを踏まえて、自分の企業に対する熱い思いを、企業側が納得できるような形で伝えることをゴールに志望動機を作成してみて下さい。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート