就職活動が本格化する中で、公務員を目指してみようかなと考え始めた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
安定した職業として人気のある公務員ですが、採用試験の内容や準備の進め方は、民間企業の就活とは少し異なります。
特に、ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)については、民間と同様に重要視される場面もあれば、そうでない場合もあります。
本記事では、公務員試験におけるガクチカの位置づけや、自治体・省庁に合わせたガクチカの考え方について詳しく解説していきます。
筆記対策ばかりに目がいきがちですが、面接でしっかりと自分をアピールするためにも、早めに準備しておくことが大切です。
自分の経験が評価されるのか不安という方も、この記事を読むことで、自信を持って一歩を踏み出せるようになるはずです。
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【公務員試験】そもそもガクチカとは
ガクチカとは、学生時代に力を入れたことを略した言葉で、就職活動では自己PRや志望動機と並んでよく聞かれる項目です。
具体的には、部活動、アルバイト、ボランティア、学業、サークル活動など、自分が主体的に関わった経験の中で、どのような課題に取り組み、どのように努力し、どのような成果や学びを得たのかを伝えるものです。
民間企業の就活ではほぼ必須とされるガクチカですが、公務員試験でも同様に問われるのでしょうか?結論からお伝えすると、筆記試験の段階では必要ありませんが、面接では非常に高い確率で聞かれます。
そのため、公務員試験を受ける方も、しっかりと自分のガクチカを整理しておくことが欠かせません。
公務員試験でガクチカって必要?
公務員試験では、まず筆記試験が行われ、ある程度の得点がないと次の面接に進むことができません。
そのため、まずは筆記が大事と考える方も多いのですが、実は面接が合否に大きく影響する自治体が増えています。
筆記試験ではガクチカは基本的に問われませんが、面接ではほぼ確実に聞かれると考えておいたほうがよいでしょう。
特に近年では、人柄やコミュニケーション能力、課題解決力などを重視する傾向が強まっており、面接での自己表現が非常に重要視されています。
【公務員試験】ガクチカは自治体や省庁に合わせて作成しよう
公務員といっても、業務内容や求められる人物像は自治体や省庁によって大きく異なります。
そのため、ガクチカを準備する際は、どの機関を志望するのかを明確にし、それぞれの特性に合わせて伝え方を工夫することが大切です。
単に自分の経験を語るのではなく、その経験が志望先の業務や求める人材像にどう活かせるかを意識して整理することで、説得力のある自己PRにつながります。
ここからは、公務員試験におけるガクチカの考え方や準備方法について、より具体的に解説していきます。
人柄を重視して採用する自治体は多い
地方自治体の多くは、住民との接点が多い職務内容を持っており、人柄や対人能力を重視した採用を行っています。
そのため、ガクチカでもどのような成果を出したかよりも、その経験を通してどのような価値観を持ち、どう行動したかに焦点を当てることが重要です。
たとえば、サークルでリーダーを務め、イベントを成功させたというエピソードがあったとしても、ただ結果だけを語るのではなく、メンバー間の意見の対立をどう調整したか、周囲の意見を尊重しながらリーダーシップを発揮したかといったプロセスを丁寧に伝えると、人柄が伝わりやすくなります。

面接官は、その経験が実際の業務でも活かせそうか、自分たちの自治体に合った人物かを見極めています。実績よりも、その経験にどう向き合ったかに注目されるため、等身大の自分を言葉にすることが大切です。
ガクチカから公務員の適性が見られる
公務員の仕事は、行政サービスの提供から地域の課題解決、政策立案に至るまで多岐にわたります。
その中で必要とされるのは、協調性や責任感、粘り強さ、そして公平な視点を持つことです。
面接官は、ガクチカを通してこれらの適性が備わっているかを見ようとしています。
たとえば、困難なプロジェクトに取り組んだ経験や他人との協力を通じて課題を乗り越えたエピソードは、公務員としての適性を示す材料になります。
問題に直面した際の考え方や行動の選択、周囲とどのように連携したかなどを具体的に伝えることで、自分の特性が明確に伝わります。
自分の経験が公務員に向いているのかわからないと感じる方もいらっしゃると思いますが、どんな経験でも向き合い方次第で強みになります。
重要なのは、その経験から何を学び、どう成長したのかを振り返ることです。
面接カードの記入を踏まえて考えよう
多くの公務員試験では、面接の前段階で面接カードと呼ばれるエントリーシートのような書類を提出します。
このカードには、学生時代に力を入れたこと、志望動機など、面接時の質問につながる内容を記入する欄が設けられており、ここで書いた内容をもとに面接が進められます。
そのため、面接カードに記載するガクチカは、単に事実を書くのではなく、面接での会話につなげやすいように工夫しておくことが重要です。
面接官にもっと聞いてみたいと思ってもらえるようなエピソードを意識すると良いでしょう。

文字数制限のある中で伝えたいポイントを絞り、簡潔で読みやすい文章にまとめることも大切です。提出前には必ず第三者に読んでもらい、わかりやすさや印象を確認することをおすすめします。面接カードは、単なる提出書類ではなく、面接に直結する重要な準備です。
ここを丁寧に作り込むことで、自分の強みをしっかりと伝えることができ、面接での自信にもつながります。
【公務員試験】ガクチカで評価されやすいエピソード
公務員試験の面接では、ガクチカの内容によって印象が大きく左右されることがあります。
しかし、何を話せば評価されるのだろうと悩まれる方も多いかもしれません。
特別な成果や華やかな経験が必要だと思われがちですが、実際には身近な経験の中にも十分アピールできる要素が含まれています。
ここでは、公務員としての適性や資質を伝えるうえで評価されやすいエピソードの種類と、そのポイントをご紹介します。
自分の経験を振り返る際の参考にしていただければ幸いです。
アルバイト
アルバイト経験は、住民対応や窓口業務が多い公務員の仕事との親和性が高く、面接での評価対象になりやすいテーマの一つです。
特に接客業や電話応対、事務補助など、人と関わる機会が多い仕事であれば、円滑なコミュニケーション力や丁寧な対応力をアピールできます。
例えば、飲食店でのホールスタッフとしてクレーム対応を経験した場合、どのようにお客様の不満を受け止め、冷静に対応したのか、その結果、どのように信頼関係を築いたのかといった具体的な行動を交えて話すと効果的です。

アルバイトを通じて責任感や時間管理能力を培った経験も、公務員の業務に通じる力として評価されます。単なる仕事内容の説明で終わらせるのではなく、その中で自分がどんな工夫をし、どんな成長を得たのかに焦点を当てることがポイントです。
ボランティア
ボランティア活動の経験は、地域に貢献したいという公務員志望の動機と結びつけやすく、非常に説得力のあるエピソードとして評価されます。
特に、地域住民や行政と連携して行うような活動に携わった経験は、公務員の実際の業務内容とも直結するため、強いアピールポイントになります。
たとえば、地域清掃や子ども向けイベントの運営、災害ボランティアなどに参加した経験があれば、なぜその活動に参加したのか、どのような立場で関わったのか、どんな困難をどう乗り越えたかを具体的に伝えましょう。
加えて、活動を通じて地域課題に気づいた、住民の声を直接聞いたことで行政の役割に興味を持ったといった学びを含めると、公務員を志す理由に深みが出ます。
自分の行動と公務員の職務がどう重なるのかを意識して構成すると、より強い印象を残すことができます。
学業
学業に真剣に取り組んだ経験は、地道な努力や継続力、自己管理能力を伝えるのに適したエピソードです。
公務員の仕事には、複数の案件を計画的に進め、丁寧に積み重ねていく姿勢が求められるため、学業における取り組みはそのまま適性の証明にもなります。
たとえば、苦手な科目を克服するために自ら計画を立てて学習した経験や、授業外でも図書館や文献を活用して理解を深めたといったエピソードがあると、自分で考えて行動する力が伝わります。
また、学業の中でも、特定のテーマに興味を持ち、長期的に学んできた経験は知的好奇心や専門性を示す材料にもなります。
公務員として、政策や地域課題に向き合ううえでの土台となる姿勢を見せることができれば、学業を中心としたガクチカも非常に有効です。
資格取得
資格取得に向けた努力も、自己管理力や計画性、そして何よりも公務員の仕事に活かしたいという意欲の現れとして評価されます。
特に、行政書士や簿記、TOEICなど、公務員業務と直接関係のある資格であれば、志望理由と直結するアピールが可能です。
大切なのは、ただ資格を取りましたと言うだけではなく、なぜその資格に挑戦しようと思ったのか、取得までにどんな困難があったのか、どうやって乗り越えたのかといった背景を具体的に語ることです。

たとえまだ取得途中であっても、その取り組みに対する姿勢が伝われば十分に評価されます。資格勉強を通じて得た知識や、自分の成長をどう感じたかをしっかりと整理し、努力する力としてアピールしていきましょう。
ゼミ・卒論
ゼミ活動や卒業論文の経験では、自分で課題を設定し、調査・分析・考察を経て成果を出すというプロセスが重視されます。
これはまさに、行政の政策立案や問題解決のプロセスに通じるものであり、論理的思考力や粘り強さを示す絶好の機会です。
たとえば、地域活性化に関するテーマで卒論を書いた、少子化問題についての調査を行ったなど、公務員の業務と関連のあるテーマを選んでいた場合は、それだけで面接官の関心を引きやすくなります。
また、研究の中でどのような困難に直面し、それをどう乗り越えたかや、どのようにチームと協力したか(ゼミ内での発表や議論など)を交えて話すことで、実践的な力や対人能力もアピールできます。
成果だけでなく、プロセスに注目して伝えることが大切です。
部活動・サークル
部活動やサークル活動も、公務員として求められるチームワーク力や責任感を示す材料になります。
特に役職についていなくても、メンバーとして一生懸命取り組んだ経験は評価されます。
重要なのは、その活動の中で自分がどのような役割を果たし、どのように貢献したのかを具体的に伝えることです。
たとえば、練習を継続するためのルール作りを提案した、合宿の運営に裏方として尽力したなど、地道な取り組みでも十分に魅力あるエピソードになります。

団体内での人間関係の調整や、個人と集団のバランスを取るよう努めた経験なども、公務員に必要な協調性や対話力を感じさせます。一見目立たない経験でも、背景や工夫、学びをしっかりと整理することで、自分だけの強みとしてアピールできる内容になります。
【公務員試験】ガクチカを作成する際のコツ
ガクチカを作成する際には、自分の経験をただ時系列で語るだけでは、印象に残る内容にはなりません。
特に公務員試験の面接では、公務員としての適性があるかどうか、住民と信頼関係を築ける人物かどうかといった観点から見られているため、その視点を踏まえて構成することが大切です。
どのような経験を取り上げるかも重要ですが、それ以上にどのように語るか、何を強調するかが合否を左右するポイントとなります。
ここでは、公務員試験におけるガクチカをより効果的に伝えるための4つのコツを具体的にご紹介します。
公務員らしさをアピールできる内容にする
公務員の仕事は、民間企業のように利益を追求するものではなく、地域住民の生活を支えることが使命です。
したがって、ガクチカでも人や組織、地域のために尽力した経験やルールや公平性を重んじた姿勢を示すことが求められます。
たとえば、サークルでイベントを企画した際に、参加者全員が安心して楽しめるように配慮した、意見の対立があった際に中立的な立場で調整役を担ったといったエピソードは、公務員らしい行動として評価されやすいです。

チーム全体の成果や地域への貢献を意識した発言や行動があると、公共の利益を優先できる人材として受け止められます。ガクチカの中で、自分の努力が誰かの役に立った、周囲の人を思いやったといった点を丁寧に描くことが、公務員らしさのアピールにつながります。
数字を使ってエピソードを具体的に伝える
面接では限られた時間の中で自分の経験をわかりやすく伝える必要があります。
そのため、抽象的な表現に終始するのではなく、具体的な数字や事実を交えて話すことが効果的です。
数字は、あなたの努力や成果を客観的に伝える手段となり、面接官にとっても理解しやすくなります。
たとえば、アルバイト先の売上を増やしたと言うよりも、月間の売上を20%向上させた、1日平均30人のお客様対応をしていたと表現することで、取り組みの規模や影響力が伝わりやすくなります。
また、時間や人数、頻度なども使える指標です。
毎週2回、半年間継続して活動した、20人のメンバーをまとめる役割だったといった情報を入れるだけでも、経験の信ぴょう性が増し、説得力のあるガクチカになります。
ただし、無理に数字を盛り込む必要はありません。自然な流れの中で、伝えたい事実を補強する手段として使うことがポイントです。
困難や課題を伝える
成功体験だけを語るガクチカは、一見華やかに見えても、面接官にとってはこの人がどう努力したのか、どんな壁をどう乗り越えたのかが見えにくく、印象に残りにくいものです。
むしろ、困難に直面した場面とそこから学んだことを丁寧に伝えることで、あなたの成長や人間性が伝わりやすくなります。
たとえば、メンバー同士の意見が対立し、話し合いが難航したが、互いの立場を理解するために中立の立場で意見交換を促したといったエピソードには、問題解決能力や協調性、冷静な判断力がにじみ出ます。
また、途中でモチベーションが下がってしまった、自分のミスでチームに迷惑をかけてしまったなど、失敗や葛藤の場面があっても、それをどのように乗り越えたかに焦点を当てることで、リアリティのある内容になります。

面接官は、完璧な人を求めているわけではなく、課題に向き合い、改善する力があるかを見ています。困難な経験を避けず、むしろ積極的に伝えていくことがガクチカを深めるポイントです。
公務員でどう活かすのかを伝えて締めくくる
ガクチカの締めくくりでは、その経験をどのように公務員としての仕事に活かしたいかを明確に伝えることが重要です。
エピソードを語っただけでは、頑張った人で終わってしまいますが、その経験が志望動機や職務適性につながっていると伝えることで、一貫性のある自己PRとなります。
たとえば、アルバイトでの接客経験を通じて、人の立場に立って対応する大切さを学びました。
この経験を活かして、住民一人ひとりに寄り添った対応ができる公務員を目指したいですといった形で、自然に次のステップへとつなげるとよいでしょう。
また、公務員の業務内容や理念を理解したうえで、この経験が貢献できる場面を具体的にイメージできていると、面接官にも熱意が伝わりやすくなります。

ガクチカは、自分の過去を語るだけでなく、これからどんな公務員になりたいのかを伝える機会でもあります。締めくくりの一言に、自分らしさと将来のビジョンを込めて、印象的なガクチカに仕上げましょう。
【公務員試験】ガクチカを面接で実際にアピールする際のポイント
ガクチカを丁寧に整理して準備しても、面接でうまく伝えられなければ、その魅力は十分に伝わりません。
面接官は書類では見えない人柄や伝える力、考え方の深さを見極めるために、直接会って対話を重ねます。
その中で、ガクチカは自分らしさを伝える重要な武器となります。
ここでは、実際の面接の場でガクチカを自信をもってアピールするための具体的なポイントをご紹介します。
内容は用意してきたけれど、本番でどう話したらいいかわからないという方にとっても、役立つヒントになるはずです。
第一印象に気を配る
面接では、何を話すかと同じくらいどう見えるかも評価の対象となります。
面接官が受験者と初めて対面する数秒で、表情や姿勢、声のトーンなどから第一印象が形成されるため、この瞬間が非常に大切です。
まず、面接室に入ったときには明るくはっきりと挨拶をすることを意識しましょう。
本日はお時間をいただき、ありがとうございますといった一言があると、誠実さや礼儀正しさが伝わります。
姿勢は背筋を伸ばし、目線はしっかりと相手の顔を見るように意識しましょう。

緊張すると早口になったり声が小さくなったりしがちですが、落ち着いてゆっくり話すことで、内容も聞き取りやすくなります。自信がないように見えると、それだけでマイナス評価につながることもあるため、表情や声にも注意を払いましょう。
第一印象はこの人と一緒に働きたいかどうかを左右する要素です。内容に自信がある方こそ、それを伝えるための見せ方にも意識を向けてみてください。
端的に結論から話す
面接では、限られた時間の中で自身の経験を分かりやすく伝える必要があります。
そのため、結論→理由→具体例→再び結論という構成を意識したPREP法(Point、 Reason、 Example、 Point)が非常に有効です。
たとえば、学生時代に最も力を入れたことは何ですか?と聞かれた場合、私は、アルバイト先での接客改善に力を入れたという結論から話し始めましょう。
そのあとでなぜそれに取り組んだのか、どんな行動をしたのか、どんな成果があったのかを順を追って説明し、最後にこの経験を通じて得たことは何かで締めくくります。
このように話すことで、聞き手である面接官は話の全体像を理解しやすくなり、論理的に話せる人という印象を持ってもらいやすくなります。

特に公務員試験では、論理性や説明力が求められるため、PREP法を意識した話し方は非常に効果的です。練習の段階からこの構成で話すクセをつけておくと、本番でも自然に使えるようになります。
深掘り質問に備える
ガクチカについて面接官から質問された際には、一度答えて終わりではありません。
むしろ、そこからなぜそう考えたのか?、ほかに選択肢はなかったのか?、その経験から何を学んだのか?といった深掘り質問が続くケースがほとんどです。
面接官は、その人が本当にその経験を積んできたのか、話に一貫性があるか、どのような価値観を持っているかを確認するために、こうした質問を重ねてきます。
ですので、事前に想定される質問をいくつか準備しておき、それに対する自分の考えやエピソードを整理しておくことが大切です。
また、うまく答えられなかったらどうしようと不安に思う方も多いですが、完璧な答えを用意する必要はありません。
重要なのは、質問に対して誠実に、自分の言葉で考えを伝えようとする姿勢です。
たとえば、なぜその選択をしたのか?という問いには、当時は時間的な制約もあり、その中で最善と考えて決断しましたといった、状況を踏まえた答えを用意しておくと安心です。

深掘り質問に対応できるよう準備しておくことで、面接全体に対する自信も高まります。経験を振り返りながら、もう一歩踏み込んだ自分なりの考えを言葉にしておきましょう。
【公務員試験】エピソード別のガクチカ例文
ここでは、公務員試験の面接で実際に使えるガクチカの例文をテーマ別にご紹介します。
どのように書いたらいいかわからない、自分の経験が公務員にどうつながるのか不安という方も、具体的な文例を見ることで、構成や表現の参考にしていただけるはずです。
いずれもPREP法(結論→理由→具体例→結論)を意識して構成していますので、ご自身の経験に置き換えてアレンジしながら活用してください。
アルバイトのガクチカ例文
ガクチカ例文
私は、飲食店でのアルバイトにおいて、スタッフ間の連携向上に力を入れました。
業務の忙しさからミスや連携不足が目立ち、お客様へのサービスにも影響していたため、改善の必要性を感じたからです。
私はまず、スタッフ一人ひとりとコミュニケーションを取り、業務上の不満や改善点をヒアリングしました。
そのうえで、毎週のシフト前に5分間のミーティングを導入し、連携事項や注意点を共有する仕組みを提案しました。
導入当初は時間が取れないとの声もありましたが、効率よく業務を進めるための投資という考えを説明し、店長の協力も得ながら継続しました。
結果としてミスの件数が減少し、スタッフ間の雰囲気も良くなりました。
この経験を通じて、自ら課題に気づき、周囲と協力しながら改善策を実行する力を養うことができました。
公務員としても、職場内外の連携を円滑にし、住民に安心感のある対応を行いたいと考えています。
この例文では、課題発見・改善提案・継続的な取り組みという一連のプロセスを具体的に描いています。
公務員に求められる協調性、現場対応力、主体性が感じられる構成です。
また、単にアルバイトで頑張ったという話ではなく、周囲との連携を改善したという視点から、公共の場でも活かせる行動力を示しています。
最後に公務員としてどう活かしたいかまで述べることで、経験と志望動機の一貫性も強調されています。
ボランティアのガクチカ例文
ガクチカ例文
私は大学2年の夏に、地域の子ども食堂のボランティア活動に力を入れました。
この活動では、経済的に困難な家庭の子どもたちに、食事と安心できる居場所を提供しており、私は週1回、食事の準備や子どもたちとの交流を担当しました。
最初はうまく関われず、子どもたちも警戒していたため、どうすれば信頼してもらえるか悩みました。
そこで私は、毎回参加することを心がけ、名前を覚えたり、子どもの興味に合わせて話しかけたりするなど、丁寧なコミュニケーションを意識しました。
その積み重ねにより、少しずつ子どもたちが心を開いてくれるようになり、また来てねと言われたときには、大きなやりがいを感じました。
この経験から、人と信頼関係を築くには継続的な関わりと相手への理解が欠かせないことを学びました。
将来は公務員として、地域住民の声に丁寧に耳を傾け、一人ひとりに寄り添った行政サービスを提供したいと考えています。
この例文は、地域との関わりや住民視点で行動した経験が軸になっており、公務員との親和性が高い内容です。
特に、子どもたちとの信頼関係の築き方や、継続的な姿勢がしっかり描かれている点が評価ポイントです。
また、相手の立場に立って行動する姿勢が自然に伝わるため、公務員としての人柄や適性が読み取れます。
最後に住民に寄り添う姿勢を公務員像と結び付けた締めくくりも効果的です。
【公務員】ガクチカを作成する際の注意点
ガクチカを作成する際には、ただ経験を並べるだけではなく、面接官に伝わりやすく、かつ公務員らしさがにじみ出るような工夫が必要です。
実際、公務員試験の面接では、話し方のスタイルや内容の信頼性、人柄の伝わり方などが細かく見られています。
ここでは、ガクチカを作成するうえで注意すべき4つのポイントをご紹介します。
これからガクチカを考える方や、すでに作成した内容を見直したい方にとっても、チェックリストとして活用いただける内容です。
短く簡潔にまとめる
面接官に自分の経験を伝える際、つい詳細まで話したくなってしまうものですが、話が長くなりすぎると、要点が伝わりにくくなってしまいます。
特に公務員試験の面接では、限られた時間の中で複数の質問を行うため、短く、簡潔に話す力が評価されます。
ガクチカをまとめる際は、1つの経験につき1〜2分で話せる分量を目安に構成しましょう。
結論から入り、背景・行動・結果・学びの順で話すことで、自然にまとまりのある内容になります。

書くときも読むときも、わかりやすい言葉で表現することを意識してください。簡潔でわかりやすく伝えることは、公務員に必要な情報整理力や説明力の証明でもあります。話しすぎるより、要点を押さえてコンパクトに話す方が、むしろ印象に残ります。
誇張や嘘を含めない
少しでも魅力的に見せたいと思うあまり、話を大きく盛ってしまう方もいますが、それは面接において非常にリスクの高い行為です。
公務員試験の面接では、受験者の発言に対して深掘り質問が入るため、誇張や嘘があるとすぐに見抜かれてしまいます。
特に、本当に自分が主体的に取り組んだ経験かどうか、その時どう考え、どう行動したのかといった点を掘り下げられることが多いため、実際に経験していないことや、実態と異なる内容を話すと、説明に一貫性がなくなり、信頼を損なう結果になります。
たとえ目立つ成果がなかったとしても、正直に、自分らしい経験をありのままに語る方が、誠実さや信頼感が伝わります。
公務員は、市民と信頼関係を築くことが前提となる職業ですから、真摯な姿勢こそが最大のアピールになります。
市民対応の視点を忘れない
公務員は、誰のために、何のために働くのかが明確な職業です。
そのため、ガクチカにおいても自分がどう頑張ったかだけではなく、その経験を通じて人や社会にどう貢献したかという視点を持つことが重要です。
たとえば、チームでの活動を語る際には周囲とどのように協力したか、困っている人をどう支えたかといったエピソードを含めると、面接官にも住民目線で考えられる人だなという印象を持ってもらいやすくなります。

市民対応に必要な資質として、丁寧さ、冷静さ、共感力なども重要視されます。ガクチカの中に、それらの姿勢が感じられるように工夫しましょう。面接官は、あなたの経験を通じて市民のために動ける人材かどうかを見ていることを意識することが大切です。
成果よりも過程を重視する
大きな成果がないとガクチカとしては弱いのでは…と不安に思う方もいらっしゃいますが、公務員試験では、目立つ成果よりも、その過程でどのように考え、どう行動したのかを重視する傾向があります。
むしろ、うまくいかなかった経験や苦労した経験の中にこそ、その人らしさや公務員としての資質が表れることがあります。
たとえば、失敗をどう受け止め、改善に向けてどう行動したか、チーム内でどんな役割を果たしたかといったプロセスを丁寧に語ると、あなたの成長や人柄が自然と伝わります。
公務員の仕事は、すぐに成果が出るものばかりではなく、地道に継続する力や、周囲と協力して課題に向き合う姿勢が求められます。
そうした価値観と一致する経験を、自分の言葉で語れるように整理しておきましょう。
【公務員】ガクチカに迷ったら就活エージェントを頼ろう
ガクチカが思いつかない、何を書いても自信が持てない...。
そんなとき、頼れる存在の一つが就活エージェントです。
でも、エージェントは民間就活向けだから、公務員には関係ないのでは?と思われる方もいるかもしれません。
しかし実は、就活エージェントの中には、公務員志望者にも対応しているところや、自己分析や面接対策などの基本的なサポートを提供してくれるところもあります。
特にガクチカに関しては、第三者からフィードバックをもらうことで、自分では気づかなかった強みや魅力に気づくことができます。
エージェントとの対話を通じて、経験をどう整理し、どう伝えるかを一緒に考えることができるため、不安が解消されるだけでなく、自信を持って本番に臨めるようになります。
また、就活エージェントは応募書類の添削や模擬面接なども行ってくれるため、公務員試験の面接対策にも応用できます。
民間志望と併願している、面接経験が少なく練習したいという方にもぴったりです。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート
柴田貴司
(就活市場監修者/新卒リクルーティング本部幹部)
柴田貴司
(就活市場監修者)
筆記は通ったのに、面接で落ちてしまった…というケースも少なくありません。そのような場面で、自分の経験をうまく言語化し、アピールできるガクチカを準備しておくことが差を生むのです。採用担当者は、あなたが学生時代に何を経験し、そこから何を学んだのかを通じて、この人は公務員として信頼できる人材かを見極めています。