はじめに
インフラ業界への就職をお考えの皆さんは、インターンシップへの参加準備を進めている頃でしょう。
今回は「インフラ業界に興味があるけど、インターンシップへ参加するために必要な志望動機の書き方がわからない」「書き方の注意点を知りたい」といった方に向け、ポイントを押さえた志望動機の書き方をわかりやすくお伝えしていきます。
そもそもインフラ業界とはといった基礎的な内容から、インフラ業界に向いている人の特徴までくわしく紹介していますので、ぜひ最後までお読みください。
【インフラ業界のインターンの志望動機】インフラ業界とは
数ある業界の中でも、そもそもインフラ業界とは一体どんな業界なのでしょう。
インフラとはInfrastructure(インフラストラクチャー)の略で、私たちの日常生活の根幹を支える生活基盤のことを言います。
たとえば電気やガス、水道などの公共エネルギー、鉄道をはじめとした交通機関、電話やインターネットなどの通信設備などが代表的なインフラとしてあげられるのです。
したがって、これらのインフラに関わる業務を主として行う会社のことを、一般的にはインフラ業界と呼びます。
それでは、インフラについてもう少し掘り下げてご紹介しましょう。
エネルギーインフラ
エネルギーインフラとしては主に電気・ガス・石油などが該当します。
電気やガスといったエネルギーは、私たちの日常生活になくてはならない存在と言っても過言ではありません。
その供給元であるエネルギーインフラ業界は、インフラ業界の中でも特に安定性が高いともいわれています。
しかし、近年は電力・ガスの自由化における競争激化や、自然エネルギーへの代替による需要の先細りなどの要因から、将来的展望と業界の動向には注意が必要です。
交通インフラ
鉄道やバスなどの公共交通機関、また橋や道路、港湾や空港などの設備・施設は交通インフラと呼ばれます。
交通インフラ業界といえば、鉄道会社などの名前が真っ先にあげられるかもしれません。
しかし鉄道の運営会社だけでなく、電車や電車の運行にまつわるさまざまな部品を製造している会社、および各種鉄道設備のメンテナンスを行っている会社なども、広義な意味では交通インフラ業界に関連する会社であるとも言えます。
交通インフラに関わる事業は、長年の積み重ねで確立されていることも多く、比較的歴史のある企業が多いのも特徴です。
運輸インフラ
交通インフラとやや似た印象はありますが、陸運・海運・空運など、あらゆる交通網を通じて荷物などを運ぶための基盤を有しているのが運輸インフラです。
もちろん荷物や貨物だけではなく、タクシーなどのように人を運ぶ事業も運輸インフラの側面があると言えるでしょう。
運搬の対象として、荷物や人以外にはエネルギーなどの資源があげられます。
石油や天然ガスなどは主にタンカーによって運ばれるため、エネルギー運搬の分野については海運が主力として語られることは多いです。
通信インフラ
通信インフラとは、社会基盤として敷設される通信回線や通信機器、施設などのことで、私たちが電話やインターネットを利用する際に必要不可欠なものです。
具体的には電柱や地中に張り巡らされた電話回線網や光ファイバー回線網・通信会社の拠点施設・携帯電話の基地局・交換機などがあげられます。
特にインターネットは近年飛躍的な発展を遂げ、社会構造を大きく変えました。
通信インフラに関わるさまざまな需要は今後も拡大の一途が予想され、同時にIT技術の活用やIT関連企業における労働環境の問題も注目されていくことでしょう。
【インフラ業界のインターンの志望動機】インフラ業界に向いている人
ここまで代表的なインフラ業界の特徴について述べてきました。
それでは、一体どういった人がインフラ業界に向いているのでしょうか。
業界には、向き不向きが少なからず存在します。
社会貢献・責任感・安定志向といった側面から、インフラ業界に向いている人の特徴・自身にこういった傾向があるのであれば、ぜひインフラ業界への就職(インターンシップ)を視野に入れても良いのではないか、というポイントをご紹介していきましょう。
社会貢献への関心
インフラとは先程も述べたように、私たちの日常生活の根幹を支える生活基盤のことです。
したがって、インフラ業界に関わるということは、人々の生活を陰で支えることにもなります。
ものやサービスの販売促進を通じて会社に利益貢献したい、という考えよりも「人のため、社会のために何かできることはないか」「自らの仕事が誰かのためになることをしたい」といった社会貢献への関心がある人にとって、インフラ業界は向いていると言えるでしょう。
責任感がある
インフラは多くの人の生活を支えている、極めて重要な社会基盤です。
稼働していることが前提のインフラですが、その裏には定期的なメンテナンスや精緻な安全管理が欠かせません。
万が一不具合が起こると、多くの人々の生活に影響が出るばかりか、私たちの身体や生命にも関わる大きな支障をきたすおそれもあるのです。
たとえば電気やガスが止まってしまったり、橋やトンネルが老朽化により倒壊してしまったりといった場合です。
こういった社会的役割を強く意識できる責任感のある人も、インフラ業界には向いています。
安定を求める
インフラは世の中にとってなくてはならないものであるため、形態や技術は変われど、インフラそのものが将来なくなってしまうことはありません。
ビジネスは需要と供給のバランスで成り立っており、需要のなくなった産業は衰退していくのが常です。
常に需要のあるインフラ業界は比較的安定した業界と言え、業績が安定している会社も多く見られます。
福利厚生が充実している会社もあり「安定した業界で長期的に長く働きたい」といった思考をおもちの方にとって、インフラ業界は推奨されるべき業界の1つではないでしょうか。
【インフラ業界のインターンの志望動機】志望動機のポイント
公共的な役割もあり、将来にわたって一定の需要があるインフラ業界は、就職希望先として非常に人気のある業界の1つです。
インフラ業界に限らず、特定の業界で働くにはその業界を深く知り、将来ビジョンをもつことがとても大切です。
具体的な就職活動にあたっては、インターンシップを利用することがやはり近道と言えますが、インターンシップにおいて採用の肝となるのはどんな部分なのでしょう。
それは一にも二にも、志望動機に尽きると言えます。
それでは、インフラ業界のインターンシップの内定につながる志望動機のポイントをお伝えしましょう。
熱意
まずは熱意です。
「とりあえず応募してみた」という浅いレベルで選考を受けようとする学生と「どうしてもこの業界で働きたい」「この会社でなければ自分のやりたいことが達成できない」といった情熱あふれる意気込みをもっている学生とでは、採用担当者が受ける印象は大きく異なります。
スキルのない学生がアピールできるポイントは限られています。
志望動機でやる気や積極性がないと判断されてしまえば、選考に際してマイナスの影響をおよぼすことでしょう。
熱意を全面的に押し出してアピールしていくことがとても大切です。
参加目的
次に参加目的も非常に重要です。
企業は「なんとなく」や「興味があったから」「周りにも応募している友人が多いから」といった理由で参加を希望する学生よりも、強い目的意識をもって望んでいる学生にインターンシップに参加してもらいたいと考えていることでしょう。
希望するインフラ業界に就職するため、少しでも多くのことを学び、業界についての知識や業務内容を肌で感じたいといったような、具体的な参加目的をもっておくことがポイントです。
適性
最後に適性です。
あなたがインターンシップに参加してやってみたいことや得たい知識、学びをはっきりさせておいてください。
企業が実施するインターンシップのプログラムは、あらかじめ把握しておく必要があります。
なぜなら、その目的とあなたのインターンシップへの参加意図が大きくかけ離れているとしたら、お互いミスマッチとなってしまい、せっかく参加したのに途中で意欲が大きくそがれてしまうかもしれないからです。
そうなってしまえば、お互いに時間の損になってしまいうため、自分が何をしたいかは事前にしっかり整理しておきましょう。
【インフラ業界のインターンの志望動機】志望動機を書く前の準備
それでは実際にインフラ業界のインターンシップの応募について、具体的な志望動機の書き方をお伝えしていきましょう。
志望動機の書き方にはコツがあります。
基本的に押さえておくべきポイントはいくつかありますが、まずは書く前の準備として、参加目的を明確にするという点と、業界研究・企業研究をしっかり行うという点についてしっかり理解しておきましょう。
何事も取り組む前の準備がとても大切で、良い志望動機が作れるかどうかは、この事前準備にかかっていると言っても過言ではないのです。
参加目的の明確化
事前準備の1つ目は、参加目的の明確化です。
「業界についての理解をさらに深めたい」「志望する企業をもっと知りたい」「どんな職種があるのかを実際に体験してみたい」といった具合に、インターンシップに参加する目的をできる限り細かく、明確に言語化しておきましょう。
あらかじめ自分なりに業界・企業研究をしたうえで参加目的を整理しておくと、ほかの応募者との差別化にもなり、同時に熱意もアピールできます。
たとえば「貴社の〇〇という事業における職種と役割について深く知り、実際に体験してみたい」といった参加目的などは非常に意思が明確で、本気でインターンシップへの参加を望んでいるのだと受け止められやすいと言えるでしょう。
業界研究・企業研究
2つ目は、業界研究・企業研究です。
参加目的を深掘りしていくと「なぜその業界・企業でなければならないのか」という点に直面するでしょう。
そのときの根拠や軸となるものが、自分が興味をもって、自らの人生を賭けてみようと思った業界と企業そのものではないでしょうか。
事前準備の段階でしっかりと業界・企業研究ができていると、参加目的に深みが出ます。
また念入りに、自社について調べてきてくれる学生を採用側の企業はどう評価するでしょうか。
企業理念も知らないような学生に比べ、遥かに熱意を伝えられるかもしれません。
【インフラ業界のインターンの志望動機】志望動機の構成
事前準備がしっかりできたら次は全体の構成に目を向けてみましょう。
志望動機に書くべき要素は大きく分けて次の3つです
・その企業を志望する理由
・その企業に興味をもった経緯
・インターンシップへの意気込み
まずはこの3つの内容について、自分自身の率直な気持ちを書き起こしてみることから始めてみてください。
最初は文章にする必要はありません。
箇条書きでも良いので、文章のネタになる想いやきっかけ、過去の出来事などをどんどんピックアップしていきましょう。
企業を志望する理由
あなたがその企業を志望する理由について、明確にしてください。
「身近な企業でなじみがあるから」「インフラ業界でありながら既成概念にとらわれず、革新的なサービスを次々と生み出しているから」など、興味をもったきっかけから思い起こしてみるのも良いでしょう。
希望する企業の志望動機とは、いわゆる結論の部分です。
まずは結論からできるだけ端的に述べましょう。
そしてその結論の理由をわかりやすく、具体的に説明していくという流れが、読みやすくて好感のもてる志望動機と言えるのです。
企業に興味をもった経緯
企業の志望動機を深掘りしていくと、必ずそのきっかけというものが思い当たるはずです。
あなたがインフラ業界の中でも、特にその企業へ興味をもった経緯について述べましょう。
ただし「日常的に使用しているから」や「CMや広告で恒常的に目にするから」といった、誰にでも当てはまるような理由は避けたほうが無難です。
他社と比較して感じた点や、自分自身のオリジナルな視点を加味することで、普遍的な志望動機から一線を画せるでしょう。
インターンシップへの意気込み
意気込みや熱意といった部分は、特に知識や事前準備に依存しません。
インターンシップにどういった姿勢で向き合っているのかという取り組み面は、積極性を強くアピールできるポイントでもあります。
とにかく熱量をもって「どうしてもインターンシップに参加したい!」という意思表示をストレートに表現してみましょう。
知識や業界研究が多少粗削りであっても、意気込みと熱意があれば、足りない部分を補完してくれる可能性は十分にあります。
【インフラ業界のインターンの志望動機】志望動機の例文
それでは具体的にインフラ業界のインターンの志望動機を、主な2つの業界に絞ってご紹介します。
1つはエネルギーインフラ(電力)業界の志望動機、もう1つは交通インフラ(鉄道)業界の志望動機です。
これまでに述べた、志望する理由(結論)→その企業に興味をもったきっかけ(経緯)→インターンシップへの意気込みという構成に沿った例文となっていますので、書き方の順番や全体の流れ、構成も意識したうえでぜひ参考にしてみてください。
エネルギーインフラ(電力)の志望動機
私が貴社のインターンシップを志望する理由は、就職を志望するエネルギー業界についての知識をより深め、将来的に仕事を通じて社会に貢献するためには、自分にどんなスキルが必要なのかを見極める機会にしたいと思ったからです。
地震や津波、台風など、特に日本は世界的に見ても災害の多い国です。
そんな中、安定的な電力の確保は国家的な課題でもあり、私たちが安心して暮らしていくには必要不可欠のエネルギーであるという想いが、災害のたびに強くなっていきました。
安定的に電力を供給する貴社の取り組みを、ぜひ自身で体験させていただき、社会的役割を肌で実感したいと考えています。
この機会にぜひ貴社のインターンシップに参加し、自分が目指す将来の姿を社会貢献という側面からも、明確なものにしたいと強く思っています。
交通インフラ(鉄道)の志望理由
私が貴社のインターンシップを志望する理由は、就職を志望する鉄道業界についての知識をより深め、貴社の取り組みを知ってその特徴をつかみたいと思ったからです。
貴社の鉄道事業は全国にわたり、多くの国民の交通需要を支えています。
地域間の格差なく、一定の公共サービスを提供されている点にとても魅力を感じました。
私はもともと鉄道が好きで、将来は鉄道業界で働きたいと思っています。
好きなことを仕事にできる幸せと、好きなことが人のためになるという社会貢献を同時に実現できるのではないかと考えると、ワクワクが止まりません。
この貴重なインターンシップの機会を、貴社の取り組みを知って、自分が鉄道業界でどういった貢献ができるかを考えるきっかけにしたいと強く願っています。
まとめ
ここまで例文も含め、インフラ業界のインターンシップに参加する際に必要な志望動機の書き方をお伝えしてきました。
あわせて主なインフラ業界の種類や、インフラ業界に向いている人の特徴なども交えて述べてきましたが、当初の興味が、インターンシップに応募する強い意向に変化してきてはいないでしょうか。
もしそのような変化を感じられた方は、書き方のポイントを参考にしながら、ぜひ志望動機の作成に取りかかってみてください。