はじめに
就職活動を行うにあたって、ES(エントリーシート)を書くことは、今やするのが当然の作業の一つになっています。
ESは、企業が採用試験の次の段階へとあなたを進めるか決める、文字通り入り口になる重要な書類です。
本コラムでは、学生の応募を受ける企業側の目線から、ESの望ましい書き方を例示していきましょう。
ES(エントリーシート)で企業は何を見る?
学生側が何十、何百もの会社に重複応募するのが当然になっている現在では、各社に多い場合では数百から数千ものESが殺到します。
しかし、社員の絶対数はどこでも限られているため、企業の中には、わずか数人の人事担当者がそれらすべてをチェックしているような会社もあります。
大前提として、企業はよほどのことがない限り、あなたのESを読むことにそれほど多くの時間を割けないということを意識してください。
そのうえで、企業は、ESにあなたしか持っていない個性や能力が、印象的、具体的かつ論理的に表現されているかを最も重視して見ます。
ESにありふれた特徴しか書いていない応募者は、それだけで多くの応募者の中に埋もれてしまうため、次の段階へと進めない可能性が高いです。
また、仮にその人にしかない特徴が書いてあっても、具体性に欠けている場合や論理がしっかりしておらず、企業での活かし方などが見えづらい場合には、企業は積極的に次へと進めることを躊躇するかもしれません。
しかし、あなたならではの経験や学んだこと、そしてそれが応募先の企業での仕事にどのように貢献できるかなどが、具体的かつ明確に書かれているとしましょう。
この場合、企業としても、一度あなたに会って、あるいは更なるテストを行って、あなたがどれほどの人物なのか見極めようと考えたくなります。
結果、面接試験など、採用試験の次の段階へと進める確率を高めることが可能です。
喩えるなら、ESはいわばあなたというお店の暖簾のようなものです。
人事担当者は、多い場合数千にも及ぶ店舗が並んだ街並みの中から、あなたの暖簾をくぐろうと思った場合にしか先に進もうとはしません。
実際の暖簾は絵柄が基本になりますが、ESは文章で書かれた書類ですから、文章の内容で人事に訴えかける必要があります。
その人事に訴えかけるポイントが、あなたにしかない魅力という素材を、印象的、具体的、論理的に表現できているかという点になるわけです。
ES(エントリーシート)を書く際に注意すること
具体例を見る前に、ESの書き方には、いくつか共通の注意点がありますので、確認していきましょう。
OpenESのようなオンラインサービスを使う場合は別として、原則としてESは指定がなければ手書きにしたほうが、印象はよいとされています。
これは、活字の場合と異なり、手書きであれば、筆跡によって応募者の人柄や情熱などを、ある程度推察することが可能だからです。
手書きのESを用いる場合は、丁寧で読みやすい字を書くよう心掛けましょう。
行書や草書のような文字がつながって読みにくい書体ではなく、楷書を基本とすることが望ましいです。
ただ、活字体の基本フォントが多くの場合明朝体であるため、字形については、明朝体を意識してみると、読みやすくなる場合もあります。
ただ、この場合も、明朝体の細部の特徴まで完全に再現する必要はありません。
ESはあくまで文書であって、レタリングのデザイン集ではないからです。
書体のみならず、文字の大きさや文字列の並びも重要な要素です。
読みやすく、記入欄に対しても大きすぎず小さすぎもしない適切な大きさで、かつ右上がりや右下がりにならないように、きちんと文字を並べるようにすることで、より丁寧な印象を与えることが可能になります。
記入欄に対して、と書きましたが、記入欄はできるだけ空白や余白が少なくなるように埋めることを心掛けましょう。
常識的な範囲内の文字の大きさでも、案外幅があるものです。
書類全体の文字の大きさを統一しつつ、最もバランスよく書類が埋められる最適な大きさを、ある程度まで模索してみることもよいでしょう。
また、誤字・脱字をなくすことも丁寧な印象を与える基本要素です。
手書きの場合、間違いを犯してしまったら、可能であれば最初から書き直して完璧な書類を作り直すほうが望ましいでしょう。
文体は、です・ます調が基本です。
だ・である調や話し言葉、略語などの砕けた表現は歓迎されません。
たとえば、アルバイトは「バイト」ではなく、「アルバイト」となどと正式名をきちんと記すようにしましょう。
また、接続に「し」を用いたり、「なので」「だけど」などの表現を用いたりするのは口語的すぎるため、避けたほうがよいです。
特に注意すべき点としては、相手の会社の呼称が挙げられます。
書類上は、御社ではなく貴社を用いるのが一般的ですので、注意するようにしましょう。
内容がわかりやすいこともまた重要な要素です。
具体的でイメージが掴みやすいことは大切ですが、そのために、特定のコミュニティでしか用いられないような特殊な用語を用いることは避け、常識のある大人であれば誰でも理解できる平易な言葉、文章を書くようにしましょう。
また、許容されているのであれば、ペンを使い分けることや箇条書きをうまく使うことによって、視覚的にアピールポイントをはっきりさせることも効果的である可能性があります。
ただし、これらの方法は、印象操作や文章表現力の不足としてマイナスに捉えられるケースも考えられますので、実際に使うか考えるにあたっては、それが許され得る企業なのか、あらかじめ先輩などから話を聞いて調べておくとよいでしょう。
ES(エントリーシート)企業の求めている人物像にマッチさせる
ESは書類選考を突破するために重要なカギを握っています。
内定を得るためには、企業の求めている人物像にマッチした内容を書かなくてはなりません。
就活するうえでは、本命を含め、複数の企業にエントリーすることになり、いちいちESを書き直すのは大変と思われる方もいることでしょう。
もっとも、同じ業界だから、同じものを提出すればいいでは、書類選考には受かりません。
同業他社でも、各社で求めている人物像は異なるため、しっかり理解してESに反映させることが大切です。
複数用意しておこう!
就活では最初から複数の企業にエントリーするのが一般的であるとともに、就活の途中でも、なかなか選考に受からず、エントリーする企業を増やすケースも少なくありません。
就活をしていく中で気になる企業が出てくるケースもあります。
企業説明会に参加したり、面接に行ったりと忙しさも増す中で、エントリーシートの作成に十分に時間がかけられなくなる事態も予想されます。
エントリーする締切が迫っていても、スムーズに提出ができるよう、時間があるときに複数パターンを作成しておくと安心です。
いくつかパターンを作成したうえで、エントリーする企業の特徴や求めている人物像を理解し、修正やアレンジを加えたうえでESを提出しましょう。
ES(エントリーシート)例文集
ESで企業が見ているものと、基本的な書き方の注意点を理解したら、早速具体例を見ていきましょう。
それぞれの例に対して、ポイントとなる長所も説明していますので、実際にESをお書きになる際の参考にしていただければ幸いです。
自己PR
「私は、学生時代には学生時代にしかできない経験をしようと考えました。
学業の合間にアルバイトによって稼いだお金で、長期休暇中にアメリカ合衆国、カナダ、イギリス、スペイン、中華人民共和国、ブラジルなど、世界の13ヶ国に旅行に行きました。
そして、私にとって、これらの旅行はまたとない学習機会でした。
旅行にあたっては、すべてフリープランを選択して、ガイドのいない街中で、買い物などの日常的な現地の人たちとの交渉を完全に自力で行ってきました。
その結果、今では私は自然と英語および第二外国語として履修していたスペイン語に加え、中国語やポルトガル語など、複数の言語の基本的な表現を使えます。
また、各国の文化を体験することもできたので、日本の常識にとらわれない自由な発想力を身に付けることができました。
実際、ゼミナールでも源氏物語の価値や内容を日本史ではなく世界史の文脈から理解し直す論文を執筆し、発想の希有さを理由として特別賞を受賞しました。
貴社は、世界的に事業展開している総合商社です。
私が貴社に入社すれば、この自由な発想力と各言語の柔軟なスキル、そして高い異文化理解レベルに基づき、どのような国でも、実際に出向いて商談をまとめることができます。」
サークルの役職経験者は、すべてのサークル数の数倍だけ存在します。
また、いわゆる意識高い系の登場以来、ボランティア活動もそれ自体は比較的ありふれたアピールポイントになってきているといえるでしょう。
この例の場合は、そのような団体数に比例して多くの応募者がポイントにするであろうトピックを外し、学生時代、モラトリアムならではの経験である世界旅行を行ったことに触れて、その中で学んだことやその成果、可能性をアピールすることで、企業に働きかけています。
この例を見ればわかるように、サークルやボランティアなど、組織での活動だけがアピールポイントになるわけではありません。
個人的な趣味などであっても、そこから得られたものと応募先企業での活かし方を具体的かつ論理的に思い付くことができるのであれば、アピールポイントになる可能性は十分にあります。
むしろ、他の人にはない経験という意味では、個性が際立ちやすいアピールポイントになるかもしれませんので、学生時代にサークルに所属していなかった方などは、ぜひそのような経験を探してみるとよいでしょう。
志望動機
「私が貴社に応募したのは、何よりもまず、貴社のビジョンである「いつでもつながれる未来を」に共感したからです。
貴社は、スマホやパソコンのみならず、あらゆる製品がリアルタイムでオンラインデータベースにアクセスできるモノのインターネットの実現を目指していますが、「いつでもつながれる未来を」実現する手段として、貴社がモノのインターネットを選んだことにも強く共感しています。
膨大なオンラインデータを各種製品やサービスが自律的に活用することで、たとえば冷蔵庫の温度設定を識別した内容に応じて自動で最適化するなど、身近な生活の更なる改善につながると考えているからです。
私は学生時代、人工知能の研究を行っていました。
私が作っていたのは、膨大なデータをもとに、ユーザーの特徴と類似したユーザーの活動傾向を分析し、ユーザーにとって最も魅力的な旅行プランの提案を行う人工知能です。
私は、この人工知能に新たな解析法を取り込んだことで、提案の精度を従来型に比べて36%上昇させることに成功しました。
研究成果を発表した論文は、学会にも提出しており、○○誌から閲覧することが可能です。
私は、学生時代の研究成果を活かして、このような人工知能を貴社の開発しているモノのインターネット向けシステムに組み込むことができます。
そして、そのことによって、誰もがいつでも、どこでも魅力的な製品やサービスとつながることのできる社会を実現することが可能です。
人工知能とモノのインターネットの双方が組み合わさることで、貴社のシステムは、貴社のビジョンをより具現化したものになります。
私が貴社への入社を志望するのは、自らの専門である人工知能の知識を貴社の開発中のもののインターネットに取り込むことで、実際にこれを実現したいと考えるからです。」
この例では、会社の事業内容や目標に触れつつ、自身の専門をどのように活かせるか、また活かしたいかが、具体的かつ論理的に述べられています。
学生時代の研究内容と密接に関わる業種や職種への応募をする場合は、このように研究成果を企業への貢献に結びつける具体的なアイデアを提示することは好ましい方法の一つです。
たとえそのアイデアそのものに社内視点で見ればまだまだ改善すべき点などがあったとしても、入社意欲が高く、かつ学生時代の意欲も高かったことを窺わせることができるというメリットもあります。
ガクチカ
「私が学生時代に力を入れたのは、さまざまなプログラミング言語の学習です。
大学の基礎的な講義に加え、外部サークルが主催するハッカソンでアプリを開発したり、アルバイトではwebサイトの制作に携わったりしてきました。
私がプログラミングを学ぼうと考えたのは、情報系企業はもちろんのこと、これからの時代はそれ以外の企業でも、プログラミングのスキルが、基本的な能力の一つになると考えたからです。
実際、日本でも、2020年度からプログラミング教育が必修化されるというお話はご存知でしょう。
後生畏るべしという言葉がありますが、必修化によって、私達の次の世代は、当たり前のようにプログラミング技術を習得していることとなります。
このことを考えると、何もしなければ私達は、プログラミングを知らない最後の世代として、仕事をするにあたっても取り残されることとなります。
私はこのことを危惧し、プログラミング必修化のニュースをきっかけに、大学生の間にプログラミング経験をできるだけ積んで、プログラミングの基本的な考え方や各言語の特徴などの知識を学ぶことを決意しました。
私が参加したハッカソンの一つは、貴社が主催している学生ハッカソンです。
このハッカソンで私が制作したアプリ、「Watch the dog」は、ペットの体調管理用アプリとしてGoogle Play Storeで現在もリリースされており、ダウンロード数は50万、レビュー評価は4.3と、高い評価が得られています。
私は、貴社名義で発表されているこのアプリの開発に、現在でもインターンシップ生として定期的に携わっており、レビューをもとに広告配置を最適化するなどの改良を施してきました。
一連の改良アップデートの結果、アプリの使用時間は平均43%上昇し、リピート率も17%の改善を達成させることに成功しています。
webサイト制作では、主にjavascriptを使用して動く動的画面サービスの作成を行ってきました。
私が制作した代表的なサイトは、Neo社のNeoNetキャンペーンのランディングページです。
このページでは、ユーザーが簡易的にサービスの概要を体験できるゲームを制作しており、現在でもプレイすることが可能になっています。
これらのさまざまなプログラミング経験を通じて、私は、原則としてすべてのプログラミング言語が、目標とする事柄を論理的に実行する過程であることを知った一方で、それぞれの言語には、目的に応じた適性があることも学びました。
たとえば、javascriptはwebサイト上で動くプログラムの制作に適しているのに対し、javaはアンドロイドアプリ開発の基本言語となります。
また、データベースの管理を行う場合は、phpを理解することが必須となります。
このように各言語の特徴を理解した結果、私は、常日頃から、目的に応じつつも論理的に物事を考える習性を身に付けました。
これらの学生時代の成果と得られたものは、私にとっての誇りです。」
ガクチカとは、学生時代に力を入れたこと、つまり頑張ったことの総称です。
自己PRや志望動機では、それらを支える要素として盛り込むこともできるような各種の活動が、ここではメイントピックとなります。
ここでは、ガクチカ単体を扱っていますが、肝心なのは、自己PRや志望動機と組み合わせても、一貫している内容が記されていることです。
この例の場合は、応募先企業での経験が、そのまま頑張ったことの一部に組み込まれていることが高い評価ポイントになります。
また、具体的に制作に携わったサービスを紹介していることや、それらの経験を自分では肯定的に考えていることが明示されていることも、自身とスキルのある応募者だという印象を与えることができるポイントだといえるでしょう。
挫折経験
「私にとって大きな挫折となったのは、失恋です。
大学一年生のとき、所属していたテニスサークルで見初めた異性がいました。
彼女は才色兼備を絵に描いたような存在で、私にとっては、高嶺の花であることはほぼ明らかでした。
しかし、それでも私はあきらめず、彼女に近付き、最終的に付き合うための手段を具体的に考えることとしました。
まず、大学の講義でデータ解析の入門を学んでいたので、自らAPIを開発し、彼女のSNS上における過去の投稿内容を解析しました。
現れた特徴の中でも、イタリアンレストラン、特に新しいイタリアンレストランが好きであるらしいことが、最も顕著な特徴でした。
これを踏まえて、私は新規イタリアンレストランの情報収集を開始しました。
並行して、そもそも食事に誘うことができるように、話す機会を増やすことを考えました。
同じデータ解析で調べた結果、彼女も私も洋画が好きであることが共通点でした。
そこで、アルバイトで稼いだ資金を使ってレンタルショップで複数の洋画を視聴し、テニスの話題に加えて、洋画の話題でも話し合うことができるようにしました。
この作戦は、一見すると成功でした。
実際、うまく彼女と会話する機会が増え、はじめは数人で、そして最終的には二人だけで、イタリアンレストランで夕食を楽しむ機会を得るに至ったからです。
いくつかのレストランでそのような食事の機会を経たのち、大学二年生の春に、ついに私は彼女に告白しました。
結果は失敗でした。
彼女は帰国子女で、高校時代の滞在先に、今でも付き合っている彼氏がいることが明らかになったからです。
彼氏が秘密主義者であったため、この点はSNSには一切記載されておらず、また私から彼女に直接尋ねたこともなかったため、全く予想できませんでした。
このことが、このお話の最大の教訓でしょう。
どんなに理解したつもりでも、私以外の人には常に私の知らない側面があるということを、この一件以来私は常に意識しており、データ解析や会話、目に見える言動だけで相手に全面的な判断を下すことは控えています。
すでに彼氏がいたことは私にとってショッキングでした。
しかし、元々高嶺の花だと割り切ってもいたので、私は、彼女が一途に彼氏を想い続ける姿勢を尊重し、引き続き友人として交友を深めることで互いに同意しました。
二人ともサークルを引退した今でも、彼女とは、時には一緒に映画館で洋画を楽しんだり、訪日した彼女の彼氏とも友人になったりするなど、親密な関係を築いています。
恋愛こそ破れましたが、私はまたとない親友を得ることができたのです。」
挫折経験は、自らの失敗談にあたりますが、結果こそ失敗であっても、そこに至るまでの過程や挫折を克服していく過程が魅力的であれば、話としては高評価を得られます。
この例は、組織内の経験ではなく、失恋という個人的体験を持ち出すことによって、インパクトを与える書き出しになっていることが特徴です。
中身を詳しく読んでいくと、恋愛を最新鋭の技術を駆使して論理的に成功に導こうとする姿勢が前面に出ていて、仕事においても論理的に行動する人であることが推察されます。
しかし、いくら論理的に行動していても成功するとは限らず、実際、目に見えるものだけから推測されるロジックが破綻するというオチが付いています。
その結果を踏まえて、二人の関係性がどう以降したか、また何を学んだかも描かれており、この人物が、挫折を乗り越えて何か得られるものを拾える、タフな人材であるという印象を与えることができるでしょう。
失敗した理由を教訓という言葉でわざとらしく強調するなど、ユーモラスな一面も窺われ、人事から見ても、魅力的な人物に映ることは間違いありません。
ES(エントリーシート)の構成
企業側に好印象を与えられるような魅力的なESを作成するには、まずはじめに正しい構成法を学ぶ必要があります。
自分の強みや魅力をしっかりとアピールするだけでなく、熱意や誠意まで伝えられるように正しい構成法を学んでおきましょう。
ESのみならず人に自分の強みや魅力を文章や言葉で伝える時には、順序立てて述べていくことが欠かせません。
どんなに魅力的な強みや長所があったとしても構成が間違っていると内容の薄さを感じてしまうこともあり、相手から理解を得られにくくなるため注意が必要です。
結論
ESを作成する時には、最初に相手にわかりやすく伝えたいことを伝えられるように文章の構成法に注意してみましょう。
最初に最も相手が知りたいと思っている結論から述べ、その後にその根拠へとつなげていきます。
たとえば、最初に「私は〇〇です。」と一番伝えたいことを述べると相手に伝わりやすい文章を作成することができます。
あなたの一番アピールしたいことはなんでしょうか。
まずは、あなたの強みとなるアピール部分を最初に置き、採用担当者にインパクトを与えるような結論から端的に述べてみてください。
根拠
結論の次に述べていくのが根拠です。
結論に対しての根拠をしっかりと伝えていくと、より具体的になり信ぴょう性が増します。
これまでの経験を思い出し、結論に対して納得できる根拠を明確に述べていきましょう。
ここでは、できるだけ具体的なエピソードを述べると相手が理解しやすくなります。
たとえば、ESにガクチカを書くのであれば、「私は学生時代に〇〇に力を入れました。」と述べた後に「大学では、〇〇を研究し新たに〇〇であることを発見することができました。」など具体的なエピソードを混ぜながら述べていくのです。
こうすることで内容に重みが生まれ採用担当者に理解してもらうことができます。
入社後どのように活かせるか
自分の強みをしっかりとアピールした後には、その強みを入社後にどのように活かすことができるのかを伝えていきましょう。
採用担当者は、ESを通して就活生の入社後の意欲にも目を向けています。
能力の高い人物であるかという点だけでなく、企業と学生側とでミスマッチが起きていないかも確かめることも少なくありません。
そのため、入社後にどのように自分の強みを活かしていくのかを伝える時には、事前に企業理念や事業内容を理解しておくことが大切です。
企業側が求めている人物像を知り、自分の強みを積極的にアピールしていきましょう。
自分が伝える入社後の意欲が果たして企業側で成果を出すことができるのかをきちんと判断したうえで強い意志をアピールすることもESを作成するうえで重要なポイントです。
結論
最後の締めとなる部分が結論です。
最後に述べる結論の部分は、文章のまとめとなるため、採用担当者が気持ちよく理解できるように締めていくことが欠かせません。
また、企業が求める人物像を把握し自分の強みや魅力が伝わる結論を最後に述べます。
自分は、最終的に何をアピールしたいのかを明確にすることも大切です。
就活生の中には、ESの書き方が難しいと悩んでしまう学生も少なくありません。
しかし、正しい構成法を学び、自分の強みやその根拠、エピソードなどを盛り込んでいくと採用担当者の心に残る魅力的なESに仕上がるので試してみてはいかがでしょうか。
ES(エントリーシート)の書き方
採用担当者に最後までじっくりと目を通してもらえるESを作成するには、自分よがりな文章をダラダラと書いてしまうのではなく企業目線で作成することが大切です。
ESを作成する前には、必ず自己分析を行い自分の強みを知ることから始めてみましょう。
また、企業研究を行い応募する企業の求める人物像を知ったうえで魅力的なESを作成することも採用担当者の心を掴むコツです。
自己分析
まずはじめに自己分析をじっくりと行うことをおすすめします。
アピールポイントとなる自分の強みを知ることなくESを作成しても採用担当者からの理解を得ることはできません。
自己分析をする時には、これまでの経験を洗い出していきます。
特技や趣味、学生時代に頑張ったことなどを紙に書き出し自分の強みとなるものを探していきましょう。
ESでは、自分を客観的に見ることができているかという点についても採用担当者は把握したいと思っています。
自分一人で自己分析をすると本来のあなたの良さを探し出すまでに時間がかかってしまうことも考えられます。
そこで、家族や友人など自分のことをよく知る人たちにあなたの長所や短所を聞いてみることもおすすめの方法です。
他者からの意見に耳を傾けてみると自分では知り得なかった自分の魅力を新たに発見することができるかもしれません。
企業研究
多数の企業にESを提出する場合、すべて同じ内容で作成することはおすすめできません。
ESは、応募する企業ごとに書き直すことがマナーです。
どの企業でも使えるようなESを一枚作成してしまえば手間や時間を省いて多数の企業にESを提出することができますが、それぞれの企業の企業研究を行わずに作成すると採用担当者に熱意が伝わらないだけでなく不誠実だと思われてしまうこともあるでしょう。
必ず応募先の企業がどんな人物を求めているのかを知るために企業研究を行い、企業側と学生側のミスマッチを防ぐ努力をすることが大切です。
添削
ESを作成したら家族や友人など誰かに添削してもらうこともおすすめの方法です。
ESの添削をやらずに提出してしまう学生も少なくありませんが、ESは一度作成したら誰かに添削してもらうことで、より良い仕上がりとなります。
ESを確認する採用担当者は、1日に何十人、何百人ものESに目を通すため、知りたいことが書かれていない場合や薄い内容では大きな印象を残すことはできません。
一人でESを作成すると客観性をなくしてしまうのもデメリットです。
採用担当者が求める魅力的なESを作成したいのであれば、家族や友人に添削してもらうだけでなくプロの就活エージェントの力に頼ってみてはいかがでしょうか。
ES(エントリーシート)例まとめ
いかがでしたか。
いずれの記入欄においても大切なのは、あなたならではの内容を、具体的かつ論理的に記述することで、人事に深く印象付け、ESの次の段階へと進めたいと思わせることです。
基本的なESのマナーを守ったうえで、この点を意識してより魅力的なESを書いていきましょう。