はじめに
これから就活を控えた大学生の中には、そろそろ就活を意識し始めて、企業を深く理解するためにインターンへ参加しようと思っている人もいることでしょう。
しかし、いざ参加しようと思っても、失敗しないためにはいったい何社くらいを目安とすれば良いのか、迷っているかもしれません。
そこでここから先は、最近の就活活動についての動向調査などを見ていきながら、何社くらいに参加すれば良いのかなど気になることについて解説していきましょう。
何社インターンシップに行くべき?
就職活動のスタートとして、興味がある企業を訪問するだけではなく実際に働いてみて、職業体験ができるインターンシップは多くの企業で実施されていますが、はたして就活生は何社くらいに参加しているのでしょうか。
企業における人事に関する調査をしているHR総研が発表したデータによると、全国の学生がインターンシップへ参加した会社の数は、1人当たり4~6社がもっとも多いという結果になっています。
特に最近の傾向としては、従来の対面を前提としたものではなく、新型コロナウイルスの影響でオンライン型インターンシップの増加が顕著です。
いずれにしても、志望しているものとは異なる業種に参加してみるなど、最低2社は参加して比較すると良いのではないでしょうか。
インターンシップは多く参加した方がいいの?
インターンシップには多く参加した方がいいのでしょうか?
インターンシップは多ければ多いほどいいというわけではありません。
目的をもって参加することが大切
インターンシップについては目的をもって参加することが大切です。
自分がなんのためにインターンシップに参加するのかをきちんと明確にしておきましょう。
例えば、早期選考を獲得したいなら、多くの企業にインターンシップに参加するよりも興味のある企業のインターンシップ等イベントに繰り返し参加する必要があります。
業界について理解を深めたい場合は、同じ業界のインターンシップに複数参加して比較するのが大切です。
早くからインターンシップに参加しておいて損はない
早い時期からインターンシップに参加しておいて損はありません。
多くの企業が3年次6月からエントリー募集開始します。
早くからインターンシップに参加する学生はそれだけ真面目な上優秀であるという印象を与えやすいです。
インターンシップにはやくから参加することで、その後の動きに余裕を持つことができます。
インターンシップの種類
インターンシップや就活に関わるイベント情報の発信、就職支援サービスを行っているキャリタス就活による調査報告も見ていきましょう。
この調査では、企業のインターンシップ実施率や学生の参加率などのほか、情報収集し始めた時期や参加時期について、明らかになっています。
それによると、参加時期としてもっとも多い8~9月が20%前後、10月~2月では10%前後を推移しています。
オンラインでの形式が増えたことで、大学生活と両立して参加しやすくなったことによる影響もあるでしょう。
短期インターンシップ
上記の調査ではインターンシップの内容や、実施している期間なども明らかにされています。
オンラインか対面かによって多少の差はあるものの、実施されているプログラムの大半は短期間のインターンシップです。
その短期プログラムのうち6割強が1日以内、いわゆるワンデイといわれるものから、1ヶ月程度のものまで、いずれも3年生と4年生が対象です。
これらは企業や仕事について理解することを目的とし、実践的な業務に携わるようなことはそれほどありません。
サマーインターン
文字通り学校が夏休みに当たる期間で開催され、明確な定義があるわけではないものの、7月から9月にかけて実施されるものがそれに当たります。
こちらも例外ではなくオンラインによるもの、数日間など短期間のものが多く、学生にとっては幅広く情報を収集できるシーズンと言えるでしょう。
早い時期から準備に取り組めるほか、授業とスケジュールが重ならないといったメリットもあげられます。
いずれにしても業界全体を、あるいは業種にかかわらず企業を満遍なく知るには、絶好の機会です。
ウィンターインターン
一方で冬休みから入試の時期に行われるものがウィンターインターンで、およそ12月前半から2月末にかけて実施されているものを指します。
活動をスタートさせるタイミングで、多くの企業から情報を集めようとするサマーインターンに対して、いよいよ本格的な活動が目の前に迫る中、業界を深く知ることが主な目的となってくるでしょう。
つまり参加する側にも自己分析を重ねたうえで、業界や企業をよく研究しておくことが求められる段階であると言えるでしょう。
長期インターンシップ
ワンデイや短期の気軽に参加しやすいものがある一方で、1ヶ月以上から、あるいは期間が明確に決まっていないものが長期インターンシップです。
就活生だけではなく、対象は全学年で、実際に職場を体験できる貴重な機会となるでしょう。
実践的な業務を体験することによって自分自身のスキルアップにつなげられるものの、すべての企業が実施しているわけではなく、大手よりも規模の小さいベンチャー企業において行われているケースが目立ちます。
インターンシップに参加するメリット
ここまでで、インターンシップといっても実施時期により目的がやや異なること、1日だけや数日といった短期や長期など期間に違いがあるとわかりました。
さらにはオンライン形式が主流になってきたことで、必ずしも学校が休みの期間をねらわなくても良い、つまり平日にも参加しやすくなってきたと言えるかもしれません。
そんなインターンシップには何社くらいに行くべきなのか、それを知る前に参加することのメリットについて見ていきましょう。
視野が広がる
「そもそもインターンシップに参加する目的は何か」「就職活動の準備として必須のものなのか」と疑問に思っている学生もいるでしょう。
特にまだ何も準備に取り掛かっていなければ、企業を深く理解できるというだけでは、意義をなかなかつかみにくいかもしれません。
しかしながらインターンシップに参加すれば、実際に職場の雰囲気を確かめられるでしょう。
仕事を試してみることにより自分の適性を確かめられ、社会に出て働くイメージを高めて具体的にするチャンスにもなるはずです。
さらには社員から仕事のやりがいなどを聞くことによって、それまで漠然と抱いていた業界に対する印象が大きく変化して、視野を広げるきっかけになることは間違いないでしょう。
本選考の練習になる
インターンシップを実施している企業では、必ずしも応募者全員に参加を認めているわけではありません。
人気の企業においては応募者が多数になり、対応しきれず厳選することは想像に難くないでしょう。
選考方法はそれぞれで、なかには先着順というものもありますが、多くの場合は書類による選考や面接や、適性検査が実施される場合もあります。
つまり選考のあるインターンシップにおいては、エントリーシートを書いたりグループディスカッションがあったり、本番さながらの選考が行われているのです。
そうなれば志望動機をまとめて、学生時代に力を入れたことなど自分をアピールしなければならないため、本選考の練習にもなるというメリットをあげられるでしょう。
普段関わらない人と関わることによって刺激になる
参加することによって業界の理解が深まり、視野が広がって志望動機が明確になるなど、ほかにもメリットはまだまだあげられます。
社員との交流により仕事のイメージが深まることのほかに、一緒に参加する他大学の学生と関わり合いをもてるのです。
他校との交流が活発なサークル活動などをしていなければ、そうした機会はなかなか巡ってこないかもしれません。
しかも目的を同じくして集まっている同志であるため、活発に質問する様子などを眺めれば、おのずと刺激を受けられるでしょう。
自分になかった視点に気づくことも多くあるはずで、自分にまだまだ足りていなかった能力を自覚できれば、やる気やモチベーションを高めることにもつながります。
早期選考のきっかけになる
就活を経験して社会人となった卒業生の中には、もしかしたら最大のメリットとして採用活動をあげる人がいるかもしれません。
そもそもの目的は学生のうちから実際の仕事を体験することで、入社後のミスマッチを防ぐということもありました。
しかしながら企業を知ってもらう夏のシーズンから、より深く知ることになる冬のシーズンと、継続的に学生との接点があることにより、採用に大きく関わることになってきたことも事実です。
参加期間中に自社にとって必要な人材か、時間を経て企業理解を深めているかなどが判断されていることもあるでしょう。
実際に、インターンシップで目に留まった学生やエントリーシートを提出してくれた学生に対して、早期選考を案内する企業も存在するほどです。
インターンシップの選び方
参加するインターンシップを選ぶ際には、どのような点を見ると良いのでしょうか?
インターンシップに参加する際は、目的に合った企業を選ぶことが大切です。
業界
インターンシップについては、業界を基準に選んでみましょう。
類似した事業を行う異なる業界もあります。
そのため、業界の比較を行う場合や、同じ業界内で企業を比較する場合など、業界の内外でも目的に合わせてインターンシップを選ぶことができます。
企業の規模
業界の内外について比較できるのと同時に、企業の規模でも比較することでさらに細かい内容を知る事ができます。
例えば、同じ人材サービス業界内で、同じコンサルタント事業を行っていても、ベンチャー企業か大手企業かによって、企業内の忙しさや雰囲気など大きく異なります。
企業の規模についても複数インターンシップに参加してみると自分にあった企業選びができます。
インターンシップに参加する際の注意点
ここまで見てきたように、参加すれば本選考の練習になったり、場合によっては早期選考のきっかけになったりするとわかれば、すぐにでも申し込みたくなる学生がいるかもしれません。
しかし何も企業研究をしないまま参加してしまうと、かえって本選考前に悪いイメージをもたれてしまうかもしれません。
そこで、ここから先は参加するにあたって注意すべきことを確認しておき、何社くらいのインターンに参加できそうか、参考にしてみてください。
スケジュール管理
夏休みや冬休みなどに開催されていれば、学校の予定と重複することなく、比較的スケジュールを組みやすいかもしれません。
ところが夏以降に開催されるものについては課題の提出時期と重なったり、授業の合間を縫って参加したりすることもあるでしょう。
そこで注意したいのがスケジュールの管理で、いくら多くのインターンに参加したいからといって、予定を詰め込みすぎるのは望ましくありません。
さらに時間が決まっているからといって、1日に何社も申し込んでしまっては、時間の余裕も作れません。
ダブルブッキングなどはもってのほかですが、そうではなくても企業研究の時間をしっかり確保するなど、優先順位をしっかり決めて、タスク管理への意識をしっかりもっておきましょう。
目的を明確に
有意義な機会とはいえ、インターンに参加することは、精神的にも肉体的にも疲労がたまるものです。
いくつもの会社を回るとなればなおさらで、業界を絞らずに申し込んでしまえば、目的も見失いかねません。
たしかに企業を深く知るきっかけになったり、視野を広げるチャンスが得られたりするものの、どうしてそこを志望するのか冷静に考えてみる必要があるでしょう。
場合によっては選考で有利になることがあるものの、志望動機を固め、企業研究も重ねて、目的意識を明確にすることを忘れてはいけません。
その意識さえしっかりもてれば、実際の仕事ぶりなどに触れられてイメージを高めやすくなります。
開催される時期やプログラムの趣旨をよく確認して、目的意識をもって参加しましょう。
まとめ
実際の現場を自分の目で見て確かめられ、生の情報を収集できるのがインターンシップという場です。
「こんな仕事をしてみたい」というぼんやりとしたイメージも、体験の場を通じて明確にできたり、具体的にしたりすることもできるでしょう。
しかしながら業界のイメージをつかめそうだからといって、何社にも申し込んでしまっては、スケジュール管理も大変になってしまいます。
目についたものにただひたすら申し込んでしまっては、なんのために参加しているのか、目的が不明確になってしまうこともあるでしょう。
あくまでも就活の軸を定めるための手段として、インターンシップという制度を活用して、目的意識をしっかり定める契機にしてください。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート