採用選考の面接では、極度の緊張や質疑応答でのストレスから、面接官の目の前で泣いてしまうことがあります。
一度泣き出してしまうと気持ちが大きく動揺してしまい、そのあとの受け答えに支障をきたしてしまう場合も少なくありません。
面接で泣いてしまった場合の持ち直し方を事前に知っておけば、万が一の際に落ち着いて対処できます。
また、面接で泣かないためにどのような準備をしておけば良いかを知り、備えておくことも大切です。
この記事を読んで、落ち着いて面接を受けるための心構えをしておきましょう。
面接で泣いてしまう人は意外と多い
「面接で突然泣き出してしまうなんて、そうそう起こらないだろう」と思っているかもしれませんが、意外にも就活者が面接中に泣いてしまうことは多々あります。
就職活動は、その人の人生を決定づける大切な選択となるものです。
人生の岐路に立っていることも相まって、就活者の緊張やストレスは本人が自覚している以上に強くなっています。
そのような状況で面接官からきびしい質問を投げかけられたり、入社したいと思っている会社で受け答えがうまくできなかったりすれば、一度きりのチャンスをふいにしてしまう恐怖から、泣き出してしまうのは仕方ないことでしょう。
したがって「私にはあり得ないことだ」と否定せず、万が一の状況を想定しておく必要があるのです。
面接で泣いてしまう理由
面接中に泣き出してしまう理由はいくつも考えられますが、なかでも今回取り上げる3つはよくあるパターンと言えるものです。
ストレスがかかる中、面接の緊張感に耐えられなくなってしまい、泣き出すことは特に起こり得る状況でしょう。
また、志望先の企業への思い入れがあまりに強く、感極まってしまうこともあり得ます。
面接官が高圧的な態度を取っていて、意地悪な質問を投げかけられる場合も考えられます。
それぞれくわしく見てきましょう。
緊張に耐えられない
前述の通り、就職活動はその後の人生を大きく左右する、選択の時期です。
あなた自身がやりたいと思っている分野や職業へ就くためには、企業の採用選考を通過し、内定をもらわなければなりません。
さまざまな試験や課題の提出に取り組む中で、緊張やストレスは計り知れないものとなるでしょう。
なかでも、面接は人事部や現場社員と直接顔を突き合わせて評価を受けることになる場面です。
いっそう緊張の高まる状態で相手の質問に答えなければならないため、その強いストレスに耐えられなくなってしまう就活生も出てきます。
また、前もって準備してきた回答やプレゼンがうまくできなかったことで、気が動転して泣いてしまう場合もあります。
したがって、緊張やストレス、不安感のコントロールは必須と言えるでしょう。
企業への思い入れが強い
「その企業にどうしても入社したい」と強く考えている就活生にとって、面接で落とされるという事態は何よりも耐え難いものです。
特に、その企業でしか経験できない仕事がある場合、チャンスを逃すことはできません。
「もしかしたら」と自ら最悪の状況を想定してしまうことで、よりストレスや不安を抱え込んでしまうことは、十分にあり得るでしょう。
そんな中で裏を読むような質問があったり、回答の苦手な部分を掘り下げられたりすることで、そうしたマイナスの気持ちを面接中に抑えきれなくなってしまい、思わず泣いてしまうのは仕方ありません。
もちろん面接官が選んで意地悪をしているわけではありませんが、どうしても入りたいと思っている中で「印象が悪そうだ」と感じ取れば、悪い想像へとつなげてしまうでしょう。
面接官が高圧的
応募する企業の面接官によっては、高圧的な態度で質疑に応じる方も存在します。
圧迫面接というほど精神的に負荷をかけてくる場合こそまれですが、よりくわしく候補者の素質を見極めるために、多かれ少なかれストレスになることを試みてきます。
あえて意地悪な質問を投げかけたり、回答のあいまいだったところを集中的に深掘りしてみたりするといった方法で、揺さぶりをかけてくる場合は少なくありません。
そういった試練を挑んでくる面接官に恐怖やストレスを感じてしまい、就活生が泣いてしまうこともあります。
もちろん、理不尽な意地の悪さを見せてくる場合は悪質ですが、緊張感も相まって普段以上に相手が恐ろしく見えるものです。
どんな面接官が担当になるかは会うまでわからないため、心を落ち着けて挑む必要があると言えるでしょう。
面接で泣いたら落ちる？
もし面接中に泣いてしまった場合、採用選考の評価にはどれほどの影響が出るのでしょうか。
実際のところ、泣いたとしてもそこまで直接的に合否への影響が出ることはありません。
動転した心を落ち着けて、あらためて受け答えし直すせれば、ほかの候補者と同様に面接内容が評価されることとなります。
ただし、面接官によっては突然泣き出した点を「感情のコントロールが苦手だ」と評価したり「メンタルに弱い点がある」と印象を抱かれたりする場合があります。
多少評価を下げられる可能性があるということは、前もって把握しておきましょう。
しかし、途中で泣いたからといって、必ず面接が不合格になるとは限りません。
万が一の場合も諦めることなく、最後まで面接に取り組みましょう。
面接で泣いてしまった場合の対処法
もし面接中に泣いてしまった場合、どのようにしてリカバリーすれば良いのでしょうか。
まずは面接官の心象や評価をカバーするために、なぜ泣いてしまったのか理由を伝えることが大切です。
そのうえで、涙を拭きとるなど乱れてしまった身なりをすぐ整え、もう一度面接を受ける体制に切り替えましょう。
また、泣いたときの気持ちを引きずらず、面接に集中し直すことも大切です。
それぞれどういった点を意識する必要があるか、確認しましょう。
泣いてしまった理由を伝える
まず第一に、自分がなぜこの場で泣いてしまったのか、理由を簡潔に伝えることが大切です。
面接は、企業の担当者とコミュニケーションを取る場であり、あなただけのために用意された空間ではありません。
泣いてしまったことをきっかけに、あなた自身が話せなくなってしまうと、何よりもマイナスとなる状態です。
面接官としても、目の前で就活生が泣き出したことについてその理由が知りたいと考えるはずです。
泣いてしまったという出来事をポジティブに捉えながら理由を説明し、軌道修正をかけましょう。
よほどネガティブな理由でない限り、面接官の評価を下げる要因にはなりません。
心と呼吸を落ち着けて、明瞭な言葉づかいで答えることを心掛けましょう。
泣いてしまったときに使える理由
面接で泣いてしまった理由をあげる際に大切なのは、独りよがりなことや、相手が失礼だと思うことで泣いたわけではないと、はっきり伝えることです。
「怖い、嫌だ」といったマイナスな表現を持ち込むと「この人はうちの会社に入りたくないのでは」と思われてしまいます。
「伝えたい思いが考えていたように伝えられず、悔しくて涙が出てきてしまいました。」
このように、相手から見てもポジティブな理由をあげると効果的です。
企業に対して前向きな気持ちがあり、依然として「この会社に入りたい」という意志があることを示せれば、悪い印象に受け取られることはないでしょう。
すぐに身なりを整える
泣いてしまった際は、出てきた涙や鼻水で、表情や身なりが大きく乱れてしまっています。
そのままの状態で面接を続けてしまうと、面接官への心証としては良くありませんし、なかなか心も落ち着かないでしょう。
また、鼻が詰まった状態では声が通りづらくなり、聞き取りにくくなってしまう可能性があります。
いったん面接官に断りを入れてから、ティッシュやハンカチを使い、すぐに表情を整えてください。
また、服の襟や裾が濡れた場合はハンカチなどで水分を拭きとり、しわを伸ばしておきましょう。
涙を拭くことであなた自身の気持ちの切り替えにつながり、落ち着きを取り戻せます。
中断した流れをリセットするつもりで、身なりを整え直しましょう。
気持ちの切り替えを素早く行う
面接のリカバリーにおいて大切なことは、失敗したときの気持ちをいつまでも引きずり続けないことです。
残りの時間まで、面接官の目の前で泣いてしまったこと自体を悔やみ続けていても仕方がありません。
何より、面接でもっとも大切となるのは、相手とのコミュニケーションです。
質問されたことに適切な回答をして、ときにはあなたから面接官へ質問を投げることも必要になります。
あなた自身の感情をいつまでも気にしていては仕方がありませんし、相手の意図をくんだ受け答えができなくなってしまいます。
やり取りのところであなたの思いをきちんと伝え、この企業で働く意思があることをアピールして挽回するためにも、素早く気持ちを切り替えましょう。
面接で泣かないための心構え
ここまでの解説で、万が一泣いてしまった場合の対応については理解できたかと思います。
しかしながら、就活生としてはできる限り面接中に泣かないように、前もって心掛けたいことでしょう。
前述の通り、面接で泣く人は緊張やストレスから心が揺さぶられてしまう場合も少なからずあります。
そのため、就活のストレスを薄めるために、就活に対する捉え方を楽観視したり、他人との比較をしないよう心掛けたりすることが効果的と言えるでしょう。
楽観視する
泣かないための心構えとして大切なことの1つは、ある程度楽観的に物事を捉えることです。
これからの人生がかかっていて「決して失敗できない」という意識をもっていると、どうしても緊張や不安が強くなってしまいます。
しかしながら、実際にはその企業に入れるかどうかだけで、あなたの人生が決まるわけではありません。
同じように受けられる企業はほかにもありますし、うまくいかなければ就浪という選択肢を選ぶこともできます。
「もし落ちたとしても大丈夫」と考えると共に「自分ならちゃんと合格できる」という自信をもちましょう。
他人と比較しない
不安を大きくしないための心構えとして、あなた自身と他人とをむやみに比較しないことも大切です。
部活動の成績や受賞経験など、周りが自分よりも優れた実績をあげている、または研究やプロジェクトでより高度なことに取り組んでいると知って「自分にはアピールできる部分がない」とつい思ってしまいがちです。
しかし、面接ではそうした額面上の実績だけで、良し悪しがすべて評価されるわけではありません。
あなたがどんな経験をし、そこからどのように能力や特長を伸ばしてきたのかについて、あなた自身の言葉でアピールできるかどうかが重要なのです。
他人と比較して落ち込まず、自分自身を冷静に見つめ直すことで、魅力を見つけ出しましょう。
面接で泣かないための準備
採用面接のような特殊な状況では、前もって心を落ち着かせていても、その場の空気や不慣れから泣き出すようなストレスを感じてしまう場合があります。
そういった問題を克服するためにも、自分自身で面接や人前での話に慣れておくことが大切です。
ぶっつけ本番では内容をうまく整理して話せなかったり、想定していなかった質問を受けて言葉に詰まったりすることもあるため、前もって練習しておけば不安をやわらげ、落ち着いて挑めるでしょう。
特に、採用面接ではそれまで面識のなかった方が面接官として出てくる場合があるため、より強いプレッシャーを感じることも少なくありません。
どんな立場の方が相手でも心配なく話せるよう、事前に慣れておきましょう。
人前で話すことに慣れる
面接で極度に緊張してしまう人は、そもそも人前で話すことになれていない場合があります。
日頃からいろいろな人とコミュニケーションを取り、人前で自分の考えや意見を言うことに慣れておきましょう。
面接で問われる内容と直接関係はなくても、コミュニケーションを普段から取っていると、相手と話すこと自体への緊張がやわらぎます。
まずは授業で積極的に発言してみるなど、ささいなきっかけから話す練習をしておくと良いでしょう。
面接慣れをする
人と話すこと自体は問題がなくても、面接を受けることに緊張やストレスを感じる場合、面接の経験がなくてイメージができないことに恐怖を抱いている可能性があります。
そうした人は面接練習などを通して、あらかじめ段取りや質問される状況を経験しておくと、その緩和に役立ちます。
友達と練習を重ねることは当然大切ですが、実際に顔を突き合わせて話す相手は、同年代ではありません。
先生などに参加してもらう形で、20代から50代の目上の方を想定しながら練習しておくと良いでしょう。
また、就活エージェントを利用する形で面接練習を行っておくと、有益なアドバイスが得られるためより効果的です。
「就活市場エージェント」などのサービスを活用してみると良いでしょう。
本番慣れする
いきなり本命の志望先に挑むとなれば、どうしても緊張が増した状態で面接を受けることになってしまいます。
本番の空気感に慣れておきたいのであれば、事前にほかの企業で面接試験を経験しておくのも、1つの手段と言えるでしょう。
面接練習の場合は、ある程度自分で想定している形をなぞることになるため、都合の良い質問や話の流れになりがちです。
しかし本番では、プロフェッショナルの視点から思いがけない質問を投げかけられることもあります。
そういったイレギュラーへも対応できるようにしたいなら、より早いスケジュールの企業にエントリーし、面接を経験しておくと効果的です。
練習もかねてベンチャー企業を受ける就活生も多いので、ぜひ検討してみると良いでしょう。
まとめ
当記事では、面接で泣き出してしまうことについて、その理由や対策をくわしく解説しました。
自分の人生がかかっている状況で、緊張感も強くなりがちな面接ですが、事前に心構えをしたり、状況に慣れたりしておくだけで不安は大きくやわらぎます。
また、もし感情的になってしまった場合は「もうダメだ」と諦めず、一度気持ちを整えて切り替えましょう。
きちんとリカバリーができていれば、面接官も極端に評価を下げることはありません。
不安になりがちな人も心配したりせず、自信をもって面接に挑みましょう。
