はじめに
新卒採用の面接は3回以上あるのが一般的とされていますが、なかには内定までに2回しか面接を行わない企業もあります。
ほかの企業より採用スケジュールが短く、早く内定をもらえそうな一方「いわゆるブラック企業のような、危ない会社かもしれない」と不安になることもあるでしょう。
しかし、面接を2回しか行わないことにも意味があり、簡単に受かるわけではありません。
今回は、採用面接を2回しか行わない企業の特徴や対策について解説します。
面接が2回だけの企業って危ない?
3回以上面接を行う企業が目立つ中、面接回数が2回と他社より少ないと「そこは危険な企業かもしれない」と不安になってしまっても無理はありません。
しかし、内定までの面接回数が少ないからといって、危ない企業であるとは限らないため、そういった企業を志望している方も安心ください。
面接が2回だけの企業は珍しくなく、実は意外と多くあります。
大手企業の中にも、面接を2回しか行わないケースもあり、特に大手企業の子会社ではよくあることです。
したがって、面接が2回だからといって不安材料にはなりません。
反対に、面接回数が少ないからといって、採用選考を突破しやすいわけでもないのです。
ただし、面接が1回しかないところは、ブラック企業である可能性が高いため注意しましょう。
面接が2回だけの企業の特徴
面接の回数がなぜ2回に限られているかというと、それにはれっきとした理由があります。
どういった企業が面接を2回しか行わないのか事前に知っておけば、面接と突破するヒントになるかもしれません。
3回以上面接を行えば、学生と話せる時間が増え、対話を重ねる中で、その就活生のポテンシャルをじっくり吟味する時間ができます。
しかし、内定までに時間がかかるということは、企業にとってはデメリットでもあり、その点を考慮した結果面接が2回となっているのです。
学生の早期確保
面接を2回に絞る理由の1つとして、優秀な学生を早めに確保することがあげられます。
毎年多くの学生が就活に臨みますが、企業が喉から手が出るくらい欲しいと思える優秀な学生は、ほんの一握りしかいません。
そして、そのごく少数の優秀な学生を巡って、企業同士の熾烈な争奪戦が繰り広げられます。
しかし、就活生はかなり多くの企業に応募していることが多く、数十社にエントリーしている就活生も珍しくなく、ほとんどの場合は数社の採用選考を並行して受けています。
ゆっくり採用選考を進めていると、優秀で目をつけていた就活生が、早めに内定を出した企業に流れてしまうかもしれません。
優秀な学生を早期に確保するためには、面接回数を2回に減らして、他社より早く選考結果を出すことが重要なのです。
人事の負担軽減
新卒採用は、人事担当者に大きな負担がかかる大変な仕事です。
しかも、採用活動期間であっても、採用だけに携わるわけにもいかず、さまざまな社内業務も同時に進めていかなければなりません。
毎年のように何百人、何千人といった就活生を1人ずつ丁寧に見ていくためには、志望してきた学生の数だけ採用コストもかかるというわけです。
採用選考は面接だけでなく、書類審査も行われ、何千通もの書類に目を通す時間も確保しなければなりません。
そのため、人事担当にかなりの人員を割かないと、就活生の対応や内定者の育成を十分に行えなくなってしまいます。
面接回数を減らすことには、人事の新卒採用における負担を軽くし、社内の業務に専念する時間を充実させるという意味もあるのです。
書類選考を重視
企業の中には、書類選考を重視しているがために、面接の回数が少なくなっているところもあります。
書類選考を行えば、エントリーシートやWebテストなどで、就活生の資質を判断することは可能です。
また、エントリーシートには、その就活生の保有資格やスキルが記載されており、基本的なデータは面接前に収集できるのです。
就活生の人柄よりも、資格やスキルなどを重視した選考が行われている企業では、ほかの企業よりも書類選考に手間暇をかけているため、面接の回数は少なくなります。
なお、就活生は1枚の書類に時間と手間をかけ、できるだけ自分の良さをアピールできるように工夫しているはずです。
面接の回数自体は少なくても「学生の人柄はどうでも良い」と考えているわけではありません。
面接が2回だけでも受かりやすいとは限らない
2回しか面接を受けなくて良いのであれば、内定を獲得しやすいのではないかと考える方もいらっしゃるかもしれませんが、実はそうではありません。
面接回数が少ないからこそ、狭き門になっている例もたくさんあるのです。
与えられたチャンスが少ない分、1回の面接の出来にすべてがかかってくるといっても過言ではないでしょう。
受かりやすい企業であると甘く見て面接を受けるのは大変危険であり、2回しかないチャンスに全身全霊をかけて挑むべきです。
書類選考の倍率が高い
面接が2回しかない企業は、そもそも面接まで進める人数自体を絞っていることが多く、面接前の書類選考の難易度が高い傾向にあります。
したがって、エントリーシートの時点で、ほかの就活生との差別化ができていなければなりません。
何千人分ものエントリーシートの中で人事担当者の目に留まるためには、ガクチカや志望動機の中身がしっかりしているだけでは、書類選考突破は難しいでしょう。
面接回数が少ない企業は、人柄よりも保有資格やスキルを重視しているところも多く、Webテストで高い得点を取ったり、保有資格やTOEICのスコアでほかの就活生より秀でていたりする必要があります。
難易度の高い資格を保有している方やTOEICスコアが高い方にとっては、面接回数は少ないほうが有利かもしれません。
一次面接から深掘りがある
面接を3回以上行う企業の一次面接は、実際に現場で働いている社員が面接官を務めることが多く、就活生が面接官に与えるイメージが重視される傾向にあります。
一方、面接が2回しかない企業では、一次面接から部長クラスの管理職が面接を担当し、最初から2次面接のような緊張感が漂っている可能性も高いです。
一般的な1次面接は、身だしなみやマナー、そして言葉づかいなどが評価され、社会人としての常識があるかどうかをチェックされます。
しかし、面接が2回しかない場合は、1次面接からその企業について深掘りした質問をされることが多く、突然答えられないような難しい内容の質問もあるでしょう。
しっかりと対策しておかないと、次のステップに進めないおそれがあります。
自己PRの機会が少ない
面接の回数が少ないということは、自己PRのチャンスが少なく、もし一度失敗してしまったら巻き返しができず、一発勝負に近いという側面を忘れてはいけません。
場合によっては、いっさい自己アピールをさせてもらえず、伝えたかったことをほとんど伝えられないまま終わってしまう危険性も十分にあります。
特に、面接のようなあらたまった場所では緊張してしまう方や、面接を受け始めたばかりで慣れていない方にとっては、相当高いハードルとなるでしょう。
1次面接を突破できても、その次はもう最終面接であり、1次面接よりさらに深掘りした答えにくい質問をされるはずです。
その中で自己PRするには、相当の下準備が必要であり、相応の覚悟をもって臨まなければなりません。
面接が2回だけの企業に受かるために
面接のチャンスが2回しかない企業から内定を獲得するには、どのような準備をする必要があるのでしょうか。
前述したように、面接に漕ぎ着けるまでの難易度がまず異なります。
書類選考の段階で、多くの就活生が脱落させられてしまうため、ほかの就活生を圧倒するようなエントリーシートの準備をしなくてはなりません。
面接の回数が少ないということは、それだけ1回の面接に重みがあるということです。
少しでも失敗してしまったら、もう挽回の余地はないという覚悟が必要になります。
ESの完成度を上げる
面接の回数が少ないところは、書類選考を通過して面接に進むまでが難しいとも言えます。
したがって、まずはエントリーシートの内容を充実させなければなりません。
エントリーシートの中でも、企業の採用担当者が重視しているのはガクチカや志望動機です。
ご自分の経験やそれによって培われたスキル、そしてその企業に対する熱意を示す大切な項目であるため、できるだけ多くの人に添削してもらい、ブラッシュアップさせていきましょう。
また、SPI・玉手箱・TG-WEBなどのWeb上で受ける適性検査も同時に課されることがあります。
こちらも面接へたどり着くには必ず突破しなければならない関門であり、高得点を取れるように市販の問題集などで十分な練習を積んでおきましょう。
企業研究を徹底する
面接を2回しか行わない企業の1次面接は、その内容の濃さは一般的な企業の2次面接に匹敵します。
早い段階から、自社について深掘りした質問をされると予想されるため、志望している企業について理解を深めておかなければなりません。
まずは、ホームページなどからその会社の基本的な情報を調べ、その会社独自の強みについても理解しておく必要があります。
その会社や属している業界の動向をしっておくことも大切であり、プレスリリースをしっかりチェックし、常に業界ニュースに対するアンテナを張っておきましょう。
社長のSNSや社報もチェックし、経営トップが大切にしている理念や社風についても知っておくように心掛けてください。
OB・OG訪問も有効な企業研究の方法です。
自己PRをまとめておく
面接で緊張してしまうと、伝えたかったことを伝えられないまま終わってしまうことがあります。
特に就活を始めたばかりの頃は、面接独特の緊張した雰囲気に飲まれてしまい、簡単な質問でさえもうまく答えられない方もいらっしゃるくらいです。
面接のような特殊な場で自分自身をアピールするには、伝えるべきことをしっかりまとめておく必要があります。
自己PRをまとめる際は、エントリーシートと同じように第三者に見てもらうと、さらに面接官の興味を引くような自己PRになるはずです。
また、ダラダラ話してしまうと、どこが要点なのかわかりづらく、面接官に対するアピール力がなくなってしまいます。
面接官の印象に残るよう、簡潔に言えるように準備しましょう。
面接対策をしっかり行う
面接を2回しか行わない企業の採用選考においては、面接1回あたりの重要度が高くなってきます。
唯一と言っても過言ではないチャンスを潰してしまわないように、面接対策をしっかり行い、初回から自分らしさを出し、自分の良さを存分にアピールしましょう。
面接対策で有効な方法の1つに、面接練習があります。
面接官と就活生に分かれてシミュレーションしてみると良いでしょう。
ただし、きちんと話せているかどうかは、判断が難しい場合もあります。
面接の練習がうまくいかないときは、就職エージェントなどの面接練習のプロを活用するのがおすすめです。
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まとめ
企業の中には、人事の負担を減らしたり、優秀な学生を早期に獲得したりするために、面接を2回しか行わないところもあります。
そういったところは、面接にたどり着くまでもが狭き門であり、エントリーシートの内容を充実させ、Webテストで高得点をマークしなければなりません。
さらに、1回の面接あたりの重みが増し、1次面接から面接官として部長クラスの社員が登場し、自社について深掘りした質問をしてくることもあるのです。
事前に自己PRをまとめ、面接練習をしっかり積んで、本番に備えましょう。