本記事ではマスコミ業界の概要や職種、志望動機や自己PRの書き方、マスコミ業界の有名企業について紹介していきます。
この記事を読むことで、マスコミ業界で求められる人物像や就活のポイントを把握できます。また、業界研究・企業理解ができるため、就活に向けてしっかりと準備できるでしょう。
マスコミ業界への就職を希望している人は、ぜひこの記事を最後まで読んでください。
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【就活でマスコミ業界】マスコミ業界の仕組み
マスコミ業界は、雑誌やテレビなどのメディアを通じて情報を世間に届ける業界のことを指します。しかし、ひとくちにマスコミ業界といっても、実際はさまざまな業界があります。
就活の準備をするには、どのような業界があるのか知識を深めておくことが大切です。ここでは、それぞれの業界の特徴について詳しく解説します。
放送業界
放送業界はテレビやラジオなどを通じて、視聴者に情報を届ける業界のことです。
放送業界の中でもさまざまな職種があり、アナウンサーや報道記者のように情報を伝える仕事や、プロデューサーやディレクターのように制作側の仕事まで多岐に渡ります。
かつては撮影や編集で家に帰る時間もないほどハードな職業とされていましたが、近年は働き方改革により労働時間や労働環境の見直しが進んでいます。
テレビ局は、視聴者に向けて放送される番組のスケジュールを管理し、実際に番組を電波やケーブルを通じて届ける役割を担っています。
ニュース、バラエティ、ドラマなど、多岐にわたる番組の内容や時間帯を調整し、日々の放送を円滑に行うために、多くの部署が連携して業務を進めています。
たとえばテレビ朝日などのキー局では、自社制作の番組だけでなく、外部の制作会社から提供された番組も多く扱っています。
放送局の仕事は華やかな印象を持たれがちですが、裏方としての緻密な調整や管理業務が非常に重要です。
番組が正確に、かつ魅力的に放送されるよう、責任感と冷静な判断力が求められる現場です。
番組制作会社は、テレビ局から依頼を受けて番組を企画・制作する専門の会社です。
視聴者を引きつける内容を考え、構成を練り、撮影・編集を行って、一つの作品として仕上げていきます。
限られた時間内に収まるように制作する必要があるため、創造力と同時に時間管理能力も求められます。
共同テレビジョンなどは代表的な制作会社で、ドラマやバラエティの制作に数多く携わっています。
テレビ局と密接に連携しながら、視聴者のニーズに応える質の高い番組を作り出すことが求められる、非常にやりがいのある仕事です。
アイディアを形にすることに興味がある方には、特に向いている職種といえるでしょう。
広告業界
広告業界はテレビ・ラジオ・WEB媒体などのメディアと企業の広告主を仲介して、マーケティング戦略に基づいた広告の製作・配信をする業界のことです。
職種を大きく分けるとクライアントから案件を請け負う営業と、実際に広告を制作するプランナーの2つに分類されます。
特に営業はクライアントのニーズを見極めて課題を解決することが必要なため、マーケティング知識やコミュニケーション能力などさまざまなスキルが求められます。
総合広告代理店は、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、インターネットといったあらゆる媒体を扱い、クライアントのニーズに応じた広告戦略を総合的に提案・実行する企業です。
市場調査から企画立案、制作、運用、効果検証までを一貫して行うため、幅広い知識と調整力が求められます。
電通や博報堂などが有名で、大手企業のブランド戦略に関わることも多く、スケールの大きな仕事に携わるチャンスがあります。
広告を通じて社会にインパクトを与えたいと考える方には、非常に魅力的なフィールドです。
チームでの連携も多く、コミュニケーション能力も重要です。
専門広告代理店は、インターネット広告や交通広告、屋外広告など、特定の媒体に特化してサービスを提供する代理店です。
媒体に対する深い知識と技術力が求められるため、より専門的な領域で活躍したい方に向いています。
たとえばオプトはデジタル広告に強みを持ち、SNSや検索連動型広告などを活用してクライアントの課題解決を図っています。
技術革新が激しい分野だからこそ、常に最新の情報をキャッチし、柔軟に対応する姿勢が大切です。
自ら進んで学ぶ意欲がある方にとっては、成長のチャンスが多い業界といえるでしょう。
ハウスエージェンシーは、特定の企業の広告活動を専門に担当する広告代理店です。
たとえばJR東日本企画は、JR東日本グループの広告を主に手掛けています。
企業のブランドイメージや商品を深く理解したうえで、長期的な視点から広告戦略を立てるのが特徴です。
特定企業に寄り添いながら広告業務を行うため、安定性があり、じっくりと仕事に取り組みたい方には適した環境です。
クライアントとの関係が継続的で深いため、信頼関係を築く力や、課題を的確に捉える分析力が重要です。
出版業界
出版業界は雑誌やマンガ、文学書などの紙媒体の出版を行い情報を提供する業界です。
企画・制作を行う製作者をはじめ、実際に記事を執筆するライター、撮影するカメラマンなどの職種があります。大手出版社は年収が高いですが、採用率が低いため狭き門といえるでしょう。
昨今の本離れに対応するため、最近は電子書籍やアプリの導入など新しい形態に変わりつつあります。
出版社は、書籍や雑誌といった印刷物の企画・編集・制作を行う企業です。
作家や編集者、デザイナー、営業担当など、さまざまな職種が協力しながら、一つの出版物を形にしていきます。
企画力と編集能力、そして読者のニーズを読み取る感性が問われる仕事です。
集英社などの大手出版社では、漫画や小説、雑誌など多様なジャンルの出版物を扱っており、影響力の大きなコンテンツ制作に携わることができます。
ものづくりの達成感を味わいたい方や、言葉や表現にこだわりたい方にとって、魅力のある仕事でしょう。
取次店は、出版社と書店の間に立って書籍の流通を担う企業です。
出版社が制作した書籍を効率よく全国の書店に届けるために、在庫管理や出荷の調整、売上の管理などを行います。
出版業界の流通インフラを支える重要な役割を果たしています。
日本出版販売(ニッパン)のような企業が代表的で、物流と情報の両面から書籍の販売促進を支援しています。
裏方の仕事が多いですが、書籍が確実に読者の手に届くよう支えるやりがいのある仕事です。
計画性と調整力が求められます。
書店は、読者に直接本を届ける小売の最前線です。
売り場のレイアウトやポップの作成、フェアの企画などを通して、どのように本を魅力的に見せるかを考えながら販売活動を行います。
本への愛情と読者への視点が大切な仕事です。
紀伊國屋書店などの大型書店では、専門書から雑誌まで幅広い商品を取り扱っており、多様なニーズに応える必要があります。
接客を通して読者の声を直接聞ける点も、大きなやりがいにつながるでしょう。
新聞業界
新聞業界は国内外のニュースを素早く新聞購読者に伝える業界です。また、経済や政治などの時事問題を詳しく扱っているのが新聞業界の特徴です。
新聞は大きく分けると全国紙と地方紙の2種類がありますが、内容によって一般紙・専門紙・スポーツ紙などに分類されます。
どの新聞社でも職種は記者がメインで、その他に編集・企画・営業などがあります。
全国紙は、日本全国を対象にニュースを配信する新聞社で、政治・経済・国際・社会・文化など幅広い分野を網羅しています。
正確で迅速な情報提供が求められる中で、記者や編集者たちは日々のニュースを追い続けています。
読売新聞グループなどは、全国規模での発行部数を誇り、多くの人々に影響を与える報道機関です。
社会的責任が大きく、公共性の高い仕事であることから、強い使命感と冷静な判断力が必要とされます。
報道を通じて社会に貢献したいという思いを持つ方に向いています。
地方紙は、特定の地域に根ざした情報を中心に扱う新聞社で、地域のニュースや生活に密着した内容が特徴です。
読者との距離が近く、地域社会に貢献する実感を得られる仕事です。
中日新聞社などが代表例で、地元の出来事を丁寧に取材し、地域に密着した視点で記事を制作しています。
地元を盛り上げたい、地域に貢献したいという気持ちを持つ方にとって、非常にやりがいのある職場といえるでしょう。
【就活でマスコミ業界】マスコミ業界の職種は?
先述したように、マスコミ業界は放送業界・広告業界・出版業界・新聞業界と細かく分類され、そこで働く人たちの職種は実にさまざまです。
以下では、マスコミ業界の主な職種を8つ紹介します。
営業系
テレビやラジオなどの放送業界の主な収入源は広告収入です。民放局では番組の間にCMと呼ばれる広告放送が挟まれますが、このCM放送権をスポンサー企業に販売することで収入を得ています。
そして、スポンサー企業にCM放送権を販売しているのは営業職の人たちです。番組作りや出演者の出演料、働く社員の給料となる費用を得る業務を担当しており、会社の土台を支える重要な職務といえるでしょう。
また、広告業界では営業職がクライアントのニーズに合った広告の提案・企画から制作指示までの全てを担っています。
記者・ライター
記者・ライターは、取材・調査・記事作成が主な仕事です。基本的には出版社や編集プロダクション、制作会社、広告会社などの企業に所属します。
幅広い教養や知識、文章力が必要になるため、大手企業では大卒者が採用の条件になるのがほとんどでしょう。
フリーランスの場合は学歴より実力が重要ですが、学校を卒業してからすぐ活躍するのは難しく、まずは出版社などの企業で経験を積んでから独立するのが一般的です。
編集・制作
編集・制作は企画の立案・編集・管理・原稿の執筆・製作と幅広く業務をこなすため、就業形態や勤務先に関わらず多忙であることが多い職種です。
テレビ業界で働く場合はテレビ局や番組制作プロダクション、出版業界で働く場合は出版社や編集プロダクション、新聞業界で働く場合は新聞社が主な職場です。
編集者に必要な企画力の源は好奇心のため、好奇心旺盛な人や柔軟な発想ができる人が求められます。
校閲
校閲は、新聞記事や雑誌、小説などの原稿に対し、事実確認や誤字脱字のチェックを行い、文章の正確さや表現の適切さを整える職種です。
記事の信頼性を守る最後の砦として、非常に重要な役割を担っています。
単なる誤字の修正だけでなく、固有名詞の表記確認、時系列の整合性、差別的・不適切表現のチェックなど、多岐にわたる知識と注意力が求められます。
細部まで丁寧に目を配ることができる方、文章に対する強い関心がある方に向いている仕事です。
成果が目立ちにくい職種ではありますが、情報の正確さを担保するという意味で、社会的に非常に重要な存在です。
責任感を持って物事に取り組める方におすすめです。
広告デザイナー
広告をデザイン・制作するのが広告デザイナーの仕事です。勤務先としては、広告制作会社や広告代理店、印刷会社のデザイン部、企業の宣伝部などがありますが、フリーランスで活躍している人も多くいます。
広告は新聞や雑誌などの紙媒体やテレビやラジオ、看板やWEBなどがあり、さまざまな媒体に対応できる柔軟性や幅広い知識が必要です。
また、自分の感性を前面に押し出すのではなく、広告を目にする人たちの意識や感覚にも気を配り、ターゲット層と同様の感性を共有できる社会性も求められます。
マーケティング
販売戦略策定や広告効果の測定がマーケティング業務です。モニターへのアンケートや聞き取り、店頭での売れ行きの動向など、より広い観点から市場の動向の調査・検討を行っています。
アナウンサー・キャスター
アナウンサーやキャスターは、ニュース番組や情報番組などで原稿を読み、視聴者に正確かつわかりやすく情報を伝える仕事です。
テレビ局に所属している場合もあれば、フリーで活動しているケースもあります。
発音や滑舌といった技術面はもちろん、言葉に込める感情やタイミングなど、表現力も問われる職種です。
また、ニュースの背景知識や社会情勢への理解も不可欠で、日々の勉強が欠かせません。
伝えることが好きな方、人前で話すことに抵抗がない方にとっては非常に魅力的な仕事です。
採用には局アナ試験やオーディションがあるため、準備と対策が必要ですが、その分、達成感や影響力のある仕事でもあります。
プロデューサー
プロデューサーは、番組やコンテンツの全体的な企画・マネジメントを担当する職種で、制作現場の統括者ともいえる存在です。
番組のテーマ設定、出演者やスタッフの選定、予算管理、スケジュール調整など、幅広い業務をこなします。
どうすれば面白い番組が作れるか、視聴者に届けたいメッセージは何かといった戦略的な視点が求められ、企画力・調整力・リーダーシップすべてが問われます。
最初からプロデューサーとして働けるわけではなく、まずはアシスタントやディレクターなどを経験し、現場で実力をつけていくのが一般的なキャリアパスです。
企画を形にする達成感を味わいたい方には、非常にやりがいのある職種です。
【就活でマスコミ業界】マスコミ業界の仕事の現状とは
マスコミ業界に限らずどのような仕事にもいえることですが、苦しく大変なこともあれば、楽しくやりがいを感じられることもあります。
それでは、マスコミ業界の仕事の現状を具体的に見ていきましょう。
拘束時間が長く不規則な勤務時間も多い
マスコミ業界の仕事の多くは、他の人の作業待ちや確認待ちの時間など、自分の作業が終わっていても周りが終わらないと帰れないといったことがあり、拘束時間が長くなる傾向にあります。
また、不規則な勤務時間も多く、休みも不定期ということがほとんどです。マスコミ業界のどの職種に就いても、肉体的にも精神的にもタフであることが求められるでしょう。
下積みが長い場合がある
特にテレビ業界では、プロデューサーやディレクターといった役職に就くまでに長い下積み期間を経るケースが一般的です。
たとえばテレビ局では、まずアシスタントディレクター(AD)として現場に入り、撮影準備やスケジュール調整などのサポート業務を担当します。
ADの仕事は体力的にも精神的にもハードで、つらいと感じる方も少なくありません。
しかしこの時期に培った現場力や信頼関係は、その後のキャリアにおいて大きな財産となります。
地道に努力を積み重ねた先に、自分の企画が形になり、多くの視聴者に届くというやりがいがあります。
マスコミ業界は実力主義の傾向が強いため、若くして活躍するチャンスもあります。
一歩ずつステップを踏みながら、着実にスキルと経験を積んでいく姿勢が大切です。
目立たなくても、今の自分にできることを全力でやるその積み重ねが、将来の大きな成果につながります。
やりがいを感じやすい
マスコミ業界の仕事に共通しているのが「人に伝える仕事」であるということです。公共性のある質の高い情報を世間に送り届けることで、時として人々に喜びや感動を与えるなど、社会に大きな影響を及ぼすことができます。
テレビ局であれば「人気番組を作る」、出版社であれば「ベストセラーを出版する」、新聞社であれば「世の中に出ていないニュースをスクープする」など、自分が企画や制作に関わった作品が多くの人の目に触れるのは大きなやりがいになることでしょう。
【就活でマスコミ業界】マスコミ業界のやりがい
マスコミ業界は、情報や感動を多くの人に届ける仕事であり、その影響力や社会的意義の大きさが特徴です。
日々の業務には厳しさもありますが、それ以上に大きな達成感ややりがいを感じられる瞬間が多くあります。
視聴者・読者・ユーザーの反応を直接感じられることや、社会に新たな価値を提供できることも、マスコミならではの魅力です。
以下では、マスコミ業界におけるやりがいについて、特に感じやすい3つのポイントを詳しくご紹介します。
多くの人に伝えられる
マスコミ業界の最大の魅力の一つは、自分が携わったコンテンツが非常に多くの人々に届くという点です。
テレビ番組のプロデューサーであれば、大ヒット番組を作り上げ、多くの視聴者に影響を与えることができます。
新聞記者やテレビ局の報道担当者であれば、大ニュースをスクープし、その真相を明らかにすることで、社会に大きなインパクトを与えることが可能です。
また、出版業界では、自分が関わった書籍がベストセラーとなり、映画やアニメ化されることもあります。
自らの仕事が社会に広く認知され、誰かの心に残る経験となることは、大きなモチベーションにつながります。
努力が実を結んだときの充実感は、他の業界ではなかなか味わえない魅力のひとつです。
社会に影響を与えられる
マスコミの役割は、単に情報を届けることだけではありません。
取り上げたニュースが人々の行動や考え方を変えるきっかけになったり、社会問題に対する関心を高めたりと、世の中に大きな影響を与える力を持っています。
たとえば、特集番組が放送されたことで世論が動き、政策に影響を与えることもありますし、ある記事がSNSで話題になり、社会的な議論が生まれることもあります。
また、エンタメ分野では、感動や笑いを届けることで、人々の気持ちを前向きにする力もあるのです。
自分の仕事が誰かの心を動かす、そんな体験ができるのがマスコミ業界ならではの醍醐味です。
環境の変化が早い
マスコミ業界は、常に時代の最先端を走っている業界です。
人々の関心は日々移り変わり、テクノロジーの進化も急速に進んでいるため、求められる情報や表現手法も常にアップデートが必要です。
そのような変化の中で働くことは、自分自身の成長にも大きくつながります。
新しいアイディアを次々に形にしていく環境に身を置くことで、柔軟な発想力や課題解決能力が自然と養われていきます。
常に新しいものに触れ、変化に対応しながら前向きに挑戦し続けたいという方にとって、マスコミ業界はぴったりのフィールドといえるでしょう。
【就活でマスコミ業界】マスコミ業界の動向
マスコミ業界は就活生から人気の高い業界であり、マスコミ業界への就職を希望する学生は少なくありません。
選考をスムーズに突破するためにも、マスコミ業界の動向をしっかりと把握しておきましょう。ここでは、マスコミ業界の動向について解説します。
他事業への事業展開
業績向上のために、他業界へ新しく事業展開を行っている企業も増えてきています。例えば、株式会社TBSテレビはテレビ放送のイメージを抱く人も多いですが、イベントや映画、不動産事業と幅広く事業展開しています。
出版業界の株式会社ベネッセコーポレーションは通信教育、株式会社ゼンリンではカーナビなどの地図データベース事業といった既存事業以外にも幅を広げており、業績も堅調です。
M&Aの売上向上を目指す
M&Aは「Mergers(合併)and Acquisitions(買収)」の略です。マスコミ業界の売上が低迷しつつあることから、マスコミ業界の中でもM&Aによって売上を向上しようという動きが見られます。
例えば、日本テレビホールディングス株式会社はHuluの日本事業をM&Aし、日本BS放送株式会社では株式会社理論社と株式会社国土社の子会社化が行われました。
このように、同業種だけでなく異業種のM&Aが行われており、今後は事業強化や事業拡大の動きが活発化するでしょう。
積極的な海外展開
日本国内だけでは業績が伸び悩んでいるため、積極的に海外進出する企業も増えています。
例えば、株式会社電通では、アメリカ・アジア・中東など世界約145か国以上の国と地域で事業展開を行っており、広告による売上は国内事業を上回っています。
出版業界でも国内市場が縮小していく中で積極的に海外進出を行い、マーケットの拡大を狙う企業が増えるでしょう。
オンライン商材への拡大
既存の商材だけでなく、YouTubeやSNSの動画配信サービスやデジタル版の新聞・コミックなど、オンライン商材への拡大を行う企業が増えているのが現状です。
また、サービス商材だけでなく人手不足を解消するために、インターネットを通じたデジタルインフラを導入する動きも広がっています。
例えば、テレビ業界では映像コンテンツを管理・編集できるクラウドサービスを導入することで出社しなくても編集作業ができるなど、デジタル化が進んでいます。
広がる動画コンテンツ
コロナ前から動画配信サービスはありましたが、コロナの巣ごもり需要を利用して新たな動画コンテンツ戦略を立てる企業や、サービス強化を図る企業も出てきています。
その中でもライブ配信に力を入れる企業が増えており、出版業界の株式会社講談社では人気雑誌「ViVi」のモデルを起用した「ViViフェス ライブ」というライブ配信企画をスタートしました。
今後は自宅で楽しめる動画コンテンツが広がりを見せていくでしょう。
生産性の向上
政府が推進する働き方改革は、マスコミ業界にとって大きな課題といえます。他業種と比べるとマスコミ業界は年収が高いとされていますが、その分勤務時間が不規則で拘束時間が長いなど激務になりがちな一面があるのが実状です。
働き方改革で勤務時間が短縮される中で、質の高い番組や記事、出版物を生産し続けなければならないという課題があります。例えば、株式会社テレビ朝日では事務作業の一部にRPAを導入することで、事務作業の効率化や総労働時間の軽減につなげています。
このように、限られた時間の中で生産性を向上するための取り組みや動きが増えていくでしょう。
【就活でマスコミ業界】マスコミ業界の将来性
マスコミ業界は、近年のデジタル化や技術革新の波を受け、大きな変化とともに新たな可能性を広げています。
従来の紙媒体やテレビに加え、インターネットやスマートフォン、ストリーミングサービスなど、新しいメディア形態が次々に登場しています。
SNSの普及によって、情報発信のスピードと双方向性が重視されるようになり、また、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)などの最新技術も導入され始めています。
これにより、視聴者・読者との関係性もより深く、インタラクティブなものへと変化しています。
こうした時代の流れに対応するため、マスコミ業界でも新たな人材が求められています。
柔軟な発想と技術への理解、そして時代の変化をポジティブに捉えて行動できる力が、これからのマスコミ業界で活躍するうえで欠かせない要素となるでしょう。
【就活でマスコミ業界】マスコミ業界で求められる人物像とは?
マスコミ業界は社内外の多くの人と関わる仕事のため、コミュニケーションスキルがあるといいでしょう。クライアントの意向に沿った解決策を発案する顧客視点を持っていることも重要なポイントです。
ただ一方的に情報を発信していくだけでなく、世間から求められているモノを作り上げるために、洞察力・発想力・情報収集力・創造性の素質が求められます。
また、マスコミ業界では常に新しいモノを生み出して情報発信していくことから、好奇心旺盛でモノづくりが好きという気持ちが大切です。
【就活でマスコミ業界】マスコミ業界で求められるスキルとは?
マスコミ業界では、従来の取材力、文章力、コミュニケーション力に加え、時代に合わせた新しいスキルも強く求められるようになってきています。
特にデジタル技術の進化に伴い、情報発信の方法や求められる知識が大きく変化しています。
ここでは、現代のマスコミ業界で重視されるスキルの中から、特に重要な2つをご紹介します。
デジタルリテラシー
現代のマスコミ業界では、デジタルリテラシーはもはや必須のスキルです。
ウェブメディアの仕組みや、SNSを活用した情報拡散の手法を理解していることはもちろん、動画や画像の編集ソフト、コンテンツマネジメントシステム(CMS)を使った記事更新作業など、実務的な技術も求められます。
特に若い世代がターゲットとなる媒体では、視覚的に魅せる力が重要視されるため、ビジュアル素材を効果的に活用できる能力が評価されます。
自分自身がデジタルコンテンツの作り手として関わる意識を持ち、日常的に情報技術に触れることがスキルアップにつながります。
データ分析とマーケティングスキル
どれだけ質の高いコンテンツを作っても、それがどれくらいの人に届き、どんな反応を得たのかを分析しなければ、次の改善にはつながりません。
そのため、視聴率やウェブ上のクリック数、SNSでのエンゲージメントなどを読み解くデータ分析力が重要となっています。
また、ユーザーのニーズや市場動向を把握し、それに基づいた企画を立てるマーケティングの視点も不可欠です。
広告や広報の分野だけでなく、コンテンツ制作の場面でも収益性を意識した提案力が求められるようになっています。
分析と戦略立案を組み合わせて成果を生み出せる人材は、今後ますます重宝されることでしょう。
【就活でマスコミ業界】マスコミ業界に向けた志望動機の書き方は?
マスコミ業界に向けた志望動機を書く際は、「なぜマスコミ業界で働きたいのか」「なぜその会社で働きたいのか」の2点をしっかりと深掘りしましょう。
具体的に自分がマスコミ業界で何を成し遂げたいのか、「自分が作った広告で世間の人々に喜びや感動を与えたい」など、マスコミ業界ならではの理由を述べられるようにします。
「なぜその会社で働きたいのか」については、他の企業ではなくその企業でなければいけない理由を伝えます。例えば、株式会社電通では日本クリエイター・オブ・ザ・イヤーで受賞するほどの優秀なクリエイターを何名も輩出しているのが特徴です。
このように、企業ごとの強みや特色を把握したうえで志望動機を書くようにしましょう。
【就活でマスコミ業界】マスコミ業界に向けた自己PRの書き方は?
先述したマスコミ業界から求められる人物像を踏まえたうえで、自己PRを書いていきましょう。ここからは、マスコミ業界に向けた自己PRの書き方を紹介していくので、ぜひ参考にしてください。
結論
自己PRを書く際は「自分は〇〇が長所です」というように、まず自分の長所を端的に述べます。最初に結論を述べてこれから何を伝えるのか面接官に示すことで、読み手側も話が入ってきやすくなります。
具体的なエピソード
自分の長所を伝えた後は、実際にそこが自分の長所であることを証明するエピソードを書きます。
ここではその出来事の中で生じた目標や課題、またその目標や課題を達成・解決するためにどのような行動をしたのかについてまで、なるべく具体的なエピソードにすることが大切です。
企業側は目標や課題、それに対する行動を通じて、その人の人柄や価値観を見極めています。なぜその目標や課題を課したのか、なぜそのような行動をとったのか、しっかりと見つめ直しておきましょう。
結果・経験を通して学んだこと
具体的なエピソードを伝えた後は、自分がとった行動によってどのような結果になったのかを書きます。また、結果を書く際は定性的ではなく定量的に表すようにしましょう。
例えば、「自分がリーダーを務めるサークルにおいて、新入生の参加率を改善するために〇〇というアイデアを出したところ、参加率が90%以上になった」など、数字を用いて表現すると相手に伝わりやすいです。
そして、この経験を通じて学んだことも書きましょう。面接官はその人が学んだことから人柄や価値観を見極めており、これらは採用を判断するうえで重要なポイントになります。
自分がどういう人間なのか、その企業にとって必要な人材であることをアピールしましょう。
業務にどう活かしていくか
企業は採用活動を通じて、自社に貢献してくれる人材を求めています。つまり、面接官に対して「この人を採用したら自社で活躍してくれるだろう」と思わせるのが大切です。
自己PRの最後は、今まで伝えてきた自分の長所を業務にどうやって活かしていくかまで伝えるようにしましょう。そのためには、志望する企業が求める人物像をしっかりと把握しておきます。
そして業界研究や企業研究を通じ、自分の強みをいかにアピールするのか考えておきましょう。
【就活でマスコミ業界】マスコミ業界を志望する際に対策すべきこと
マスコミ業界は非常に人気が高く、選考倍率も高いことで知られています。
そのため、しっかりとした準備と対策が欠かせません。
特に、他業界に比べて選考スケジュールが早めに始まる傾向があるため、情報収集と自己分析を早めに行い、計画的に準備を進めることが大切です。
ここでは、マスコミ業界を目指すうえで意識しておきたい7つの重要な対策ポイントをご紹介します。
新聞・ニュースからの情報
マスコミ業界では情報感度を高く持ちながら情報収集・情報発信をしていくため、面接では気になるニュースについて聞かれることがあります。
急に時事問題について質問されてもスムーズに答えられるように、日頃から新聞やテレビのニュース番組などから情報を収集し、世間の動向に敏感になっておくことが大切です。
OB・OG訪問
マスコミ業界を志望する就活生は多く、内定をもらうのは非常に狭き門といわれています。厳しい選考を乗り越えるためにはどのような対策をすればいいのか、OB・OG訪問で実際に現場で働く先輩方の話を聞いてみるといいでしょう。
面接対策や試験対策、志望動機など、気になることを相談してみることをおすすめします。
インターンシップへの参加
インターシップとは、ひとことで表すと実際にその仕事を体験してみることです。実際に入社した後に「思っていたのと違った」ということにならないように、志望するマスコミ業界や企業のインターシップへ参加することをおすすめします。
また、実際にその仕事を体験してみることは業界研究・職業研究にもなり、エントリーシートの作成や面接にも役立つでしょう。
就活イベントへの参加
先述したように、ひとくちにマスコミ業界といっても業種は多岐に渡ります。それぞれの業界をひとつひとつ研究していくことも大切なことですが、マスコミ業界主催の就活イベントに参加することで、より気軽にたくさんの業界の仕事内容を知ることができます。
マスコミ業界に対して漠然としたイメージを抱いている場合は、就活イベントに参加してイメージを固めていきましょう。
資格やスキルの取得
マスコミ業界のどの職種を目指すかにもよりますが、仕事に役立つ資格やスキルを取得していると面接でアピールできる場合があります。
以下では、マスコミ業界に役立つ資格やスキルの一例をまとめています。時間に余裕がある場合は、資格やスキルの取得にチャレンジしてみましょう。
・広告業界:ウェブ解析士、DTPエキスパート、POP検定など ・出版業界:校正技能検定、書籍製作技能検定、DTPエキスパートなど ・新聞業界:ニュース時事能力検定、校正技能検定、語彙・読解力検定など ・テレビ業界:TOEICなど
早い選考スケジュールに合わせた事前準備をする
マスコミ業界の選考は、一般的な業界よりも早く始まることが多く、早ければ大学3年の秋ごろからインターンや企業説明会が行われます。
本選考も年明けから始まるケースがあるため、こまめに各社の採用スケジュールをチェックし、見逃さないようにすることが重要です。
また、エントリーシート(ES)や面接、筆記試験の対策も早めに始めることで、余裕を持って本番に臨むことができます。
特にマスコミ業界は独自の設問や課題を出すことも多いため、過去問や先輩の体験談を参考にしながら、企業ごとの傾向を把握しておくと安心です。
計画的な行動が、合格への第一歩となります。
小論文対策をする
マスコミ業界の選考では、小論文が課されることが多くあります。
ニュースに対する意見や、社会問題に対する自分の考えを論理的にまとめる力が問われるため、しっかりと準備しておくことが重要です。
小論文の練習を重ねることで、自分の考えをわかりやすく伝える力が養われます。
最初は時間がかかったり、うまく書けなかったりするかもしれませんが、書いたものを見直して反省点を見つけ、何度も書いていくうちに感覚がつかめてきます。
また、日ごろから新聞やニュースに触れ、社会の出来事について自分なりの視点を持つ習慣をつけておくと、テーマに対する理解力が深まり、説得力のある文章が書けるようになります。
書く力は面接やES作成にもつながる力なので、ぜひ早めに取り組んでおきましょう。
【就活でマスコミ業界】マスコミ業界の有名企業を紹介!
広告業界から放送業界まで、マスコミ業界にはさまざまな企業が存在しています。
ここでは、数ある企業の中からマスコミ業界における有名企業を紹介します。それぞれの企業の特徴をしっかりと把握して就活に役立ててください。
株式会社講談社
株式会社講談社は「週刊少年マガジン」「週刊ヤングマガジン」「なかよし」などのマンガから、「週刊現代」「FRIDAY」の人気雑誌、小説、ジャーナリズム、児童書などさまざまなジャンルの本や雑誌を多数出版している総合出版社です。
会社創業以来「おもしろくて、ためになる」を合言葉に、日本国内にとどまらず性別・年齢・国籍の枠を超えた世界中の人々に新しい物語を届けています。
株式会社集英社
株式会社集英社は「週刊少年ジャンプ」「りぼん」「Seventeen」「non-no」などのマンガやファッション雑誌の他に、アイドル雑誌の「Myojo」、ナツイチでおなじみの文庫、新書、文芸書、児童書といった書籍も幅広く出版する出版社です。
近年は通販サイトやデジタル配信、ライツビジネスなどに積極的に取り組み、紙面だけではないさまざまなビジネスで可能性を広げています。
株式会社サイバーエージェント
株式会社サイバーエージェントは1998年創立の比較的歴史の浅い企業ですが、2000年には東京証券取引所マザーズに上場を果たし、今なお成長を続けている企業です。
「21世紀を代表する会社を創る」というビジョンを掲げ、動画配信サービスである「ABEMA」の運営、ブログを中心としたコミュニケーションサービスやニュースサイトなどのAmeba事業、国内トップシェアを誇るインターネット広告事業を展開しています。
出典:沿革|株式会社サイバーエージェント
株式会社博報堂
株式会社博報堂は、株式会社電通と並び日本の広告業界を代表する企業であり、「クリエイティブの博報堂」という呼び名があるほど優秀なクリエイターを輩出する企業として知られています。
博報堂のフィロソフィーは「生活者発想」と「パートナー主義」です。人間を消費者としてではなく生活者として全方位的にとらえ、深く洞察することで新しい価値を創造していこうという考え方です。
また、責任あるパートナーとしてクライアントともに課題に向き合い行動するというのがビジネスの原点になっています。
株式会社小学館
株式会社小学館は「小学一年生」などの小学生を対象とした学年別学習雑誌をはじめ、「CanCam」といったファッション雑誌、「月刊コロコロコミック」や「週刊少年サンデー」などのマンガを幅広く展開する総合出版社です。
数ある出版社の中でも絵本・図鑑・学習マンガ・児童学習誌などの児童書が充実しています。
また、名探偵コナンやドラえもんをはじめとするキャラクタービジネスに強みがあり、公園プロデュースやカルチャースクール運営などの新規事業にも積極的に取り組んでいるのが特徴です。
【就活でマスコミ業界】マスコミ業界への理解を深めよう
今回はマスコミ業界について詳しく解説しました。選考を突破して内定をもらうには、マスコミ業界の動向や仕組みについて理解を深めておくことが大切です。
ぜひこの記事を参考にして、業界研究をしっかり行い選考に備えましょう。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート