はじめに
就活で有利になるとして、近年注目を集めているインターンは、就業期間に応じていくつかの種類に分かれます。
就業期間の短さから気軽に参加できるとして人気なのが1dayインターンです。
ただ、インターンへの参加にあたっては志望動機を聞かれる場合があり、1日だけの就業体験であっても例外ではありません。
せっかくの機会を有効に活用するためにも、志望動機に関するポイントは押さえておくと良いでしょう。
今回は1dayインターンにおける志望動機の書き方に加え、あわせて知りたいメリットについても解説します。
【1dayインターンの志望動機】参加するメリット
志望動機の書き方を確認する前に、1dayインターンに参加するメリットを押さえておきましょう。
就業体験と一口に言っても、職場への在籍期間によって得られるものは異なるため、インターンに臨む学生側の目的もおのずと変わるはずです。
短期間のインターンにおけるメリットを念頭に置いておかないと志望動機が的外れとなり、企業側に好印象を与えられません。
気になる企業のインターンへ参加するためにも押さえておきたい、1dayインターンのメリットをここでまず解説します。
業界や企業への理解が深まる
1dayインターンは、貴重な就業体験の機会である点に変わりはなく、加えて現役社員とコミュニケーションを取ることもあります。
そのため学生にとって気になる情報である企業の雰囲気をある程度は把握でき、自分に合っているかどうかなどがわかります。
さらに、就業体験の一環としてその業界の最新の動向などを聞けることもあるでしょう。
いずれも学生にとって重要な情報ですが、自分で調べるのは難易度が高いものばかりです。
1dayインターンに参加すれば、企業の資料からはうかがい知れない職場の雰囲気や業界の動向などを効率良く把握でき、就活を進めやすくなるでしょう。
詳細な企業情報を知れる
1dayインターンでは訪問した企業についての説明を受けられることも多く、どのような会社なのか、他社よりも強い点はどこなのかといったことがわかります。
関係者が直接行う説明は、資料よりも内容がくわしかったり情報が新しかったりして、関心のある企業についての知識をしっかりと深められることでしょう。
企業説明会と同じくらいの情報を得られ、別の機会に行われるガイダンスへとあらためて足を運ぶ必要がなくなります。
関心のある企業の研究を並行して行える点もメリットの1つです。
参加が選考に有利にはならい
就活で有利になるのはインターンの一般的なメリットですが、就業期間が1日だけの場合はあまり当てはまりません。
「業界や企業への理解が深まる」といった前述のメリットは、会社訪問や企業説明会などでも多少は得られるものであり、インターンに参加していない学生でも同じレベルに至ることはあります。
せっかくならほかの機会には得られないものを得たいところですが、就業期間が1日だけではできることもおのずと限られ、のちの選考において、目に見えて有利となることは少ないです。
ゆえに、就活を有利に進めたいといった目的だけで1dayインターンに参加するのは、あまりおすすめではありません。
参加をおすすめできるのは、業界・企業研究を効率良く進めたいときなどです。
あくまで就活の準備として知識を深めたいときには、1日だけでも企業から直接話を聞けるのは有効です。
就活の本番を強く意識しているときには、秋に行われたり長期だったりするインターンが向いています。
前者は選考の意味合いの強さから、後者はスキルの身につきやすさから、就活の本番を意識している学生におすすめです。
【1dayインターンの志望動機】志望動機を作る際のポイント
1dayインターンの特徴を押さえたら、いよいよ志望動機を作っていきます。
志望動機は定番の質問であり、各学生の評価にも大きく影響します。
ぜひとも企業側の目に留まる志望動機を作りたいところですが、思いつくことをそのまま並べても魅力的なものはなかなかできません。
優れた志望動機を作るにはコツがあり、作成にあたって気をつけるべき点について、まず確認しておきましょう。
志望動機の作成にあたって知っておきたいポイントをここで解説するので、ぜひ確認してみてください。
インターンを選んだ理由を明確にする
学生を受け入れる側にとって応募理由は気になるものであり、就活の本番ではもちろんのこと、インターンにおいても重要です。
自分が興味を抱いていると第三者へ説明できるよう、自分の関心をしっかりと整理しておかないといけません。
たとえば接客のアルバイトをしている中でサービス業への興味が芽生えたなど、関心が生まれたきっかけや経緯などを振り返ってみてください。
その興味をもとに、なぜその業界や企業のインターンに応募したのかも、説明できるのが望ましいです。
それぞれの業界や企業については、しっかり勉強していることを前提とされやすいので、あわせてよく調べておきましょう。
自己分析や企業分析が有効!
本人の興味や経験と、応募先である業界や企業に接点を見出せるほうが、説得力は増します。
自然な流れで応募に至ったのだと思ってもらえるよう、業界や企業との接点をしっかりとふまえて志望動機を作りたいところですが、それには自分や相手のことをよく把握しておくことが必要です。
ゆえに、志望動機の作成にあたって、まずは自己分析や企業・業界分析が有効です。
自己分析にあたってまずは長所や短所などを書き出し、その理由や裏付けとなるエピソードを振り返ってみてください。
あわせて、自分がどのような人間だと思うか周囲の人に聞いてみることも大切です。
このような分析を通して、自分のイメージが以前よりも具体的になるでしょう。
業界分析は細かいことにあまりとらわれず、全体像を把握するイメージで特徴をチェックしてください。
たとえば、国内におけるシェア・売り上げの規模・将来性などをざっくりと調べます。
企業研究としては、競合・自社・市場や顧客を調べる「3C分析」が有効です。
各分析の方法についてくわしく知りたい方は、自己分析の記事・業界研究の記事・企業研究の記事をそれぞれご覧ください。
参加目的を明確にする
インターンに参加する目的として「就活のため」はあまり答えになっていません。
そのため、企業側から高評価を得るのは難しいです。
前述の通り、1dayインターンは就活で役立つスキルや経験を得る場とは少し異なり、参加すれば目に見えて有利な立場となるわけではありません。
もちろん企業や業界についての知識が深まり、適切な就職先を選びやすくなることはあります。
1日だけの就業体験を活かせるかどうかは学生側の意識次第であり、インターンに参加する目的をしっかり整理しておくことが大切です。
前述のメリットやインターンの募集要項などを参考に、何について学びたいのかを整理してみてください。
企業の求める人物像であるアピールをする
企業側には求めている人物像があり、現在必要な人材がどうしても優先して採用されます。
いくら自然な志望動機を考えられても「弊社に現在必要な相手ではない」と思われれば、どうしても優先される可能性は低く、就業体験の機会を逃すことにもつながりかねません。
自分の中に企業側が求める人物像と一致する部分があるなら、しっかりアピールしておきたいところです。
そのためにもまずは相手が求めている人物像を把握する必要があります。
応募先の企業のHPや就活情報サイトに手掛かりがよくあるため、まずはそれぞれの情報をしっかりチェックしましょう。
把握した情報をもとに自分が必要な人材だとうまくアピールできると効果的です。
【1dayインターンの志望動機】志望動機の構成
志望動機として必要な内容をリストアップできたら、次は構成を工夫します。
内容が充分なら問題ないと思うかもしれませんが、伝え方も重要です。
伝え方を誤ると、自分の言いたいことが充分に相手へと伝わらず、しっかりと時間をかけて志望動機の用意をしたにもかかわらず、企業側から高評価を得られないこともあります。
企業側は多くの学生を相手にしており、各応募者にじっくりと向き合う時間がないことも考慮しておかないといけません。
内容と同じく気をつけたい、志望動機の構成をここで解説します。
参加したい理由
まずはその1dayインターンに参加したい理由を述べることが大切です。
何かを伝えるときに結論から話すのは社会人の基本であり、その就業体験に参加したい理由は、志望動機における結論にあたるからです。
各学生の応募の動機は受け入れ先の企業が特に注目しているポイントであり、冒頭に配置されていると担当者が必要な情報を効率良く把握できます。
このような配慮ができると当然評価を得やすく、企業側から歓迎されることも多いです。
ただ、冒頭にて結論が長々と書かれていると台無しなので、端的に述べるよう心掛けてください。
なぜこの企業なのか
次に書くのは、応募する企業を就業体験先に選んだ理由です。
1dayインターンは短期の催しとはいえ、受け入れられる人数が限られていることも珍しくはありません。
また、1日だけとはいっても社内に人を招き入れるにあたって、負担もあるものです。
ゆえにその会社に合っている学生のほうが優先されやすく、自社でなければならない理由があるのかどうかが注視されています。
相応の理由がないと受け入れを見送られるおそれもあるため、自分がその業界・企業を就業体験先に選んだ動機をしっかりと述べてください。
参加する目的
1dayインターンに参加する目的も志望動機には欠かせない内容です。
理由は前述の通りで、たとえ1日だけあっても、誰もが就業体験を受けられるわけではないからです。
就業体験に参加する目的は、学生を選ぶ基準の1つとしてよく見られています。
その就業体験に参加するにふさわしい目的のあるほうが、当然受け入れられやすいです。
何のために応募したのかよくわからないようでは断られる確率が高まるため、1dayインターンに参加する目的も忘れずに述べてください。
なお「業界の理解を深める」など、短期の就業体験であることをふまえた目的にすることも大切です。
【1dayインターンの志望動機】例文
私は料理が苦手であり、1人暮らしを始めてからは、近所の飲食店を利用する機会も多かったのです。
当初は特に意識していなかった飲食店のありがたさをやがて意識するようになり、食の提供は多くの人に役立つ重要な仕事だと考えて、興味をもつようにもなりました。
特に貴社は年中無休の店舗を全国に多数展開していることから、より多くの方の食に貢献している企業だと考えております。
私自身も貴社の店舗を何度も利用していることから興味が高まり、この度のインターンに応募いたしました。
当日には社内工場の見学があるとのことで、店舗で使われる食材を一括で製造する仕組みをしっかりと理解したいと考えています。
また、できるだけ多くの方の生活を支えられる人材となれるよう、貴社の方針である「広い視野をもって柔軟に社会の要望に応える姿勢」を少しでも学ぶことも今回の目的としております。
【1dayインターンの志望動機】志望動機の注意点
志望動機の作成にあたって押さえておきたいポイントは、前述の構成以外にもあります。
構成面では問題がなくとも、そのほかの点がほかの応募者と比べて劣っていれば評価を得られないこともあるため注意が必要です。
ほかにどのようなことに気をつければ良いのかが最初からわかっていれば、志望動機がより作りやすくなるでしょう。
また、完成した志望動機がよりブラッシュアップされ、希望している1dayインターンに参加しやすくもなります。
どのような点にさらに気をつければ良いのかについて、ここで解説します。
主観的な理由にする
志望動機において主観性は重要なポイントであり、何がきっかけで応募に至ったのかがわかるようにしてください。
たとえば「自分が顧客として、その企業の商品やサービスを利用する中で興味をもつようになった」などの内容にすると良いです。
反対に避けたいのは、表面的な理由だけで選んだように見えるものです。
大手だから、従業員の満足度が高いからといった理由だけでは一般的に不十分であり、高評価はあまり期待できません。
どのようなところに魅力を感じるのかを今一度しっかりと整理してみましょう。
具体的な理由にする
志望動機には具体性も必要であり、抽象的な理由では企業側の心をあまりつかめません。
たとえば「企業理念に共感した」は頻繁に使われるフレーズですが、具体性にやや欠けます。
これだけでは応募の動機に納得しにくく、別の学生のほうが優先されるおそれもあります。
企業理念に共感したのが事実なら、もう一歩踏み込んで、どのような点に共感したのかを述べましょう。
たとえば地域密着で経営されている企業なら「近隣住民にしっかり寄り添っている点に共感した」といった風に書くと具体性が増します。
どのような内容にするにせよ、具体性があるかどうかは注意してください。
一貫性をもたせる
志望動機に一貫性があるかどうかも重要であり、述べられていることと学生本人の行動が一致していないように見えると高評価にはつながりません。
たとえばアパレル業界への興味が語られているのに不動産会社の就業体験に応募しているのは、ちぐはぐな言動であり、一貫性がないと判断されやすいです。
その志望動機を読んだ担当者が疑問や違和感を覚えるものでないかどうかには、注意しなければなりません。
たとえ事実や本音だったとしても、一貫性がないように見えるものは避けたほうが好ましく、応募先に応じて内容や表現を調整しましょう。
【1dayインターンの志望動機】志望動機は見直しが大事
これまで解説してきた内容をふまえて志望動機を作ると、ある程度は見栄えのするものができあがることでしょう。
しかしそれで作成は完了ではなく、何度か見直すことをおすすめします。
自分でも読み返して内容や表現を修正するのはもちろんのこと、友達や家族などに見てもらうことも大切です。
自分では気づかない問題点を指摘してもらえるため、志望動機がよりブラッシュアップされます。
志望動機は第三者から見て問題のないものが望ましく、自己満足に終わるものでは不十分です。
作成時点では100点のものができたと思っても、見直しは忘れずに行いましょう。
就活エージェントを活用しよう
就活エージェントとは、キャリアコンサルタントが就活をサポートするサービスのことです。
「自己分析がうまくできない」「自分に向いている会社がよくわからない」など、さまざまなお悩みに対してアドバイスを行っています。
SEや面接対策のサポートも行っており、企業から高評価を得るための志望動機に関するアドバイスも可能です。
就活エージェントを通せば、自分で作成した志望動機が効率良くブラッシュアップされ、希望している1dayインターンにも参加しやすくなるでしょう。
数ある就活エージェントのなかでも、就活市場エージェントはおすすめです。
登録が簡単で学生側に費用もかからないことから、これまでにも多く利用されています。
少しでも興味があるときにはぜひこちらのサイトをチェックしてみてください。
まとめ
1dayインターンは訪れた企業やその業界の研究に向いており、就活に役立つ経験やスキルを得る場とは少し異なります。
この点は志望動機の作成にも関わるため、しっかりと確認しておきましょう。
あわせて、適切な志望動機を作るために自分・業界・企業の分析もそれぞれ行いつつ、就業体験を希望する理由や参加目的なども明確にします。
アピールすべきことができたら、構成のポイントや注意点をふまえて志望動機を実際に作ってみてください。
完成したものを周囲の方や就活エージェントなどに見てもらって修正すれば、企業から高評価を得やすくなり、希望する1dayインターンにも参加しやすくなることでしょう。