就職活動を進める中で、「ホテル業界」に興味を持っている方も多いのではないでしょうか。
華やかなイメージがある一方で、実際にどんな仕事をしているのか、自分に向いているのか、気になりますよね。
そんな疑問を解決する一番の近道が、インターンシップへの参加です。
ホテル業界のインターンシップは、学生のうちから「おもてなし」のプロフェッショナリズムに触れ、業界のリアルを知ることができる貴重な機会を提供してくれます。
この記事では、ホテル業界のインターンシップについて、その概要から募集職種、時期、具体的な内容、さらには選考突破のポイントまで、就活生の皆さんが知りたい情報を徹底的に解説していきます。
ホテル業界への第一歩を踏み出すために、ぜひ最後まで読んで、あなたの就活に役立ててください。
目次［目次を全て表示する］
【ホテル業界のインターンシップ】ホテル業界とは
ホテル業界と聞くと、どのようなイメージを持ちますか？旅行者が泊まる場所、というだけなく、実は非常に多岐にわたるサービスを提供する「総合サービス業」です。
中心となるのはもちろん「宿泊部門」ですが、それ以外にもレストランやバーを運営する「料飲部門」、結婚式や会議などを手がける「宴会部門」が大きな柱となっています。
これらが連携し合い、お客様に特別な時間と空間を提供することがホテル業界の使命です。
近年では、インバウンド需要の回復や国内旅行の多様化に伴い、ラグジュアリーホテルからビジネスホテル、リゾートホテル、コンセプト型のユニークなホテルまで、その形態も様々です。
お客様のニーズを先読みし、記憶に残る体験を創造することが求められる、非常に奥深く、やりがいの大きな業界と言えるでしょう。
インターンシップでは、こうした多様なサービスがどのように生み出され、提供されているのか、その裏側を垣間見ることができます。
【ホテル業界のインターンシップ】インターンシップを募集している職種
ホテル業界のインターンシップと一口に言っても、募集されている職種は様々です。
ホテルの仕事は、お客様と直接接する「フロントライン」の仕事と、それを裏で支える「バックオフィス」の仕事に大きく分けられます。
インターンシップでは、これらの職種のうち複数を体験できるプログラムもあれば、特定の職種に特化して深く学べるものもあります。
例えば、ホテルの「顔」とも言えるフロント業務から、レストランでのサービス、さらには宿泊プランを企画するマーケティング業務まで、企業によって体験できる内容は異なります。
自分が将来どのような形でお客様をおもてなししたいのか、あるいはホテルの運営にどう関わりたいのかをイメージしながら、各社の募集要項をチェックすることが大切です。
自分の興味や適性に合わせて職種を選ぶことが、インターンシップをより有意義なものにする第一歩となるでしょう。
フロント・宿泊部門
フロント・宿泊部門は、まさしくホテルの「顔」としてお客様を最初にお迎えし、最後にお見送りする重要な役割を担います。
インターンシップでは、チェックイン・チェックアウトの手続き、宿泊予約の受付・管理、電話応対、お客様からの様々な問い合わせ（コンシェルジュ業務）など、フロント業務の基本を学ぶことが多いでしょう。
ここでは、正確な事務処理能力と同時に、お客様の状況や要望を瞬時に察知し、柔軟に対応する高いコミュニケーション能力が求められます。
例えば、チェックイン時にお客様が長旅で疲れている様子なら、迅速な手続きと心遣いの一言を添える、といった具合です。
また、最近では自動チェックイン機の導入も進んでいますが、人間にしかできないきめ細やかな対応や、予期せぬトラブルへの対応こそがプロの腕の見せ所です。
インターンシップを通じて、一流の「おもてなし」とは何かを最前線で体感できることは、この職種ならではの大きな魅力です。
料飲（レストラン・宴会）部門
料飲部門は、ホテル内のレストランやバー、ラウンジ、そして結婚式やパーティーなどの宴会におけるサービスを担当します。
インターンシップでは、お客様のご案内、オーダーテイク、料理や飲み物の提供、テーブルセッティング、会場準備など、実際のサービスオペレーションに携わることが多いです。
単に料理を運ぶだけでなく、お客様が食事の時間を心から楽しめるよう、空間全体を演出し、心地よいサービスを提供することが求められます。
例えば、記念日で利用されるお客様にはサプライズのお手伝いを提案したり、料理に合うワインをおすすめしたりと、お客様とのコミュニケーションを通じて付加価値を生み出していきます。
また、宴会部門では、多くのお客様を一度におもてなしするためのチームワークや段取りの重要性も学べます。
一流のサービススキルやテーブルマナーを間近で学び、実践できるのは、ホテル業界の料飲部門インターンならではの貴重な経験と言えるでしょう。
企画・マーケティング部門
企画・マーケティング部門は、ホテルの「頭脳」とも言えるバックオフィスの中核です。
お客様と直接接する機会は少ないかもしれませんが、ホテルの魅力を最大限に引き出し、より多くのお客様に選んでもらうための戦略を練る重要な役割を担います。
インターンシップでは、季節ごとの宿泊プランの企画立案、SNSやウェブサイトを使った広報活動、競合ホテルの調査・分析、イベントの企画運営サポートなど、多岐にわたる業務の一部を体験できることがあります。
市場のトレンドやお客様のニーズを分析し、それを具体的な「売れる商品」や「響くメッセージ」に落とし込むプロセスを学べるのが大きな特徴です。
例えば、若年層向けのSNS映えする宿泊プランを考えるグループワークや、プレスリリース作成のアシスタントなどを通じて、アイデアを形にする面白さや難しさを実感できるでしょう。
華やかなサービスの裏側にある、論理的な戦略立案や緻密な計画に興味がある人にとって、非常にやりがいのある職種です。
【ホテル業界のインターンシップ】ホテル業界のインターンシップの時期
ホテル業界のインターンシップに参加したいと思ったら、まずはスケジュール感を把握することが肝心です。
多くの業界と同様に、ホテル業界のインターンシップも、主に大学3年生（修士1年生）の夏休みと冬休み・春休みに合わせて開催されるケースが中心となります。
特に夏に開催されるサマーインターンは、実施する企業数も多く、プログラム内容も充実している傾向があるため、早い段階から情報収集を始めることが重要です。
人気のホテルやプログラムは応募が殺到し、早期に締め切られることも少なくありません。
「まだ時間がある」と油断せず、大学3年生になったらすぐにでもインターンシップ情報サイトや各ホテルの採用ページをチェックし始める習慣をつけましょう。
早めの準備と情報収集が、希望するインターンシップ参加への鍵を握っています。
募集期間
ホテル業界のインターンシップ募集期間は、開催時期によって大きく異なります。
まず、夏休み期間中（8月〜9月頃）に開催されるサマーインターンの場合、その年の4月下旬から6月頃にかけて募集が開始されるのが一般的です。
大学3年生に進級してすぐの時期にあたるため、他の業界と並行して情報収集と準備を進める必要があります。
次に、冬休み・春休み期間中（12月〜翌年2月頃）に開催されるウィンターインターンやスプリングインターンは、前年の10月頃から12月頃にかけて募集が行われることが多いです。
この時期は本選考が近づいてくることもあり、サマーインターンよりも実務に近い内容や、選考に直結するようなプログラムが増える傾向にあります。
いずれの時期も、募集開始から締め切りまでが数週間程度と短い場合もあるため、志望する企業の動向はこまめにチェックし、エントリーシートの準備などを早めに進めておくことが合格のポイントになります。
開催期間
インターンシップの開催期間は、プログラムの内容によって大きく異なります。
最も手軽に参加できるのが「1day仕事体験」で、文字通り1日で完結します。
これは主に会社説明会や業界研究セミナー、簡単なグループワーク、館内見学などが中心です。
一方、より深く業界や仕事を理解したい人向けに、「短期インターンシップ」があります。
これは数日間から2週間程度の期間で開催され、実際の職場に入って社員のサポート業務を体験したり、特定の課題に取り組むグループワークを行ったりします。
ホテル業界の場合、この短期実務体験型が比較的多いのが特徴です。
さらに、「長期インターンシップ」は1ヶ月以上にわたり、週に数日程度、継続的に実務に携わるものです。
実際にスタッフの一員として働くに近いため、スキルアップには最適ですが、学業との両立を考える必要があります。
自分の目的やスケジュールに合わせて、どの期間のインターンシップに参加するかを選ぶことが大切です。
【ホテル業界のインターンシップ】ホテル業界のインターンシップの内容
ホテル業界のインターンシップで体験できる内容は、企業やプログラムの期間によって実に様々です。
大きく分けると、業界や企業の概要を知ることを目的とした「セミナー・説明会型」と、実際の業務に触れる「実務体験型」があります。
1day仕事体験などでは、前者が多く、ホテルのビジネスモデルを学んだり、先輩社員との座談会でリアルな話を聞いたり、グループワークでホテルの企画を考えたりします。
一方、数日間から数週間にわたるプログラムでは、後者の実務体験型が増え、実際の現場で社員に混じって業務のサポートを行います。
例えば、フロントでのチェックイン補助、レストランでのセッティング、宴会場の準備など、お客様と接する機会も得られるかもしれません。
自分がインターンシップに何を求めているのか、業界研究を深めたいのか、それともリアルな仕事の現場を知りたいのかを明確にしてプログラムを選ぶことが重要です。
1day仕事体験（セミナー・グループワーク型）
1day仕事体験は、ホテル業界のインターンシップの中でも最も参加しやすい形式です。
内容は、業界研究や企業理解を深めるためのセミナーや説明会が中心となります。
例えば、ホテルのビジネスモデル（宿泊、料飲、宴会など）の解説、そのホテルが大切にしている「おもてなし」の哲学、キャリアパスの紹介など、基本的な情報をインプットする時間が設けられます。
また、館内の主要な施設（客室、レストラン、宴会場、バックヤードなど）を見学できるツアーが組まれていることも多く、普段は見ることのできないホテルの裏側を知ることができます。
さらに、グループワークが取り入れられることもあります。
「新しい宿泊プランを企画する」「インバウンド客向けのサービスを考える」といったテーマで議論し、発表することで、ホテルビジネスの面白さや難しさの一端に触れることができます。
短時間で効率よく業界の概要を掴みたい人や、まずは雰囲気を感じてみたいという人におすすめです。
短期実務体験（数日〜2週間）
数日間から2週間程度の短期実務体験インターンシップは、ホテル業界の仕事をよりリアルに知りたい学生にとって非常に価値のあるプログラムです。
この形式では、参加者は特定の部門（例えば、フロント、料飲、宴会など）に配属され、指導役の社員（メンター）のもとで、実際の業務をサポートしながら仕事を学びます。
例えば、フロントであれば、チェックイン・アウト業務の見学や補助、お客様のご案内、電話応対などを体験します。
料飲部門であれば、レストランのセッティングやお客様へのサービス補助、宴会部門であれば会場設営の手伝いなど、多岐にわたります。
もちろん、最初からすべてを任されるわけではありませんが、プロのスタッフがどのような動きをし、どのような心遣いでお客様に接しているのかを間近で見ることは、何物にも代えがたい学びとなります。
1dayではわからない仕事の厳しさや、お客様から直接「ありがとう」と言われる瞬間のやりがいなど、生の体験ができるのが最大の魅力です。
長期実務体験（1ヶ月以上）
1ヶ月以上にわたる長期実務体験インターンシップは、ホテル業界で本格的にスキルを磨きたい、あるいは自分の適性をじっくり見極めたいという学生向けのプログラムです。
短期インターンが「体験」に重きを置いているのに対し、長期インターンはより「実務」に近く、アルバイトスタッフや新入社員に近い立場で業務に携わることになります。
配属された部門で、より責任のある仕事を任されることも増えるでしょう。
例えば、フロントで一部の予約管理を任されたり、企画部門でデータ分析や資料作成を手伝ったりと、ホテルの運営に深く関わることができます。
期間が長いため、職場の人間関係やチームワークの重要性、日々の業務改善のプロセスなど、働く上でのリアルな側面を深く理解することができます。
また、実務を通じて明確な成果を出すことが求められる場合もあり、それを乗り越えた経験は、本選考での強力なガクチカ（学生時代に力を入れたこと）にもなります。
学業との両立は大変ですが、得られるものは非常に大きいでしょう。
【ホテル業界のインターンシップ】ホテル業界のインターンシップが人気な理由
ホテル業界のインターンシップは、毎年多くの就活生から人気を集めています。
その背景には、単に「華やかそう」といったイメージだけではない、具体的な魅力がいくつも存在します。
多くの学生が、ホテルという非日常的で洗練された空間で働くことへの憧れを抱いています。
また、グローバル化が進む中で、語学力を活かしたり、多様な文化に触れたりできる環境に魅力を感じる人も多いでしょう。
さらに、ホテル業界で培われる高度な「おもてなし」のスキルは、他の業界でも通用する普遍的なポータブルスキルであるという認識も高まっています。
お客様の喜びを直接感じられる仕事であるという点も、サービス業を志望する学生にとって大きな動機となっています。
これらの多様な魅力が組み合わさることで、ホテル業界のインターンシップは高い人気を維持しているのです。
高度な接客スキルが身につく
ホテル業界のインターンシップが人気な理由の一つは、間違いなく「高度な接客スキル」を間近で学び、実践できる点にあります。
ホテル、特に一流と呼ばれるホテルでは、お客様一人ひとりのニーズを先読みし、期待を超えるサービスを提供することが求められます。
これは単なるマニュアル通りの対応ではなく、お客様の表情や仕草、言葉の端々から真の要望を汲み取る「察する力」が不可欠です。
インターンシップでは、そうしたプロフェッショナルのスタッフが、どのような言葉遣い、所作、表情でお客様と接しているのかを直接学ぶことができます。
また、実務体験型であれば、自分自身もお客様と接する機会があり、フィードバックをもらいながらスキルを磨くことが可能です。
ここで学んだ傾聴力、提案力、そしてホスピタリティ精神は、仮にホテル業界以外の道に進んだとしても、あらゆるビジネスシーンで役立つ一生モノの財産となるでしょう。
語学力や国際感覚が活かせる・磨ける
グローバル化が進む現代において、語学力や国際感覚を活かせる環境は、多くの就活生にとって魅力的です。
ホテル、特に都市部や観光地にあるホテルは、世界中からお客様が集まる「小さな国際社会」とも言えます。
インターンシップ中、フロントやレストランなどで、海外のお客様と英語やその他の言語でコミュニケーションを取る機会に恵まれることも少なくありません。
学校で学んだ語学を実践で試す絶好のチャンスであり、通じた時の喜びは大きな自信につながります。
また、たとえ流暢に話せなくても、多様な文化背景を持つお客様と接することで、価値観の違いを理解し、尊重する姿勢（異文化理解力）が自然と身につきます。
「語学力を活かしたい」という学生はもちろん、「これから磨いていきたい」という学生にとっても、ホテル業界のインターンシップは非常に刺激的で、成長できる環境と言えるでしょう。
華やかなイメージと非日常的な空間
ホテル業界に対して、多くの人が「華やか」「洗練されている」「非日常的」といったポジティブなイメージを抱いています。
美しいロビー、豪華な客室、高級レストラン、きらびやかなシャンデリアが輝く宴会場など、そうした特別な空間で働けること自体が、大きな魅力となっています。
インターンシップに参加することで、普段は客としてしか足を踏み入れないような空間の「内側」に入り、その雰囲気を肌で感じることができます。
もちろん、仕事である以上、裏側では清掃や準備など地道な作業も多く、体力的にハードな面もあります。
しかし、その努力の先にある非日常的な空間を創り上げ、お客様に感動を提供するというプロセス全体にやりがいを感じる学生は多いです。
インターンシップを通じて、そうした華やかなイメージと現実の仕事内容のギャップも含めて理解することは、入社後のミスマッチを防ぐ上でも非常に重要です。
【ホテル業界のインターンシップ】ホテル業界のインターンシップの特徴
ホテル業界のインターンシップには、他の業界とは異なるいくつかの特徴があります。
これらを事前に理解しておくことは、インターンシップを最大限に活用し、業界への理解を深めるために非常に重要です。
まず、ホテル業界は「人」がサービスの中心であるため、インターンシップにおいても「実務体験」を重視するプログラムが多いことが挙げられます。
座学だけでなく、実際の現場の空気に触れ、スタッフの動きを見ることを大切にしている企業が多いのです。
また、お客様に最高のおもてなしを提供するという性質上、他の業界以上に身だしなみや言葉遣い、立ち居振る舞いといった「ホスピタリティの基本姿勢」が重視される傾向にあります。
インターンシップの選考段階から、すでに見られていると意識した方が良いでしょう。
実務体験型のプログラムが多い
ホテル業界のインターンシップの最大の特徴は、実務体験型のプログラムが多いことです。
これは、ホテルの仕事が、座学やマニュアルだけでは伝えきれない「現場での対応力」や「おもてなしの心」によって成り立っているからです。
例えば、フロント、レストラン、宴会といったセクションに配属され、社員の指導を受けながら、実際の業務のサポートを体験するケースが多く見られます。
お客様のご案内、テーブルセッティング、会場設営の手伝いなど、内容は様々ですが、いずれもお客様にサービスが提供されるまでのプロセスを肌で感じることができます。
パンフレットやウェブサイトだけでは決してわからない、仕事のやりがいや厳しさ、職場の雰囲気をリアルに知ることができるのは、実務体験型ならではの大きなメリットです。
この経験を通じて、自分が本当にこの仕事に向いているのか、この企業で働きたいのかを具体的に判断する材料になります。
身だしなみや言葉遣いが重視される
ホテル業界は、お客様に非日常的な空間と最上級のサービスを提供する場です。
そのため、スタッフ一人ひとりがホテルの「顔」としての役割を担っており、インターンシップ参加者であっても、高いレベルの身だしなみや言葉遣いが求められます。
これは、単に「清潔感があれば良い」というレベルを超え、髪型、服装（スーツの着こなし）、メイク、爪の長さ、アクセサリーに至るまで、ホテルの格にふさわしい品格が求められることを意味します。
また、言葉遣いも同様で、正しい敬語を使うことはもちろん、お客様に安心感と信頼感を与えるような、柔らかく明瞭な話し方が重視されます。
インターンシップの選考（面接）段階から、こうした点は厳しくチェックされています。
プロフェッショナルな環境に身を置くことで、自然と自身の立ち居振る舞いが磨かれることも、この業界のインターンシップに参加する隠れたメリットと言えるでしょう。
シフト制や体力勝負の側面も知れる
ホテル業界のインターンシップ、特に実務体験型に参加すると、華やかなイメージだけではわからない、仕事の現実的な側面も知ることができます。
その一つが、シフト制勤務や体力的な負担です。
ホテルは24時間365日稼働しているため、スタッフは早朝勤務、日中勤務、夜間勤務（ナイトフロントなど）といったシフト制で働いているのが一般的です。
インターンシップ中に、早朝からの勤務や、逆に夜遅くまでの宴会対応などを体験することもあるかもしれません。
また、レストランや宴会部門では、長時間立ちっぱなしで動き回ったり、重い食器や機材を運んだりすることも日常茶飯事です。
お客様の快適さの裏には、こうしたスタッフの地道な努力と体力が必要であることを実感できるでしょう。
こうした「大変さ」も含めてリアルに知ることは、入社後のミスマッチを防ぎ、「それでもこの仕事がしたい」という覚悟を決める上で非常に重要な経験となります。
【ホテル業界のインターンシップ】ホテル業界でインターンシップに参加するメリット
ホテル業界のインターンシップに参加することは、就職活動を進める上で計り知れないほどのメリットをもたらします。
多くの学生が憧れやイメージで業界を選びがちですが、インターンシップは、そのイメージが自分にとって本当に合っているのかを確かめる絶好の機会です。
実際に現場の空気に触れ、プロの仕事ぶりを間近に見ることで、パンフレットや説明会では得られない「生の情報」を得ることができます。
これは、入社後のミスマッチを防ぎ、納得のいく企業選びをする上で不可欠なプロセスです。
また、インターンシップでの経験は、エントリーシートや面接で語るエピソードとして、他の学生と圧倒的な差をつける材料にもなります。
「なぜホテル業界なのか」という志望動機に、実体験に基づいた深みと具体性を持たせることができるのです。
業界・企業研究がリアルに進む
インターンシップに参加する最大のメリットは、業界・企業研究が圧倒的にリアルに進むことです。
企業の採用ウェブサイトや説明会で語られるのは、どうしても「良い面」や「理想の姿」が多くなりがちです。
しかし、インターンシップ、特に実務を体験するプログラムでは、社員の方々が日々どのような表情で働き、どのようなコミュニケーションを取り、どのような課題に直面しているのかを直接見ることができます。
例えば、お客様からの難しい要望にチームでどう対応しているか、忙しい時間帯のバックヤードはどのような雰囲気か、といった「現場のリアル」を知ることができます。
また、その企業が大切にしている「おもてなし」の哲学が、現場のスタッフにどれだけ浸透しているかを肌で感じることもできるでしょう。
こうした生きた情報は、自分がその企業で働く姿を具体的にイメージするため、また面接で志望度の高さをアピールするための強力な武器となります。
自己PRやガクチカの強力なエピソードになる
ホテル業界のインターンシップで得た経験は、本選考のエントリーシートや面接において、自己PRやガクチカ（学生時代に力を入れたこと）の非常に強力なエピソードとなります。
なぜなら、単なるアルバイト経験とは異なり、「その業界・企業で働くこと」を真剣に考えた上での行動であり、そこで得た学びは具体的だからです。
例えば、「インターンシップでフロント業務を体験し、お客様の潜在的なニーズを先読みすることの難しさと重要性を学んだ。
そのために、お客様の言葉だけでなく表情や仕草にも注意を払い、自分から積極的に声をかけることを心がけた」といった具体的なエピソードは、あなたの主体性やホスピタリティへの適性を雄弁に物語ります。
「なぜホテル業界を志望するのか」という問いに対しても、実体験に基づいた説得力のある回答ができるようになり、他の就活生との差別化を図ることが可能になります。
早期選考や本選考での優遇につながる可能性がある
多くの企業にとって、インターンシップは学生に自社の魅力を伝える場であると同時に、優秀な学生を早期に見極める「選考の場」としての側面も持っています。
ホテル業界も例外ではなく、インターンシップでの評価が高かった学生に対して、インターン参加者限定の早期選考ルートを案内したり、本選考の一部（例えば一次面接）を免除したりするケースがあります。
特に、数日間から数週間にわたる実務体験型のインターンシップでは、企業側も学生の働きぶりやポテンシャルをじっくりと見極めることができます。
インターンシップ中に高い意欲を見せ、主体的に課題に取り組む姿勢を示すことは、こうした選考優遇を得るための鍵となります。
もちろん、優遇がなかったとしても、インターンシップを通じて得た企業理解や社員との人脈は、その後の本選考を有利に進める上で大きなアドバンテージとなることは間違いありません。
【ホテル業界のインターンシップ】ホテル業界でインターンシップを実施している企業（25年6月時点）
ホテル業界では、国内外の様々な企業が魅力的なインターンシッププログラムを提供しています。
（※情報は2025年6月時点の一般的な傾向に基づいています。
最新の募集情報は必ず各社の採用ページで確認してください。
） 一言でホテルと言っても、日本独自の「おもてなし」を追求する企業、世界標準のラグジュアリーサービスを提供する外資系企業、リゾート地に特化した企業、全国に幅広いブランドを展開する企業など、その個性は様々です。
インターンシップは、こうした各社の「色の違い」を体感できる絶好の機会です。
例えば、伝統ある老舗ホテルでは歴史に裏打ちされたサービスを、一方で新しいコンセプトのホテルでは革新的な取り組みを学べるかもしれません。
自分がどのような環境で、どのようなサービスを追求したいのかを考えながら、複数の企業のインターンシップ情報を比較検討してみることをお勧めします。
株式会社星野リゾート
星野リゾートは、「星のや」「界」「リゾナーレ」など、独創的なコンセプトを持つ複数のブランドを展開し、日本の観光業界をリードする企業の一つです。
星野リゾートのインターンシップは、単なる業務体験にとどまらず、同社独自の運営手法や「フラットな組織文化」に触れられるプログラムが特徴的です。
例えば、実際の運営施設を舞台に、地域の魅力を活かした新しいサービスを企画・提案するような、実践的なグループワークが組まれることがあります。
また、サービススタッフがフロント、客室、料飲など複数の業務を担当する「マルチタスク」という働き方も同社の特徴であり、インターンシップを通じてその一端を体験できるかもしれません。
自ら考え、主体的に動くことが求められる環境であり、将来的にホテルの運営や経営に携わりたいと考える学生にとって、非常に刺激的な学びの場となるでしょう。
株式会社帝国ホテル
帝国ホテルは、130年以上の歴史を持つ、日本を代表する「迎賓館」としての役割も担ってきた伝統と格式あるホテルです。
そのインターンシップでは、「日本最高峰のおもてなし」とは何か、その哲学と実践を深く学ぶことができます。
プログラムでは、帝国ホテルの歴史やサービススタンダードに関する講義に加え、実際の現場での実務体験が盛り込まれることが多いです。
例えば、フロントやレストラン、宴会部門などで、長年受け継がれてきた所作やお客様への心配りを、トップクラスのスタッフから直接指導してもらえる機会もあります。
細部にまでこだわり抜かれたサービスと、それを支えるスタッフの高いプロ意識に触れることは、ホテル業界を目指す上で貴重な財産となります。
伝統を重んじつつも、時代に合わせて進化を続ける老舗ホテルの「本物」を体感したい学生に最適です。
株式会社プリンスホテル（西武・プリンスホテルズワールドワイド）
プリンスホテルは、「ザ・プリンス」「グランドプリンスホテル」「プリンスホテル」など、ラグジュアリーからシティホテル、リゾートホテルまで、国内外に幅広いブランドネットワークを持つ企業です。
同社のインターンシップは、その事業規模の大きさと多様なキャリアパスを感じられるプログラムが特徴です。
例えば、複数の異なるタイプのホテルを見学・体験することで、それぞれのホテルの特徴や客層の違い、求められるサービスの違いを比較検討できる場合があります。
また、宿泊、料飲、宴会といった主要部門の業務体験を通じて、大規模ホテルならではのダイナミックなオペレーションやチームワークの重要性を学ぶことができます。
全国、そして世界に広がるフィールドで活躍したい、多様なキャリアの可能性を模索したいという学生にとって、多くの発見があるインターンシップとなるでしょう。
【ホテル業界のインターンシップ】ホテル業界のインターンに合格するためのポイント
ホテル業界のインターンシップは人気が高く、特に有名ホテルや内容の充実したプログラムには多くの応募が集まります。
そのため、選考を突破するにはしっかりとした準備が必要です。
企業側がインターンシップの選考で見ているのは、現時点でのスキルや経験よりも、むしろ「ポテンシャル」です。
具体的には、ホスピタリティ業界への強い興味・関心、学ぶ意欲、そして「この人と一緒に働きたい」と思わせるような人柄です。
エントリーシートや面接では、なぜ他の業界ではなくホテル業界なのか、そしてなぜ数あるホテルの中でその企業を選んだのか、という点を自分の言葉で明確に伝えることが求められます。
表面的な憧れだけでなく、自分なりの考えや経験に基づいた志望動機を準備することが、合格への第一歩となります。
「なぜホテル業界か」を明確にする
インターンシップの選考で必ず問われるのが、「なぜホテル業界を志望するのか」という点です。
ここで重要なのは、「人が好きだから」「笑顔を届けたいから」といった漠然とした理由だけでは不十分だということです。
それらの理由は、航空業界、ブライダル業界、小売業界など、他の多くのサービス業にも当てはまります。
面接官が知りたいのは、「数あるサービス業の中で、なぜあなたは『ホテル』という業態に惹かれるのか」という点です。
例えば、「宿泊、料飲、宴会という多様なサービスを通じて、お客様の人生の様々なシーンに長期的に寄り添える点に魅力を感じる」「世界中からお客様が集まるグローバルな環境で、日本の『おもてなし』を発信したい」といった、ホテル業界ならではの特性と自分の価値観を結びつけた志望動機を語れるように準備しましょう。
「なぜその企業か」を深掘りする
「なぜホテル業界か」を明確にしたら、次は「なぜその企業のインターンシップに参加したいのか」を深掘りします。
星野リゾート、帝国ホテル、プリンスホテルなど、企業によってその理念、サービスの特徴、得意とする分野は全く異なります。
「どのホテルでも良い」という態度はすぐに見抜かれてしまいます。
その企業が最も大切にしている価値観（企業理念）や、他社にはないユニークな取り組みを徹底的に調べ上げましょう。
例えば、「貴社の『◯◯』という理念に共感し、そのおもてなしがどのように現場で実践されているのかを体感したい」「貴社が力を入れている△△という新しい取り組みについて、インターンシップを通じて深く学びたい」など、その企業でなければならない理由を具体的に述べることが重要です。
企業のウェブサイトだけでなく、ニュース記事やトップのインタビュー記事なども読み込み、自分なりの言葉で語れるようにしておきましょう。
笑顔と清潔感、ホスピタリティを意識する
ホテル業界の選考では、エントリーシートの内容や面接での受け答えと同じくらい、「人柄」や「印象」が重視されます。
これは、ホテルスタッフがお客様にとっての「ホテルの顔」そのものであるためです。
インターンシップの選考、特に面接（対面・Web問わず）においては、常に「笑顔」を絶やさず、明るくハキハキとした受け答えを心がけましょう。
緊張するのは当然ですが、その中でも相手に安心感を与えようとする姿勢が大切です。
また、最も重要と言っても過言ではないのが「清潔感」です。
スーツやシャツにしわがないか、靴は磨かれているか、髪型は整っているか、女性であれば派手すぎないナチュラルメイクかなど、細部にまで気を配りましょう。
面接官の目を見て話し、相手の話に丁寧に耳を傾ける（傾聴する）姿勢も、ホスピタリティの素養として見られています。
【ホテル業界のインターンシップ】ホテル業界のインターンシップに関するよくある質問
ここまでホテル業界のインターンシップについて詳しく解説してきましたが、皆さんの中にはまだ個別の疑問や不安が残っているかもしれません。
例えば、「ホテルでのアルバイト経験がないと不利になるのでは？」「語学力に自信がないけれど大丈夫？」「インターンに参加したら、本選考で本当に有利になるの？」といった質問は、私が就活アドバイザーとして多くの学生さんから受ける定番のものです。
こうした疑問を解消しておくことは、安心してインターンシップに臨むためにとても大切です。
ここでは、特に多く寄せられる3つの質問について、具体的にお答えしていきます。
皆さんの不安を少しでも取り除き、自信を持って一歩を踏み出すお手伝いができればと思います。
Q1. ホテルでのアルバイト経験や専門知識がなくても大丈夫？
結論から言うと、ホテルでのアルバイト経験や観光系の学部出身でなくても、まったく問題ありません。
新卒のインターンシップや採用において企業が見ているのは、現時点でのスキルや知識よりも、「学ぶ意欲」や「ホスピタリティへの適性」といったポテンシャルです。
もちろん、アルバイト経験があれば、現場のイメージが湧きやすかったり、面接でのエピソードとして使えたりする利点はあります。
しかし、経験がないからこそ、「インターンシップを通じてゼロから学びたい」「まっさらな状態から貴社のおもてなしを吸収したい」という熱意を伝えることもできます。
大切なのは、経験の有無ではなく、なぜホテル業界で働きたいのか、そしてそのために何を学びたいのかを自分の言葉でしっかり伝えることです。
臆することなく、チャレンジ精神を持って応募してみてください。
Q2. 語学力はどれくらい必要？自信がありません…
語学力（特に英語）について不安を感じる学生さんは非常に多いですが、これも必須条件ではありません。
もちろん、日常英会話以上のスキルがあれば、応募できる企業の幅が広がったり、インターンシップ中により多くのチャンスを得られたりするのは事実です。
しかし、多くの日系ホテルの場合、入社時点での高い語学力よりも、まずは基本的な日本語での高いコミュニケーション能力と、おもてなしの心を重視しています。
語学力に自信がない場合は、正直にその旨を伝えつつ、「現在は勉強中であること」や「語学力が必要になった際には、臆さずジェスチャーや翻訳アプリなども使い、目の前のお客様を助けたいという姿勢を大切にしたい」といった前向きな意欲を示すことが重要です。
語学力は入社後でも学べますが、ホスピタリティの根本的な姿勢はポテンシャルが重視されます。
Q3. インターンシップへの参加は、本選考にどれくらい有利？
インターンシップへの参加が本選考に有利に働くか、という質問ですが、これは「非常に有利になる可能性が高い」とお答えします。
ただし、それは「インターンに参加したから自動的に内定が出る」という意味ではありません。
有利になる理由は主に二つあります。
一つは、インターン参加者向けの早期選考や、選考プロセスの一部免除といった「制度的な優遇」を受けられる場合があることです。
もう一つは、より重要なことですが、インターンシップを通じて得られたリアルな経験が、あなたの志望動機や自己PRを圧倒的に説得力のあるものにするからです。
「インターンで◯◯という体験をし、貴社の△△という理念を肌で感じた。
だからこそ、ここで働きたい」という言葉は、誰よりも深く企業を理解している証拠となります。
この「経験の差」が、本選考での最大の武器になるのです。
【ホテル業界のインターンシップ】まとめ
ホテル業界のインターンシップは、華やかな世界の裏側にあるプロフェッショナリズム、チームワーク、そして「おもてなし」の真髄を学ぶことができる、非常に貴重な機会です。
業界や企業のリアルを知ることで、入社後のミスマッチを防ぎ、自分に本当に合った職場かを見極めることができます。
また、そこで得た経験は、本選考で他の学生と差をつける強力な武器となります。
人気があるからこそ、「なぜホテルか」「なぜその企業か」を深く考え、万全の準備で臨むことが成功の鍵です。
ぜひこの記事を参考に、勇気を持って第一歩を踏み出し、あなたのキャリアにとって有意義な時間となるインターンシップを勝ち取ってください。
明治大学院卒業後、就活メディア運営｜自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート
