グループディスカッションとは?目的や流れと選考を突破するためのコツを徹底解説!

グループディスカッションとは?目的や流れと選考を突破するためのコツを徹底解説!

はじめに

企業によっては、就職試験でグループディスカッションを取り入れています。

グループディスカッションが試験に導入されている理由や、採用担当者が試験の中で見ているポイントはなんでしょうか。

この記事では、就職試験におけるグループディスカッションの目的を紹介します。

記事の後半ではグループディスカッションの選考を突破するためのコツもまとめました。

今後グループディスカッションの試験を受ける予定のある方は、ぜひ参考になさってください。

企業がグループディスカッションを行う目的

グループディスカッションの選考は、多くの大手企業で実施される傾向にあります。

大手ほど採用までのステップ数が多くなりやすく、グループディスカッションをするためには、ある程度の受験人数が必要です。

多くの場合、グループディスカッションはまだ就活生を絞り切れていない選考前半で実施されます。

面接で直接学生と会う前に、グループディスカッションで就活生をチェックする企業も多いです。

以下の見出しで、企業がグループディスカッションを行う目的についてまとめました。

足切り

グループディスカッションをする目的の1つは、面接に進む学生に最低限のコミュニケーション能力・思考力が備わっているかチェックすることです。

特に大手では大勢の就活生が応募してくるため、多くの採用担当者は面接の時点で、見込みのない学生を足切りしておきたいと考えています。

グループディスカッションは、自分の意見を話す・人の話を聞くどちらの能力も試される試験です。

ほかの就活生とチームワークが取れるかも問われます。

こういったスキルは、業種に関係なく、すべての企業が新入社員に求めるものでしょう。

足切りするための試験として、グループディスカッションは非常に適していると言えます。

採用予定人数に対してどれだけ応募があったかにも左右されますが、足切り目的で試験が実施される場合、グループディスカッションの選考率はそれほど低くなりません。

人柄

グループディスカッションは、あらゆるところで人柄があらわれます。

リーダー的な役割に立候補するか・積極的に話の口火を切るタイプか・自分と対立する意見が出たときにどういった反応をするかなどは、性格がよくあらわれるポイントでしょう。

多くの企業にとって、採用ポイントの1つは自社とマッチする人材であるかです。

社風とマッチしない方を採用するのは、周りの社員と良好な関係を築きにくい・イメージが違うとすぐ辞めてしまうかもしれないといったリスクがあります。

そのため、選考の早い段階で志望者の人柄を知っておく意味は大きいです。

似たタイプの方ばかりでなくさまざまな個性・能力がある方を確保する意味でも、個々の人柄を探る必要があります。

また就活生の人柄を把握したうえで面接できるのも、採用側にとって大きなメリットとなるでしょう。

グループディスカッションとグループワークの違い

グループディスカッションではなく、グループワークという名前で選考を実施する企業もあります。

どちらも5人前後の就活生をグループ分けし、なんらかの課題を与えて、それに取り組む様子をチェックする試験です。

面接を実施する前、選考前半のうちに行われることが多い点も共通しています。

試験の目的・試験官がチェックするポイントに大きな差はなく、どちらの試験に案内されてもチームワークを意識して試験に臨みましょう。

グループディスカッション・グループワークの違いを簡単にまとめました。

明確な定義はない

グループディスカッション・グループワークの試験に明確な定義はありません。

そのため、グループワークと案内された試験でディスカッションが行われることも多いです。

しかしグループワークではディスカッションではなく、なんらかの作業・ゲームに取り組んでもらい、課題解決に取り組む姿をチェックする形式の試験もあります。

1人では完成させられない工作物を協力して作り上げる、脱出ゲームのように知恵を出し合ってゲームクリアを目指すといった形が考えられるでしょう。

試験がグループディスカッションと案内された場合、作業型の試験にはなりません。

ただし1つのテーマに対して全員が討論して結論を導き出すタイプ・「賛成」「反対」など2手に分かれてのディベートタイプと、ディスカッションでも企業によって形式は違いがあります。

やることは変わらない

グループディスカッションとグループワーク、どちらもほかの就活生との協調性を意識しなければいけません。

名前が違っていても特に意識せず、チームワークを大切にして取り組んでください。

「自分が自分が」と前に出すぎない・他者の意見も大切に聴く姿勢を見せるといった点を心がけましょう。

相手に論戦で勝てば良いというものではありません。

自分と異なる意見が出たときの対応は、選考の評価に大きく影響します。

同じグループの就活生は、たしかにそのあとの面接では内定枠を争うライバルです。

しかしグループ形式の試験では大切なチームの仲間であり、互いに助け合わねばなりません。

「自分だけが受かれば良い」という気持ちではなく「全員で試験をクリアして次の試験に進めればベスト」と考えましょう。

企業がグループディスカッションで見ているポイント

続いて、企業がグループディスカッションで見ているポイントを紹介します。

発言した意見の内容自体は、選考に大きな影響を与えません。

論理的でわかりやすい説明ができていれば、多数派の意見でなくても大丈夫です。

何を話したかより、ほかの就活生とどのようにコミュニケーションを取っていたかが評価を分けます。

同僚になる社員と協力体制をとれない方は、どのような企業でも歓迎できません。

チーム・組織の一員として働ける資質があることをしっかり示しましょう。

協調性

グループディスカッションでもっとも見られているのが、協調性があるかどうかです。

多くの場合、グループディスカッションでは意見が割れそうな課題を出されます。

ほかの学生と意見が対立したとき、どのように自分の意見を主張するかが重要です。

相手の意見を真っ向から否定するのではなく、「そのような考えも理解できる」と受け入れたうえで、自分の主張やその理由を述べましょう。

先に発言した方に、自分と同じ意見を言われてしまう場合もあります。

その場合もただ同調するのではなく、自分なりの意見を補足したり「そういう見方があることに驚かされました」と相手を立てる姿勢が見せられたりすれば、協調性をアピールできるでしょう。

特に進行役に選ばれた方は、意見が割れたときにどうメンバーをまとめるかで協調性の高さを示せます。

コミュニケーション能力

コミュニケーション能力も、多くの採用担当者がディスカッションの言動からチェックしているポイントです。

もしほかの人の発言を邪魔する形で自己主張してしまう・自分と対立する立場のメンバーに威圧的な態度を取るといった言動があると、大きなマイナスポイントになるでしょう。

反対にほかのメンバーの発言・意見を尊重しながら議論を進める推進力になれば、しっかりプラス評価を得られます。

時間が限られるディスカッションでは、どうしても発言チャンスの少ない学生も出てしまうでしょう。

議論の輪に入れていない方がいれば、うまく話題を振り発言・参加を促しましょう。

司会進行を担当しない方も、ディスカッション中にコミュニケーション能力の高さをアピールするチャンスはたくさんあります。

論理的思考力

就職試験のグループディスカッションでは、論理的思考力があるかもチェックされています。

即興でディスカッションのテーマが出されることから、参加する学生は事前に発言内容を準備できません。

短い時間で自分の意見をまとめ、わかりやすくプレゼンするには文章力・論理的思考力が必要です。

ほかの方の意見を聞いたうえで適切な質問を返すにも、論理的思考力が求められます。

相手の発言に疑問点がある場合、どこを明らかにすれば議論が進むのかを考えましょう。

司会進行や書記、最後にプレゼンする発言者も、周りの方の意見を自分なりに整理したうえで、発言やメモをしなければいけない立場です。

こうした役割に就いた方は、論理的思考力をアピールするチャンスに恵まれていると言えます。

グループディスカッションの流れ

続いて、グループディスカッションの流れや参加者に与えられる役割などを見ていきましょう。

以下の流れは、グループ全体で1つのテーマについて討論し、最後に結論を発表するタイプのものです。

もっとも一般的なグループディスカッションの形式で、多くの企業で取り入れられています。

一度この形式を経験すると、ほかの企業でグループディスカッションの試験を受けるときもその経験が活きてくるでしょう。

不安な方は、事前に友人などと模擬ディスカッションで練習しておくのもおすすめです。

企業からの説明

最初に、企業からグループディスカッションの目的や流れについて説明があるでしょう。

もちろん、ディスカッションのテーマもここで説明してもらえます。

与えられるテーマはさまざまで、志望先企業の商品やサービスをより魅力的なものにするためのアイデア・時事問題を解決するために企業ができる取り組み、といった内容が考えられます。

この説明で、かなり大切なことが話されている可能性も高いです。

試験でどんな点をチェックしているか・試験時間は何分かといった点は、必ずメモしてください。

ディスカッションは時間までに結論を出せなければ、グループ全体がマイナス評価を受けてしまう可能性が高いです。

最初に意見が割れたときも、うまく時間内でメンバー内の合意を形成しなければなりません。

グループ分け

ディスカッションのテーマや時間について説明を受けたあと、グループ分けが行われるでしょう。

事前にグループが決められていて、会議室に案内された時点で、試験官と同じグループの学生だけである場合もあります。

そのあと、簡単に自己紹介の時間が用意されるでしょう。

ここの自己紹介では自分の長所や特技などをアピールする必要はなく、大学名と名前を述べる程度でかまいません。

一般的なグループディスカッションの人数は3名から5名前後ですが、志望者の多い企業では一グループ8人程度になる場合もあります。

一方最近はコロナの感染拡大を理由に、オンラインでのグループディスカッションがよく実施されています。

オンラインでは大人数のディスカッションが難しいため、1グループの人数が5人以下の少人数になることが多いです。

役職決め

自己紹介に続け、ディスカッションを円滑に進めるための役職決めが行われます。

司会進行・タイムキーパーは特に重要な役職なので、ほぼ100%決めることになるでしょう。

部屋にホワイトボードなどが用意してあれば、書記を決めることも多いです。

ディスカッション最後に討論の結果を発表するよう求められる場合、代表して発表する役割も決めておかねばなりません。

書記や発表者は、ディスカッションの形式によって決めずに進めていくこともあります。

ディスカッションの制限時間内に役割決めの時間も含まれる場合、スムーズに役職決めのために役職を譲る心の余裕も必要です。

以下で各役職の役割を紹介しますので、自分の長所を活かせそうなものがあれば立候補してみましょう。

司会進行

司会進行の方は、ほかのメンバー方が偏りなく発言の機会を得られるよう配慮しなければなりません。

意見が割れたとき、どのように意見をまとめるかを速やかに考える必要もあります。

もし意見が出ずに場が停滞したときは、議論を進めるために自らが話のきっかけを作る役割も担うことになるでしょう。

コミュニケーション能力に加え、場の空気を読む力・頭の回転の速さなどが求められる難しい役職です。

その代わり、うまく場をまとめることができれば非常に大きなアピールとなります。

タイムキーパー

制限時間がシビアなグループディスカッションでは、タイムキーパーの役割も重要です。

アイデア出しなどの節目ごとに、残り時間が何分かをメンバーに知らせる必要があります。

一方、タイムキーパー自身もメンバーの一員としてディスカッションに加わらなければいけません。

時間を気にしつつ、討論でもしっかりコミュニケーション能力を発揮する必要があります。

しかし手元の時計を見ながら議論に参加するのは、それほど難しいことではありません。

冷静に場を見ながら話ができる自信のある方は、ぜひ立候補してみましょう。

書記

グループディスカッションの書記は、学校の学級会などの書記ほど簡単な役割ではありません。

きれいな字を書くだけでなく、メンバーの話した言葉の要点がどこにあるかをその場で判断して、手短にメモする能力が必要です。

ポイントを箇条書きにする・矢印や記号などで話のつながりや、対立点をわかりやすく表現するといったことができれば、さらに良いでしょう。

文章力に自信のある方には大きなアピールチャンスなので、ぜひ立候補を検討してみてください。

発表者

最後に発表のステップがある試験では、発表者も決めておく必要があります。

もちろん、発表が最大の勝負どころです。

発表がうまくいけばディスカッション自体が成功した印象を与えられますし、発表者自身のアピールになります。

それまでの話を簡潔でわかりやすくまとめ、時間内に要点が伝えられるスキルを示さなければいけません。

プレゼン能力だけでなく、聞く能力や文章力も求められます。

大学のゼミなどでプレゼンを得意とする方は、この役割に立候補するのがおすすめです。

ディスカッション

役割決めまで終えると、いよいよディスカッションそのものが始まります。

テーマによりますが、まずはアイデア出しで一人ひとりに発言のチャンスがあるでしょう。

特定のテーマに対し「賛成」「反対」などの2択で結論を出す課題も同様で、それぞれの意見とその理由を述べることになります。

グループディスカッションで、この段階で早々に結論が出ることはまずありません。

問題はそのあと短い時間内でどのように意見をまとめるか・意見が割れたときにどのような決め方をするかに論点が移っていきます。

もちろん、決め手がなく乱暴に多数決を取るようでは、コミュニケーション能力や協調性のアピールにならないでしょう。

このステップで議論を前に進める貢献をできた方は、選考を突破できる可能性が高いです。

発表

ディスカッションの最後に、代表者が発表をする形で終わる形式の試験もよく見られます。

この場合、代表者1名を立てて、グループの意見をプレゼンしなければなりません。

発表が始まれば発表者以外の方は何もできませんが、ディスカッションの時間ぎりぎりまで発表者の意見をまとめる助けをしてアピールすることが可能です。

発表者が発言しようとする内容に要点の抜け落ちがないかなどしっかり確認し、必要なら補足意見を述べましょう。

一方発表者も、ディスカッションの際に時間的余裕があれば「こういう内容で発表したいと思いますがよろしいですか」と全員に確認するのがおすすめです。

ディスカッションの時間内にメンバー同士で内容をブラッシュアップできれば、発表が成功に終わる可能性が高まります。

グループディスカッションの注意点

最後に、グループディスカッションの試験に臨む際の注意点をチェックしていきましょう。

グループディスカッションは面接と違い、何を討論するか試験直前までわかりません。

そのため、事前に準備しておくことは困難です。

しかし、事前に模擬演習でトレーニングしておくことはできます。

限られた時間で意見をまとめ、結論を導き出す感覚の経験をしたうえで、試験に臨みましょう。

本番では以下の見出しで取り上げる事柄を心がけ、発言内容よりその場の振る舞いでアピールすることを第一に考えてください。

役職で評価が決まることはない

グループディスカッションは役職で評価が決まるものではないので、自信がなければ無理に立候補する必要はありません。

特に司会進行・発表者はうまくいけば大きなアピールになる反面、存在感を示せなければ役職を得たのに十分な役割を果たせなかったと、マイナス評価になるおそれがあります。

自分に適性がある・自信があると思う役職にだけ立候補しましょう。

ディスカッションの時間は限られているので、複数の方が立候補した場合は他の方に役職を譲るのも手です。

役職なしのメンバーになった場合も、そのあとのアイデア出しや意見取りまとめで、十分にアピールのチャンスがあります。

もちろん譲り合いはかえって時間の浪費になるので、臨機応変に自分が引くか「任せてほしい」と主張するか判断しましょう。

否定しない

相手と意見が分かれたときの対応は、かなり試験官の評価に直結します。

相手の意見を「それは違うと思います」と強く否定するのは、あまり良いアピールになりません。

「そのような考え方もありますね」と理解を示したうえで、自分の主張とその理由・メリットなどを示す話し方がおすすめです。

相手の意見に反対する明確な理由がある場合、質問という形をとることもできます。

「〇〇さんのアイデアを進めていく際はxxが大きなリスクになると感じたのですが、どのようにこのリスクに対処する考えでしょうか」などと聞けば、相手の意見を直接否定することになりません。

相手のアイデアを否定せず、討論を前へ進めようとする姿勢を示すことで、時間内に結論を出すための貢献をしましょう。

無理にアピールしない

グループディスカッションは短時間の勝負で、自分1人が長時間発言するのは好ましくありません。

必要以上に長い話をすると、相手の発言の機会を奪ってしまうことになります。

無理にアピールしようとせず、自分に話のチャンスが巡ってきたときに、的確でわかりやすい話をするように優先して考えましょう。

ほかの方と発言しそうなタイミングがかぶった場合も、「お先にどうぞ」と譲る気持ちをもつようにしてください。

実は先に意見を述べてもらったほうが、自分が話す際に意見を対比させることができ、有利になる場合もあります。

プレゼン・説明など「話す」ことが苦手な方は、特にこの点を心がけましょう。

協調性の高さやほかの方の意見を尊重する姿勢が評価され、選考を突破できることも多いです。

まとめ

グループディスカッションは、企業が就活生の協調性やコミュニケーション能力を主にチェックするための試験です。

討論やプレゼンが得意ではない方にとっては苦手意識を感じるかもしれませんが、あまり気負わず臨みましょう。

自分が最終結論となるアイデアを出す役割ができなくても、チームの一員として議論に寄与できたことを示せれば、選考を通過する可能性が十分あります。

一方で討論が得意だ・リーダーシップに自信があるという方は、思わぬ落とし穴に気をつけましょう。

ほかの方の意見を尊重する姿勢は忘れず、チーム全員の力で結論・発表をするつもりで試験に臨んでください。

司会進行の役割を担う方は特に、メンバー全員から意見を上手に引き出せるかが勝負です。

柴田貴司
監修者

明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート

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