グループディスカッションで役割を決めないことの注意点と対策方法を徹底解説!

グループディスカッションで役割を決めないことの注意点と対策方法を徹底解説!

はじめに

就活の集団選考の1つに、グループディスカッションがあります。

グループ分けしたメンバーで、与えられたテーマに沿って議論を行うのです。

グループ内で役割分担をして、ディスカッションを進めていくのが基本だとされています。

しかし、役割を決めるのにはどういった意味があるのでしょうか。

また、役割分担せずにディスカッションを進めると、何か問題はあるのでしょうか。

選考にグループディスカッションを取り入れる理由や流れや主な役割、選考突破のコツについて解説します。

企業がグループディスカッションを行う理由

集団選考の1つとして、多くの企業で取り入れられているグループディスカッションですが、実施する理由は主に2つです。

1つは選考の足切りを行うこと、もう1つはディスカッションという選考を通して学生の人柄を見ることです。

採用担当は、ディスカッションをする学生の姿からさまざまな部分をチェックしていますが、グループディスカッションを採用する理由についてまず把握しておきましょう。

それが対策の第一ステップなのです。

足切り

グループディスカッションの特徴は、選考の最初のほうで行われることです。

それは「足切り」として企業がこの選考方法を採用しているケースが多いためです。

特に規模が大きい企業において、グループディスカッションは効率の良い手法と言えます。

なぜなら、一人ひとり対面して面接を行うよりも、短時間で複数人を一度に選考できるからです。

このように、面接前にグループディスカッションを実施するのは、足切りを目的としていることが多いと考えられます。

当然、選考の終盤で行われることもありますが、その際にはよりじっくりと、個人的な能力や資質が見られていると思ったほうが良いでしょう。

ただし、いずれの場合にも、グループディスカッションを通じて、学生の人柄をチェックされていることは意識しておきましょう。

人柄

足切り要素の強いグループディスカッションの場合は特に、緊張して挑む必要はありません。

どんな発言をしたのかまで細かくチェックしているというよりは、学生の人柄を見ていると考えましょう。

選考の始めの段階として「まずその学生がどんな人物なのか把握しておきたい」という理由があるからです。

よく「リーダーシップをとるべきだ」と思う学生もいるようですが、リーダーであるかや司会として引っ張っていけるかどうかが問題ではありません。

それぞれの得意な分野で、それぞれの役割を通じて、どうチームに貢献できたのかが大切なポイントです。

たとえ自分がチームをまとめない、またはアイデアをたくさん出さなくても、どう議論へ参加して前向きな進行に貢献できたのかが重要といえます。

グループディスカッションで役割を決めないのはアリ? 

グループの中には、まれに役割を決めずにグループディスカッションを進めるケースがあるようです。

しかし、まずそれはおすすめしません。

実際、グループ全体として良い評価を得られずに、選考から外れてしまうケースも少なくありません。

効率良く議論を進めるため、また企業へ向けてアピールをするためにも、個人の役割が必要です。

グループディスカッションで役割を決めないのは「ナシ」だと考えましょう。

以下でその理由を解説していきます。

企業の求めているものができていない

グループディスカッションにおいて、企業が求めているものとはなんでしょうか。

それは、グループでの話し合いにおいて、どういった過程を経て、どのような結果を導き出したのかを知ることです。

そのため、役割分担をせず、なんとなく議論を進めて結論を出したのでは、その過程が見えにくくなります。

また、グループディスカッションを行うからにはチームワークも重視されますが、個々の役割があやふやでは、それも見えづらくなってしまいます。

役割分担をするという過程も含めて、ディスカッションの良し悪しをはかっていると考えましょう。

一人ひとりが決まった役割をこなして、グループとしての結論に至る工程もまた、選考のポイントとなっているのです。

ディスカッションが効率的に進まない

企業の選考ということを考慮しなくても、そもそもディスカッションを行う際には、役割分担が欠かせません。

複数人で議論を進める場合、役割を決めたほうが効率を上げられるためです。

個人が注力すべきことを決めずに進めると、すべてが中途半端になってしまい、結論や発表内容のクオリティが低くなることも考えられます。

選考の場で考えてみると、役割を決めずに、一人ひとりが考えつくままに発言するとどうでしょうか。

一目見ただけで、まとまりがないグループだと判断される可能性が高くなります。

言い換えれば、個人がやるべきことを明確にして議論を進めている様子がうかがえるだけでも、グループ全体の評価につながりやすいということです。

アピールがしにくい

グループとしての評価はもちろんですが、あくまでも選考という場です。

したがって、個人の人柄や資質、能力をアピールする必要があります。

そういった点でもやはり、役割分担が不可欠なのです。

一人ひとりが思うままに行動していたのでは、誰が何をしているのか、得意とすることは何なのか、といった部分が把握しづらくなります。

個人の役割を明確化しておくことで、それぞれの行動が示しやすく、またそれを通じてそれぞれの人物像や強みをアピールしやすくなります。

「グループ内でどういった行動をして、議論をスムーズに進めることや結論を出すことにどう貢献したのか」それらを採用担当に伝えるためにも、グループディスカッション内での役割分担が必要なのです。

グループディスカッションの基本的な役割

グループディスカッションにおいて役割分担は必須だと述べてきましたが、具体的にはどのような役割が必要となるのでしょうか。

ここでは、主な役割として、司会進行・書記・タイムキーパー・発表者の4つを取り上げます。

どの立場が有利ということではなく、各役割の存在意義や注力すべきことをきちんと理解したうえで、チームに貢献できたかどうかが評価のポイントです。

それぞれがこなすべきことや適性について、以下で紹介します。

司会進行

まず欠かせないのが、司会進行です。

目立ちやすいポジションのため「高い評価を得やすいのでは」と思われがちですが、目立つからこそ難易度が高い役割とも考えられます。

ほかのメンバーの意見を引き出したり、ときには自分の考えを出しつつまとめたりするなど、さまざまなスキルが求められます。

自分ばかりが目立とうとすると、逆に評価が低くなることもあるので注意が必要です。

司会進行に必要な能力は、以下の通りです。

・冷静な判断力
・傾聴力
・臨機応変な判断力

書記

話し合ってきたことを書き留め、要点をまとめていくのが主な役割です。

ときには重要なポイントを取捨選択していくことも必要でしょう。

グループ発表に向けて、全体の考えをまとめていくことも求められます。

また、手書きで書き留める場合には、丁寧な字で書き、誰もが読み返せるようにしておきましょう。

必要に応じて箇条書きを取り入れるなど、臨機応変な対応ができるかどうかも大切です。

書記に必要な能力は、以下の通りです。

・聞き取る力
・文章化する力
・論理的思考力
・タイピングスキル、あるいは丁寧に文字を書くスキル

タイムキーパー

グループディスカッションの時間管理を行うのが主な役割です。

あらかじめ与えられる時間が決まっているので、それをふまえて、議論を進められるように時間調整を行います。

議論が佳境に入ると、白熱して時間を忘れがちですが、そこで冷静に管理することが必要です。

単に時間を見るだけでなく、全体を把握して、ときに司会のサポートに回るような役割も求められます。

タイムキーパーに必要な能力は、以下の通りです。

・時間管理能力
・全体を俯瞰する力
・サポート力

発表者

グループで出した結論を、最後に発表する人です。

書記を中心にまとめた内容について、自分なりにうまく周囲へ伝える姿勢が求められます。

ただ文章を読み上げるのではなく、グループの考えが伝わるような工夫をする必要があります。

はっきりとした声で話す、抑揚をつける、全体に目線を送りながら説明するなど、相手に伝わる話し方を意識しましょう。

発表者に必要な能力は、以下の通りです。

・プレゼンテーション能力
・積極性
・話し方や表情、立ち居振る舞い

グループディスカッションの流れ

グループディスカッションの流れは、大体以下のようになります。

①企業からの説明
②グループ分け
③役職決め
④ディスカッション
⑤発表

まずは、ディスカッションの概要について、採用担当から説明があります。

その後、グループごとに議論を進めて発表に至るのが基本です。

大まかな流れや取り組むべきことを知っておくと、いざ本番を迎えたときも安心です。

各工程の内容や、その際に注意すべきポイントについて、それぞれ解説していきます。

企業からの説明

ディスカッションへ入る前に、企業からグループディスカッションの概要についての説明があります。

議論するテーマをはじめとして、制限時間やディスカッションのルール、注意点などが伝えられます。

聞き逃すことがないよう、メモを取りながら集中して聞きましょう。

なお、よくあるテーマとしては、以下があげられます。

・自社が所属する業界について
・事実問題
・そのほか、自社や業界にまったく関係ないテーマ
・データ分析したり、企画したりする内容

グループ分け

次に、グループ分けが行われます。

4〜8名のグループや、よくあるケースでは4〜5名のグループに分けられるパターンです。

人数が多ければ多いほど、時間内に皆の意見をまとめていくのが困難になります。

なお、グループディスカッションの時間は、30分程度、長くても50分程度となるのが一般的です。

実際にグループで議論してしてみるとわかるかと思いますが、50分あっても意外と短く感じるものです。

グループ分けされたあと、自己紹介から議論、発表に向けて結論を出すとなると、あっという間に時間が過ぎてしまいます。

その点でもやはり、役割分担の必要性を実感できるでしょう。

役職決め

グループ分けされたら、簡単に自己紹介を行い、役職を決めていきます。

ディスカッションをスムーズに進めるために、役割分担は必須です。

上述した4つの役割をベースとして、誰がどの役割を担当するのか決めていきましょう。

まず理解しておきたいのが、ポジションが評価に直結するわけではないことです。

決まった立場で、どうグループでの議論に貢献できるのかが重要となります。

そのためディスカッションの練習ではすべての役割をこなしておく必要があります。

そこで自分が得意とするポジションを把握しておくことは大切です。

自分の強みをアピールできる役割とは何か、あらかじめ知っておきましょう。

ディスカッション

役割分担が終わったら、司会を中心に議論を進めていきましょう。

まずは、それぞれの考えやアイデアを出し合います。

結論を出すために、互いの意見を知ることは大切です。

さまざまな意見が出ることで、ディスカッションは活性化します。

具体的な意見が出せなくても「○○さんと同意見です。」といったように自分の立場を示すことが重要です。

皆が大体意見を出し終えたら、グループとしての考えをまとめていきます。

書記がそれをある程度文章化し、発表に備えます。

発表

グループでまとめたことを、発表者が話していきます。

さまざまな手法はありますが、もっともスタンダードでわかりやすいのが、以下のような流れです。

①結論
②結論に関する補足説明、エビデンス
③結論を導き出したプロセス
④議論の過程で出た、ほかの意見
⑤結論の再提示、まとめ

時間が足りずに内容を発表しきれないのは当然避けるべきですが、時間が余りすぎるのも問題です。

そのため、時間調節できるように、内容にメリハリをつけることも大切です。

必ず発表すべきなのが①・②・⑤、補足的に用いるのが③・④といったように考えると良いでしょう。

グループディスカッションを突破するためのコツ

前項では、グループディスカッションの各工程におけるポイントについて紹介してきました。

ここでは、メインとなるディスカッションという工程において、どのようなことを意識すると良いのかを見ていきましょう。

大切なのは、チームメンバーがリラックスして議論できる雰囲気作りと、そのための円滑なコミュニケーションです。

自分がどの役割にあたったとしても、それらを意識しながらディスカッションを進めていけるようにしましょう。

企業を意識しすぎない

選考の一環であることを考慮すると、グループディスカッションにおいても、企業研究などの事前準備は欠かせません。

企業理念や求める人材像を理解したうえで挑むことは大切です。

ただし、企業を意識しすぎると緊張してうまくいかないことが多いのも事実です。

いざディスカッションを進めていく段階では、選考であることを意識するよりも、チームで共通の課題をクリアして結論を出すことに重点を置きましょう。

自分の強みをうまく出せるようにするためにも、目の前の課題にしっかり取り組むことがまずは重要です。

また、グループ全体がリラックスした雰囲気の中ディスカッションすることが良い結論を出すこととなり、ひいてはグループや個人の評価にもつながります。

コミュニケーションを取る

「うまく話そう」「良い意見を出そう」とするよりも、まずはグループのメンバーと積極的にコミュニケーションを取ることに注力しましょう。

基本的な進行は司会の役目ですが、議論の中で、誰かに意見を求めることは大切です。

とりあえず相手に聞いてみるだけでも、意見が出しやすい環境を作ることができます。

またそれは、自分自身がリラックスすることにもつながります。

なお、コミュニケーションを取るというのは、ただ自分が話したり相手に質問したりするだけではありません。

自分が発言するときは、メンバー皆に目線を送りながら話す、誰かの発言を聞くときは、相手に顔を向けて相づちを打ちながら聞くなど立ち居振る舞いにも注意しましょう。

否定しない

自分の意見を出したり、ときに主張したりすることは大切ですが、相手を否定することは避けましょう。

自分と異なる意見も受け入れたうえで「自分ならこうする」「自分はこう考える」などを伝えると、議論が円滑に進みます。

まずは、メンバーの意見を肯定して尊重することです。

一見自分とは違った考え方をしているようでも、掘り下げてみると互いに歩み寄れるポイントがあるはずです。

そういったポイントを探ろうとする姿勢は、評価にもつながります。

ディスカッションでは、さまざまな意見を出したうえで、グループの結論をまとめていくことになります。

特に意見がまとまり出した段階では、独りよがりな強い主張や、ほかのメンバーの発言を否定するような発言はしないよう注意してください。

まとめ

選考の序盤で実施されることが多いグループディスカッションにおいて欠かせないのが、役割を決めることです。

企業が求めているものを理解し、ディスカッションを効率良く進めることで、グループへの評価や個人の強みのアピールにつなげるためには、役割分担が欠かせません。

主な役割としては、司会進行・書記・タイムキーパー・発表者をあげられますが、いずれの役割にも優劣はありません。

グループでの議論をスムーズに進めていくことに、どれだけ貢献できたのかが評価されることを知っておきましょう。

柴田貴司
監修者

明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート

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