はじめに
就職活動を有利に進めるためには、さまざまな準備が欠かせません。
そのなかでも、社会経験やスキルアップの面でメリットが多いのは、長期インターンです。
就活が本格化する前の1年生や2年生でもチャレンジできるため、すでに自分の希望する仕事が決まっている学生は、長期インターンに向けて早くから動き出しています。
しかし、長期インターンという制度自体についての知識がまだない場合には、インターン先の選び方にも苦労するかもしれません。
そこで今回は、長期インターンの基礎知識から選び方・探し方まで、知っておきたいポイントをくわしく解説します。
長期インターンって?
そもそも、長期インターンとはどのようなものか、正確に把握している方は少ないかもしれません。
文字通り、長期にわたって参加するインターンのことですが、その内容は想像以上に大きなやりがいが存在し、就活へのモチベーションにもつながります。
長期インターンと似たものとして、短期インターンやアルバイトといったものもありますが、長期インターンでの経験はこれらと別物です。
ここからは、長期インターンの性格を知るために、短期インターンやアルバイトとの違いを比較してみましょう。
短期インターンとの違い
短期インターンとは最短で1日、長くても数日~1ヶ月以内の期間で開催される職業体験のことです。
一方の長期インターンとは、3ヶ月~1年以上の長期間にわたって、より実践的な内容に触れられる職業体験となります。
短期インターンと長期インターンの違いは、この期間の長さだけではありません。
短期インターンでは、準備された模擬的な課題に対して、グループワークやディスカッションといった形で成果を報告することがほとんどです。
1日だけの短期インターンであれば、こうした参加型のプログラムもなく、企業の紹介のみといったケースもあるでしょう。
しかし、長期インターンで行われるのは、実際のビジネスに参加することです。
つまり、インターン先の社員と協力し合い、企業のために働くこととなります。
また、基本的に短期インターンは無給ですが、長期インターンでは一般的にアルバイトと同程度の給料が発生します。
アルバイトとの違い
アルバイトと長期インターンは、働いた分だけ給料をもらえる点は似ていますが、その仕事内容に大きな違いがあるのです。
大学生がアルバイトを選ぶ際に重視するのは、時給の高さ・学校や自宅からの通いやすさ・シフトの自由度といったものでしょう。
しかし、長期インターンを選ぶ際に重視しなければならないのは、その目的にほかなりません。
単純にお金を得るだけではなく、仕事の内容に対する理解を深めたり、自分がその仕事に向いているかどうかといった部分を知ったりすることが、長期インターンの目的です。
もちろん、身につくスキルも大きな違いがあります。
入れ替わりの激しいアルバイトでは、責任や高いスキルが必要とされる仕事を任されるチャンスはほとんどありません。
その点、長期インターンならば、正社員と同じ責任ある仕事を任せてもらえるチャンスが大いにあり、企業もそれを求めているのです。
長期インターンの特徴は?
短期インターンともアルバイトとも異なる長期インターンですが、その特徴についてもう少し深くチェックしてみましょう。
ここからは「3ヶ月以上の期間が多い」「給料が発生する」「1年生・2年生でもチャレンジできる」「スキルアップできる」という特徴について、それぞれくわしく解説します。
この特徴を押さえておかなければ、長期インターンの利点や魅力を十分に理解しきれないかもしれません。
長期インターンの特徴を把握して、長期インターンが自分に合った方法かどうか考えてみてください。
長期インターンの特徴①:期間は3ヶ月以上が多い
長期インターンの特徴としてあげられるのは、その期間の長さです。
数日程度の短期インターンでは企業の雰囲気に軽く触れる程度ですが、長期インターンでは3ヶ月以上にわたって、その企業に深くかかわります。
短期インターン同様に企業を理解することも大切ですが、より詳細な職種や実務内容についての理解も可能です。
また、実際のビジネスの現場で働くことになるため、身につくスキルも短期インターンや独学での勉強とは大きく異なります。
企業側がこうした長期インターンを実施する目的には、就活を見越した人材育成や人材発掘という面もあるでしょう。
そのため、長期にわたって企業に貢献した実績を示せれば、就活において大きなアドバンテージとなるのです。
スキルアップだけでなく就活を有利に進めたいと考えているならば、長期インターンに挑戦してみてはいかがでしょうか。
長期インターンの特徴②:給料が発生する
長期インターンでは、短期インターンとは違って一般的には給料が発生します。
そのため、生活費や学費を稼ぎながら、将来の就職に向けたステップアップを目指せます。
アルバイトでは得られない実践的なスキルを身につけながら給料も得られるため、就活を視野に入れるならば、効率の良い働き方だと言えるでしょう。
給料の金額には業界や職種によっても違いはあるものの、一般的な学生のアルバイトと同程度となるのが一般的です。
この給料は、即戦力として働いてくれる対価というだけでなく、採用活動の一環と考える企業も少なくありません。
実際に、長期インターンを通してその企業に魅力を感じた学生が就業を希望するケースも多く、企業の悩みである就職後のミスマッチによる離職を防ぐメリットもあります。
長期インターンの特徴③:大学1年生や2年生でも受けられる
長期インターンを募集している企業の多くが、その対象を全学年としています。
この背景にあるのは、インターンは就活を有利にするためだけのものという考え方よりも、即戦力となる学生を育成する機会ととらえることが、学生側にも企業側にも浸透してきたからだと言えるでしょう。
そのため、1年生や2年生といった早い段階から企業の実務に深くかかわり、専門的なスキルやビジネスマナーを習得することが求められます。
数日から数週間程度の短期インターンは、基本的に3年生のみを対象としている企業がほとんどです。
長期インターンでも3年生の前期を対象としているケースもありますが、1年生や2年生といった就活前の学生にも門扉を開いている企業は多くあります。
興味のある分野ややりたい仕事が決まっているならば、1年生からでも長期インターンに挑戦してみるのがおすすめです。
長期インターンの特徴④:能力を身につけられる
長期インターンは、その期間の長さゆえに、さまざまな能力が身につきます。
短期インターンやアルバイトでは、就職後に役立つような実務スキルを身につけることは困難です。
しかし、長期インターンであれば、インターン先の正社員と同じステージに立って仕事を進めていくことになるため、高い能力が身につきます。
特に、年単位で長期インターンに参加する場合は、より深くさまざまなプロジェクトに参加することとなるでしょう。
学生として勉強に取り組みながらもビジネスのやりがいを味わえるのは、長期インターンならではの魅力です。
長期にわたってインターンでスキルや知識を身につければ、卒業後に即戦力として働ける点もメリットとなります。
自分の実力を武器にして成長したい方はもちろん、独立や起業などを視野に入れている方ならば、長期インターンで能力を伸ばすのがおすすめです。
評判の良い長期インターンを探したい!選び方を解説
長期インターンの特徴を把握したら、すぐにでも受け入れ先企業を探したいところですが、選び方にも注意が必要です。
アルバイトと同じように、通いやすさ・給料・自由なシフトといった面だけで選んでしまうと、自分の理想とはかけ離れたインターン先で働くことになり、結果的に何も得られないかもしれません。
ここからは、長期インターンを選ぶポイントとなる「業界」「職種」「勤務条件」「目的」について、くわしく見てみましょう。
自分が何を重視して長期インターンを探すのか、今一度考えてみてください。
長期インターンの選び方①:業界
自分が将来働きたい仕事を考えたときに、広告・マスコミ・メーカーといった業界が思い浮かぶ方も多いのではないでしょうか。
具体的な企業についてはまだ知識がなくても、興味や関心をもった業界があるならば、その業界での長期インターンがおすすめです。
特に、広告業界やコンサルティング業界など、その仕事の実情がわかりにくい業界であれば、長期インターンでじっくりとその仕事に触れてみても良いでしょう。
近年勢いがある業界としては、動画やゲームコンテンツを扱うエンターテイメント業界や、インターネットショッピングにかかわるEC業界・物流業界などがあげられます。
まだ興味のある業界が思い浮かばなければ、市場で需要の大きい、こうした業界に身を置いてみるのも良いかもしれません。
自分の過去の経験や印象深い出来事なども思い起こして、魅力が感じられる業界を探してみてください。
長期インターンの選び方②:職種
広告代理店や総合商社といった業界が違っても、そのなかで働く職種は共通するものがあります。
そのため、業界は問わずに職種に着目して、長期インターンを探すのも良いでしょう。
プログラミングスキルや論理的な思考を活かしたいならば、ITエンジニア職を探してみてください。
コミュニケーション能力や交渉力に自信があるならば、営業職にチャレンジするのがおすすめです。
コツコツと積み重ねる仕事が好きならば、事務職や管理部門の長期インターンが向いているかもしれません。
そのほかにも、企画・マーケティングなどさまざまな職種があります。
具体的に身につけたいスキルや伸ばしたい能力があるならば、かかわりのある職種から長期インターンを選んでみてください。
長期インターンの選び方③:勤務条件
自分の興味がある業界や職種だからといって勤務条件を考慮せず選んでしまうと、長期にわたって働き続けることが困難になります。
学生である以上、学問とインターンを同時に進めていく必要がある点には、注意してください。
無理な条件の長期インターンに応募して、留年してしまっては意味がありません。
そのため、長期インターンでは、無理なく続けられる勤務条件であるかどうかチェックしたうえで、企業を探すことが大切です。
長期インターンを募集している企業の多くは、週2日以上で1日5時間程度の勤務を条件にしています。
学生である点を考慮して、テスト期間など長期の休みをもらえる企業も珍しくありません。
また、企業や職種によっては、在宅勤務が可能な企業ももあります。
大学との両立を前提としている以上、こうした勤務条件についてもチェックしてみてください。
長期インターンの選び方④:目的
長期インターンを選ぶ際に忘れてはならないのが「なんのためにインターンに臨むのか」という目的です。
「とりあえずお金が入れば良い」「就活に有利そうだからなんとなく参加したい」といったあいまいな目的で長期インターンに参加しても、得るものはあまりないかもしれません。
そのため、長期インターンに応募する前にインターンで何を実現したいのか考えてから、その目的に沿ったインターン先を探してみましょう。
プログラミングやデザインなどの自分のスキルを伸ばしたいならば、新規事業の立ち上げや最先端技術を扱う企業で希望の仕事が見つかるかもしれません。
幅広い業務に携わりたいという目的があるならば、少人数で新しいビジネスを展開しているベンチャー企業がおすすめです。
自分が長期インターンで何を得たいのかという目的を明確にしてから、それが叶えられる企業を探してみてください。
評判の良い長期インターンを探したい!探し方を解説
実際に自分の求める長期インターンの形がはっきりとしていて、受け入れ先企業を探す段階になったら、おすすめの探し方がいくつかあります。
ただ闇雲にインターネットで検索したり、大学のキャリアセンターしかチェックしなかったりすると、魅力のあるインターン先を見逃してしまうことになるでしょう。
ここからは、「就活サイト」「インターン専門サイト」「逆求人サイト」「企業のホームページ」「先輩を頼る」といった方法について、くわしくご紹介します。
より多くの可能性に触れるためにも、こうした複数の探し方をチェックしてみてください。
探し方①:就活サイト
多くの就活生が情報収集に活用しているのが、就活サイトです。
就活サイトでは、就職に役立つ知識や情報を発信しているだけでなく、エントリーや説明会の予約といったたくさんの機能があります。
その機能の1つにインターンの応募があり、実際に多くの学生がこうした就活サイトを通じて自分に合った長期インターンを見つけています。
就職に関する情報収集をしながら長期インターンについてもチェックしたいならば、就活サイトの利用を考えてみてください。
特に、エージェントとの面談で自分に合ったインターン先を探してくれるサービスや、インターンに対する不安や悩みに応えてくれるサービスのある就活サイトが人気です。
たった60秒の簡単登録でこうした充実のサービスを受けたいならば「就活市場インターン」をチェックしてみましょう。
→https://shukatsu-ichiba.com/internship?creative_id=internship_1
探し方②:インターン専門サイト
より多くの選択肢の中から自分に合った長期インターンを見つけたいならば、インターン情報に特化したインターン専門サイトで探すのもおすすめです。
インターン専門サイトでは、たくさんの募集情報を集約して掲載しているため、一度に多くの情報を得られるのがメリットでしょう。
営業・企画・マーケティング・エンジニアといった業種で絞れるのはもちろん、IT・商社・広告・外資といった業界で企業を絞り込めるため、条件を比較しながらインターン先を選べます。
さらに、1年生歓迎・営業力が身につく・新規事業立ち上げ・グローバルといった探し方もできるインターン専門サイトならば、目的からインターンを探したい学生におすすめです。
こうしたインターン専門サイトは、インターンに特化した情報を多数掲載しています。
探し方③:逆求人サイト
自分でたくさんの情報を検索しきれないと感じたら、逆求人サイトを利用するのも1つの方法でしょう。
逆求人サイトとは、オファー型・スカウト型とも呼ばれるもので、学生がサイトに自分のプロフィールを掲載して、企業からのアプローチを待つタイプのサービスです。
プロフィールに興味をもった企業が学生にコンタクトを取りますが、その内容は選考への誘いだけでなく、オープンにはしていない長期インターンへの誘いも含まれています。
こうした逆求人サイトのメリットは、自分では探しきれなかった魅力ある企業からの誘いが期待できる点にあります。
たくさんの学生と同時に申し込む長期インターンだと、採用される確率は低いかもしれません。
しかし、自分に興味をもった企業側から直接アプローチされる逆求人サイトならば、スムーズに採用される可能性があるでしょう。
探し方④:企業HP
就業を希望する企業や関心をもった企業があるならば、その企業のホームページに掲載される長期インターン募集情報をチェックしてみましょう。
新卒採用を実施している企業の多くは、採用情報とあわせてインターン募集についても自社ホームページで案内をしています。
そのため、たくさんの情報から検索しなくても、特定の企業のホームページを見ればすぐに情報を得られるかもしれません。
通年で長期インターンを募集している企業もありますが、1年のうち限られた期間しか募集案内を出さない企業もあります。
その企業での長期インターンを希望するならば、こまめにホームページをチェックしてみてください。
また、企業のホームページでは、理念や歴史などのほか、就業後の福利厚生などにもくわしく触れていることがあります。
長期インターンや就活のイメージを膨らませるためにも、こうした情報にも触れてみましょう。
探し方⑤:OB・OG
就活を本格的に始めると、企業で働く先輩を訪ねる「OB訪問」が行われます。
このOB訪問同様に、先輩であるOB・OGを介して長期インターンの採用を実施している企業も珍しくありません。
特に、就活サイトや企業ホームページで長期インターンを募集していない企業の場合、その企業で働くOB・OGからの紹介が必須というケースもあります。
興味のある企業で長期インターン情報が見つからないならば、OB・OGに相談してみましょう。
後輩のため、親身になって相談に応じてくれるのはもちろん、インターンの受け入れ調整を担う部署とコンタクトを取ってくれる可能性もあります。
近年では、就職した先輩が後輩を紹介する「リファラル採用」も増えていて、長期インターンや就活におけるOB・OGの存在感は大きなものです。
自力で探すだけでなくこうした周囲の力も借りて、より良い長期インターンを探してみましょう。
おわりに
長期インターンは、短期インターンやアルバイトとは違い、より深く実務にかかわりながら大きなやりがいを得られます。
期間は3ヶ月以上となるのが基本で、給料も発生するのが一般的です。
1年生や2年生でも応募できる企業も多いため、時間をかけて丁寧に能力を伸ばせるでしょう。
インターンを選ぶ際には、業界・職種・勤務条件・目的を明確にしてみてください。
実際に探す方法としては、就活サイト・インターン専門サイト・逆求人サイト・企業ホームページ・先輩経由といったものがおすすめです。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート