最近の就活では、本格的に活動する前の職場体験として、インターンシップの参加が重要視されています。
インターンシップの多くは学生が夏休みの長期休暇で参加できるよう、8月を中心として7~9月に開催されます。
そのため「インターンは夏に開催されるもの」と思っている方も多いのではないのでしょうか。
しかし、冬にあるインターンは、就活が本格化する直前に行われるため、夏にはないメリットがあるのです。
今回は、冬インターンとは何か、参加の方法などをくわしくお伝えしていきます。
そもそも冬インターンとは
冬インターンは「冬季インターン」とも呼ばれ、12~1月頃に開催されるのが一般的です。
就活が本格化する直前に開催されるため、冬インターンの多くは内定に直結するものが多くあります。
その分、条件がきびしく、参加が難しいです。
また夏インターンは長期休暇中の参加を前提として、1ヶ月以上や1週間などの期間も多いですが、冬インターンの場合は1日など、短期間のものが多くあります。
冬インターンの開催時期は志望する業界・企業が夏よりも定まっている頃です。
参加すれば、その企業で働くイメージがより具体的になるでしょう。
夏インターンとの違い
実は冬インターンと、夏インターン、それぞれの内容は変わらない場合がほとんどです。
夏インターンは、企業が多くの学生に自社について知ってもらうことを目的に開催しています。
そのため、多くの学生が参加しやすいよう、開催期間が長く、受け入れ人数も多いのが特徴です。
参加する際に学歴は関係ないため、さまざまな学校から参加者が集まります。
ただし先述の通り、企業の夏インターン開催の目的は、学生へのアピールになっていることが多いため、インターンへの参加が内定に直結しない場合が大半です。
また、夏インターンに参加する学生の中には、業界研究を目的にしている人が多くいます。
夏インターンは就職に結び付けるというよりも、視野を広げたり、業界の雰囲気を知ったりと、あくまでも体験という意味合いが強いでしょう。
【冬インターン】いつから始まる?
冬インターンに参加するなら、まずは冬インターンが始まる時期をしっかりと理解したいところです。
前もって時期をチェックしておけば、事前準備を万全にしたうえで冬インターンに参加できます。
就活を有利に進めるには、さまざまな方面にアンテナを張ったうえで情報をたくさん持つことが大切です。
そのためここからは、冬インターンはいつ始まるのか、募集時期や具体的な開催日程を紹介していきます。
冬インターンのタイミングを理解したうえで、応募に備えましょう。
9~10月から募集・選考スタート
冬インターンは、9~10月のタイミングをめどに募集・選考が始まります。
その前には夏インターンがあるため、夏インターンが終了したタイミングで募集が始まると考えておくとわかりやすいでしょう。
早い企業は9月はじめの頃から、募集が遅い企業は10月下旬頃になります。
ただし、9~10月と明確に決まっているわけではないため、募集や選考の時期はあくまで目安です。
企業によって募集日程にはかなりバラつきがあるため、企業ごとに、できる限り早めに調べておくことが重要といえます。
12~2月に開催
冬インターンは、12月~2月の時期をめどに開催されることが多い傾向です。
早めに募集が始まる企業は12月はじめ、またはそれよりも前から開催されることもあります。
一方で募集時期が比較的遅い企業は、始まるタイミングも遅い場合があります。
具体的な日程は、各企業とも大学の授業とかぶらないように調整して開催される傾向です。
たとえば土日のみだったり、春休み期間中を利用したりするパターンがよく見られます。
開催時期や日程も企業によってさまざまなパターンがあるため、事前によく調べておきましょう。
冬インターンに参加する準備
冬インターンに参加すると、数多くのメリットがあるとわかりました。
特に「ライバルたちよりも先に就活のスタートダッシュを決めたい」という方には、うってつけのイベントであることが理解できたと思います。
それでは、実際に冬インターンへ参加するためには、何が必要なのでしょうか。
ここからは、冬インターン参加のために必要な準備について解説します。
夏に比べて、参加難易度が高いのも冬インターンの特徴です。
念入りに準備しましょう。
行きたい企業を見つける
自分が志望する業界や職種から、参加したい企業を絞りましょう。
冬インターンは夏に比べて、開催する企業は少なく、受け入れ人数も少ない場合がほとんどです。
そのため、できるだけ多くの企業に応募することが重要です。
また、多くの企業に参加申し込みをすることで、エントリーシートを書くことに慣れるでしょう。
そうすれば、今後エントリーシートを書く際に、内容のブラッシュアップが自然とできるようになります。
エントリーシートや履歴書は、何度も繰り返し書くことによって、内容のクオリティが上がるものです。
面倒がらずに、応募する企業ごとにしっかり書き直すと、就活に活きます。
また、応募する企業についても忘れずに調べておきましょう。
入念に情報収集をする
冬インターン参加に失敗しないためには、前もって入念に情報収集しておくことが重要です。
・募集時期
・開催日程
・参加条件
・選考方法(面接はあるかなど)
・企業に関する情報(企業理念や事業内容)
例えば、上記のことは最低限理解しておくべきでしょう。
もし企業のことを何も知らずにインターンに参加すれば、企業から「本当にうちに興味があるの?」と思われてマイナスな印象を与えてしまいます。
企業の公式サイトやパンフレットはよく確認し、最低限の知識はつけておきたいところです。
業界に関する知識や事情、その企業が求める人物像などを理解しておくことも大切です。
自己分析をする
冬インターンの前には、ぜひ自己分析を実施し、自分自身について理解を深めておきましょう。
実際に、インターン参加にあたって、自己分析を実施する方は多い傾向にあります。
自分の価値観や考え方、好き嫌い、性格について「なぜ」を考えて掘り下げれば、企業への志望動機もより明らかになります。
その企業が求める人物像と、自分自身のマッチ度などもわかりやすくなるでしょう。
自己分析はインターンに限らず、就活成功を目指すうえでは欠かせない作業です。
なりたい自分や将来の展望を説明できるよう、自己分析はしっかりと進めておきましょう。
なお、自己分析のやり方については以下をぜひ参考にしてみてください。
選考対策をする
インターンに参加する条件には、先着順や抽選のほか、書類審査や面接・適性試験・筆記試験などが実施される場合もあります。
冬インターンは受け入れ人数が少ないことも多く、夏インターンに比べて参加選考がきびしくなります。
応募の前に大学のキャリアセンターなどに、書類のチェックや模擬面接を頼むと良いでしょう。
また、グループディスカッションを実施する企業もあるので、選考フローを確認し、対策しておきましょう。
夏インターンよりも、より採用選考に近い条件が求められます。
練習にもなるため、しっかりと対策してから応募しましょう。
Webテスト対策
冬インターンの選考対策には、対策本を参考にすること、ネットでチャレンジできる模擬試験を活用することが大切です。
Webテストの難易度は高くなく、基本的には中学生レベルの学力があれば問題なく解けます。
しかし難しくないからといって対策を怠ると、不合格になることはあり得ます。
中学生レベルとはいえ忘れてしまっていることも意外と少なくないため、最低限の対策は行いましょう。
また、内容によってはちょっとした発想力や応用力が必要なものもあり、完全にマニュアルどおりにいくわけではないことも覚えておきましょう。
ES作成
冬インターンの選考対策では、ESに書く内容をあらかじめ考えておくことも大事です。
特にガクチカや自己PRは、多くの企業が質問する定番の内容といえます。
しっかりと自己分析を行ったうえで、説得力や深みのある内容を意識しましょう。
説得力や深みを持たせる際に重要なポイントは、なぜそうなのか理由を掘り下げることと、わかりやすいエピソードやいきさつを入れることです。
「興味がある」「人の役に立ちたい」などの抽象的かつ簡潔な内容では、アピールしたいことは伝わらないでしょう。
自分自身を表すエピソードや考え方などを交えながら、志望動機や自己PRに説得力を持たせましょう。
面接対策
冬インターンの選考では面接も重要なポイントになるため、面接対策は欠かせません。
インターンだから…といって対策を怠ると、面接当日は多くの場合失敗してしまいます。
話す内容が思うように出てこなかったり、定型文のようなことしか言えなかったり、質問に答えられなかったりすると、マイナスな印象につながります。
また話す内容だけでなく、面接に臨むときの話し方や立ち振る舞いについても、しっかり対策する必要があります。
例えば自分が話している様子を動画に撮って確認するなどして、客観的に自分をチェックすることが大切です。
冬インターンの重要性
冬インターンに参加することで、早期内定が可能になる場合があります。
なぜなら、企業はインターンを通じて就活解禁の3月より前に学生の選考を行うため、インターンが実質、本選考の役割を果たしているからです。
優秀な学生は就活本格化したあとでは獲得がきびしいため、企業から見ても、冬インターンで良い学生がいれば採用したいと考えています。
採用活動の3月解禁ルールが撤廃された現在は、企業はいつでも学生の採用活動ができる状況です。
内定まではいかなくとも、冬インターンで選考の目星をつけることは間違いないでしょう。
冬インターンに参加するメリット
冬インターンが、夏インターンと比べてどんな違いがあるのか、理解できたでしょうか。
ここからは、冬インターンに参加することで、具体的にどういったメリットがあるのか紹介していきます。
夏インターンに参加した方も、冬インターンに参加すると、就活がより有利になるかもしれません。
そもそも夏インターンにも参加しなかったという場合も、冬インターンに参加することで得られるものはたくさんあります。
これから紹介するメリットをふまえて、インターン参加の判断材料にしてください。
業界研究・企業研究に役立つ
インターンは、直接企業に訪問し、職場を知ることができる貴重な機会です。
現役の社員と話すことで、情報雑誌やインターネットではわからない、生の声を聞くことができます。
そのため、調べても出てこないような企業の情報を手に入れられるのが大きなメリットです。
就活では、情報量の差が内定獲得に大きく影響します。
周りと差をつけるためにも、より具体的な業界・企業の情報を知っておくことは重要です。
業界の動向などもより近い視点で知れるため、就活を有利に進めていけるでしょう。
就活のモチベーションが上がる
冬インターンは、夏に比べて志望度の高い学生が多く参加します。
そのため、全体的に向上心が高く、積極的な人との交流が必然的に増えるでしょう。
そうした中でのインターンは、周りから刺激を受け、モチベーションを高められる絶好の機会です。
ライバルとなり得る人たちに囲まれながら、自分には何ができるのか、何をしたいのかについて考える場としても活用できます。
就活は、最終的に自分1人で努力しなくてはならないため、同じ場所を目指す人との出会いは大きな励みになります。
就活に向けていまいちモチベーションが上がらない方は、ぜひ参加を検討してみましょう。
内定につながる可能性がある
先述の通り、冬インターンは実質的な採用活動の場です。
社員の目に留まれば、内定につながる可能性があります。
夏インターンにはあまりない、冬インターン特有のメリットなので、この点だけでも参加する価値があるのです。
就活は、ライバルより先にスタートを切ることも重要です。
冬インターンはそういった意味で、ほかの就活生よりも一足先に内定に近づけます。
参加すると、夏に比べて企業側も学生側も真剣さが増すため、緊張するかもしれません。
しかし、就活が本格化する前の準備として、自分なりに、真剣に取り組みましょう。
冬インターンに参加する際の注意点
ここからは、冬インターンに参加するうえで注意しなければならないポイントを紹介します。
インターンは、実際に仕事が行われている現場へおもむくため、失礼があってはいけません。
また、ただの職場体験になってしまっては、せっかくの貴重な機会で学べることを取りこぼすことになります。
冬インターンを、自分の就活にとって良い経験とするために、ライバルに差をつけるために意識してほしいことを説明していきます。
参加する前に目を通して、ぜひ活かしてみてください。
目的をもって参加しよう
冬インターンは「周りが参加しているから」と安易に参加を決めるのはおすすめしません。
何度も言いますが、軽い業界研究が目的になりやすい夏インターンに比べ、冬インターンはより本格的な就活に近いものです。
選考対策にも時間がかかるため、目的がないまま参加してしまうと、貴重な時間を無駄にすることとなってしまいます。
選考につなげるため、企業の理解を深めるためなど、自身の就活のアドバンテージにつながるよう、目的をもって参加しましょう。
インターンの選び方に注意
冬インターンの中でも、学生の採用を目的としていない募集がいくつかあります。
企業が学生の応募数を増やすために行う「ブランドタイプ」や、短期アルバイトのように学生を戦力として募集する「アルバイトタイプ」などの種類があるため、応募の際には注意してください。
たとえば「ホールスタッフとして現場を経験してもらう」といった内容が書かれている場合は、アルバイトタイプのインターン募集の可能性が高いでしょう。
こうしたインターンでは、内定を期待できない可能性が高いため、避けたほうが無難です。
スケジュールを確認しよう
夏インターンは長期休暇中に参加する人が多いため、スケジュール調整はしやすいかもしれません。
しかし、冬インターンは多くの場合、大学の開講期間に開催されます。
学業などとの兼ね合いを考えて、応募するインターンのスケジュールを確認しましょう。
また、授業や講義を欠席してまで、無理にインターンへ参加するのはおすすめしません。
無理をして参加したことがばれた場合、インターン先からの心証も悪くなってしまうでしょう。
マナーを守ろう
当然のことですが、インターン先では礼儀正しくしましょう。
冬インターンは、学生が企業から評価をもらえるチャンスですが、裏を返すと、悪いイメージも記憶されやすいと言えます。
仕事ができても礼儀がなっていない学生は、印象が悪く、本人の評価自体が下がってしまいます。
実力がしっかり評価されるためにも、マナーを守りましょう。
ここできちんと社会人に求められるマナーを押さえておけば、本格的に就活が始まったときにも役立ちます。
完璧でなくとも、最低限の礼儀は覚えておいても損はありません。
冬インターンに参加する方法
準備ができたら、冬インターンへ応募してみましょう。
夏のインターンに比べて、宣伝の規模は少ないですが、基本的には夏と同じくインターネットや大学で募集を載せている場合がほとんどです。
志望企業がまだ絞れていない人は、インターンシップ専門サイトを利用するのもおすすめです。
気になっている企業の募集が見当たらない場合には、直接企業のホームページを見てみるのも良いでしょう。
具体的な参加方法について紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
企業のホームページから応募する
インターンに申し込みたい企業が具体的に決まっている場合は、直接その企業のホームページを見てみましょう。
企業のホームページにある応募ページから参加申し込みができます。
学生から人気の高い企業は、企業ホームページにしか募集がないこともあります。
有名企業の場合、他サイトに掲載料を払って募集を載せなくても、学生がホームページを閲覧するので、自社ホームページでしかインターンを募集しない場合が多いようです。
気になる企業のホームページにある「採用情報」のタブをチェックしてみましょう。
インターンを紹介するサイトから応募する
インターンを紹介しているサイトからの応募も可能です。
インターンシップ専門のサイトや、就活情報全般を扱っているサイトでも募集を載せていることがあります。
志望する業界や、開催期間・日程など細かい検索条件から、希望に合ったインターン情報を調べられます。
気になっている募集をブックマークしておく機能もあるので、一覧にして日程や内容を吟味できる点も強みです。
まだ具体的に志望する企業が決まっていない場合は、こういったサイトからの応募がおすすめです。
大学のキャリアセンターで探す
大学内にあるキャリアセンターで相談するのも1つの方法です。
インターンの募集を紙媒体で確認できたり、職員に相談に乗ってもらえたりと、ほかの方法とは違うメリットがあります。
キャリアセンターの職員は、就活のアドバイスを専門にしているため、相談に乗ってもらうことで、客観的にインターンの準備ができます。
また、自分に合った企業のインターン情報なども教えてもらえるので「サイトなどから自分1人で応募先を決めるのが難しい」という人にはおすすめの方法です。
まとめ
冬インターンとは一体どういうものなのか、理解していただけたのではないでしょうか。
夏インターンは多くの学生が参加するため、つい流れで参加してしまって「いまいち自分に役立った感じがしていない」という人もいるかもしれません。
そんな人こそ、本格的な就活にも直結する、冬インターンにぜひ応募してみてください。
もしかしたら、ほかの人よりはるかに早く内定を獲得できるかもしれません。
たとえ参加して失敗してしまっても、冬インターンでの経験は必ず就活に活きてきます。
まずは気軽に、気になる企業の採用ページを見てみましょう。
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