会計事務所の長期インターンに参加したい!学べることや注意点を解説

会計事務所の長期インターンに参加したい!学べることや注意点を解説

はじめに

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経理の業界は安定しており、手に職も就くために毎年一定の人気があります。

会計士や税理士を目指して勉学に励んでいる学生はもちろん、簿記の勉強をしている学生や、投資に興味のある学生にとっても魅力的な業界でしょう。

内定に近づくため、業界研究やOBOG訪問に足を運ぶ学生は多く見受けられますが、長期インターンという選択肢があることはご存じでしょうか。

経理業界の中でも人気の高い、会計事務所の長期インターンの内容から注意点まで紹介していきましょう。

そもそも長期インターンとは?

長期インターンという言葉は耳にするものの、意味がよくわからない学生もいることでしょう。

長期インターンとは、学生が基本的に3ヶ月~1年間の長期にわたり、学生が給与をもらいながら企業で業務に携わることを意味します。

平均値として、期間は6ヶ月、1,000円~1,200円の時給で募集している企業が多いようです。

アメリカでは非常にメジャーな制度として知られていますが、いまだに浸透していません。

しかし、ベンチャー企業をはじめとして導入する企業も増えています。

最大の特徴は、社員と同じ立場に立って職場で実務を担当することです。

実務を経験して業界への理解を深め、スキルアップすることが目的となるために、学生にとっては非常に有意義な体験となるでしょう。

短期インターンやアルバイトとはどう違う?

同じインターンでも、長期インターンと短期インターンでは大きく意味合いが異なります。

短期インターンは1日~10日ほどの期間で、募集されるケースが多く、ほとんどは無給です。

プログラムもグループで与えられたテーマを議論し、プレゼンテーションするなどの体験型が多く、企業のPRや職業体験という意味合いが強くなります。

また、有給という点でアルバイトと類似しているように思われますが、任せられる仕事の質が根本的に異なるのです。

アルバイトはレジ打ちや接客など、業務の末端ともいえるマニュアル通りに動くルーティーンワークを中心としていますが、長期インターンでは社員と肩を並べて業務の中心に携われます。

このように、短期インターンより深く、アルバイトよりも密接に職業体験をできるのが長期インターンなのです。

就活を有利に進めたいなら長期インターンに申し込もう!

業界研究をしたうえで、将来は経理業界で働きたいと心を決めているのであれば、長期インターンに参加して損はないでしょう。

給与を得ながら、現場で社会人と肩を並べて仕事ができる機会はめったにありません。

実際、長期間にわたって会計事務所で業務に携わり養った視点やスキルは、就職活動を進めるためにこのうえない武器となり、ほかの学生との差別化がはかれます。

長期インターンに参加することで得られるメリットを3つピックアップしましたので、ぜひご覧ください。

業界や職種の理解が深まる

まず、業界や職種を社会人の目線で理解できるのが大きなメリットといえるでしょう。

インターネットで検索し、大学の就職活動支援課に足を運んでも、実際の業務がどのように行われているか、業務に携わるうえで必要なスキルなどは漠然としかわからないでしょう。

しかし、実際に職業体験を通して得た情報や、やりがい・今後自分がどのように働きたいかというビジョンは、机上で業界研究をしている学生には到底たどり着けない領域のものです。

また長期にわたって実務を経験することで、自分に本当に適性があるか、キャリアプランに合った業務なのかが明確になるため、入社後ミスマッチによる早期退職を防ぐ役割もあります。

職業を実際に体験したうえで就活に挑むことで、自分の就活における軸が明確になるでしょう。

仕事に必要なスキルが身につられる

次に、実務で役に立つスキルが身につくことも就活を有利に進める一因となるでしょう。

実務に社員と同じ立場で携わるため、必然的に電話対応や名刺交換やビジネス文書の書き方、企業を訪問する際のマナーなどが身につきます。

また、資料作成のサポートなどを担当するうちにExcelやPowerPointの基本的な操作から、応用までマスターできるようになるケースもあります。

もちろん、会計、経理業界ならではの日次集計・月次集計や源泉徴収の作成・決算書の読み方・経理書類のファイリングなどの専門的なスキルも学べるでしょう。

学生の立場で賃金を得ながら、社会人1、2年目で学ぶべきスキルを吸収できるのは、長期インターンならではのメリットといえます。

本採用へつながることも

長期インターンの経験が、採用につながるケースがあるのも大きな魅力です。

2021年春入社の学生を対象に、経団連企業でインターン直結型の採用が禁止されたため、インターンからそのまま内定が出るケースは、残念ながらほとんど見受けられなくなりました。

しかし、まれに経団連に参加していないベンチャー企業やスタートアップ企業では、インターンを試用期間、もしくは選考フローの一環としてとらえているケースも見受けられます。

そして経団連企業でも、インターンからの直接雇用はなくとも、インターン参加学生を対象とした、特別先行採用枠を設けている企業が増えました。

企業で優れた勤務態度と業務のパフォーマンスを見せれば、採用の判断材料として内定へ大きく一歩リードできるのです。

会計事務所の長期インターンでは何を学べる?

スキルを身につける・業界への理解を深める・選考へ有利に働く武器を身につけるという意味でも、長期インターンへの参加はとても意義のあるものになるでしょう。

それだけではなく、目指す業界では働く先輩方の姿を間近で見れば、今後自分の目指す社会人像が明確になり、今後のビジョンをより明確に描きやすくなるかもしれません。

それでは、実際に会計事務所の長期インターンではどのような実務に携わり、何を学ぶのでしょうか。

3つに分けて紹介していきます。

スケジュールを管理しながらの業務遂行

まず、スケジュール管理能力が身につくでしょう。

会計事務所の業務は、顧客の多くが決算期を迎える、3月と12月近辺は多忙を極めます。

確定申告の期限が決算から2ヶ月以内と定められているため、3~5月と12月~2月は法人の決算業務と確定申告の業務に追われるでしょう。

また5月は自動車税の納付、6月は固定資産税都市計画税の納付、12月は源泉徴収票と年末調整の交付と、繁忙期は全クライアントの案件が集中します。

当然きちんとスケジュールを立て、優先順位をつけて業務を片付けていかなければ、業務を忘れてしまう・締め切りまで気づけば数日しかなかったいう事態になりかねません。

多忙な現場で実務を担うことで、論理的な思考力で順序立てて業務を遂行する力が養われるでしょう。

経理や税金についての知識

経理や税金についての基本的な知識から、専門的な知識まで身につくでしょう。

会計事務所は、顧客の経理や会計・税務業務の一部もしくは全部を請け負う経理のエキスパートともいえる特別法人です。

記帳代行や税務申告などの書類作成から巡回監査などの定期的なルーティーンワーク、また経営コンサルティングなどの調査から戦略を練り、提言をするまでの長期にわたるプロジェクトなど、お金に関するあらゆることを請け負うため業務は多岐にわたります。

経営コンサルティングをするためには、経理だけではなくITや経営戦略の知識が求められます。

あらゆる業務に携わり、決算や会計をさまざまな角度から見ることで、机上の資格勉強だけでは身につかない実務にすぐ応用できる知識が吸収できるでしょう。

正確に仕事する力

最後に、業務を正確に遂行する能力が養われるでしょう。

会計事務所の業務のほとんどは、お金に関わることを企業に代わって遂行することです。

すべての作業が事情に緻密であり、計算一つひとつをきっちりしていかなければなりませんし、お金に関することなので、1円の誤差も許されません。

そして、ただ丁寧に業務を遂行するだけではなく、期日までに業務を終えるスピード性も求められます。

時間がないからと慌てて業務を雑に扱えば、当然ミスも増え、リカバーするためにより多くの時間を消費する悪循環に陥ってしまうため、正確性とスピード性の2つをもって業務を進めなければならないのです。

忙しくても平常心と緊張感をもって一つひとつの業務を丁寧に遂行していく中で、迅速かつ正確に仕事する力が自然と身についていくでしょう。

会計事務所の長期インターンに参加するときの注意点!

会計事務所のインターンに参加すれば、専門的な知識だけではなくスケジュール管理能力や性格な業務遂行能力など、どの業界でも求められる社会人としてのスキルも身につけられます。

このようなスキルや知識は就活において非常に有利なアピール材料になるでしょう。

ほかの学生がアルバイトや部活などのありふれた自己PRやガクチカを語る中、実務で養ったスキルをPRできれば、企業に印象に残ります。

しかし、インターンに参加するためには注意する点が2つあります。

期間中は忙しくなる

まず、インターン期間中は非常にスケジュールが忙しくなることを覚悟しなければなりません。

大学3年次などで単位をある程度取り終え、授業のない日が週に何日かある学生ならば、比較的スケジュールは立てやすくなります。

しかし、授業のあとや合間にインターンを入れると、移動時間がかかるために1日がとても緊張感のあるスケジュールになってしまうのです。

電車遅延や授業が長引けばインターンに遅刻してしまう可能性もありますし、疲労で学業とインターン両方がおろそかになるケースも見受けられます。

賃金を支給されているので、評価次第で将来に直結する可能性のあるインターンには、ベストな状態で参加するべきです。

きびしいスケジュールが予測されるのであれば、スケジュールを調整して余裕をもったものにしてからインターンに臨む必要があります。

仕事に責任が求められる

インターンへ参加するからには、社員と同様の業務に対する責任が求められることを覚悟しなければなりません。

大きな仕事を任せてもらえるということは、同様に大きな責任を背負うことになるのです。

マニュアル通りに働けば良かったアルバイトとは異なって、自分の裁量に任せられる範囲が大きくなり、途中で投げ出すことも許されないために、ストレスに感じる学生も多いでしょう。

学生気分でSNSに仕事の愚痴や画像をアップすることは守秘義務違反になりますし、遅刻や欠席も厳禁となるため、モラルに対する強い意識も求められます。

そのため、アルバイトのようにおこづかい稼ぎで参加したとしたら、痛い目を見るでしょう。

長期インターンに参加するのであれば、学生の立場の甘えを捨てなければなりません。

おわりに

会計事務所のインターンについてさまざまな視点でまとめました。

長期インターンを採用する企業は年々増えていますが、なかでも会計事務所は、採用後の実務に近い業務を体験できる業界として知られています。

また、経理の基本的な知識があれば、会計事務所だけでなく一般企業の総務や経理でも重宝されます。

学生のときに有給でこれらを身につけられるのは非常に貴重なチャンスといえるでしょう。

興味がありスケジュールに余裕があれば、ぜひチャレンジしてみてください。

柴田貴司
監修者

明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート

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