はじめに
商社に就職を希望する場合、非常に重要なのが、社会人経験を積めるインターンです。
しかし、一口にインターンといっても、1日からの短期であったり数ヶ月の長期であったりと、さまざまな期間が設けられています。
まったく知らない世界へと踏み出すのは、誰しもがまず不安を抱えることでしょう。
そこで今回は、インターンの違いや、長期インターンに参加することへのメリットなどをご紹介します。
将来の自分と向き合うため、今現在抱えている不安を払拭し、ぜひとも今後の就活へと役立ててください。
長期インターンとは?
長期インターンでは、技術と学力の両方が兼ね備わっている技術者を育成することが目的です。
そのため、期間の目安は約3ヶ月以上とされています。
しかし、3ヶ月というのはあくまで最低限の目安であり、推奨されている勤務期間は1年以上としているため、平均して6ヶ月以上の勤務を定めている企業が多いでしょう。
昨今では、就活の際に専門的な知識や実務経験を求められるケースも増えています。
社員と変わらない環境で働ける長期インターンは、実務経験はもちろんのこと、知識やスキルもいち早く身につられるので、絶好の機会といえるでしょう。
短期インターンとの違い
冒頭でも触れたように、インターンは大きく分けて、短期と長期があります。
短期インターンは、主に就職活動を行っている大学3年生が対象で、学生同士でのグループワークを中心とした形式で進められます。
就職活動に関する選考も担っており、期間は数日〜1週間程度のものが多く、インターン期間中に給与は支給されません。
一方、長期インターンは、学生であれば学年を問わず誰でも参加することが可能です。
また、実際の社員の方とともに数ヶ月間にわたって実務に携わるため、給与が支給されます。
クライアント先の企業に実際に訪れたり、社員のサポートを行ったりするなど、会社の業務についてもしっかりと学べ、その業界や企業の知識もたくさん得られるでしょう。
アルバイトとの違い
アルバイトは、本業と両立しながら一時的に収入を得るための仕事をするものとして定義されています。
一方、インターンとは、学生が自身の適正を把握したり、仕事への理解を深めたりするために企業で職業体験を行うことです。
もちろんアルバイトもお金を得るだけがすべてではないため、仕事のスキルを磨くことはできますし、社会的な経験を積むことも可能です。
しかし、アルバイトではマニュアルに沿った仕事を任されることが多く、携われる仕事はその企業の一部にすぎません。
責任のある仕事は、正社員に任されていることがほとんどでしょう。
インターンでは、正社員と同様のスキルが必要となるため、マニュアルに沿った仕事ではなく、成果を出すことが求められます。
自身のキャリア形成の一環であるというのが、アルバイトにはないインターンの特色でもあります。
長期インターンに参加するメリットは?
長期インターンでは成果を求められるため、それ相応の責任はともないますが、その分得られることもたくさんあります。
スキルが身につくだけではなく、ビジネスマナーや実務に付随する事務処理などのスキルを学べる機会も多く、社会人との人脈を築くこともできるため、社会に出てから必要なことをたくさん学べるのもメリットとしてあげられます。
また、長い間業務に参加できるので、実際に会社で働いたあとのイメージをつかみやすく、その仕事が自分に向いているかどうかを把握することもできるでしょう。
社会的なスキルを習得できる
ビジネスマナーや社会人らしい行動・考え方などは、聞いただけですぐ身につくものではありません。
実際に経験していくことで、自然と社会人らしく振る舞えるようになっていきます。
長期インターンでは、すでに社会的スキルの高い人たちが周りにたくさんいる環境で働けるため、言葉づかいや細かな作法なども身につられるでしょう。
また、WordやExcelなどの機能をより深く知れるというのも、非常に大きな強みです。
レポート提出にOffice系ソフトを使用している人も多いのではないでしょうか。
しかし、それだけではほとんどの機能を使っていないといっても過言ではないほど、ソフト上では多岐にわたってさまざまなことができます。
WordやExcelでできることが増えれば、実際に入社してからも幅広く活用できるでしょう。
就活に役立てられる
昨今は多くの学生がインターンに参加していますが、その大部分が比較的短期間のものであり、半年以上の長期インターンへ挑む方は非常に少ないです。
そのため人とは違うことがしたいと思っている人や、アルバイトでは経験できない環境できちんとした知識やスキルを身につけ、しっかりと今後に活かしたいと考えている人は、積極的に参加すると良いでしょう。
学生にはない価値観や考えをもった社会人と長期的に接することで、今までにない考えが生まれたり、新しい自分を見つけたりすることもできます。
実際に働きながら得たさまざまな知識をしっかりと身についていれば、インターンに参加していないほかの就活生との差も十分つけられるので、面接でも競り勝てるかもしれません。
志望企業での先行で優遇を受けられる
長期インターンでは、学ぼうとする姿勢や、手際の良などといった仕事ぶりを見られています。
評価は企業や職種によって異なるものの、高い評価を受けられれば、それが早期選考につながっていたり、選考の一部が免除されたりする場合があります。
免除される選考内容は、説明会への参加やESなどがあげられるでしょう。
また、インターンに参加すると、企業が開催するイベントに招待されることもあります。
多くの企業ではインターン後に参加者限定の座談会や説明会、食事会などといったイベントを開催しており、これらのイベントに参加することで、よりくわしく企業について知ることができるでしょう。
志望している企業や業界がすでに決まっているのであれば、積極的に参加することをおすすめします。
商社の長期インターンではどのようなことを行う?
商社には、総合商社と専門商社があります。
総合商社とは、幅広い製品やサービスを取り扱う企業であり、その一方で、特定の分野に特化した製品やサービスを取り扱うのが専門商社です。
企業で行っていることが多岐にわたるため、インターンの内容も企業によってまったく異なります。
マーケティングや営業といったビジネス職から、エンジニアやデザイナーなど特定の分野におけるスキルを必要とする専門職の募集があるので、まずは自分が参加したい分野を明確にしましょう。
広告
プロモーション業務や、Web広告の作成、メディア分析などが主な仕事内容です。
SNSなどで発信し、PRしたい商品がより多くの利用者の目にとまるような戦略を練ったり、流行りを活かしてさまざまな角度から商品のプロモーションを行ったりします。
広告業界では流行りがすぐに変わるので、常に先を見据え、クリエイティブかつ柔軟な考えを持っている人が向いているでしょう。
また、自分の考えていることや思っていることが明確で、ありのままの気持ちを的確な言葉で表せる人にもおすすめです。
いかに商品を世の中に広められるかがカギとなり、売り上げにも関わってくるので、企業の中でも非常に重要なポジションといえます。
わかりやすく、キャッチーな文章を考えることが目標なので、文章作成の能力が徐々に身についていくでしょう。
マーケティング
顧客の利益になる商品やサービスを紹介・配信し、ターゲットをつかむためのWebマーケティングが主な業務です。
メールや電話などで直接顧客とコンタクトを取って、販売促進を行ったり、顧客情報の管理などを任されたりするため、数値の管理や運用などを学ぶこともできます。
パソコンスキルはもちろんのこと、市場分析の方法や、企画書などを作成するにあたっての文章作成能力など、幅広い知識を得られるでしょう。
市場の調査や分析には正確さが求められるうえ、数字が多く関わってくるので、数字をもとにさまざまな角度からじっくりと思考を巡らせることが得意な人に向いています。
また、将来起業することに興味がある場合、マーケティングは事業構造などの勉強にもつながるため、非常におすすめです。
企画
商品のプロデュースや、新規事業立ち上げのプロジェクトなどを実際に見ることができます。
社員とともに企画会議へ参加したり、実際に事業の立ち上げから携わったりすることも可能です。
プレゼンに使用する資料の作成を任されることもあり、マネジメントスキルが身につき、ディスカッションでのコミュニケーション能力といった社会人に重要なスキルも同時に養われるでしょう。
クリエイティブな思考や、豊かな発想をもっている人、また顧客の需要は何かを考えたり追求できたりする人に向いています。
また、マーケティング同様、数字をもとに分析することも多いため、理系的に考えられる人も向いているといえるでしょう。
扱う商品によって考える企画はまったく異なるため、興味ある分野を見つけることが重要です。
営業
インターンでは、最初から営業の仕事を1人で任されることはほぼありません。
アポ取りやリストアップといったメールや電話を使用しての業務や、社員に同行して、実際に企業訪問をしたりします。
総合商社の大企業などでは、海外での営業も多数あるので、その場合は英語が必須になるでしょう。
商社において重要な業務を担っているので、求められることも高いですが、その分得られるものも大きいです。
主に顧客と社内の窓口になるため、社会人としてのマナーや対人能力が養われるうえ、新入社員であっても、入社後すぐに戦力となれるようなビジネスの基礎を身につられます。
失敗をおそれず、めげずに乗り越えていく力をもっている人や、人前で話すのが好きな人、また人間関係の構築が得意な人は営業に向いているでしょう。
エンジニア
サービスの開発にエンジニアとして携わるので、設計やプログラミングが主な業務です。
そのほか、Web媒体のメンテナンスや環境設定なども行います。
エンジニアが作成したサイトで企業の商品を紹介する必要があるため、きちんと納期までの計画を立て、コツコツと仕事ができる人に向いているのです。
さらには、顧客の要望や分析の結果などをサービス開発に活かす必要があるので、マーケティングや企画の能力も身につきます。
「HTML」「CSS」「JavaScript」などといったプログラミングの知識があり、より技術を磨いたり、実践的に経験を積んだりしたい人は挑戦してください。
新しいテクノロジーを学べるうえ、さらなる技術を得られれば、就活の際にも自分の強みとして活かすことができるでしょう。
デザイナー
PhotoshopやIllustratorなどを使用し、エンジニアと協力しながら、アプリケーションやサイトのデザインを考えるのがデザイナーの仕事です。
デザインに必要なソフトをより実践的に使用できるようになり、エンジニアとも深く関わるため、プログラミングの基礎知識を身につることも可能です。
いかに商品を魅力的に見せられるか、また印象に残るようなデザインを考えられるかが重要なので、エンジニア同様にコツコツと仕事に取り組み、最後までやり遂げる力をもっている人だと良いでしょう。
Web媒体だけでなく、紙媒体の広告デザインができる企業も数多くあります。
そういった企業では、Webとはまた違った広告作成をするための技術を得られるので、どちらにより興味があるのか考えましょう。
長期インターンで評価される学生の特徴は?
インターンに参加し、「アルバイトとさほど変わらない」という人もいれば、「たくさんの学びや知識を得られた」という人もいます。
この違いは、目的意識の差です。
漠然とした意識で取り組むのではなく、「専門的な知識をより実践的に身につけて、業務に役立てたい」などといった具体的な目的を掲げて取り組むと、その誠意や熱意は周りの人にも伝わります。
長期インターンは採用に直結していることもあるので、どのような姿勢で取り組むと評価されるのかという部分を意識すると良いでしょう。
熱意がある
企業が長期インターンを受け入れる理由の1つとして、インターン生ならではのやる気や熱意に期待していることがあげられます。
最初から業務に難なく取りかかれるような即戦力を求めているのであれば、経験者を中途採用で募る方が効率的なため、わざわざゼロから育成に時間を割くことはしません。
そのためインターンでは、他者を巻き込むほどの意欲があったり、議論の中心にいたりするような熱意ある姿勢を見せている学生は、高い評価を受けやすいでしょう。
また、商社での仕事は、1つの契約で今後のビジネスが左右されることもある責任の大きなものが多いです。
そのため、責任と緊張感のある環境に押しつぶされないタフな精神力と、それを支えるための十分な体力を強みにすることも、評価につながります。
発想力が豊か
優秀な学生だという印象をもってもらうには、常識にとらわれない発想力で、臆することなく新しい提案をできることが重要でしょう。
企業の知識だけではなく、業界についての理解も深めたうえで斬新なアイデアを提案できれば、たとえ採用されなかったとしても、その提案力は評価されるはずです。
また、商社では数多くの商品やサービスを扱っているため、業務内容も事業ごとに異なります。
さらには、さまざまな業務を経験することもあるので、ほかの部署や事業でも、今までに得た知識などを活かせる柔軟性も欠かせません。
日々変化する世界経済の中、常に業界や市場を把握し、ビジネスの観点を忘れることなく、新しい考えをもる学生は高評価の対象となります。
語学力が高い
商社には、海外での勤務や海外企業との取り引きを行う企業も多く、グローバルな語学力が非常に重要です。
部署によって必要な語学や使用頻度は異なるものの、高い語学力がマイナスになることは、商社に限らずともまずありません。
幅広い業務を経験するためにも、英語など日本語以外に話せる言語があるのをアピールすることは大切でしょう。
海外支社や取引先との電話でやり取りする際には、スピーキング力とリスニング力のどちらもが必須となり、英語でのメール対応や資料作成では、確かなライティング力が求められます。
応募条件として課せられている語学力を満たしている場合には、積極的に挑戦すると良いでしょう。
ビジネス英語に触れる機会が増えれば、おのずと英語にも慣れていき、より実践的でレベルの高い英語を学ぶことも可能です。
おわりに
長期インターンに参加するメリットや、実際の業務への理解が深まれば「どういった姿勢でどのように取り組み行動すれば、就活の選考に活かせるのか」という部分も見えてくるはずです。
ただ参加するだけでは意味がありません。
しっかりと熱意をもち、目的を明確にしたうえでインターンに臨むことができれば、高い評価につながります。
実際に企業での業務を体験し、得られた知識をぜひ今後に活かしてください。
就活の際は言葉の説得力が増し、それが評価の対象にもなるでしょう。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート