就職活動での自己PRにおいて、ご自身の「明るさ」「前向きさ」をアピールしたいと考えている方も多いかと思います。
就職活動においては、あなた自身の長所や魅力を企業側に伝えることだけでなく、企業側との相性も大切です。
そのため、明るい人材を欲している企業にとっては、それらをうまく伝えられるかどうかが、結果を左右するカギです。
今回は就職活動の自己PRにおいて、前向きである性格を上手に伝えるにあたってのポイントやコツを、例文を含めて詳しくご紹介いたします。
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【自己PR:前向き編】そもそも自己PRはなぜ聞かれるのか
面接や書類選考の中で聞かれる自己PRは、企業があなた自身の人柄や性格を、より深く知るための質問です。
企業は採用面接であなた自身がもつ個性や気質が会社の雰囲気に合っているかどうか、組織に馴染めるかどうか、将来的に会社で成長を成し遂げられるかどうかを見ています。
人材として高い能力を有することは理想ですが、大事なのは万が一失敗した場合でも、へこたれずに問題を解決へと導けるか、壁を乗り越えられるかどうかなのです。
企業がなぜ自己PRを聞いてくるかの理由や何を知りたいのかを頭の中で整理しておけば、回答としてより的確な受け答えができるようになるでしょう。
【自己PR:前向き編】前向きなことは自己PRになる!
そもそも「前向きという点を自己PRにしてきても大丈夫なのか?」と感じている方もいるかもしれません。
もちろん、前向きな要素は自己PRの良い例であるといえます。
前向きな要素は、人柄を表すという観点からも、企業側が欲しい人材という観点からも、双方からプラスのイメージをもてるからです。
なぜなら、前向きな自己PRは「向上心がある」「感情のコントロールがうまい」「周囲に良い影響を与える」と判断されやすい点があります。
理由①向上心があると判断される
前向きな自己PRは、その人に向上心があると判断されやすいポイントになります。
常に前を向いて、物事を進めていける人は、課題にぶつかってもめげずに、目標を見失わずしっかりと歩んでいけるからです。
そのためご自身の性格を表す際に「前向き」という要素をあげられるなら、ただ単に前向きな理由を伝えるだけでなく「なぜ前向きなのか」「前向きであることでやり遂げられること」を相手に伝えることがポイントといえます。
自己PRで前向きな性格をアピールするには、向上心がある印象を与えるためにも「壁にぶつかっても諦めずに前向きな考えをもてる」と伝えることが大切です。
過去の経験などのエピソードを交えて話すと、より伝わりやすくなります。
理由②感情のコントロールが上手だと判断される
前向きな性格を表す自己PRは、大人の落ち着きがある印象を与えられる効果もあります。
なぜなら、前向きな考えをもてる人というのは、感情のコントロールが上手です。
何か課題にぶつかって挫けそうになったときにも、自分自身や周囲を見つめ直し、落ち着いて思考回路を前向きに切り替えられるというのは、全員ができることではありません。
そのように感情のコントロールが上手な人は、企業が必要とする人材の特徴でもあります。
仕事で忙しくなったり辛いことがあったりしたときに、感情のコントロールが苦手な人は、その影響がその人自身にも、仕事にも出てきてしまいがちです。
しかし、それらをうまくコントロールして前向きに切り替えられる人は、ストレスに強く仕事を上手にこなしていきやすいため、企業にアピールするべきポイントといえます。
理由③周囲に良い影響を与えると判断される
前向きな性格の人がチーム(社内)にいると、その影響は周囲にも広がります。
「この人がいれば大丈夫」「この人が頑張っているから私も頑張ろう」と周りに思わせるような人材は、企業が欲しい人材の特徴です。
そのため前向きな自己PRは、その人の長所や魅力が伝わるだけでなく、周囲がその影響を受ける企業側にもメリットを与えられるようになります。
ただ「前向きさ」や「明るさ」だけを伝えても、企業側がどう感じるかはその面接官次第になってしまいます。
周囲まで明るくする前向きな印象を与えるには、「チームが落ち込んでいるときに自ら進んで声をかけて乗り越えた経験」などの、それがわかるようなエピソードを交えて話すと良いでしょう。
【自己PR:前向き編】自己PRになる前向きさとは?
上記では、自己PRで前向きな要素を話すと与えられる印象などをご紹介しました。
ここからは、実際にどのようなことをテーマにすると、前向きな自己PRになるのかお伝えしていきます。
なぜなら「前向き」だけでは抽象的であり、与えられる印象も伝わりにくくなってしまうので、その前向きさを説明する必要があります。
前向きさの内容はさまざまです。
主な例をあげると「困難に立ち向かえる」「常に明るい」「失敗にめげない」「あまり落ち込まない」といった点を伝えることがおすすめです。
困難に立ち向かえる
「困難に立ち向かえる」という点は、前向きな性格であることの大きなメリットといえます。
大変だと思うことや、解決策が見えなく感じてしまうような物事に対しても、自らきちんと立ち向かって行動していけることは、企業が人材に求めるポイントになります。
前向きな人は目の前に困難が立ちはだかっても、それらに打ちのめされずに、思考を前向きに転換して進んでいけるのが大きな魅力です。
そのため自己PRでは、前向きである性格を活かして、困難にも屈せずに立ち向かえることをアピールできるかどうかが1つのポイントになります。
面接官にそれらをわかりやすく伝えるには、この話題を具体的に話して、自分自身の前向きであることの強みをしっかり伝えるよう意識することが大切です。
常に明るい
「常に明るい」というのは、決して誰もができることではありません。
普通なら落ち込んでしまうようなことに対しても、感情をうまくコントロールして、明るく振る舞える人は、やはり魅力的です。
仕事かどうかにかかわらず、普段からそれができている人は、精神的に強く、落ち着いた人でもあります。
感情のコントロールが上手で、常に明るく前向きに活動できる人というのは、自分自身が気持ち良く過ごせるだけでなく、周囲にも良い影響を与えられます。
そのため常に明るいという性格は、それだけで大きな強みになるのです。
自己PRでそれら述べる際は「常に」という言葉に「辛いときも大変なときも、感情を上手にコントロールして前向きに切り替えられる」という意味を込めて、きちんとそれが伝わるようにしましょう。
失敗にめげない
「失敗にめげない」というのは、仕事をしていくうえでとても大切なポイントです。
仕事をしていると、誰しも必ずミスをしてしまうことはあり、失敗することも当然あります。
そのため、失敗をしてしまったときにどう立ち直れるかというのは、社会人においてとても重要なポイントなのです。
失敗にめげず、前向きに立ち向かえる人は、自ら進んでそのあとも成長を続けます。
「失敗を繰り返さないためにはどうしたら良いのか」「自分がミスをした原因は何か」をよく考え、次は頑張ろうと意気込むことが大切です。
そのため就職活動においても、前向きな自己PRを述べる際には、そのようにきちんと前を向いて、しっかりと進んでいけるといった点をアピールできると良いでしょう。
あまり落ち込まない
「あまり落ち込まない」といった性格である人は、それだけで十分な強みになります。
失敗やミスに対して、きちんと反省することは大切ですが、それで落ち込んでしまう人も多いです。
しかし、あまり落ち込まない人というのは、反省はしっかりしても、気持ちを切り替えて前向きに次へ次へと進んでいけるようになります。
そのため、あまり落ち込まない前向きな人というのは、仕事においてもその性格を大いに発揮できる強みがあるのです。
上述もしましたが、仕事では誰もが必ずミスを経験して成長していきます。
それらに対して深く落ち込まず、前向きにステップアップできる人というのは、企業にとっても必要な存在なので、うまく伝えるようにしましょう。
【自己PR:前向き編】前向きさが評価される仕事
前向きという気質が評価されやすい仕事は、人と直接関わりながらコミュニケーションをとる必要のある仕事に多く見られます。
具体的にいえば、営業職や接客、人事担当者といった職種が挙げられます。
業務を進めるには基本的なマニュアルを頭の中に入れておく必要がありますが、これらの仕事には顧客との継続的なコミュニケーションが欠かせません。
前向きな性格が好まれやすく、仕事における成果にも直結しやすいとされる仕事を具体的に見ていきましょう。
営業
営業の仕事は、前向きな性格が評価につながりやすい仕事の1つです。
取り扱う商材やサービス、業界や市場によって、営業の仕事の難しさは異なります。
競合他社が多い業界であればあるほど、顧客と粘り強くコミュニケーションをとりながら信頼関係を構築しなければ売り上げが上げられません。
時にはすでに他社と契約を結ぶ顧客を頑張って口説き落とすような場面もあり、自分が売りたいものを買ってもらうには、何よりも顧客との信頼関係を築く必要があるのです。
顧客との信頼関係をゼロから築くには、前向きな性格を駆使して、あの手この手で顧客の懐に入る能力を有している人材が高く評価されます。
人事
人事もまた前向きな性格をもった人材が適する職種の1つです。
新卒や中途の採用活動だけではなく、社内環境の改善にも尽力する人事は、業務の中でさまざまな部署にいる人材とコミュニケーションをとります。
前向きで明るい性格の人事であれば、相談者もより気軽に悩みを相談しやすくなるため、より多くの社員に頼ってもらいやすくなるでしょう。
より俯瞰的な視点・立場で社内環境の改善に尽くせるため、前向きな性格で仕事に打ち込める人事担当者は重宝されるのです。
企業が求める人物像を押さえておこう
自己PRで前向きな性格をアピールするなら、志望する企業が求めている理想の人物像について、今一度理解を深めておきましょう。
一般的に、前向きな性格はどのような企業でも好まれる傾向にありますが、会社によってはほかの強みのほうがより魅力的だと感じられるケースもあります。
専門的なスキルが求められる職種や根本的に人との関わりが少ない仕事、冷静な判断が求められる仕事では、前向きさよりも慎重さや専門性が求められる場合もあるのです。
より効果的な自己PRに仕上げるためには、志望する企業にとって理想的な人物像を、きちんと把握しておくことをおすすめします。
【自己PR:前向き編】前向きさを自己PRする際はここに注意!
前向きさについて自己PRをする際にも、いくつか注意点があります。
主な注意点は「良くない性格にとらえられないよう注意すること」「具体的なエピソードを入れること」「仕事にどう活かされるかを明らかにすること」「面接の受け答えにも注意すること」の4つです。
「前向きな明るさ」をしっかりと誤解されないよう伝えるには、きちんとこれらの点をふまえておくことが必要になります。
以下でそれぞれ詳しくご紹介していきますので、チェックしてみてください。
大雑把な印象を与えてしまう可能性
「前向き」という言葉は、少し大雑把なイメージを与えてしまうところもあります。
ただ単に「前向きです!」と伝えるような内容になってしまっては、その良も伝わらず、どういうところ企業にとってメリットになるのか、相手もわからなくなってしまいます。
また伝え方によっては、ただの楽観主義者や、自己反省しない人というマイナスイメージを与えてしまうこともあるため、注意しましょう。
そのため前向きな自己PRをする際には、きちんとその内容が伝わるように「前向きであることの理由や、過去の経験談」を交えて具体的に話すことが重要です。
「これを面接官に伝えたい」と思うポイントがあれば、それらをよく意識して、伝わるよう具体的に話すことが大切です。
具体的なエピソードがないと伝わりにくい
これまで「具体的に話すことが大切」と説明してきました。
具体的に話すには、そのエピソードを交えて話すことが必要になります。
なぜなら、まったく知らない相手に何を話そうとも、なかなかそのイメージをしにくいのです。
そこで具体的なエピソードと一緒に話すと、その体験談を面接官もイメージしやすくなり、うまく伝えやすくなります。
また、具体的なエピソードを面接官にイメージさせたうえで、そのときに前向きな性格を活かしてどう行動したのか、どのようにして乗り越えたのかを伝えることであなた自身の魅力も伝えられるのです。
そのため、具体的なエピソードとそれを経験した際にどう対処したのか、そのうえで思う自身の強みは何かをアピールすることが大切です。
仕事にどう活かされるかを明らかにする
前向きな性格をアピールしても、その性格が企業にとってメリットとなるかどうかがわからなければ、就職活動において有利ではなくなってしまいます。
前向きさを伝えるときは、具体的なエピソードを交えてしっかり伝え、それを今後どう仕事に活かしていけるのかを伝えるようにしましょう。
たとえば学生時代に経験した課題やぶつかった壁のエピソードを話し、それを前向きな性格でどう乗り越え、そこで得た力を今後の仕事にどのように活かしていきたいかを話すと、よりアピールできるようになります。
就職活動の自己PRにおいて、面接官は、その人の人柄や長所に注目しているだけではありません。
入社後どんな活躍をしてくれるのかにも注目しています。
この点をしっかり伝えることが、内定を獲得するための大きなコツです。
面接の受け答えにも注意する
面接においては、その受け答えの明るさにも注意しましょう。
自己PRにおいて、自身の明るさや前向きさをテーマに話しているのにもかかわらず、話し方が暗いまたは明るさが伝わらないような雰囲気では、あまりいい印象ではありません。
前向きさをアピールしておきながら面接時に元気がないと、PR内容に疑問をもたれてしまうため、注意してください。
自身の前向きさや明るさをアピールするのであれば、面接時の受け答えも大きな声ではっきりとし、面接官の目を見て明るく話すことが大切です。
また、硬い表情にならないよう、笑顔で話すことも重要です。
自己PRをする際も、それ以外の受け答えの際も、明るく大きな声で、笑顔で話すことを心がけましょう。
【自己PR:前向き編】前向きさの自己PR例を紹介!
ここからは、実際に前向きさについて自己PRをする際の例文をご紹介いたします。
今回は「常に明るい前向きさ」というテーマを自己PRにしたときの例文と、「失敗にめげない前向きさ」をテーマにしたときの例文の2つです。
上記でご説明した、前向きな自己PRをする際のポイントや注意点についてしっかりとふまえ、それぞれ作成した例文になります。
前向きな自己PRを考える際は、それらのポイントをしっかりと取り入れて、以下の例文もぜひご参考にしてみてください。
「常に明るい」前向きさの場合
大学の部活動における最後の大会では、試合の途中から負けそうになり、チーム全体がどんよりとした悲しい雰囲気に包まれたことがありました。
私も今まで練習してきた日々が頭に浮かび、負けそうな悔しさや緊張が込み上げてきました。
しかし、私はあえてチームメイトに声をかけ、笑顔で乗り切ろうと声をかけるようにしたのです。
すると、周囲も次第に笑顔になり、士気が戻って全力を尽くせました。
結果としては負けてしまいましたが、そのとき部員にかけた一言は、チームが笑顔で全力を出せるようになるための、大事な一言だったと思っています。
私はこの経験で感じた、逆境でも前向きに常に明るい気持ちで臨むことの大切さを忘れず、入社後も自分や周囲に明るい言葉をかけながら、仕事に熱心に取り組みたいです。
「失敗にめげない」前向きさの場合
高校生のときから続けているアルバイトで、一度自身のケアレスミスから店長に迷惑をかけしてしまったことがありました。
当時は迷惑をかけてしまった罪悪感と、自分への嫌悪感で落ち込んでしまいそうになりました。
しかしそれ以上に、同じ失敗を繰り返したくないという思いが強くあったのです。
そのため、自身がなぜミスを起こしたのかをよく考え、今後どう対処するべきかを常に意識し、前向きに考えて行動に移しました。
その結果、バイトリーダーを任命されるほど、店長の信頼を得られました。
私は今後も、たとえ失敗することがあったとしても、この経験を忘れずにしっかりと理由を分析して、前向きに対処することを心がけていきます。
【自己PR:前向き編】言い換えで差別化をしよう
自分がより魅力的な人材であることをアピールするには、自己PRをしっかりと差別化することも忘れてはなりません。
おすすめしたいのは、前向きな性格・気質を自分だけの言葉や表現に言い換えることです。
前向きという表現を、ポジティブや明るい、打たれ強さや不屈の精神といった言葉に言い換えてみましょう。
また、適切な表現が思い浮かばない場合は、失敗を成功の種として捉えられるんだというような主張を交えたアピール文を考えてみるのも1つの手です。
明るさやポジティブなイメージを具現化させるために“太陽のような人間である”というようキャッチコピーを添えてもいいでしょう。
前向きな性格や気質は万人受けする反面、他の就活生とも似たような表現・アピールに陥ってしまいがちです。
言い換えで他との差別化が図れると、より印象的な自己PRとなるでしょう。
【自己PR:前向き編】自己PRは見なおしが大事!
自己PRは作成にしっかりと時間をかけることはもちろん、完成した後もしっかりと見なおしておくことが大事です。
提出する前に最低限の誤字・脱字がないかどうかを読み込み、文章全体を読んでどのような印象を受けるかも、客観的に判断する必要があります。
これらのチェックを徹底するには、家族や友人に自己PRを添削してもらうことが効果的です。
読んでいて意味のわかりづらいところはないか、表現やアピールポイントに対する違和感や全体的な感想をきちんと聞いておきましょう。
他者からの客観的な意見を参考にすることで、自己PRの内容はよりブラッシュアップされます。
就活市場エージェントを活用しよう!
前向きで他者との差別化も図れる自己PRが書きたいのなら、就活エージェントをぜひ利用してみてください。
他者からのアドバイスを受ける必要があることは頭ではわかっていても、いざ、自分の書いた自己PRを近しい人にチェックしてもらうことは、どこか気恥ずかしいものです。
とくに親や兄弟といった近しい間柄の人から受けたアドバイスは、参考になるとわかっていても、なかなか素直に反映できないこともあるでしょう。
そんなときは、幾人もの学生の就活をサポートしてきた就活エージェントに頼ってみてください。
あなた自身も気付いていない強みや、より的確な表現を教えてもらえることで、自己PRの完成度はいっきに高まります。
どの就活エージェントがいいかわからないという人は、手軽に登録できて専任担当者がつく就活市場エージェントがおすすめです。
おわりに
今回は就職活動における自己PRにおいて「前向きさ」や「明るさ」をテーマにしたときのメリットや、上手に伝えるポイント、注意点などについて、例文を含めてご紹介いたしました。
ご自身の前向きな性格を活かして自己PRにしたい場合は、企業側にどれだけその魅力を伝えられるかだけでなく、企業側のメリットも考えることが重要です。
具体的なエピソードを交えて説明し、自分の強みは何か、入社後どのように活躍してその強みを活かしていきたいのかをよく考え、うまく伝えられるようにしましょう。