「私たちdipは夢とアイデアと情熱で社会を改善する存在となる」という企業理念のもと、人材サービス事業にくわえて、DX事業を展開しているディップ株式会社(以下、ディップ)。求人情報サービス「バイトル」などを運営しており、社名を耳にしたこともある人も多いのではないでしょうか。
同社には、「マッハインターン」「リモートインターン」などの人気インターン企画を数多く生み出している「次世代事業統括部」という部署があります。なぜ、人事部ではなく新規事業部門が人事業務を行なっているのでしょうか。 今回は、同社の中でも異色を放つ「次世代事業統括部」の進藤圭氏と小林宥太氏にインタビューを実施。ディップのインターンにおける狙いや、次世代事業統括部でのキャリアステップの実例などをお伺いすることができました。
進藤 圭(しんとう けい)氏
ディップ株式会社 執行役員 商品開発本部 次世代事業準備室 室長
早稲田大学を卒業後、ディップに新卒入社。営業職、ディレクター職を経て、看護師人材紹介「ナースではたらこ」の事業立ち上げを経験。3年で15億円の売上にまで成長させる。
その後は、新規事業開発を行う「次世代事業準備室」にて40以上のサービス企画に携わる。AIアクセラレーターやDigital labor force「コボット」シリーズを提供するDX事業の成長にも貢献。
その他執筆活動も行っており、『いちばんやさしいRPAの教本』『いちばんやさしいDXの教本』(インプレス刊)などを出版。
次世代事業統括部は「小さなスタートアップの会社」
Q:次世代事業統括部はどういった組織なのでしょうか?
進藤:次世代事業統括部は、新しいサービスや仕組みを考える部署です。企画やマーケター、エンジニア、人事などさまざまな職種の人で成り立っている組織です。一言でいうと「小さなスタートアップの会社」ですね。
会社を横断的に見ていく部署なので、大企業とスタートアップのいいところを両取りできるような環境と言えるのではないでしょうか。新卒の方も、企画職やデータサイエンティストとして活躍しています。
新卒1・2年目で事業や部門の責任者にもなれる環境
Q:新卒社員は入社後どのような業務を行うのでしょうか?
進藤:入社直後は、既存事業の企画やデータサイエンス、マーケティング業務などを担当してもらうことになります。特に、オウンドメディアのSEOやマーケティング周りをやってもらうケースが多いです。デザインや開発などどんな職種にかかわらず、マーケティング周りの知識は必須だと考えているので、初めはマーケティングに関わってもらうことが多いですね。
また、入社してすぐに活躍する新卒社員も多いです。例えば、小林は入社後すぐに人事として成果を出しています。小林がWantedlyの運用を本格化してくれたことで、Wantedlyの会社ランキングで1位を獲得しました。今も、次世代事業統括部の唯一の人事として活躍してくれています。
小林宥太氏
インターンを経て、2018年4月にディップ株式会社に新卒入社。次世代事業統括部にて人事をはじめ様々な業務に従事する。学生時代には、就活BARの立ち上げに関わりつつ、並行して個人でのイベントの運営やライターとして活動。
Twitterでは「Wantedlyお兄ちゃん」として情報発信をしており、フォロワー数は1.6万人を超える。
進藤:ほかにも、新卒2年目で新規事業ディレクターをやっている者や、自分のプロダクトを持ち始める人もいます。
Q:入社後に異動はあるのでしょうか?
進藤:もちろん、入社後の異動はあります。実際に、次世代事業統括部から「バイトル」の企画に行ったりする子もいますね。バイトルのサービスを作っていくといった業務を行っています。
スタートアップのような立ち上げフェーズの業務から、バイトルのような大規模なサービスの運営まで、さまざまな業務が体験できるのは良い経験だと思います。
求めている学生像は「変態」
Q:求めている学生像はありますか?
進藤:一言でいうと「変態」です(笑)。変態とはいっても、ただ単に変な人ではなく「周りと違う人」がいいなと思っています。理由としては、孤独な環境でもイキイキと活動できるからです。
次世代事業統括部は、会社の中でも新しいことをしていく部署です。新しい仕組みやモノを作っている時、はじめは孤独な状況です。時には、周りからとやかく言われることもあるでしょう。
でも、「変態」はそんな環境でも周りを気にせずに熱中できる人だと思っています。例として挙げるなら”オタク”がわかりやすいですね。周りから浮いていたり、何を言われたりしても、自分の好きなことに熱中する。そんな人が次世代事業統括部にマッチしていると思いますし、入社して欲しいなと思っています。
Q:判断材料としては、変わった経歴の有無などを見ているのでしょうか?
進藤:いえ。経歴は全く見ていないです。その代わり「どういう思考で行動してきたか」を注視しています。
誰かに言われてやった経験しかない人よりは、自分で考えて実際に動いた経験のある人を採用しています。
Q:毎年何人くらい採用していますか?
進藤:次世代事業統括部では、毎年5名前後の新卒が入社してくれています。 採用の流入経路はほぼWantedlyの年もよくあります。インターンで活躍してくれた子が入社してくれるケースも多く、インターンが採用にとって欠かせない企画になっています。
Q:学生は「バイトルの会社」と思ってきているのでしょうか?
進藤:いえ、どちらかというと、「スタートアップだと思ってきてみたら、大きい会社でびっくりした」といった人が多いですね。
そもそも、次世代事業統括部に興味を持ってくれるような学生は、バイトルをタッチポイントとしている学生とは属性が違うのだと思います。ごちゃごちゃしたスタートアップのような環境で自己成長したいような人が多くきてくれています。
採用の難しいデータサイエンティストもインターン経由で採用成功
Q:インターンが採用に欠かせないとおっしゃていましたが、インターン企画はどのようなことをされていますか?
進藤:職種ごとにさまざまなインターン企画を行なっています。直近で開催したモノだと、エンジニアインターン、営業インターン、データサイエンティストインターン。その年に採用を注力している職種のインターンを企画しています。
座学を行い、成績優秀者は実務のインターンを経験してもらうといった形式をとっています。
Q:インターンの申し込み数などはどのくらいなのでしょうか?
進藤:直近で行なったデータサイエンティストのインターンだと2,000人ほど応募がありました。 データサイエンティストという職種は、各社採用に苦戦している職種です。しかし、弊社ではたくさんの応募者の方が応募してくれています。その理由として、バイトルなどの「求人情報」というビッグデータを扱えることが挙げられると思っています。
求人データは面白いものでして、原稿や使用した画像、応募の有無だけでなく、地図の座標データや職種ごとの需要供給も見ることができます。触れるデータ量が豊富であることが、データサイエンティストの応募が多い理由だと感じています。
インターンは「無料の学校」
Q:インターンは採用目的で行われているのでしょうか?
進藤:いえ。インターンはあくまでも「戦力」として考えています。なので、インターン後は弊社に入社しなくてもいいと思っています。
採用を意識しないというと勿体無いと感じるかもしれません。しかし、弊社の「バイトル」は学生がいるからこそ成り立っているサービスです。学生に対して還元する意味合いでも「無料の学校」としてインターンを行ってもいいと思っているんです。
ちなみに、インターンを経験してくれた学生は、大手などいいところに就職している人も多いですね。Yahoo!やアクセンチュア、NRIなど大手企業で活躍しているようです。もちろん、弊社に入社してくれる方も、入社直後から活躍してくれています。
Q:インターン企画を行うにあたって、紆余曲折はあったのでしょうか?
進藤:もちろんありました。2010年くらいはナビ媒体で一般的な求人を出していましたが、知名度も低かったため、なかなか応募がありませんでした。
そこで、2014年ごろからインターン企画を始めた結果、募集が増えるようになりました。企画・マーケティングなど、職種で興味を持ってもらえる工夫をした結果、応募者が急増しましたね。
現場が作るインターンこそ価値がある
Q:インターン企画はどうやって作り上げているのでしょうか?
進藤:主に現場がメインで企画をしています。採用業務の専属担当は小林だけでして、あとは現場を巻き込んで企画・実行をしています。
その理由として、「現場でない人が考えるインターンは、現実とかけ離れている」と考えているからです。業務を体験したことがない人だと、企画にもリアリティがないものが多くなってしまうと感じています。
現場で働いている人たちの方が、リアルで学生のためになるインターン企画ができると考えているので、現場主導でインターンを行っています。
採用で重要視していることは「ありのままを伝える」
Q:採用において工夫していることを教えてください。
小林:背伸びせず、ありのままを伝えることを重要視しています。飾った記事で興味を持ってもらっても、結果的にミスマッチに繋がってしまうと考えています。弊社のありのままを知ってもらった上で入社してもらいたいと思っています。
また、ありのままを伝えるために、インターン生や社員のインタビュー記事には力をいれています。弊社を選んだ理由や、業務の難しさ・やりがいなどを赤裸々に語ってもらっているので、学生さんの参考になる記事になるよう心がけています。
<参考> 次世代事業統括部で働く人を紹介するメディア Jisedai
Q:今後やっていきたい採用企画などはありますか?
小林:正直、真新しい企画はこれ以上ないと思っています。インターンで職業体験をしてもらって、仕事について学んでもらう。この仕組みは変わらないと思います。
今後行うインターン企画としては、「Webディレクター講座」「データサイエンティスト養成講座」など、職種ごとのインターンを充実させていく予定です。
<参考>
Webディレクター講座
データサイエンティスト養成講座
ギャップが生まれないように、実務を経験できるのは学生にとってもありがたいですよね。 これからも、ディップさんの学生に寄り添った採用活動を期待しています。本日はありがとうございました。
企業情報
会社名 | ディップ株式会社 |
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本社 | 東京都港区六本木3-2-1 六本木グランドタワー31F |
アクセス | 東京メトロ南北線「六本木一丁目」駅直結 |
設立 | 1997年3月 |
代表取締役 | 冨田 英揮 |
資本金 | 1,085百万円 |
事業内容 | 人材サービス事業 DX事業 |
従業員数 | 2,173名 |
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート