はじめに
「調整力には自信があるので、重点的にアピールしたい!」 「どのように自己PRを考えればよいのか知りたい!」 「自分の得意なことを効果的に伝える方法はある?」 このように、自分の自信があるポイントを効果的にアピールしたいという人は多いのではないでしょうか。
この記事では、どのように文章を組み立てれば伝わりやすい自己PR文が作れるのかを紹介しています。例文も載せているため、参考にしながら自己PRを考えていきましょう。
注意点やエピソードの考え方、企業がどのような点を見ているのかを理解することで、伝えたいことがすっきりと伝わる自己PRができるようになります。
あなたの強みがしっかりと伝わる自己PRを考えていきましょう。
自己PRで企業が知りたいことは?
なぜこんなに多くの企業が就活生に自己PRを求めているのでしょうか。それは、企業側があなたがどんな人間でどんな強みを持っているか知りたいからです。
就活生側も自分が受ける企業のことは研究に研究を重ねているはずですが、相手を知りたいのは企業側とて変わりません。
企業としては自社にプラスになる人材を獲得しなければならず、あなたが有益な人材かどうか確かめているのです。そう考えれば、自己PRに何を書けば良いのか自然と分かってくるでしょう。
あなたの強み
あなたにはどのような長所やスキルを持っているのでしょうか。そして、自社で働くならばその強みをどのように発揮して活躍してくれるのか、ということを企業側が知りたいと考えています。
企業が新卒の学生を採用するだけでそれなりのコストがかかっていますし、採用後も1人前にするには時間がかかることを考えると当然のことでしょう。
自社に採用時のコスト以上のものをもたらしてくれると予想される人材でないと採用できないのです。ですから、就活生側も企業にとって有益だと思われる強みをアピールする必要があります。
いくら素晴らしいスキルをお持ちでもその企業で活かせなければアピールしても意味がないし、長所に関しても働くという目線で考えなければなりません。
強みの根拠となるエピソード
いくら素晴らしいスキルや長所を自己PRで披露したところで、採用担当者に信用してもらえなければ意味がありません。
ただ「私には調整力があります」と相手に伝えただけでは、本当にあなたに調整力が備わっているのかどうか判断がつかないのです。採用担当者を納得させるには、あなたの調整力を示す具体的な証拠も同時に示さなければなりません。
あなたには本当に調整力があるのだと客観的に分かるようなエピソードも同時に紹介してその根拠を伝えてください。具体的かつ客観的なエピソードがあれば、採用担当者もあなたの調整力を信用してくれるはずです。
自己PRで強みを述べたらそれを裏付けるエピソードも添えることを決して忘れないようにしましょう
入社後強みをどう活かすか
ご自分の強みを採用担当者に伝えたら、今度はそれをどうやってその企業で活かすつもりなのかも伝えなければいけません。
いくら立派な強みがあっても、それが自社で発揮されないもしくは発揮する場がないのであれば、企業としては採用する意味がありません。企業側は再現性のある強みを求めているということです。
実際に働く前から自分の強みをどう業務で活かすのか考えるのは難しいかもしれませんが、これまでの経験で何かに成功したエピソードはありませんでしたか。サークルやバイトの経験でも企業からは歓迎されるはずなのでよく思い出してみてください。
そして具体的なエピソードを思い出したら、その時の経験を活かすにはどうしたら良いのか考えてみましょう。
自己PRを作る際の流れ
自分の経験からアピールできる強みを見つけることが重要です。自分のアピールポイントを知り、企業研究することで自分の活かし方や適性をアピールできます。
いかに自分のこれまでの経験が志望する企業で力を発揮し、貢献できるかを具体的に伝えましょう。転職活動中の場合は、これまでの業務で培った経験が志望する企業とマッチしていることをアピールしましょう。
そのようなキャリアの棚卸しは、職務経歴書や履歴書を通じて確かなスキルとしてアピールできます。
そもそも調整力とは
ビジネスでは「調整力」が欠かせません。何故なら仕事は年齢や立場、意見の異なる人同士が集まり計画や目的に向かって一丸となって行動するからです。
社内外を問わず、人の間に立って互いの意見をまとめ、コミュニケーションのバランスを取らないと何も進みません。意見の対立による人間関係の亀裂は、業務の進み具合だけではなく、思わぬトラブルに発展することもあります。
そのため円滑に業務を進める力はスキルとしても高く評価されるので、自身の強みとあわせて探してみましょう。ここからはそもそも調整力とは何か、就活でどう使えるのかを解説していきます。
企業は調整力を求めている
調整力とはチームで1つの方向へ向かうために人間関係や意見をまとめる力です。企業は誰か1人の力で成り立っているわけではなく、さまざまな人や会社が関わり協力し合っています。その中で良好な人間関係を築くためにコミュニケーション能力やマネジメント力は欠かせません。
目的のためにチームで動きつつ、立場が異なる内外の人とも連携を取り業務に取り組むため、まとめる力がないと、収拾がつかなくなります。
人が多く集まると力が増える分、どうしても意見の衝突や予期せぬトラブルが起こってしまうため、細やかな調整をしていかなければなりません。
相手の心情をはかり、全員が目的のためにスムーズな行動ができるように配慮することが大切です。そのため、企業は目標を達成するための調整力を高く評価します。スキルとしても重要視されるので、自身の調整力を見つけていきましょう。
調整力が特に評価されやすい仕事
調整力は、仕事で関わる社内外の人たちとの関係性を円滑にするために必要なものです。プロジェクトの意見を取りまとめて全体を調整するといった、組織の中心に立って周囲を結び付ける場面などで評価されやすいでしょう。
「調整力がある」ことが企業に与える6つの印象
調整力とは、1つの集団を同じ目的に向かわせるためにメンバーの意見や人間関係をまとめる力です。単にメンバー同士が仲良くなるだけでなく、目的を達成するために協力し合えるようにできなければ調整力とは言えません。
企業で働くのであれば必ずチーム単位で仕事をすることになり、そのメンバーたちをまとめていく人がどうしても必要になります。ですから、調整力で企業にとって与える印象は、業務を遂行するうえではとても貴重なものということになるでしょう。
1:コミュニケーション能力がある
調整力があるということは、コミュニケーション能力も備えているという印象を企業に与えます。
チームを調整するということは、メンバーの予定を管理することも含まれますが、管理されることを好む人はあまりいません。人を管理するには、その人との関係ができていないと難しいはずです。
コミュニケーションが不足している状態でメンバーを管理しようとしても反発が起こるだけでしょう。ですから、コミュニケーション能力が高くないと、そもそも調整力を発揮することは不可能なのです。
それぞれのメンバーと信頼関係を築けているからこその調整力といっても良いでしょう。調整力があるということは、メンバーと適切なコミュニケーションが取れている証でもあるのです。
2:人脈形成力や情報収集力がある
人脈形成力とは人とのつながりを形成する能力で、味方や仲間を増やして結び付きを強くできます。部署や職種を越えて関係各所に広くつながりを持てることは、企業にとってプラスになります。
難しい交渉でも、お互いの情報を共有することで考えが一致する場合もあるでしょう。そのような企業の窓口になれる人材は視野が広いため、多くの場面で調整力を発揮して企業に貢献できる魅力があります。
3:計画性がある
採用担当者から見ると、調整力があるということは計画性がある人物だという印象を持つでしょう。たとえば、何かしらの目標を達成する期限を決めたら、そこから逆算して予定を立てていかなければならないのです。
しかも、自分だけでなくメンバー全員の予定を把握していなければ、チーム全体の予定を立てることはできません。計画性がなければチームを調整することは不可能なのです。特に就職してからは学生時代よりも物事を計画通りに進めていかなければなりません。
自社内だけではなく、顧客や関連企業とも密に連絡を取り合ってお互いの計画を調整していかなければならないのです。そういう時でもなんとか乗り越えていける能力があなたにはあるという印象を持つでしょう。
4:目標達成に向けてまっすぐ進むことができる
企業にとっての目標達成とは、顧客に良い商品やサービスを提供して自社の業績アップや技術向上を図ることです。目標達成のために出された多くの意見を取りまとめて、企業の方針に合わせて調整できると評価のポイントになるでしょう。
5:臨機応変な対応ができる
チームのメンバーが増えれば増えるほどイレギュラーな出来事が多くなります。メンバーのうち1人でも予定が変更になれば、全員の予定が崩れるということも考えられるのです。そんな時、調整力があれば臨機応変に対応できるという印象を、企業はあなたに対して持つでしょう。
いつでも臨機応変な対応ができるのは社会人としてとても重要なことです。ビジネスでは何があっても遂行しなければならない予定がどうしても出てきますが、うまく進むことばかりではありません。
ここで臨機応変な対応ができなければ顧客からの信頼を失ってしまいますし、チーム内で信頼関係にもヒビが入るおそれがあります。臨機応変な対応で信頼関係を保つことを企業はあなたに期待するでしょう。
6:ニーズを理解して落とし所を見つけることができる
ニーズとは、顧客の需要や欲求を意味する英単語で、企業はそれを満たす商品やサービスを提供しています。ニーズは顧客だけではなく関係各所にも求められ、そのような潜在的なニーズを理解して行動できると評価のポイントになります。
お互いの事情を理解し、利害関係を一致させることで全員が納得できる落とし所を見つけられるでしょう。
自己PRのために押さえておきたい文章構成
採用担当者にあなたの調整力を自己PRでアピールするためには、その構成に注意する必要があります。中でも肝に銘じなければならないのは、結論(=あなたの強み)を最初に提示しなければならないということです。
最後まで読み進めないと結論が伝わらない自己PRはアピール力に欠け、大量の自己PRに目を通さなければならない採用担当者に最後まで読んでもらえないおそれさえあります。最初の1文で採用担当者を引き付けるような構成を目指しましょう。
1:まずは結論(あなたの強み)
ビジネス文書では、相手に1番伝えなければならない結論から書き始めるのが鉄則です。お互いに短い時間で必要な情報をやりとりする必要があるため、一読して内容が分かるような構成でなければなりません。
そのため、自己PRにも余計な前置きなどは書かずに1行目からご自分に調整力があることをアピールしましょう。結論ありきの構成であればとても読みやすい自己PRになり、採用担当者からの評価も高くなると考えられます。
逆に結論から始まっていないと、基本的な文書作成ができていないと評価されてしまうおそれもあるのです。文章を書く時、1行目が中々書けないと悩んでいる人もいらっしゃいますが、ご自分の強みの紹介から書き始めると書きやすいのではないでしょうか。
2:強みの根拠
結論の次にその根拠を書きます。いくら結論で調整力があると述べても、それが本当のことなのかどうか採用担当者には判断が付きません。なぜご自身に調整力があると言えるのか、具体的かつ客観的なエピソードで裏付けする必要があるのです。
実際にあなたが調整力を発揮して、グループをまとめた経験があれば自己PRでもそのことについて紹介してください。もしそのようなエピソードが思い付かないようであれば、自己分析が足りていないのかもしれません。
また自分では気が付いていないだけのエピソードがあるかもしれないので、友人などに相談してみても良いでしょう。他人からの評価があればより客観的なエピソードとなり、自己PRで披露すればとても好印象です。
3:入社後の強みの活かし方
結論であるあなたの強み、そしてそれを裏付ける根拠の次は、将来の展望、すなわち入社後にどのようにあなたの強みを活かしていくのかを説明しましょう。
学生時代にどんなに貴重な体験をしていようとも、それが社会人生活に活かされないのであれば、自己PRの内容にはふさわしくありません。企業は再現性のある強みを求めているので、自分の強みをどう活かすかまでアピールしなければならないのです。
ご自分の強みである調整力は入社後はどういった場面で役立つのか考えてみてください。そのためには、業界研究や企業研究を念入りに行って業務内容を熟知しておく必要があるでしょう。就活は内定を貰って終わりではなく、就職した後のことも考えて行動しなければなりません。
4:最後にもう一度結論
自己PRの最後にもう1度結論を書きます。採用担当者に対して自分の強みをもう1度アピールすると考えれば良いでしょう。
スペースに限りがあるため、自己PRといえど、たくさんのことを書くわけにはいきません。だからこそたくさんの情報を書き込んでアピールすべきなのでは?と思われる人もいるかもしれませんが、情報量が多すぎても1つ1つが目立たなくなってしまいます。
採用担当者にあなたを印象付けるためには、情報過多になるのはおすすめできません。また、結論から始まり結論で終わるのはビジネス文書の鉄則でもあるので、余計なことは書き足さずに結論だけ書きましょう。
短い文章で自分の強みをどれだけ伝えられるかということも選考基準の1つなのです。
自己PRで調整力をアピールする際のポイント
まずは企業がどういう人材を求めているのかよく調べ、人物像に合った自身の強みをあげていきましょう。そこから調整力に必須のコミュニケーション能力や、リーダーシップに関する自身のエピソードをまとめます。
どういう状況で問題が発生し、どのような行動と結果が出たのか話の流れを作ると相手に伝わりやすいです。また、調整力は志望動機や自己PRにもつながります。
周囲の人からどう評価されたか、調整力を仕事でどのように活かせるのかをアピールできるかが重要です。ここからは自己PRで調整力をアピールする際、効果的な伝え方を紹介します。
調整力を発揮した場面を明確に説明する
面接では、どんな場面で誰をどのように調整したのか、具体的な状況を伝えましょう。対人関係スキルや仲裁役、マネジメント力がどの程度あるのかをくわしく説明できるからです。
学校生活やアルバイト、習いごとでの出来事などどんな場面でも構いません。意見が対立したため仲裁役となり連携を保った、グループのまとめ役として自身が計画を立てて実行し、無事に完了したといった成功エピソードをあげていきます。
思い当たらない時は自己分析をしていくことで、過去に調整力を発揮していたことに気付いたり、新たな発見をしたりすることがあるのでぜひ実行してみてください。
そしてエピソードは5W1H(いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように)を意識して状況から結果までをまとめていきましょう。自身の調整力をうまく伝えることが可能なうえ、面接官もイメージしやすくなります。
具体的な行動と結果を示す
調整力について答える際、これまで起こった問題に対して、どのような行動をし、その結果どうなったのかも伝えましょう。
たとえば学校の授業で組んだチーム内に意見の対立が生じたとします。自身が主となり全員の意見をまとめ上げて計画を進める中で、こまめなコミュニケーションをはかった結果、連携がうまくいき、予定よりスムーズに終わったという話は調整力が高いと判断されやすいです。
さらに努力したこと、計画した内容、特に注意して行動したことなど、自分の考えを加えることで問題改善に対する向上心が強いと好印象をもたれます。このように、具体的に実際のエピソードをあげて説明すると伝わりやすいです。
説得力も生まれるので、今後の活躍に期待ができる人材だということをアピールし、スキルとしても評価されるようエピソードを細かくまとめましょう。
仕事でどのように活かせるかを伝える
これまで培ってきた調整力を、仕事にどう活かせるのかを伝えることはとても重要です。いくら素晴らしい能力があっても、企業に勤めるうえで活かすことができないと伝わってしまうと、求める人物像に合わないと見なされてしまいます。
そうなることを防ぐため、面接を受けている企業に合うような強みを意識し、企業研究は入念に行いましょう。自身の調整力を業務内容にどう活かせるのか、経営理念にマッチしているのか、今後の事業に対して活かしていきたい、という風に考えるとまとめやすいです。
また、調整力について自己PRに組み込んで、どう活かせるのか話すのも印象に残りやすくなります。企業に対する自身の意識・熱意・活躍する姿をどのようにイメージしているかを強くアピールし、面接官側に入社後の姿をイメージしてもらいましょう。
自己PRで調整力をアピールする際の注意点
調整力があるということは、優れたコミュニケーション能力を持ち、計画的に物事を進めながらも臨機応変な対応ができるということです。
しかし、長所と短所は表裏一体ということもあり、誤解されてしまう可能性があることも覚えておいてください。
せっかくあなたの強みをアピールしたのにうまく伝わらず、伝えたかったこととは異なった見方をされてしまうことが実際にあるのです。どういった誤解が生まれる可能性があるのか以下にまとめました。
自分の意見がないと思われないようにする
調整力とは、グループのメンバーの意見を聞いてまとめる力です。時には自分の意見よりもメンバーの意見を尊重しなければならないこともあるでしょう。
それを、あなたが自分の意見がないために周囲の意見をまとめているだけだと思われてしまうおそれがあるので、そうならないようにしなければなりません。
そもそも調整力とは、メンバーのスケジュールを調整することや意見のすり合わせをするスキルのことだけではありません。
メンバー間で対立があった時に間に入って仲裁するなど、グループのバランスを保つ役割を果たせて初めて調整力があると言えるのです。
自分の意見がないわけではなく、グループをまとめるためにあえて意見を聞く側に回っていることを理解してもらいましょう。
八方美人だと思われないようにする
グループをまとめるにはメンバーのさまざまな意見を聞き、そのうえで中立の立場にいなければなりません。そのためには対立しているメンバーそれぞれの言い分を聞かなくてはならないのです。
それを、誰にでも良い顔をしているだけの八方美人なのではないかと誤解する人もいるので、気を付けておいたほうが良いでしょう。
八方美人は誰にでも良い顔をしますが、調整力がある人は誰にでも良い顔をしているわけではありません。グループのバランスを保つためにはあえて厳しい意見を言うこともあります。
それでも反発されずにグループをまとめられるのが調整力です。八方美人ではグループをまとめることなどできないということを分かってもらえるようにしましょう。
その場しのぎの印象を与えないようにする
調整力があるということは「その場しのぎである」という印象を与えてしまうこともあります。たとえばチームで円満な活動を行うため、余計な対立を起こさないように主張を控えめにしていたという場合、問題解決に向けて行動したという印象はもたれません。
「他者に任せてその場しのぎで過ごしたのではないか」「自己主張が弱いのではないか」とマイナスなイメージをもたれるおそれがあります。自身が主体となって行動した経験や、自己主張したエピソードを前面に伝えましょう。
たとえば部活やクラス内で新たなルールを設ける際に意見をあげた、備品管理が適切ではないため一覧表を作成したなど、問題解決に向けて行動したというのは主体性があると受け取られます。
その場だけでなく問題の根本から解決できているかを確認して、面接官に真摯に伝えることを意識しましょう。
ほかの受け答えとの矛盾がないようにする
調整力があることをアピールする際に、ほかの受け答えの内容と矛盾があると、面接官に「嘘をついている」または「誠実でない」といった印象を与えてしまうため注意が必要です。
面接では志望動機や自己PRのほかに、これまで努力してきたことなど、面接者の内面をより知るための質問が出てきます。
その中で企業が求める人物像に合わせようと無理な話をしたり、辻褄が合わない話をしたりしてしまうのはやめましょう。緊張から誤った発言をしてしまうこともあると思いますが、相手が不信感を抱くきっかけとなります。
誤解を招かないよう、本来の自分を十分に分析し、志望動機や自己PRをよく掘り下げましょう。もし間違ってしまってもすぐに謝り、発言の訂正をして、冷静に返せば問題ありません。面接ではリラックスして答えられるよう、積極的に予行練習などもしておきましょう。
「調整力」以外の言い回しで伝えるようにする
調整力は仲裁する、意見のまとめ役として人を結び付ける、などと言い換えできます。調整力を志望する企業に合わせたものに言い換えて表現することで、より具体的な意味になるでしょう。
どのような人材を求めているのか企業研究で明確にして、自分の調整力と共通した部分をアピールしましょう。
ネガティブなエピソードは使わない
調整力に自信があることをネガティブなエピソードを使ってアピールするのはやめましょう。
ネガティブなエピソードは面接官に与える印象も良くありません。話しの終着点がネガティブな結果では、調整力がないことのアピールになってしまいます。
失敗を乗り越え、成功にたどり着いたなど、終着点はポジティブな結果になるようにすれば、あなたの調整力だけでなく問題解決能力もアピールできます。
【就活生向け】調整力をアピールする際の例と例文
ここまでは自己PRで調整力をアピールするにはどうしたら良いか説明してきましたが、実際に自己PRを書くとなると手が止まってしまう人も多いでしょう。
文章を書き慣れていないという人はもちろん、レポートなどで文章を書くのには慣れているという人でも自己PRとなれば話は別です。
謙遜することに慣れてしまっている人も急に自分をアピールせよと言われても難しいかもしれません。そこで、ここでは調整力を発揮したシチュエーション別の例文を紹介します。
サークル・部活
サークル・部活で調整力を発揮してきた人は、メンバーの予定をすり合わせることで苦労してきたのではないでしょうか。
イベントごとが多いので、そのたびに所属しているメンバー全員の予定を合わせる必要があったでしょうが、それは並大抵のことではなかったはずです。
また、部費などの徴収もお金が絡むことにもあり簡単な仕事ではなかったでしょう。それでもそうしたものをしっかりと取り立てられるのは、あなたのスキルの1つですので自信を持ちましょう。
例文
私の長所は調整力に優れていることです。学生時代でこの長所を1番活かせたのは、所属していたスキー部の部長を務めた時です。
毎年恒例の合宿では、部員の予定をすり合わせて日程を決め、交通手段の確保や宿泊先の予約を行っています。全員の予定を確認するのは簡単ではありませんでしたが、「合宿に参加して良かった」という部員の言葉が励みになりました。
1番苦労したのは部費の徴収です。お金が絡むことなので躊躇もありましたが、必ず全部員と部費の使い道について話し合ってから徴収するようにしていたので、特に反発はありませんでした。
貴社に入社できた暁には、この調整力を活かしメンバーの能力を最大限に引き出せるようなチームリーダーになりたいと考えています。
学園祭
学園祭は、チームで目標達成に向かって考え行動しなければ成果が得られないため、スポーツにも似た大変さがあったのではないでしょうか。
チームの意見をまとめて全員が納得する方針を見つける苦労は並大抵ではなかったでしょう。生徒の代表となって行動するには傾聴力も必要で、周囲の人々の潜在的なニーズにも応えられなければなりません。気遣いができて成果も出せる調整力は好印象を与えるでしょう。
例文
私の強みは粘り強さのある調整力です。学園祭で食券を販売していたのですが、私のクラスは売れ行きがあまりよくありませんでした。そこで、ほかのクラスの生徒に意見を聞くと「メニューが少ない」「価格が高い」といった声があったのです。
早速、調理班に今ある材料で新しいメニューを考えるよう指示を出し、容器もほかのクラスで使っているものを譲ってもらうことで色や形にバリエーションを加えました。
さらに放送委員にかけあって、新メニューを始めたことと500円以上のお買い上げでドリンク1杯サービスしていることを校内放送で宣伝してもらいました。その結果、目標の売上を達成して全員で喜びを分かち合えたのを覚えています。
貴社に入社できた暁には、人の意見や発言に耳を傾け、何を求めているのかを読み取って成果を出したいと考えています。
アルバイト経験
アルバイトでは同じ大学以外の人とも関わることになりますし、立場の違う人たちをまとめていくのはとても大変だったはずです。どんなアルバイトでもコミュニケーションが非常に重要です。
社員・フリーター・学生アルバイトなど、さまざまな立場や年代の人が集まるアルバイト経験も調整力をアピールするエピソードの宝庫と言えます。社員とアルバイトの関係を良くしたりなどと、調整力をアピールできるエピソードはたくさんあるでしょう。
例文
私の強みは調整力があることです。私は大学入学時からずっとレストランでアルバイトをしていました。私はそこでバイトリーダーとして、社員とアルバイトの調整役を務め、調整力を身に付けたのです。
社員がバイトに求める働きと給料などの条件が見合っていないということで、社員とアルバイトの間に軋轢が生まれたことがありました。私はバイトリーダーだったので、バイト全員の意見を聞きそれを社員に伝え、社員の思いを聞き出してバイトメンバーに伝えました。
その結果、お互いの気持ちを理解し合うことができたため、とても働きやすい職場になったと感謝されたことを覚えています。貴社に入社したら、店長としてこの調整力を活かし誰もが働きやすい環境を作り出したいと考えています。
ボランティア経験
無償で活動するボランティアを始める動機は、受動的な理由がほとんどではないでしょうか。調整能力を鍛えるためにボランティア活動は有効で、自己調整力のPRにもなります。
ボランティア団体の理念に共感し、目標達成のために自己調整をした粘り強さや活動を続けていく中での気持ちや価値観の変化は重要なアピールポイントです。
ボランティアには実際に経験することでしか得られないエピソードがあるのではないでしょうか。そこで学んだ経験の中から志望する企業に合った強みをアピールしましょう。
例文
私の強みはニーズに合わせる調整力です。私は、学生時代に小学生を対象とした語学ボランティアを経験しました。きっかけは、苦手だった英語を基礎から学ぼうと決意し、教える立場になってみることで意識が強くなるのでは、と思っての行動でした。
教えていたのは初歩の英会話ですが、やってみると思うようにいかず悩みました。ほかのボランティアの人に相談して、自分で絵を描いたカードを作ってみたり、英語で歌える童謡を教えたりするなど工夫しました。
ボランティアを通して人に伝えることや教えることの難しさを学べたことは貴重な経験です。貴社に入社できた暁には実践から学び、目標達成に向けて行動したいと考えています。
長期インターン経験
企業の長期インターンに参加した人はぜひその時の経験から調整力をアピールしましょう。長期インターンは普通のアルバイトよりも社員に近い業務を担当するため、レベルの高い経験を求められます。しかし、そこで得た経験は必ずあなたの強みとなるはずです。
また、長期インターンはまだ大学生の約3%しか経験していないため、ほかの就活生に差をつけられるような珍しいエピソードがあるのではないでしょうか。参加経験がある人はぜひそれをアピールしてください。
例文
私は調整力に自信があります。この私の強みが発揮されたのは、長期インターンに参加した時です。長期インターンではマーケティング業務に携わりさまざまな大学から来た仲間とチームで仕事をしました。
しかし、最初はあまりメンバー間のコミュニケーションがなく、お互いに伝えたはずのことが伝わっていないストレスを感じるようになってしまったのです。
そこで私は、メンバー全員と話をする機会を設けてそれぞれの意見を聞き、全員が集まった時にそれをまとめて伝えました。
その結果、メンバー間のコミュニケーションが生まれ、その結果私たちのチームは業績トップで表彰されるまでに成長しています。入社後はコミュニケーションを軸にチームを成功に導きたいと考えています。
【転職者向け】調整力をアピールする際の例文
志望する企業にマッチした調整力をアピールしましょう。転職を考えている人はこれまでのキャリアが強みであるため、そこで身に付けた調整力と企業が求める人材がマッチしていることが重要です。ここでは、職種別に必要とされる調整力についての例文を紹介していきます。
営業職の場合
私は3年間、OA機器の営業職に従事しました。顧客のニーズに合ったサービスを提供するために、顧客がどのような製品を使っているのかを常にチェックして自社製品の拡大に努めました。
他社製品の研究も怠らず、顧客の目的に合ったサービスの導入を勧める営業を継続的に行った結果、売上向上を達成しています。貴社に入社できた暁には、顧客の潜在的なニーズを感じ取る調整力を活かして貢献したいと考えています。
社内SEの場合
私は5年間、自社ECサイトのSEとして勤務していました。もっとコストを抑えて業務できないか考え、改善できるポイントを細かく分類し、その結果、段階的なコスト削減に成功して残業時間を大幅にカットできました。
貴社に入社してSE担当になれた暁には、業務効率化を徹底する調整力で貢献したいと考えています。
経理の場合
私は3年間、経理としてチームメンバーの管理を担当していました。プロジェクトが決まると日程を計算し、スケジュール管理や関係部署との情報共有ができる環境を手配して、予定通りでも定期的に進捗報告会をしました。
その結果、すべての部署が全体の流れを把握してスムーズに業務を進められ、予定より早くプロジェクトを終わらせられました。貴社に入社できた暁には、関係部署との連携を深めるために調整力を活かして貢献したいと考えています。
マネジメント職の場合
私は8年間、営業部でマネジメントを担当しました。全員が目標達成に向けて同じ姿勢で臨めるように定期的にミーティングの場を設けました。
その結果、足りないものや補えるものを明確にできたことでスムーズに業務が進むようになり、経験した調整力は貴社に入社できた際に業務を円滑に進められるよう貢献できると考えています
転職時に調整力をアピールする際のポイント
先に、自分の調整力にはどのような強みがあるのか結論を言ってから定義付けをしましょう。志望する企業で、自分が貢献できる調整力について始めに伝えることがポイントです。個性的で分かりやすく具体的なアピールになるため、採用担当者にも好印象です。
自己PRでしっかり調整力を証明しよう
調整力は社会人として仕事を進めるうえで大変重要なスキルですが、それを上手にアピールできなければ内定への道も厳しくなってしまうでしょう。
あなたはこれまでの学生生活でいろいろな体験をしてきました。その中にはあなたの調整力を証明するようなエピソードがあるはずです。
事実に裏打ちされた強みは、きっと採用担当者の目に留まることでしょう。ぜひ、この記事を参考にして自己PRを仕上げ、第1志望の企業の内定を獲得してください。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート