面接で良く聞かれる質問の一つが「あなたの短所はなんですか?」です。
長所ならともかくなぜ短所を聞くの?と疑問に思う人も多いですよね。
また、自分の弱点である「短所」を聞かれていったい何を答えるべきか、頭を悩ませている人も少なくないはずです。
今回はそんな皆様に向け、そもそも短所を聞かれる理由から、短所を答える際に必ず意識しておきたいポイントや短所を答える際の例文についてご紹介していきたいと思います。
短所の答え方によってはそれが原因で不合格になる事もあります。
そのため、逆に短所の答えが優れているから内定に繋がるという事だってある重要なポイントになります。
面接で短所を聞かれる理由とは?
そもそも面接ではなぜ「短所」を聞くのでしょうか?もちろんその人の短所を把握したいという事でもあるのですが、それ以上に深い意味があります。
一つは「自分の事を客観的に捉えられているかどうか」です。自分の事を客観的に見れていないと、いかにもありきたりな答えになるか、あるいはしどろもどろの回答になってしまいます。
他にも「論理的な思考力」をチェックしたいという思惑もあります。短所というネガティブな事をいかに捉え、それをいかに説明するのか。そこでは論理的な力が欠かせません。
また短所は何ですか?という質問の答えからは「コミュニケーション能力」であったり「その人の性格」も見えてくるものです。それらを踏まえて最終的には「会社との相性」を見るのが、「短所」を聞かれる理由です。
短所の見つけ方
面接で使える短所は自分なりの性格が表せると良いです。
自分に合った短所はどうやって見つければ良いのでしょうか?
短所の見つけ方をいくつか紹介いたしますので自分に合った方法で短所を考えてみてください。
自己分析をしてみる
まずは自己分析をしてみましょう。
自己分析は自分の性格を知るために用いられる一番オーソドックスな方法といえるでしょう。
一口に自己分析といってもその方法はさまざまです。
以下の記事を参考に自己分析を行ってみてください。
性格を箇条書きしてみる
自己分析を行ったら、結果を参考に自分の性格を書き出してみてください。
最初は「負けず嫌い」や「飽きっぽい」などの簡単なもので十分です。
大雑把に箇条書きをしてみたら、その性格からキーワードやエピソードを考えてみましょう。
「負けず嫌い」を例に挙げると、負けず嫌いが発揮されたエピソードやなぜ負けたくないのかなど深堀が可能です。
「飽きっぽい」にしても、どうして飽きてしまうのか(新しい事に敏感だから)、飽きっぽい性格はどのようなタイミングで出てしまうのかなどを考えることができます。
自分の性格を詳しく知る事で短所を具体的に説明する材料を手に入れることができます。
他己分析
他己分析とは、周りの知人に自分の性格を分析してもらうことを指します。
自己分析では見つからなかった自分の一面が見つかるかもしれません。
また、他己分析は自身の性格を客観的に見られる上に人柄をアピールする際の裏付けにもなります。
人からの視点で自身の長所や短所を見直し、面接でのアピールに活かしてみてはいかがでしょうか?
長所と合わせて考える
なぜ短所を見つける際に長所を考える必要があるのでしょうか?
実は長所と短所は常にセットで考えられるのです。
短所だと思っていた性格を言い換えたら長所になるし、長所も見方によって短所になりえます。
短所単体で考えると難しい上に思いつかないかもしれません。
その場合は長所を先に考えてみると良いです。
長所とセットで短所を考えてみることにより自分の性格分析に正確性が増します。
全く異なる観点から長所と短所を考えだすよりも、二つを同じポイントから派生させて考えると一貫性が生まれるからです。
一貫性は仕事をする上でも重要な資質になります。
信頼される人材になるためには必要不可欠なポイントです。
短所を長所と一緒に考えることで一貫性もアピールしていきましょう。
短所を考える際のポイント
魅力的な人材であることをアピールするためには、短所をどのように答えれば良いのでしょうか。
短所を伝える際の3つのポイントを説明いたします。
このポイントを理解しておけば、不利になることなく自分の持ち味を企業に伝えることができます。
あくまでも業務に差し支えない短所を
まず、社会人としての信頼を欠くような短所、企業に支障をきたすような印象を与える短所は絶対言わないようにしましょう。
たとえば「時間にルーズ」「我慢するのが苦手」「すぐ約束を忘れてしまう」「嘘をつく」など、社会人としての素質が疑われるようなキーワードはNGです。
企業は、自社のために貢献してくれる優秀な人材を採用するために面接をしています。
また、このような短所を言えば採用が不利になることは、皆さんもだいたい想像がつくかと思います。
うっかり言ってしまうと、面接官に「よく自分から平気でそのような短所が言えるなあ。自分では悪くないと思っているのだろうか。」とあきれられてしまう可能性があります。
誰でも短所はあると言っても、短所なら何でも正直に答えて良いわけではありません。
社会人としてのモラルが疑われるようなワードは、絶対口に出さないようにしてください。
ポジティブに聞こえる表現で
面接は、自分の強みをアピールする場所なので、短所もネガティブに聞こえないような表現を使って伝えていきます。
まず、「とても」「本当に」「全然」などの装飾を付けて短所を強調するのはやめましょう。
(とても気が小さい、かなりせっかち、全然集中力がない、すごく人見知り…など)
企業が人材に求めるスキルレベルを大きく下回るような印象を与えてしまいます。
また、自信がなさそうにも聞こえます。
次に「~できない」「~がない」という否定形もネガティブに聞こえるので良くありません。
(協調性がない、主体性がない、じっとできない…など)
短所を言い表すときは、必ず後ろ向きな言葉を使わず、別の表現でポジティブに言い換えましょう。
短所は長所と裏返しになっているので、短所はポジティブなキーワードにひっくり返すことができます。
短所を長所に言い換える方法については後述しますのでご覧ください。
努力で改善できることをアピールする
短所があっても開き直って放置しているのではなく、日ごろから努力して改善していること、工夫して短所をカバーしていることもアピールしましょう。
実際に、どのような努力や工夫をして短所をカバーできているか、具体的なエピソードを添えるのも効果的です。
たとえば「せっかちでケアレスミスが多い」という人は結構いると思いますが、そのまま伝えると、面接官に良い印象を持ってもらえません。
しかし、「私はせっかちでケアレスミスが多かったのですが、用件を一つひとつメモに書いてチェックしながら実行することにより、ケアレスミスなくスピーディに用事がこなせるようになってきました。」と伝えるとどうでしょう。
努力する姿勢や計画性がアピールでき、短所を伝えていてもネガティブな印象が持たれにくくなります。
とにかく、短所を持っていても業務には差し支えないことをアピールし、企業に安心してもらうことが重要なポイントです。
企業のニーズも取り入れる
自分の性格を企業に向けてアピールする際は、企業からの印象が何よりも重要です。
企業の印象に残るためにはまず企業が求める人物像をよく知っておくことが有効であると言えます。
企業の雰囲気やニーズを理解しておくことで企業に響かないアピールをしてしまうことが避けられるのです。
企業調査を改めて行うことで自分の長所・短所が企業のニーズとずれていないか確認してみましょう。
短所の伝え方に注意しよう
短所は伝え方によって長所にもなります。
また、表現方法一つでポジティブにもネガティブにも捉えられるのです。
自分の魅力を最大限伝えるためには先ず言葉の表現・言い回しに注意しましょう。
好印象を与える短所の伝え方
短所を答える際の例文に入る前に、短所を伝える際の3つのポイントについて解説してゆきたいと思います。ポイントを理解しておけば、自分が伝えるべき事柄も見えてくるはずです。
扱いづらそうな短所を避ける
まず重要な事が「扱いづらい」と思われない短所を選ぶ事です。短所として「頑固で自分の意見は絶対に曲げないこと」と言われたら面接官はどう思うでしょうか。「場を乱しそうだし、ウチのチームには欲しくないな…」と考えるはずです。これでは当然ながら面接通過は望めません。頑固さはある種の部分で美徳ではありますが、一般的な採用面接ではおすすめできません。
面接では「一緒に働きたい人材か」「自分の部下に欲しいか」といった視点で見ています。そのため一般的には「柔軟」で「ポジティブ」で「チームワークが得意」なタイプが好まれるものです。そこから大きく外れるような短所は挙げない方が無難です。たとえ本当に「頑固で自分の意見は絶対に曲げないこと」が短所だったとしても、自らのすべてを正確にさらけ出す必要はありません。
短所に対する自分なりの努力をアピール
みなそれぞれ短所があるものですが、それに対する自分なりの対策を取っているかも重要です。例えば「慎重すぎる」という短所を伝えたとして、「慎重すぎていつも無駄に時間がかかってしまいます。ダメだと思っても、ついつい再度チェックして、とにかく時間がかかるんです」と言われたら面接官はどう思うでしょう?「大変ですね…」としか答えようがありませんし、一緒に働きたいとは思えないはずです。
一方で「慎重すぎるところがあるので、物事の重要度を考えるようにしています。本当に重要なポイントについてのみしっかりとチェックするようにしています」と言えば、短所があってもそれを克服しようとする姿勢が伝わってきます。
仕事をしてゆく上で、問題点を見つけ、それを改善してゆくという作業は欠かせません。欠点について語る際、改善力をアピールする絶好のチャンスでもあります。自分なりの対策方法について、ぜひ考えてみてください。
客観的な視点から考えよう
客観的な視点はどのようなタイミングでも重要になってきます。
主観だけでは見えてこない問題点や改善策はないか、もう一度考えてみましょう。
また、知人や家族に相談してみるのもいい方法であると言えます。
根詰まったら実際に自分を客観視できる人の目を借りましょう。
面接で短所を伝える際の注意点
面接で短所を印象よく伝えるにはどうすればよいのでしょうか?
先に説明した短所の伝え方ポイントと併せて、以下の注意点も意識してみてください。
ポイントと注意点を意識して回答を用意することで、企業からの好印象も得られます。
自分の人柄を有効に伝える工夫をしてみましょう。
ネガティブな表現はNG
ネガティブな言い回しを避けて説明するように心がけましょう。
短所自体がネガティブになりがちな話題ですから、意識していなければネガティブな伝え方になってしまいます。
短所である性格やそう思う原因は卑下し過ぎず客観的に事実のみを伝えるようにしてください。
例えば、「○○ができません。」は「できない」の部分が断定的で印象が良くありません。
「○○が得意ではありません。」と少し柔らかい表現で伝えたり、それを改善する努力を自分なりにしていることなどを続けてアピールすると、短所を前向きに捉えている印象を持たれます。
ネガティブな表現になっていないか、他に言い換えができないか、などは自分自身では見つけきれないかもしれません。
そんな時は友人や知人に添削をお願いしてみましょう。
より簡潔で良い表現が見つかるかもしれません。
短所だけ伝えるのはNG
短所だけを事実として伝えるのはよくありません。
短所を伝えるだけでなく、それを改善する努力も合わせて伝えるようにしてください。
また、短所は長所と隣り合わせですので、捉え方や伝え方にも注意が必要です。
短所を回答するときは、短所のみならず付随するアピールもおこなうようにしましょう。
短所だけを伝えると、ネガティブな印象を与えてしまいますので注意してください。
失敗したエピソードは一つでOK
失敗談として短所の回答で用いるエピソードは一つで十分です。
どうしても自分の性格を知ってもらうために、多くのエピソードを伝えようとしてしまいがちですが、エピソードは一つに絞るようにしましょう。
というのも、回答できる時間には限りがあります。
そのため多くのエピソードをまとめて上手に話すことは難しいのです。
エピソードを一つに絞った方が、自分の人柄を詳しく説明できます。
一つのエピソードを掘り下げて話すことで、あなたの性格がより企業に伝わりやすくなります。
捉え方によっては長所にもなる短所を選ぼう
長所と短所は紙一重です。
そのため捉え方や伝え方によっては長所にもなる性格をアピールするように心がけましょう。
どうしようもない短所、改善の余地がないもの、常識的に考えてダメな短所などは避けてください。
また、企業に所属するにあたりあまりにも大
短所は言い換えやすさを意識
短所には絶対的に短所なものと、裏を返せばよい解釈ができるものとに分かれます。例えば「本質的に不真面目でバレなければ不正をしてもかまわないと考えてしまう」というのが短所だったとして、それを好意的に解釈するのは難しそうです。
一方で「慎重すぎる」であったり「諦めが悪い」という短所であれば、それぞれ「ミスが少ない」であったり「粘り強い」といった解釈をする事も出来ます。これが裏を返せばよい解釈ができるポジティブな短所です。
先ほども言いましたが、自分の本当の短所を伝える必要はありません。ポジティブな解釈ができる短所を選ぶようにしてください。
短所を長所に言い換える例
短所と長所は裏返しになっているので、短所は長所に言い換えることができます。
また、長所も短所に言い換えることができるので、面接向けに用意したい短所が見つからないときは、自分の長所を探して以下の一覧を参考に短所に変換し、短所を作ることも可能です。
優柔不断=よく考えてから決断する、内省する力がある
主体性がない=協調性がある、適応力がある
引っ込み思案=慎重、人の話を聞くのが上手
計画性がない=フットワークが軽い、行動力がある
意志が弱い=柔軟性がある、適応力がある
神経質=几帳面、細かいことに気付ける
繊細=感受性に恵まれている、人の痛みがわかる
頑固=意志が強い、ストレス耐性がある
ひねくれている=独創的
心配性=計画性がある
おおざっぱ=おおらか、くよくよしない
のんき=マイペース、楽観的
落ち着きがない=マルチタスク型、好奇心旺盛
短気=時間を大切にする、しゃきしゃきしている、裏表がない
短所の言い換え例文
それでは「短所をポジティブに伝える」という事を意識した例文について見てゆきたいと思います。先ほどご紹介したポイントを意識しながら読んでみてください。
例①:諦めが悪いことがある
私の短所は諦めが悪いことがあるという事です。
小さいころから空を眺めるのが好きで、大学在学中に気象予報士の資格を取ろうと目標を立てました。
しかし文系の私にとってはなかなかの難関で、落ち続けています。
私は未だに諦めきれないため趣味としていつかは取得するつもりでいます。
諦めが悪いおかげか、大学在学中のもう一つの目標であったTOEICで780点を取得するという目標はなんとか達成できました。
現在はゼミで日本映画史を研究していますが、あまりに諦めが悪いと研究が進まなくなることもあるため改善に努めています。
「そもそも目的は何だったのか」を意識する事によって、切り替えも少しは上手くなってきたように感じています。
例②:せっかち
せっかちすぎるのが私の短所だと感じています。
目の前に仕事が溜のがイヤで、バイト先ではついつい焦り気味に仕事をしてしまいます。
仕事が早いと褒められる事もあるのですが、そもそもの指示を勘違いしていたり、焦るあまりにミスをしてしまった事もありました。
この性格を何とか改善しようと、物事の優先順位を意識するようにしています。
「コレはすぐに片付ける仕事」「これは急がなくても良い」と考えてから行動する事で、急ぐべき仕事はよりスピード感をもって取り組める上、ゆっくりで良い仕事は手が空いた時間でこなせるようになりました。
また店長からの指示を聞くというのは「優先順位の高い仕事」と意識するようになって、勘違いはずいぶん減らせたような気がしております。
例③:優柔不断
私の短所は優柔不断な事です。
アレも良いし、これも良いし…と悩んでしまう事が多々あり、友人と食事に行く際などには迷惑をかけてしまいます。
メニュー程度であれば良いのですが、研究テーマを決めることに人よりもちょっと時間がかかってしまったためこのままではマズいと感じております。
優柔不断さを断ち切るため、研究など納期が決まっている物事に対しては納期から逆算して、それまでに決める事にしています。
その結果、研究の遅れはなんとか取り戻す事ができそうです。
メニューなどに関しては悩みに悩みたいので食べログであらかじめメニューをチェックしてからお店に行くようにしています。
楽しい悩みを考え込むのが好きという性格はなかなか治せそうにありません。
例④:心配性
心配性な事が私の短所です。
ミスをしたくないという思いが強く、しっかり確認した事もついついもう一度確認してしまいます。
そのせいでレポートなどの提出期限がギリギリになってしまう事も少なくありません。
もう少しスケジュールに余裕をもって過ごしたいと思ったため、レポートなどに関しては一番大切な事だけをチェックするように意識しています。
しかし時間があるとついついチェックしてしまうので、思い切って早めに提出し、あとは一切見ないようにしています。
提出した後でイロイロと思い返し気になってしまう事もあるのですが、「一番大切な部分はチェックしたから大丈夫」と自分に言い聞かせるようにしています。
例⑤:集中しすぎて周りが見えなくなることがある
私の短所は集中しすぎて周りが見えなくなることがあるということです。
研究室で台風の発生メカニズムについて研究しているのですが、アイデアが思いついた際にはついついそれにのめり込み、教授との打ち合わせを忘れてしまう事もありました。
その都度部屋の電話が鳴るため、電話が鳴っただけで「〇〇さん、教授が読んでますよ」と後輩に言われる始末です。
今は研究室なので笑い話で済んでいますが、仕事では大きなミスにつながるはずです。
そのため最近ではスケジュールの管理だけはしっかりとするように心がけています。
通学時に予定をチェックし、時間が決まっているモノに関してはその都度リマインドすることで教授に呼び出される事は無くなりました。
短所の回答例一覧
短所の一例をまとめました。
自分の短所をどのように言い表せば良いかわからない方は参考にしてみてください。
主体性がない
引っ込み思案
計画性がない
意志が弱い(自分に甘い、流されやすい)
神経質(細かいことが気になる)
繊細(気が弱い)
頑固(強情)
ひねくれている
心配性(くよくよしやすい)
おおざっぱ(無頓着)
のんき
落ち着きがない
短気(せっかち)
まとめ:短所もしっかりと伝えることで面接を乗り切ろう!
面接で短所を聞かれる理由から、答える際のポイント、そして例文と見てきましたが、気になる情報は見つかりましたか?短所という自分にとっての弱点を伝える場ですが、そこからもポジティブな情報は伝えられますし、改善能力をアピールするチャンスでもあります。そのチャンスをしっかりと活かし、面接官に好印象を与えてください。それができれば内定ゲットへグッと引き寄せてくれます。本記事を参考に、自分の短所をしっかりと見直してみてください。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート