二年次編入とは
編入には「4年制大学から別の4年制大学」「短大や専門学校から4年制大学」「同大学内の学部から別学部」など、さまざま種類があります。
パターンによってメリットや注意点、準備すべきことは異なります。
いずれにせよ、早めの準備や対策が不可欠です。
編入に向けて知っておくべき知識について紹介します。
ここでは、大学・短大・専門学校から、大学へ編入するパターンに焦点を当てています。
ただし、転部は想定していないません。
参考にする際はご注意ください。
編入についてきちんと知ろう
まずは、編入する理由や目的などを明確にしておきましょう。
自分の将来的なビジョンをもとに、編入したい大学や制度などについて調べるという流れで進めます。
また、編入するためには受験料や手続き費用も発生します。
編入したいからといって、ただ闇雲に試験を受けるのはおすすめできません。
一般入試などと同様に、受験をするための情報収集は不可欠です。
しっかりと編入について情報収集をしたうえで、具体的な準備にうつりましょう。
なお、編入に関する基礎知識を押さえておきたい人は以下の記事もご参照ください。
大学2年生でも編入は可能
広く認知されていないようですが、2年生で編入するという選択肢もあります。
大学3年生か2年生なのか、自身にとってベストなタイミングがあるかと思います。
いずれにせよ少しでも早く準備や対策を開始するのがかしこい選択だと認識しておきましょう。
志望先の諸条件によっては2年次でも編入可能です。
早い段階で決断したのであれば、「2年次編入」を視野に入れてもよいかもしれません。
時期については、以下でさらに詳しく解説していきます。
編入は大学3年生が一般的
いずれの時期を選択して編入する場合でも、早期からしっかりと準備に取り組んでおくことが大切です。
編入を検討している人は、受験に向けてしっかり単位を取っておきましょう。
取得済みの単位数は、受験資格に影響します。
最初にできる準備としては、今の大学できちんと学ぶことです。
時期については、3年生で編入希望する学生のほうが多いです。
なお、2年制に通っていた場合には、卒業してから1年空けてからの編入となります。
編入可能時期は大学によって異なる
大学の受け入れに対する積極度は、大学ごとに差があります。
また例年募集をおこなっている大学でも、年度によっては、募集人数が少ない、募集をおこなわない場合もあります。
必ず募集要項を見ておきましょう。
当然「募集しない」「そもそもしていない」大学の場合は諦めなくてはなりません。
その場合にどういった選択肢を取るのか、編入の目的を鑑みる必要があります。
このように、編入可能な時期に関しては大学によって異なるので、注意が必要です。
二年次編入試験を受ける条件は?
二年次に編入する資格を持つのはどのような場合でしょうか?
一般的には以下のいずれかに当てはまっていたら大学二年次への編入が可能となります。
自身が大学二年生への編入資格を持つのかまずは確認してみてください。
二年次編入が可能な条件一覧
以下のいずれかに該当すれば、殆どの場合二年次編入が可能となります。
- 大学一年生
- 専門学校二年生(3月卒業見込み)
- 短期大学二年生(3月卒業見込み)
- 高等専門学校5年生(3月卒業見込み)
- 大卒・短大卒・専門卒・高専卒の社会人
大学一年次に編入試験を受けられる
現役大学生に該当する場合、一年次から編入試験にチャレンジすることができます。
専門学生や短大学生などの場合、二年次に編入試験を受けることになります。
しかし、大学生は一年次のうちに受験が可能なのです。
基本的に、募集要項には「大学に一年以上在籍見込み」と記されています。
そのため、大学生は一年次のうちに二年次編入をのぞめるのです。
大学三年次編入試験に挑戦し、合格しても修得単位数の問題から二年次編入とみなされることがあります。
一年生のうちに編入を志すと、無駄のない学生生活を送ることができます。
大学によって募集条件が異なるので要チェック
先に述べた編入試験の受験資格を持つ条件は、あくまで一般的なものであって、すべての大学が同じ条件で受験できるわけではありません。
自身が目指す大学ごとの募集要項をきちんと確認し、自分が受験できるのか確認してみてください。
大学によっては、現役大学生のみを受け入れるところもあれば、専門学生のみを受け付けない場合などもあります。
また、募集要項は年度ごとに変わります。
去年の募集要項を鵜呑みにしすぎないよう注意してください。
二年次編入受験のメリット
2年生での編入受験にはどのようなメリットが考えられるでしょうか。
1年でも早く「2年生として」入学したほうが編入先の大学になじみやすいこともあるでしょう。
また受験や編入試験においてもさまざまメリットが存在します。
志望先や時期など、条件がそろっているのであれば大学2年生での編入がおすすめです。
ここでは、2年次編入受験における4つの利点について紹介します。
迷っている人は、自分にとってのメリットがどれほどあるのかをもとに検討するとよいでしょう。
学歴が変わる
二年次に編入すると、学歴が変わります。
大学に在学し、卒業までできると、当然大学卒業扱いになります。
つまり、例えば専門学生は殆どの場合最終学歴は専門学校卒業になりますが、編入制度を利用することで最終学歴が大学卒業になるのです。
専門学校で学んだ分野の学びを深めたい学生や、別分野で就活を試みたい学生は二年次編入を活用してみるといいです。
リスクが少ない
大学2年生での編入ならではメリットとしては、リスクの少ないことがあげられます。
リスク回避の観点でいうと、主に以下の2点です。
①試験に落ちたとしても、そのまま現状の大学に通える。
②不合格だとしても、次年度に再チャレンジするチャンスがある。
合格するためには、早い段階でしっかり準備することは必要です。
また、それと同時に精神的な余裕も必要です。
リスクの少なさから、2年生の場合はより安定した精神状態で試験に挑めます。
学習分野の早期切り替えが可能
学習分野の切り替えに対応しやすくなるのも、メリットの1つです。
そもそも、3年次よりも2年次のほうが編入先の環境になじみやすいといえます。
それは、学習分野においても同様です。
1年早く新しい大学へ入学して学び始めたほうが、そこでの学習に取り組みやすくなります。
理解を深めることもできるでしょう。
また環境になじんで友人や知人を作ったほうが、大学の学びがスムーズにいくことがあるという点でも、早くなじめる環境は必要です。
併願できる
2年次編入独自のメリットではありませんが、併願できるのも特筆すべき点としてあげられます。
国立や公立など、一般試験においては併願できない大学であっても、編入の場合は日程が重なっていなければ併願も可能です。
諸条件がそろえば、選択肢の幅が広がるのも利点だと考えられるでしょう。
このようなメリットを活かすためにも、志望する大学の募集要項や試験日程等については、できるだけ早く、充分に情報収集をしておきましょう。
受験科目が少ない
受験するうえでのメリットして大きいのは、受験科目が少ない点です。
基本的に編入試験では、一般入試試験よりも試験科目は少なくなっています。
たとえば、通常は5科目のところ、編入の場合は「3科目+面接のみ」といったように、大きな違いがあります。
受験勉強の内容や、費やす時間のことを考えると、かなり魅力的ではないでしょうか。
編入試験ならば、自分の苦手科目が省けるという人の場合は特に大きなメリットとなりえます。
より偏差値の高い大学に挑戦しやすい
編入試験は、一般受験の場合よりもより偏差値の高い大学に挑戦できるメリットがあります。
編入試験は一般試験で受験するよりも受験科目が少なくなります。
編入試験は一般的に、専門科目・英語・小論文・面接で構成されていることが多いです。
小論文と面接は受験日の2か月前からの対策で十分とされます。
そのため編入試験は実質専門科目と英語を抑えればいいのです。
難関大学の一般試験は受験科目が多く、さらに難易度も高いためハードルが高い印象があるでしょう。
編入は一般受援との受験科目の違いから、より高みを目指して受験できるという利点があるのです。
二年次編入の注意点
大学2年生で編入することには、さまざまなメリットがあげられます。
新しい大学の環境になじみやすいことに加えて、特に受験時にはメリットが大きいといえます。
ただしその反面、注意点もあるのできちんと理解しておきましょう。
受験可能な大学の数や、募集人数が年度により異なることが考えられます。
どれだけ準備をしていても、編入試験実施等との条件が合わなければ、自身の希望通りにならない可能性もあるので注意が必要です。
受験可能大学が少ない
大学編入では3年次編入が一般的となります。
そのため、2年次編入の可能な大学が限られるのは事実です。
自分の志望する大学によっては、希望のタイミングで編入ができないことも想定して、そのときにどのような選択をするのか考えておくべきでしょう。
なかには、編入試験を実施していないケースもあるので、注意が必要です。
条件さえそろえば、併願受験ができるなどの魅力がある反面、諸条件によっては選択肢が狭くなる可能性もあります。
募集人数が毎年異なる
3年次編入・2年次編入のどちらも受け入れている大学だとしても、募集人数は毎年同じ人数ではないため、注意が必要です。
また、もともと編入学については、若干名しか募集していない大学も多いことを理解しておきましょう。
年度や大学によっても異なりますが、おおよその募集人数は5人以内、10人以内などと狭き門となっています。
今年度は受け入れをしないなど、募集停止となるケースもあるので志望先の情報は定期的にチェックしておきましょう。
二年次編入の受験スケジュール
編入しようと決めたなら、編入に関わるスケジュールのリサーチを始めましょう。
それに合わせて、受験勉強をはじめとしたさまざまな準備をします。
受験対策に費やせる期間や、時間は限られており、スケジューリングは欠かせません。
実際、入学後すぐに対策を始める人もいます。
そのためにも、志望する大学のHP等で編入に関する情報をしっかり確認しておきましょう。
募集要項の内容と共に、編入試験が実施されるか否かも必ず確認しておきます。
受験の約3ヶ月前に要項が発表される
編入に関する情報としてもっとも重要なのは、募集要項です。
基本的には、試験の2~3ヶ月前に募集要項が発表されます。
募集要項には、以下のような内容が記載されています。
- 募集学科と募集人数
- 入学時期、編入学年次
- 出願資格
- 出願手続きについて
- 選抜方法
- 試験日程
- 合格発表、入学手続きなど
志望する学部や学科で募集があるのか、試験はいつおこなわれるのかが、必須の確認事項です。
また、現状の大学で取るべき単位などが関わってきます。
出願資格についてもしっかり把握しておきましょう。
文系の場合は6~8月に発表される可能性が高い
志望する大学や学部が文系か理系かによって、募集要項の発表時期は異なる大学が多くなっています。
文系の場合、試験日が8~12月に開催されます。
そのため、試験の2~3ヶ月前の「6~8月」に要項を公開するのが一般的です。
大学ごとに試験自体の日程は多少前後します。
募集要項の公開についても大学によって異なります。
志望する大学のHPはこまめに確認しておくのがよいでしょう。
同じ大学でも年度によって試験日が異なるのは注意点としてあげられます。
理系の場合は3~5月に発表される
理系の場合は5~8月に試験日がおこなわれます。
そのため、募集要項の発表も文系より早いのが一般的です。
「3~5月」ごろに公開されると考えておくとよいでしょう。
実施される試験日を考慮すると、編入を希望する場合には早期の対策が必要だとわかります。
早い人の場合、一般入試で手ごたえを感じられなかった時点で、すぐに大学進学後の編入を視野に入れているケースもあるほどです。
文系よりも理系ではさらに試験日が早くなるので、編入という選択肢が浮かんだ時点で対策を開始しましょう。
募集停止に注意
大学によって募集の有無があるのに加えて、年度によって募集されないこともあるので注意が必要です。
なお募集停止となる場合は、その年の5月ごろに発表されるケースが多くなっています。
募集されない状況では当然諦めなくてはなりません。
ほかの大学への編入を考えるのか、3年次の募集を期待して受験勉強を継続するのか、あるいは現状の大学で学び続けるのか、という3つの選択肢があるかと思います。
そもそも編入を志した理由や目的をふまえて、決断するようにしましょう。
二年次編入試験の準備をしよう
一般入試と同様に、編入試験においても試験対策や準備は欠かせません。
むしろ編入試験のほうがタイトスケジュールになりがちです。
そのため、早期の準備が不可欠といえます。
なぜなら現状の大学での単位取得と共に、編入に向けた受験勉強をする必要があるためです。
高校生のときの大学受験とは違い、学校でのサポートもなく、すべて自分で決断して進めていかなくてはならない点でも大きな負荷がかかります。
実際に募集要項が発表されるのは約2ヶ月前であっても、1年前から計画を立てておきたいところです。
準備するために知っておきたい情報としては、以下の3つがあります。
- 前年度の募集要項
- 合格のボーダーライン
- 受験料
それぞれについて、以下で詳しく解説します。
前年度の募集要項を確認する
前年度の募集要項を確認して、受験日程や試験科目などの予測をしておくのが重要です。
年度によって内容が異なるケースもあります。
しかし、大幅な変更があるのはまれなことです。
可能な限り早期の対策が求められます。
まずは前年度の情報をもとに受験準備をスタートさせましょう。
受験日程の時期から逆算して勉強のスケジュールを立てたり、試験科目をふまえて学習したりします。
また、出願資格についてもきちんと目を通しておきましょう。
現状の大学で取得予定の単位と照らし合わせて、そもそも受験資格を得られるのかどうかを確認する必要があります。
ちなみに、編入学後に持ち込める単位数が少ないケースもあるのです。
そういった場合は通常の大学生よりも卒業までの単位取得が大変になることもあります。
その点もあらかじめ理解しておきましょう。
TOEIC、TOEFLの有無も確認
編入を受け入れている大学のなかには、取得している資格が試験の点数として加算されることもあります。
TOEICやTOEFLなど、語学系の資格は強みになるケースも多いです。
試験の合格率を高めるために取得しておくとよいでしょう。
編入学のためという目的が明確なのであれば、ただ闇雲に資格試験を受けるのではなく、志望する大学の募集要項を確認したうえで挑戦する必要があります。
基本は編入試験用の受験勉強がメインです。
そこをしっかり押さえたうえで、資格取得も視野に入れましょう。
合格ラインの目安を知っておく
前年度以前の合格最低ラインを確認しておくことも大切です。
これは編入試験か否かにかかわらず、受験する際には把握しておくべきポイントといえます。
合格のボーダーラインを知れば、まず自分の現状がわかりやすくなるでしょう。
どの科目が合格ラインに達していないのかなどが明確になると、これから何に、どのように取り組んでいくべきかも見えてきます。
現状把握と今後のスケジューリングのためにも、合格ラインの目安を知っておくことが必要なのです。
受験料は約3万円
編入学試験の受験料は、多くの場合で3~3.5万円となっています。
併願が可能なケースもあります。
その場合は受験料もふまえて検討する必要があるでしょう。
お金のことに関していうと、編入時には新たに入学金等がかかります。
普通に4年間で大学卒業するよりも多くの学費が必要です。
さらに大学2年生での編入の場合、1年間分の授業がプラスとなるため、費用負担は大きくなります。
学費の負担という面を考慮すると、やはりまずは編入したい理由や目的を明確にしておくことは欠かせません。
【まとめ】計画的に準備して編入試験に合格しよう
編入には、「4年制大学から別の4年制大学」へ、「短大や専門学校から4年制大学」へ、などさまざまなパターンがあります。
時期についても、3年次編入と2年次編入とがあります。
前者のほうが一般的ではありますが、大学2年生から編入することも可能です。
ただし、2年次編入を受け入れていない大学は多いです。
そもそも編入制度自体取り入れていない大学もあります。
また、年度によって、募集停止される可能性もあるのです。
そのため編入を検討する際はまず、情報収集から始めましょう。
多くの大学では、受験の約3ヶ月前から編入学の募集要項が公開されます。
前年度までの募集要項と共に、合格ラインや受験料なども確認しておきましょう。
志望する大学の情報をもとに、なるべく早いうちから受験の計画を立てておくことが重要です。
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