26卒の学生の中には、大学3年生の段階では「就活はまだ早い」と考えている方もいらっしゃるかもしれません。
ただ昨今では選考が早期化しており、早く準備を始めても損はないでしょう。
選考は、大学3年生の5月にはすでに始まっているからです。
一般社団法人日本経済団体連合会(経団連)は21年春以降に入社する社員についてはそれまで定めていた「3月解禁・6月面接」のルールを廃止し、それに伴いインターンシップと採用を直結させないといったルールもなくなりました。
つまり、早ければ3年生の間に内定を得ることが可能になったのです。
もし内定を確実にもらいたいなら、大学3年生から就活を始めた方がいいでしょう。
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【大学3年生】就活の進め方
スケジュールを見るだけでもやることが多すぎて大変そうだ、という印象を抱いた方も多くいるでしょう。
そのため、ここからは就活の流れを最初から一つひとつ順に見ていきます。
それぞれの項目で重要になってくる事柄を押さえておくことでやるべきことは明確になってくるのです。
インターンシップに参加
就活の第一段階とも呼べるのがインターンシップです。
インターンシップはいうなれば企業に仮就職するようなものです。
これによって企業がやっている仕事や職場の雰囲気を知ることができます。
今となっては恒例行事ともなりつつあるインターンシップですが、実は当たり前になったのはここ最近のことです。
5年ほど前までは就活生の3人に1人程度しか参加していませんでした。
それが今では就活生の80%近くが参加するほどになっています。
それほど実際の企業経営を体験するというのは大切なことといえるでしょう。
インターンシップに参加する学生が増えるのに合わせて、インターンシップを複数こなす学生も増えています。
就活生の平均では4社インターンシップを受けるのが当たり前、多ければ10社近くのインターンシップをこなすという学生もいるのです。
さまざまな企業や業界の内情を理解すれば、社会人になってからアイデアを生み出しやすくなります。
インターンシップのメリットはその他にも、人脈を作ることで社会人になってから営業などで活用できるという面も見逃せません。
あらゆる点でインターンシップに参加することは不可欠となっているのです。
自己分析の実施
インターンシップと並行して行っておきたいのは自己分析です。
自分はどういう能力を持った人間なのか、どういう性格なのかを分析しておくことで、入るべき企業が明確になってきます。
自己分析はインターンシップを経験したうえで行うとなおさら効果的になります。
実際に行われる仕事を見てどう思ったのか、仕事を体験して自分に合っているかどうかを見極めることができるのです。
もっとも、こうした自己分析をどうやって行えばよいか迷ってしまう方も少なくないでしょう。
そういった方のために、最近では自己分析を行うためのサイトやアプリが増えてきています。
複数の質問項目に答えることで結果が出たり、テストを受けることで適正検査ができたりするものがあるので、積極的に活用するようにしましょう。
将来のビジョンを考える
自己分析と合わせて行っておきたいのが将来の展望を立てることです。
かつては終身雇用が保証されていたので、一つの企業に入ってしまえば後は定年まで同じ企業に勤め続けるのが普通でした。
しかし、現在では雇用は不安定化しています。何よりトレンドになる業界はその都度移り変わっているので、社会人はそれに合わせて対応しなくてはならなくなっています。
せっかく苦労して入った会社なのに、不況にあおられて業績が悪くなってリストラされてしまった、ということは珍しくありません。
そういったことを防ぐためにも、就活生である内に将来のビジョンを持っておく必要はあるのです。
この企業でずっと働くのか、それとも転職を視野に入れつつ自分のスキルを高めるのか、といった計画をここで立てておきましょう。
業界研究・企業研究を進める
自己分析、将来のビジョンが固まったら次は企業の分析を行うべきです。
自分の志望する企業がどういった業務を行っているのか、どういう業績を上げているのか、といった分析は欠かせません。
また、単純に企業を分析するだけでなく業界の分析も行っておきましょう。
この業界は果たして将来性がある分野なのか、自分が志望すべき業界なのか、といったことを分析することによって展望が開けてきます。
その他、自分が企業に就職するとなったときに、どの職種を務めるのかといった分析も行っておくとよいでしょう。
事務職に就くのか、営業職に就くのか、といったことだけでも仕事の内容は大幅に違ってきます。
自分のやりたい仕事や自分にとってやりがいのある仕事を見つけるためにも、これら一連の分析は欠かせません。
企業選びの軸を決める
先ほどの企業分析は企業の側を分析する方法でしたが、就活生の側でも何を軸にして企業を選ぶかを決めておくのは大事なことです。
たとえば給与を重視するか、業務内容を重視するかを決めておけば、数ある企業の中から志望する企業を絞りやすくなります。
給与がよくとも自分にとってはやりがいを感じない仕事ならば志望しないでおこう、と決めることはできるでしょう。
もちろん将来的な起業を見据えたうえで、資金をためるために給与のよい仕事に就くという考えを抱くのも大事です。
企業の提示する条件に従うだけでなく、自分があらかじめ決めておいた条件に照らし合わせて企業を選ぶほうが有意義な就活を行えます。
自己PRや志望動機の内容を考える
実際に企業を志望する際にはエントリーシートを提出しなくてはいけません。
一方で、書くべき内容が決まっていなければエントリーシートの記載が滞ってしまいます。
ですのでエントリーシートを書く前にあらかじめ自己PRや志望動機で書くべきことを決めておきましょう。
自己PRで書くべきことは、先ほど述べた自己分析を行っておけば明確になります。
さまざまな診断結果を照らし合わせたうえで、自分はここが長所である、自分はこういった経験をしたことがある、ということを書くようにしましょう。
志望動機を考えるうえでは、企業分析が役に立ちます。その企業の業務内容を踏まえたうえで、こういった点に魅力を感じたから志望した、ということが書ければアピールになりやすいです。
企業にエントリーする
エントリーシートで書く内容が決まったら実際に企業にエントリーしましょう。
もっとも、この段階で行われるのはあくまでもエントリーです。
実際に説明会に参加することを約束するわけでもありませんし、エントリーしたからといって面接を行わなければいけない、ということもありません。
実際のところ、学生は複数の企業にエントリーしているのが普通です。
大体30社から40社エントリーするのが一般的で、多い人ならば100社エントリーしていることも珍しくありません。
気になる企業に片っ端からエントリーしても問題ないのです。
選考対策を実施
エントリーを行ったらエントリーシートを提出するよう企業に求められます。
あらかじめ書くべき内容を書いて提出、といきたいところですが、その前に一つやっておきたいことがあります。
それは選考対策を実施しておくことです。
就活生を選考するにあたって重視するポイントは企業ごとに違ってきます。
即戦力を重視する企業の場合やじっくりと育成をしたうえでスキルを身に付けてほしいと思う企業がいるのです。
そのため、企業に合わせて書く内容をアレンジしながらエントリーシートを書くようにしましょう。
エントリーシートを書き終えたら、筆記試験が行われます。これについてもやはり対策は欠かせません。
書店などに行けば筆記試験対策用のテキストが売っていますので、欠かさずにチェックしておきましょう。
筆記試験に合格したら、最終段階の面接に臨まなくてはいけません。
何よりも対策が必要になってくるのはここでしょう。言葉遣い、立ち振る舞い、服装など、さまざまなポイントをチェックされたうえで面接は行われます。
ここを乗り越えられなければ内定は勝ち取れないので、気を引き締めて臨むようにしましょう。
内定
面接を終えた後になると企業から通知がやってきます。そこで内定の通知が出れば見事合格となるのです。
もっとも、内定と一口にいっても種類はさまざまです。最近では内定と区別して、「内々定」と呼ばれる通知を出す企業も増えてきました。
内定が正式な通知である一方で、内々定はあくまでも非公式な通知です。
最近では就活生も複数の企業を受けることが多くなり、内定辞退を行うことが増えてきました。企業もそれに対応する形で、こうした内々定を行うようになっているのです。
そのため、通知書に書いてある内容はしっかりとチェックするようにしましょう。
【大学3年生】内定獲得までにやるべきこと
ゆとりをもって就活を始めるためにも、大学3年生になったら準備を始めましょう。
ただ何をすればいいのか事前に把握していなければ、有効に時間を使えません。
そこで大学3年生でやるべきことについて、くわしくご紹介します。
- 自己分析
- 業界研究・企業研究
- インターンに参加
- 自分磨き
- 面接でよく聞かれる質問の答えを用意する
- OB・OG訪問
- テスト対策
自己分析
大学3年生でやるべきこととして自己分析が挙げられます。
これから就活が始まっていくにあたって、最も重要なプロセスである自己分析は可能な限り早く始められると良いでしょう。
自己分析を行うことで自分がどのような業界に向いているのかはもちろん、自分の弱みや強みについて把握することもできます。
就活はあなたのことを全く知らない人に対してあなたの魅力や、採用したらどのように活躍してくれるのかといったことを考えてもらうことが非常に重要です。
よって、自分のことをさらに深く客観的に分析しておくことは非常に重要であると言えるのです。
いろんなことに挑戦する
自己分析をするなら、まずはバイトやボランティア、サークルなど、考えつく限り、いろいろなことにチャレンジしてみましょう。
挑戦を続けるうちに、「飲食業は向いていないかも」や「ボランティアで子どもたちと触れあうのが楽しかった」などの適正も見つかります。
いろいろなことにチャレンジした人は、違う環境でも柔軟に対応できる人としてうつり、面接官の印象もよくなるでしょう。
1つのことに集中する学生もメリットはあるのですが、どうしても融通のきかない人と取られ、面接ではよい印象を与えられません。
その点、いろいろなことにチャレンジする人は、失敗や挫折の経験も多いため、多角的な思考ができる人と認識されます。
また新しい仕事にも抵抗がないため、どんな職種にもなじめるのは大きなメリットでしょう。
どんなことをしているときが楽しいのか
自己分析を行うなら、過去にさかのぼって自分専用の年表を作ってみるのもおすすめです。
幼少期、小学校、中学校、高校、大学など、それぞれの時期で楽しいと感じた思い出を書き出してみましょう。
書いたものを見直せば、自分が影響された出来事、過去にやり残したことなども見つかります。
もし、昔にバイトの経験があれば、「接客のバイトは自分にあっていた気がする」などの記憶をもとに、将来就きたい仕事の目標も定まるでしょう。
将来の目標を決めるには、自己分析で過去の思い出を参考にするのも有効です。
どんなことに向いているのか
自己分析をするなら、自分がどんなことに向いているのかも振り返ってみましょう。
たとえば、過去に「自分では苦労していないのに人からほめられたことがあった」という経験があった方も多いでしょう。
また、自分にとっては簡単な作業なのに「なぜみんなはできないんだろう?」などの記憶がよみがえる可能性もあります。
簡単にできたことが向いた仕事とは限りません。
ただ、それは一種の特技であり、自分が少しでも関心をもった証拠です。
好きなことを仕事にできるとは限りませんが、興味をもたない仕事よりは長く続けられるでしょう。
譲れるところと譲れないところ
自己分析では、自分が好きなことを掘り下げることから始めてみましょう。
同時に、自身の譲れるところと譲れないところを見つけることも大切です。
たとえば早起きがどうしても苦手なら、朝早くに始まらない仕事を選ぶなど、選択肢を絞るのに使えます。
譲れないところを探すなら、住宅の物件になぞらえて考えるのも有効です。
物件を探すときには、「ここだけは!」という絶対条件と「ここはなくてもいい」との希望条件があるはずです。
譲れない条件を書き出していけば、応募したい求人も見つかるでしょう。
インターンに参加
大学3年生でぜひやっておきたいのが、インターンへの参加です。
短期・長期とありますが、自分のスタイルに応じて選べばいいので、どちらでも問題ありません。
もちろん両方にチャレンジするのも可能なので、実際に企業で働き、どんな世界が広がるのかを確認しましょう。
インターンでは同時に選考も始まるので、早めに参加するのがおすすめです。
早めに参加を決めないと、サマーインターンを見逃してしまうなどの失敗もあります。
インターンを重視するかは企業によっても差はありますが、参加自体が採用につながる企業もあるので軽く考えないことも大切です。
自分磨きをする
インターンを経験し、行きたい企業が見つかれば、次にやることは自分磨きです。
自分磨きの方法には、たとえば、英語の資格を取る、ExcelやPowerPointなどの使い方をマスターするなどがあります。
ただ業界や企業によって必要な資格は違うので、間違って限られた時間を無駄にしないように気をつけてください。
また、自分磨きにはビジネススキルを身につけることも含まれます。
たとえばPDCAを回せるようにする、目標を設定できるようにする、論理的な考えができるようにするなどがあります。
もしスキルを身につけたいなら、いろいろなことにチャレンジするのが早道です。
ぜひ、自分を磨き、企業が自分を採用したいと思ってもらえるように資格を取るなどして差別化をはかりましょう。
ビジネスマナー
就活で必須となるビジネスマナーを身につけておきましょう。
面接のやり取りはもちろん、ビジネスメールや手書きの手紙など、ビジネスマナーが問われる局面は就活で一気に増えます。
さらに、ビジネスマナーは一朝一夕では身につきません。
実際に敬語やビジネスマナーを使うことの多い場である、インターンやOB訪問を活用する、または大学の日々の授業を通して身につけることも大切です。
ビジネスマナーの本で知識を身につけるだけでは不十分なので、年配の方と話す機会を積極的に増やしましょう。
面接でよく聞かれる質問の答えを用意する
就活では、面接対策も重要です。
そのため事前にWebなどでよく聞かれる質問を探し、自己分析も同時に行い、自分なりの回答を用意しておきましょう。
面接でよく聞かれる質問には、たとえば以下のようなことがあります。
- 学生時代に頑張ったこと(ガクチカ)
- 志望動機・壁にぶちあたった経験
- 長所や短所
- 入社後にやりたいと思っていること
ガクチカを聞く理由は、自身が何に対して情熱をもっているのかを探り、自社の求める人物像と照らし合わせるためです。
また壁にぶちあたった経験を聞く理由は、仕事でミスがあったときに乗り越えられるかを確認しているからです。
特に志望動機は必ず聞かれる質問でもあり、多くの例がWeb上にあがっているので、事前に回答などをリサーチし、自分の言葉に置き換えましょう。
OB・OG訪問
OB・OG訪問も大学3年生になったら就活が本格化する前に積極的に進めておきたいところです。
大学3年生のうちにOB・OG訪問を年明けに行う人が多いですが、明確な時期は決まっていないので、大学3年どころかもっと早い段階から始めてしまっても良いでしょう。
詳しく知りたい企業があれば、積極的にOBやOGの訪問をして、情報収集をすることが重要です。
必要だと感じた場合はすぐに行動することが大切になってきます。
特に大学3年生まで熱心に勉強をしていた学生はゼミが始まるまで単位をある程度取っており、時間的に余裕があることが多いので、早い段階から対策をすることができます。
特に、周りが対策をしていない段階からスタートすることで精神的な余裕もできるので、OBやOGの連絡先を知っている場合は早い段階で交流をするようにしましょう。
OB・OG訪問については、こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。
WEBテスト対策
多くの企業ではWEBテストも課されるので、しっかりと早い段階から対策をしておくことでメンタルに余裕を持って取り組むことができるでしょう。
WEBテストは本選考で実施されることこそ多いものの、インターンシップの選考で実施されることもあります。
特にレベルの高い企業や倍率が高い企業の場合はインターンにおいてWEBテストを課してくる可能性が高いので、しっかりと対策していく必要があります。
特にサマーインターンを受ける人は5月から、秋冬インターンを受ける人は9月頃からWEBテスト対策を始めておくことで、心に余裕を持って進めることができるでしょう。
【大学3年生】就活で時期別のやるべきこと
就活市場では、大学3年生が就活でやるべきことを時期別に紹介しています。
時期ごとに解説した記事を読んでみてください。
大学3年生の4月
大学3年生の5月
大学3年生の6月
大学3年生の7月(夏休み)
大学3年生の8月
大学3年生の10月
大学3年生の11月(秋)
大学3年生の12月〜2月(冬)
大学3年生の3月
【大学3年生】就活には様々な経験が役立つ
大学3年生の後半から、就活が本格化しているので、その前にいろいろな経験をしておきましょう。
いろいろな経験をしておくことで、就活の選択肢が一気に広がります。
おすすめの体験として、以下があげられます。
- インターン
- 短期・長期留学
- サークル活動
- 語学習得
- 資格取得
- PCスキルを身につける
特にインターンは募集時期が限られているため、気がついたら募集が終わっていたということも少なくありません。
ビジネスマナーも学べる機会なので、興味のある業界や会社のインターンは、大学3年生になったらチェックを始めておきましょう。
【大学3年生】就活でやるべきことをおさえて効率的に進めよう!
大学3年生ではやるべきことも多くあり、時間を無駄にできません。
もし今までの生活のままでもいいのかなど、少しでも不安に感じたときには考えて行動するようにしましょう。
そのためにも、自己分析はしっかりと行い、自分を客観的な立場で見直すことも必要です。
ぜひ大学3年生でやるべきポイントを押さえ、就活で有利になるようにしてみてください。
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