はじめに
学歴フィルターについては、多くの大学生が聞いたことがあるのではないでしょうか。
この学歴フィルターを知らずに、就活に望むというのは自殺行為に等しいかもしれません。
また、学歴フィルターは、すべての企業に設定されているものではなく、使っている企業と使っていない企業の区別が重要になってきます。
さらに目に見えないものなので、ある程度は予測して行動するしかありません。
今回はそういった学歴フィルターについて紹介していきますので、ぜひ確認してみてください。
学歴フィルターとは
学歴フィルターについては、就活生は必ず把握しておきたいポイントでしょう。
学歴フィルターとは主に大学名などの学歴を基準に選考し、一定以上の基準に満たない大学の生徒などは大学名だけで足切りをするものです。
学歴フィルターを採用している企業は、大手企業や有名企業などといった学生から人気の高い企業であることが多いです。
そして、最も大きなポイントは、この学歴フィルターというのは、目に見えない存在というものになります。
選考基準に、この学校はダメ、この学校は良いなどとは書いておらず、内部の機密情報と言っても過言ではないでしょう。
そのため、学歴フィルターについては、就活生が事前に予測しなければならないものになります。
たとえば、学歴フィルターで落ちるとわかっているのに、試験を受けるのは、時間の無駄と言っても過言ではないでしょう。
学歴フィルターの基準
学歴フィルターとして基準になることが多いのが「MARCH」や「関関同立」と呼ばれる大学になっています。
これらの大学以上をスタートラインとして、学歴フィルターをかけている企業が非常に多いです。
そのため、これらの学校に通っているような人たちは、学歴フィルターで嫌な思いをすることもあるかもしれません。
上記にあげた大学の場合は、学歴フィルターを睨んで、緻密な就活をしなければなりませんので、なかなか面倒なものがあります。
逆に、明らかにレベルの低い大学の場合や、明らかにレベルの高い大学の場合は、それほど学歴フィルターを気にする必要はありません。
企業が学歴フィルターを設定する理由3選
ここでは、企業がなぜ就活生に対して学歴によってフィルターをかけるのか解説していきます。
学歴フィルターを使用する企業には事情があって、多くの人が参加するため効率的に選考しなければならないという部分もありますし、最低限の学力を求めている場合もあるのです。
さまざまな事情の結果、今日における学歴フィルターのようなものが設けられています。
もちろん、一人ひとりの学生を確認すれば、どこの学校にも東大生に負けないような学生がいるかもしれません。
しかし、すべての生徒を比べてみると、やはり学力の高い大学ほど優秀な生徒の全体数は多い傾向にあります。
①効率よく選別するため
学歴フィルターを設ける一つの理由に、多くの応募者の中から効率よく選別するためという理由があり、特に人気企業に見られます。
就活生が多くなればなるほど、それを効率的にさばけるような試験が必要になってきます。
しかし、一つ一つ確認している時間はありませんので、学歴フィルターを設けることによって、大雑把にふるい落としてしまうのです。
こうすることによって、ある程度の数に絞ることができ、そこからより集中して選考をすると言えるでしょう。
学歴の優秀な大学のほうが優秀な生徒は多いと言えるので、企業は学歴フィルターを設けることにより、効率的に人を選別することができるのです。
人気企業の具体例を紹介
人気が高い企業の中には、倍率が2000倍を超える明治のような企業も存在しますので、こういった応募者の多い人気企業が参加者全員を一人一人精査するというのは難しいです。
また、森永乳業や、ヤクルトやカゴメ、帝人といった企業も高倍率となっています。
ここで紹介した企業は、どれも100倍以上という高倍率を誇る企業ですので、このような企業は学歴フィルターを採用している可能性も高くなってくるのではないでしょうか。
②仕事内容が高度であるため
学歴フィルターを設ける理由として、その企業の仕事内容が非常に高度であることが挙げられます。
仕事内容が高度というのは、ハイレベルな知識が複数の分野に渡って求められる仕事などが挙げられます。
具体的には、総合商社、大手コンサルティング会社、投資系銀行などの職種が挙げられます。
企業はある程度の学力を要する仕事を任せるため、基礎学力や基礎能力という最低限の学力を満たした人材を集める必要があるのです。
一般的には、学力が高ければ高いほど、色々な仕事をすることができますので、そういった意味でもまっとうなフィルターと言えるのではないでしょうか。
そのため、高度な仕事を必要とするような仕事に応募しようとしている場合、より学歴フィルターを意識したほうが良いかもしれません。
仕事内容が高度な企業の具体例
先ほど挙げたように、仕事の内容が高度な企業として総合商社が挙げられます。
例えば、三菱商事や丸紅、三井物産などの企業では、非常にハイレベルな仕事を求められることで知られています。
そのため、これらの企業が学歴フィルターを設けていてもなんら不思議ではないでしょう。
また、大手コンサルティング会社も同様です。
アクセンチュアなどが該当しますが、激務かつ高度なレベルの仕事を求められるでしょう。
さらに、ゴールドマン・サックスなどに代表する投資銀行系の企業も学歴フィルターを求められることが多いです。
以上の企業の社員を確認してみると、低学歴の大学を出ているというケースはほぼありませんので、学歴フィルターがあるのが自然と考えるのが普通ではないでしょうか。
③採用するコストを下げたいから
学歴フィルターを用いることで、企業は面接をする学生の数を絞ることができ、採用にかかる時間も大幅にカットすることができます。
そうすれば人件費カットに繋がりますので、企業にとってメリットは大きいでしょう。
そのため、とても効率的な採用方法だと言えます。
企業側もビジネスでやっていますので、効率というのは非常に重要になります。
いくら採用が重要であっても、無尽蔵にお金を使うわけにはいかないのです。
コストカットを理由に学歴フィルターを設定する企業は、特に設立何十年以上の歴史のある老舗企業に多く見られます。
その企業の人事担当は、「学歴が高いと良い企業に入社できるような時代」に生きた人が多く、それ故に「学歴が高い人=優秀」という固定概念を持つ人が多いのです。
リクルーター制度を導入している企業にもみられる
リクルーター制度とは、主に就活生が親しみを感じやすい、入社1年目~5年目の若手社員がリクルーターとして就活生や応募者に接触し、採用活動を行う制度を刺します。
リクルーター制度を導入する企業の中でも、特に高学歴の就活生に対して、積極的にリクルーターをつけている企業は学歴を重視していると言えます。
学歴フィルターが発生する段階は?
残念ながら学歴フィルターというものが存在することがわかりましたが、目に見えないため、どの段階で発動するのかわかりにくいです。
ここでは、どの段階で学歴フィルターを用いた足切りが起きるのかを紹介していきます。
企業によって様々なタイミングを設けていますので、それを知っておくことで、学歴フィルターに気づくことができるかもしれません。
会社説明会の受付の段階でふるいをかける
学歴フィルターの発動の段階として有名なのが、会社説明会などです。
具体例を挙げると、企業説明会などにおいて、一定以上の偏差値の学校で登録すると空席が表示されるのに、それ以下の偏差値の大学で登録した場合には、満席に表示されるなどが挙げられます。
つまり、一定以上の基準を満たさない大学の場合、説明会の参加すら出来ないということです。
空席なのに満席と表示するのはどう考えてもおかしいため、学歴フィルターが設けられていることがわかるでしょう。
ただし、もっと選考が進んでから発動されるよりは、良心的と言えるかもしれません。
というのも、選考が進むと時間がかかってしまうため、将来のある就活生の可能性を奪ってしまうことになりかねないからです。
書類選考でふるいをかける
書類選考でふるいにかけるというのは、学歴フィルターの王道と言っても過言ではありません。
提出された書類で出身大学を確認し、機械的に振り分けたり、ほかの要素を合わせて点数化したりして学生を選り分けます。
出身大学で機械的に振り分けられる場合は、問答無用になってしまいますが、点数化する場合には、学歴以外の要素で合格できる可能性もあります。
自頭の良い優秀な生徒ならば学歴問わず確保したい、という企業もありますので、点数化する方式の場合、本来であれば学歴フィルターで足切りされてしまう学生にも可能性があると言えるのではないでしょうか。
学歴フィルターを乗り越えるためには?
学歴フィルターを乗り越えるための方法を学歴別に紹介していきます。
大学の学歴によって、学歴フィルターを乗り越えるための就活戦略は異なります。
それぞれの大学群別の就活戦略の解説記事も用意していますので、そちらもぜひ確認してみてください。
大東亜帝国
大東亜帝国は、よく学歴フィルターについて議論される大学になっています。
そのため、大東亜帝国に関する学歴フィルターについて、しっかりと確認しておきたいところでしょう。
専門の記事を用意しましたので、ぜひ確認してみてください。
日東駒専
日東駒専も学歴フィルターがかなり関係する大学群だと言えるでしょう。
学歴フィルターで悔しい思いをする生徒も非常に多い一方、逆に学歴フィルターを逆手にとって、大企業に就職したりするケースもあります。
こちらの日東駒専についても、専門の記事を用意していますので、ぜひ確認してみてください。
MARCH
MARCHも学歴フィルターが非常に関係してくるでしょう。
学歴フィルターの影響が強い大学群は、時にはあきらめるという選択肢も必要になってきますので、それを踏まえたうえで、確認してみると良いでしょう。
MARCHの専門の就職や学歴フィルターに関する専門の記事を用意していますので、ぜひ確認してみてください。
学歴フィルターに打ち勝つには
本来、学歴フィルターで足切りされてしまう学生が、学歴フィルターを用いる大手企業や有名企業へ就職することは出来ないのでしょうか。
実際には、大学の偏差値などの一定の基準を満たしていない学生が学歴フィルターを用いる企業に受かる場合もあります。
以下では、志望企業が学歴フィルターを用いている可能性が高いが、どうしても内定したい!という方向けに、準備しておくことや、就活のポイントを解説していきます。
実績や経験を積んでおく
学歴以外で企業に受かるには、大学生活である程度の実績を残しておく必要があります。
例えば、以下のものが挙げられます
・長期インターンに参加し、結果を残した経験がある
・長期留学の経験
・TOEICで高得点をとる(特に、TOEICで860点を取ればAレベルと判定される) etc...
以上の実績をアピールすることで、企業から即戦力と見なされたり、行動力などの人間性を評価してもらったりした結果、内定を貰えたということは考えられます。
ただし、現在大学3年生の方が、実績が何もないからと何か行動を起こすのは無謀と言えます。
実績をつくるにはある程度の時間を要するため、就活を頑張ることにシフトした方がよいでしょう。
就活を十分に行う
大学生活でこれと言った実績がない人、また実績はあるがもう一押ししたい人に向けて、就活のポイントを解説して行きます。
就活のポイントとしては主に5つありますので、是非それらを意識して就活を行って下さい。
①説明会に積極的に参加する
1つ目は、企業説明会に積極的に参加し、「御社に入社したい」という気持ちをアピールしましょう。
しかし、そもそも学歴フィルターで説明会に参加できない場合も考えられます。
その場合は諦めず、企業の採用窓口へ連絡し、直談判するのも良いでしょう。
学歴フィルターを突破し、内定獲得した人は普通の学生がやらないような方法で企業にアプローチしていたりします。
せっかく就活を行うのですから、後悔が残らないようチャレンジしましょう。
②OB・OG訪問を行う
2つ目は、自分の通う大学から、自分の志望する企業に就職したOB・OGを訪問することです。
OB・OG訪問では、エントリーシートの添削や自己分析の内容のチェック、また企業の行う面接についての相談などが出来ます。
アドバイスなどを参考に選考対策を進めることで、より内定が近づくでしょう。
また、OB・OG訪問の場所を会社とした場合に、早期選考の対象になれる可能性もあります。
③筆記試験対策を万全にする
3つ目のポイントは、SPIなどの筆記試験の対策を十分に行うことです。
筆記試験で高得点を取ることで、「この学生は自頭が悪くない」と思ってもらえる可能性があります。
学歴は考慮するものの、自頭の良い学生が欲しいと考える企業もあるため、筆記試験で高得点を取ることで、「自頭が良い」というポテンシャルをアピールすることが出来るのです。
④履歴書を仕上げる
4つ目のポイントは、履歴書のうち、志望動機や自己PR、ガクチカなどの自分をアピールする項目を完璧に仕上げることです。
特に人気企業となると、大量の履歴書すべてに目を通すというのは大変な作業ですから、行わないということもあります。
そのため、履歴書を最後まで読んでもらえるような工夫が必要となります。
ありきたりなことを述べるのではなく、自分らしさが滲み出るような魅力ある内容に仕上げることがポイントと言えます。
⑤面接対策を十分に行う
5つ目のポイントは、面接対策を十分に行い、場慣れすることです。
面接では自信を持って質問に答える必要があります。
面接は高校受験やバイトの応募以来である、または人生で1度も面接をしたことがない、という人もいるでしょう。
面接の練習を重ね、場慣れしておくことで、当日に場の空気に圧倒されず、自信を持って答えられるのです。
また、他の人に面接練習を頼むことで、志望動機や自己PRの添削やアドバイスを行ってもらえるでしょう。
面接練習の相手には友人やOB・OGをはじめ、現在は就活エージェントなどを活用することも主流となってきています。
就活エージェントは就活のプロですので、面接をはじめとする就活に関する様々なアドバイスを貰えるでしょう。
学歴フィルターがない企業の特徴3選
学歴フィルターは就活生の可能性を阻む、ネガティブなものと捉えられがちです。
しかし、学歴フィルターを用いる企業を見限り、自分に適した企業に絞った方が内定する可能性も高まる点で、効率的とも捉えられます。
以下では、学歴フィルターがない企業の特徴を紹介していきます。
是非、自分に適した企業を絞るための指標としてみてください。
①スカウトサイトを利用している
スカウトサイトとは、企業から就活生に対してアプローチする就活サイトを指します。
例えば、就活生がスカウトサイトに登録し、自分のプロフィールや自己PRなどを入力することで、企業からオファーがきます。
スカウトサイトを利用する企業の傾向として、就活生の人柄や経歴などを総合的に評価し、合否を決めるケースが多いことが挙げられます。
そのため、学歴のみを重視するということが考えにくく、学歴フィルターは無い可能性が高いです。
②中途採用ページに学歴の項目がない
自分の志望する、または興味のある企業のホームページを見てみましょう。
その際、中途採用ページの学歴の項目の有無を確認しましょう。
学歴の項目が無い場合、新卒で採用試験を受けても学歴がそこまで重視されない可能性が高く、特に学歴以外に実績がある方の場合は、採用の可能性も高いでしょう。
③中小企業やベンチャー企業に絞る
学歴フィルターを避けるには、中小企業やベンチャー企業に候補を絞っても良いでしょう。
中小企業については、たとえ業績も良く安定した企業であっても、その地域に住む就活生にしか知られていないことが多いのです。
つまり、別の地域に住む就活生のエントリーが少ないため、選考時に学生を絞る必要がなく、結果的に学歴フィルターがないという場合も多いのです。
また、ベンチャー企業については、学歴でなく、志望理由や入社後のビジョンなど、人柄を重視する傾向が見られます。
特に面接では人生についての深堀りされることが多く、志望する場合には将来のビジョンを固めておく必要があるでしょう。
まとめ
学歴フィルターについてずいぶん詳しくなったのではないでしょうか。
学歴フィルターに嘆く学生は多いです。
特に学歴フィルターが関係してくる大学群に通っている学生などは特にそうでしょう。
しかし、学歴フィルターを気にしてばかりいても、何も始まらないと言えるでしょう。
学歴フィルターを採用しているところと、していないところがありますので、学歴フィルターも万能ではないのです。
そういった隙間をうまくぬって、就活を成功させることも重要になってくるでしょう。
しかし、知らないということは、大きな損失になってしまいますので、まずは学歴フィルターを中心に、企業研究を進めてみると良いでしょう。